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深澤 哲生*; 鈴木 晶大*; 遠藤 洋一*; 稲垣 八穂広*; 有馬 立身*; 室屋 裕佐*; 遠藤 慶太*; 渡邉 大輔*; 松村 達郎; 石井 克典; et al.
Journal of Nuclear Science and Technology, 61(3), p.307 - 317, 2024/03
被引用回数:2 パーセンタイル:40.17(Nuclear Science & Technology)将来実用化されるMA分離変換技術を現在のHLLWに適用するため、柔軟な廃棄物管理システム(FWM)の開発を進めている。このFWMシステムは、MA分離変換技術が実現するまでの間、高レベル廃棄物(HLW)を顆粒体として貯蔵するシステムである。模擬HLLWからのロータリーキルンによる顆粒体製造と、現在のHLW貯蔵施設でのHLW顆粒体の一時貯蔵(約50年)のための基礎実験と予備的熱分析により、その主要プロセスの実現可能性をそれぞれ基本的に確認した。顆粒体製造実験では、ロータリーキルンによって比較的大きな粒子を製造できることが明らかになった。熱分析の結果、小さい直径のキャニスターを用いて、HLWよりも高い貯蔵密度で安全に貯蔵できることが示された。また、潜在的な放射性毒性及び処分場面積についてFWMシステムの有効性を評価し、FWMはこれらの要因を低減することができ、現行の再処理工場で発生するHLWの処分において大きなメリットがあることが示された。日本では軽水炉の燃料が長期間保管され、再処理工場の運転開始が間近とされているため、FWMシステムは高レベル放射性廃棄物処分の環境負荷低減に有効なシステムと考えられる。
前川 藤夫
量子ビーム科学の基礎と応用; NSAコメンタリーシリーズ, No.27, p.15 - 25, 2023/03
量子ビームの産業応用の中でも特に我々人類にとって有益と考えられる核変換技術について解説する。
原子力基礎工学研究センター; 燃料サイクル設計室; プルトニウム燃料技術開発センター; プラント技術イノベーション推進室; 高速炉サイクル研究開発センター; J-PARCセンター
JAEA-Review 2022-052, 342 Pages, 2023/02
本報告書は、日本原子力研究開発機構が実施してきた分離変換技術に関する研究開発の現状について、特に第3期中長期計画期間(2015
2021年度)における研究開発成果を中心としてまとめたものである。分離技