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久保 真治
Engineering, 16, p.16 - 20, 2022/09
被引用回数:16 パーセンタイル:98.04(Engineering, Multidisciplinary)現在、地上に偏在し、しかも、有限な一次エネルギーである化石資源は、産業(工場等)・運輸(自動車等)・エネルギー転換(発電等)分野と広く使用されている。化石資源の大量消費の持続可能性は低いと言わざるを得ない。化石資源を代替できる一次エネルギーには再生可能エネルギーおよび原子力エネルギーがある。これら一次エネルギーを、産業で活用できる形態である二次エネルギーの水素へと変換する重要性が高まっている。原子力は化石資源を使用することなく安定的な電力供給が可能で、さらに再生可能エネルギーの出力変動のフォローおよび、化学製品の原料、還元剤、燃料などと多用途に利用できる水素の製造も可能である。本稿では、一次エネルギーである原子力を用いた水素製造の役割に関し、水素製造に必要な熱源温度・エネルギー量・エネルギーの種別(熱/電気)およびエネルギー変換の基礎について解説した。
下茂 道人*; 丹羽 正和; 宮川 和也; 天野 健治; 戸野倉 賢一*; 徳永 朋祥*
深田地質研究所年報, (22), p.119 - 137, 2021/00
深田地質研究所と東京大学,原子力機構は、共同研究として、地下深部で生成したガス(地下ガス)が断層を通じて地表へ放出されることに着目し、キャビティーリングダウン分光法を用いた可搬型分析装置による大気環境中のメタンや二酸化炭素濃度の時空間変化を迅速に捉えることで、断層の地表分布の調査手法の開発に取り組んでいる。幌延町が位置する天北盆地周辺は、褶曲構造が発達しており、褶曲軸とほぼ平行に大曲断層が同町を南北に縦断している。大曲断層周辺では、地表に油・ガス徴が確認されており、地下から油・ガスが地表に到達する移行経路が存在している可能性が考えられる。本稿では、徒歩測定による大気中メタン濃度測定結果を報告するとともに、ガス滲出箇所の分布や地質構造から想定される大曲断層周辺の地下流体の移行経路について述べる。
太田 雅和; 田中 拓*
Journal of Environmental Radioactivity, 201, p.5 - 18, 2019/05
被引用回数:4 パーセンタイル:13.24(Environmental Sciences)放射性廃棄物地下処分施設から漏洩するCH
は、土壌中で微生物による酸化を受けて
CO
となる。既存の
C移行モデルでは、土壌中
CO
の植生への移行が主に葉面吸収によって起こることが仮定されている。一方、
CO
の経根吸収の影響は把握されていない。本研究は、
CO
の経根吸収が植生への
C移行に及ぼす影響を評価するため、土壌中の
CH
の輸送と酸化をモデル化し、これを陸面
CO
移行モデル(SOLVEG-II)に組み込んだ。モデルによる土壌中
CH
移行の計算性能は、深部土壌への
CH
注入の野外実験データを用いて検証した。次に、モデルを地下水面(深度1m)からの
CH
の連続放出時の陸面
C移行に適用した。土壌中で根が浅く分布(深度11cm)する状況では、植生への
C移行では
CO
の葉面吸収の影響が支配的となり、葉への
C蓄積の80%に寄与した。一方、根が地下水面近くまで分布(深度97cm)する状況では、葉への
C蓄積の半分以上(63%)が経根吸収によってもたらされた。更に、メタン酸化が土壌深部(深度20cmあるいは80cmまで分布)で起きた場合には、葉に蓄積した
Cの全量が経根吸収によってもたらされた。これらの結果から、根が地下水面近くまで分布し、
CH
の酸化が土壌深部で起きる場合は、
CO
の経根吸収が植生への
C移行において支配的となることが明らかとなった。
玉村 修司*; 宮川 和也; 荒巻 憲隆*; 五十嵐 敏文*; 金子 勝比古*
Groundwater, 56(1), p.118 - 130, 2018/01
地下の環境を調査する上で、二酸化炭素やメタン, 水素, ヘリウムなどの溶存ガス量を精確に把握することが重要である。幌延のような溶存ガスに飽和している環境では、掘削に伴う圧力の低下により溶存ガスの脱ガスが生じるため、掘削前の原位置の情報を得ることはとても困難である。このことは、地上からのボーリング孔を利用した調査でも避けることができず、また地下施設を利用した場合においても同じである。そこで本研究では、脱ガスした試料の溶存ガス分析結果と、脱ガス前の圧力情報を用いた定量的な解析手法を開発した。本研究では、各ガス種の物理的溶解に対してはヘンリーの法則を考慮し、二酸化炭素に対しては化学的溶解についても考慮することで、脱ガスによる溶存ガス濃度の変化を精度よく計算することが可能になった。このことにより、これまで得ることが困難であった掘削前の原位置の情報をより正確に推定することが可能になった。本結果は、ヘリウムガスを用いた地下水年代測定法や、地下水流動解析における飽和・不飽和の判定などに適用することができ、その波及効果は大きい。
名合 牧人*; 本島 貴之*; 宮川 和也; 蟹江 俊仁*; 佐ノ木 哲*
Proceedings of ITA-AITES World Tunnel Congress 2017 (WTC 2017) (USB Flash Drive), 10 Pages, 2017/06
トンネルや地下空洞などの地下構造物を建設する際には、地盤から自然由来のメタンガスが発生し、爆発事故や酸欠事故などの災害が発生する場合がある。このため、安全・法令の両面からメタン等の可燃性ガスを計測管理することは重要である。しかし、従来の固定センサ等による計測では、ガス噴出箇所の面的・立体的分布の把握は難しいという問題があった。そのため、本研究では、レーザー距離計とレーザーメタンセンサを組み合わせ、空間内のメタン濃度分布と空間形状を同時に計測するシステムを開発した。計測したメタン濃度分布を可視化することで、メタンの噴出箇所を特定することができる。開発したシステムを用いて幌延深地層研究センターの地下350m調査坑道においてメタン濃度を計測した結果、従来の固定式センサでは見落とされていた比較的高濃度(数百ppm)のメタン濃度分布が明らかになった。このメタン濃度分布は、主要な断層分布と一致していることから、本研究で開発したシステムの有効性が確認できた。
上野 有美; 中川 雅博; 佐藤 淳也; 岩井 保則
保健物理, 51(1), p.7 - 11, 2016/03
日本原子力研究開発機構原子力科学研究所では、放射性気体廃棄物中の炭素14(C)を
CO
へ酸化し捕集するため、酸化銅(CuO)触媒を600
Cに加熱して使用している。我々は、酸化触媒の加熱温度を低下させ、より安全な
Cモニタリング手法を確立することを目的として、二酸化ケイ素(SiO
)の表面に疎水化処理を施した疎水性パラジウム二酸化ケイ素(Pd/SiO
)触媒を新たに開発した。その酸化性能についてCuO触媒,白金アルミナ(Pt/Al
O
)触媒,パラジウム二酸化ジルコニウム(Pd/ZrO
)触媒および親水性Pd/SiO
触媒と比較を行った。その結果、疎水性Pd/SiO
触媒の酸化性能が最も優れていることが確認できた。現在使用しているCuO触媒を疎水性Pd/SiO
触媒に変更することで、管理区域内で使用する加熱炉の温度を600
Cから300
Cへ低下させることができ、モニタリングの安全性を向上させることが可能となる。
星川 晃範; 井川 直樹; 山内 宏樹; 石井 慶信
Journal of Physics and Chemistry of Solids, 66(10), p.1810 - 1814, 2005/10
被引用回数:5 パーセンタイル:25.21(Chemistry, Multidisciplinary)メタンハイドレートのStructure Iと呼ばれる構造では、水分子が水素結合により12面体と14面体の二種類のカゴを作り、これらのカゴを積み重ねた結晶構造をしている。しかし、カゴに内包されたメタン分子中の水素の原子座標などは特定されていない。そこで、内包されたメタンの構造を明らかにするため、原研のJRR-3に設置してあるHRPDを用いて回折パターンを測定し、Rietveld法とマキシマムエントロピー法による精密構造解析を行った。水素と重水素では中性子散乱長の符号が異なることから、重水とメタン(CH)でメタンハイドレート試料を合成し、カゴ中の重水素とメタンの水素を区別した。カゴの種類によりメタンの構造に違いがあり、さらに中性子散乱長密度分布がカゴの種類により違うことが明らかになった。
星川 晃範; 井川 直樹; 山内 宏樹; 石井 慶信; Stern, L. A.*
Proceedings of 5th International Conference on Gas Hydrates (ICGH-5), Volume 5, p.1619 - 1626, 2005/06
メタンハイドレートのStructure Iと呼ばれる構造では、水分子が水素結合により12面体と14面体の二種類のカゴを作り、これらのカゴを積み重ねた結晶構造をしている。しかし、カゴに内包されたメタン分子中の水素の原子座標などは特定されていない。そこで、内包されたメタンの構造を明らかにするため、原研のJRR-3に設置してあるHRPDを用いて回折パターンを測定し、Rietveld法とマキシマムエントロピー法による精密構造解析を行った。水素と重水素では中性子散乱長の符号が異なることから、重水とメタン(CH)でメタンハイドレート試料を合成し、カゴ中の重水素とメタンの水素を区別した。カゴの種類によりメタンの構造に違いがあり、さらにデバイワラー因子の温度依存性及び中性子散乱長密度分布がカゴの種類により違うことが明らかになった。
井川 直樹; 石井 慶信; 星川 晃範; 山内 宏樹; 下山 智隆
JAERI-Tech 2004-067, 23 Pages, 2004/11
従来よりも微細な氷を用いることでメタンハイドレートを合成した。中性子回折実験及びメタンハイドレート分解実験によるメタンガス放出量の測定の結果、合成したメタンハイドレートが、実験精度以内で、不純物や未反応の氷を含まない高品質なものであることがわかった。なお、メタンハイドレートの中性子回折データを用いてRietveld解析を行い、さらにMEM解析を行った結果、メタンハイドレート中の各構成原子の散乱長に基づく各原子位置の密度分布を可視することができた。
石山 新太郎
日本原子力学会和文論文誌, 2(1), p.14 - 23, 2003/01
高温ガス炉を利用した先進的核熱変換プロセスとして、固体燃料電池(SOFC)を利用したメタンの部分酸化反応による電力水素併産システムに関する概念検討を行った。その結果、下記結論が得られた。(1)電力水素併産システムでは、発熱反応であるメタンの部分酸化反応系にエンタルピー変化と等量の核熱を投入することにより、電力,膨脹仕事エネルギー及び合成ガスを同時に併産できるシステムである。(2)その際、核熱投入量の熱電変換効率を電力/(核熱+反応エンタルピー)で定義した場合、理論的には100%となる。さらに、メタン燃料を合成ガスに転換した場合の熱エネルギー変化は反応エンタルピー分であり、極めてわずかのエネルギー変化でのエネルギー変換が可能である。(3)電力水素併産システムでは、1273K級の高温場における高性能固体電解質が必要であり、そのため本研究ではCe
(Sm
M
)
O
について3b族(M=Mg
,Al
,In
,Ga
)を中心としたSmサイトへのメタルカチオンの置換による組成最適化を行った結果、Ce
Sm
In
O
の最適組成を決定した。(4)1273Kにおいて本固体電解質による電力水素併産試験を実施した結果、自由エネルギー変化
Gの約74%を電気変換することに成功すると同時に、その際のメタン転換率として約90%を達成した。以上の結果から、核熱を電力にすべて変換できる究極的なエネルギー変換システムがあり得ることが結論された。
石山 新太郎
日本原子力学会誌, 44(12), p.879 - 881, 2002/12
原研入所から現在に至るまでの著者の研究の紹介を行った。主に、ガスタービンシステムに関する研究と電力水素併産システムに関する研究が主な内容である。(1)ガスタービンシステムに関する研究では、主に再生熱交換器の開発経緯について、主にその苦労話を中心に紹介した。(2)電力水素併産システムに関しては、その原理をわかりやすく紹介するとともに、最近のナノ薄膜合成の成功について紹介を行った。
白井 稔三; 多幡 達夫*; 俵 博之*; 市川 行和*
Atomic Data and Nuclear Data Tables, 80(2), p.147 - 204, 2002/03
被引用回数:75 パーセンタイル:93.58(Physics, Atomic, Molecular & Chemical)利用できる文献データに基づき、電子と炭化水素分子との衝突による138種類の反応過程に対する断面積を評価した。文献データは2000年9月までのものを調査した。測定に対する簡単なコメントを与え、各素過程の推奨データセットを図示すると共にそれらに解析関数による当てはめも行った。
小川 益郎
エネルギー, 34(5), p.81 - 87, 2001/05
本解説では、水素の利用法、例えば燃料電池自動車用燃料としての利用及びその需要量、工業化されているメタン水蒸気改質法などの製造法などに関して、まず概説する。そして、天然には存在しない水素を作るエネルギー源として、自然エネルギーに比べエネルギー密度の高い高温ガス炉から得られる核熱を利用するために、現在原研で行っている研究開発について説明する。特に、高温ガス炉の特徴,二酸化炭素低減効果,水からの水素を作る熱化法ISプロセス,水素製造の経済性,今後の研究開発計画について述べる。
大橋 弘史; 榊 明裕; 稲垣 嘉之
JAERI-Research 2000-058, 64 Pages, 2001/01
天然ガスの二酸化炭素改質反応(CO改質反応)は、液体燃料合成プロセスやメタノール合成の原料に適した合成ガス(一酸化炭素と水素)製造プロセス、温室効果ガスである二酸化炭素をエネルギーとして価値のある物質に変換する環境負荷低減技術等として注目されている。原研においても、水蒸気改質反応の応用技術として、HTTR水素製造システムを1/30スケールで模擬した炉外技術開発試験装置を用いた試験の実施を検討している。そこで、本研究では、CO
改質反応及び二酸化炭素と水蒸気を同時に供給しCO
改質反応と水蒸気改質反応を組み合わせた場合について、数値解析による改質器性能解析を行い、圧力、温度、原料ガス組成、触媒活性の転化率、生成ガス組成、Heガス熱消費量等に対する影響及び触媒失活、触媒管閉塞の原因となる炭素析出の可能性を明らかにした。
Porntepkasemsan, B.*; 安藤 麻里子; 天野 光
JAERI-Data/Code 2000-032, 43 Pages, 2000/11
本報告書は、環境条件の異なる東海村内数地点において、大気中CH,CO
,N
Oの炭素,酸素,窒素安定同位体比を測定した結果及び考察をまとめたものである。
CH
,
CO
,
N
Oの季節変動は、東海村の4か所のサンプリング地点とコントロールサイト1地点で調べられた。これらの測定により得られたデータは、上記3つの大気中微量ガスの環境中挙動研究に役立てることができる。安定同位体比の測定は、安定同位体比質量分析装置を用いて行われた。1999年の稲栽培時期に水田において測定したこれらのガスの安定同位対比は、明瞭な季節変動を示し、施肥や湛水、排水、収穫等の作業と関連している。より進んだ研究のためには、稲の有機物中炭素の
Cの測定が必要である。
天野 光; Porntepkasemsan, B.; 安藤 麻里子; 櫛田 浩平
KURRI-KR-53, p.6 - 9, 2000/09
陸域環境における放射性物質等の環境負荷物質の挙動解明に関して、安定同位体を用いる手法は有効であると考えられる。原研環境科学研究部陸域環境研究グループでは、安定同位体を放射性物質や地球環境ガス、種々の環境負荷物質の環境挙動解析のために用いるため、いくつかの前処理装置を含めた軽元素安定同位体比測定装置を整備した。本報告では、それらの概要について述べるとともに、実際の測定例として、大気中のCH,CO
,N
Oの炭素、窒素等の安定同位体比につき、水田で測定した大気中のCH
の測定結果を報告する。
嶺 達也*; 三原 守弘; 大井 貴夫
JNC TN8430 2000-010, 27 Pages, 2000/07
放射性廃棄物を地層処分する場合、地下水、緩衝材、放射性廃棄物などに含まれる多種多様の有機物が、地下深部に存在する微生物及び処分施設建設時に地表付近から処分施設に持ち込まれる微生物の炭素源となることが考えられる。微生物が有機物を炭素源として利用した場合、二酸化炭素などのガスを発生させる。このガス発生は、地層処分システムの安全性に影響を与える一つの要因と考えられる。本研究では、ガス発生の観点から、メタン生成細菌の活動に着目し、微生物の活動にともなうガス発生に対する有機物の違いによる影響を調査するため、地下水に比較的多く含まれるフミン酸、ベントナイトに含まれる酢酸などの有機物を対象に微生物の有機物分解にともなって発生するメタン及び二酸化炭素の量を測定することとした。試験は嫌気条件で実施し、培養温度は35とした。有機物濃度は培養液に対して100mg/lとなるように調製した。また、pHがガス発生量に与える影響を調査するため、pHをパラメータとすることとした。その結果、フミン酸はメタン生成細菌の炭素源になりにくいこと、また、酢酸などを使用した試験結果から、pHが高くなれば、メタン生成細菌の活動にともなって発生するメタンの量が減少することが示された。なお、二酸化炭素の発生量がpHの上昇にともなって減少することは確認できなかった。
文沢 元雄; 緒方 寛*; 山田 誠也*
エネルギー・資源, 20(1), p.87 - 92, 1999/01
本検討は、核熱利用システム構築の一環として、大気中に放出される二酸化炭素(CO)の低減と化石燃料の有効利用を目指して行った研究である。すなわち、CO
原単位を改善するシステムについて検討した。CO
発生量低減化の評価指標として、CO
原単位比を用い、改質原料・製品を組み合わせた10種類のシステムを検討した。その結果、核熱を用いて石炭をメタンやメタノールに改質するシステムが他のシステムに比べて、CO
放出量低減に効果的であることがわかった。
宮本 喜晟; 塩沢 周策; 小川 益郎; 秋野 詔夫; 清水 三郎; 羽田 一彦; 稲垣 嘉之; 小貫 薫; 武田 哲明; 西原 哲夫
IAEA-TECDOC-1056, p.191 - 200, 1998/11
日本原子力研究所では、高温工学試験研究炉(HTTR)を用いて核熱利用系の実証試験計画を進めている。HTTRに接続する最初の熱利用系は10MWの熱によるメタンガスの水蒸気改質システムを選定している。このシステムに用いる水蒸気改質器の性能を向上させるため、バイオネット型触媒管及びヘリウムガスと触媒管表面の伝達促進構造を採用している。熱利用系をHTTRに接続する前に必要な安全審査等のため、炉外技術開発試験を行う。この試験は、電気ヒータでヘリウムガスを加熱するHTTR熱利用系の1/30規模の試験装置を用いて実機の制御性、運転特性等を把握する。試験装置の製作は今年から着手されており、2001年から試験を実施する。一方、熱利用系の基盤研究として熱化学法ISプロセスによる水からの水素製造研究を進め、実験的に水素の発生を確認した。
*
PNC TJ1150 98-004, 64 Pages, 1998/03
耐アルカリ性メタン生成細菌の高pHに対する耐性調査の結果、純粋菌であるDSM3457及び消化汚泥の双方において、pHが上昇するにつれて活性が低下したが、pH11においても活性が観測された。これにより、高アルカリ条件でも微生物の生育の可能性があることが分かった。また、脱窒細菌は、pH7程度の場合、処分場のようなEhの低い条件において、活性が抑制されないことが分かった。微生物のベントナイト中移行挙動評価の結果、圧密密度1.2g/cm3及び1.8g/cm3共にケイ砂を50wt.%混合した条件が、微生物透過の境界条件になる可能性があることが分かった。硫酸塩還元細菌とPuとの相互作用を調査する試験の結果、強い還元性環境(Eh=-500mV)における硫酸塩還元細菌に対するPuの分配係数(Kd)は、Eh=-85mVの条件と異なり、微生物の滅菌、非滅菌処理の挙動に影響をほとんど受けないことが分かった。しかし、分配係数は、Eh=-85mVの条件と同程度の値を示した。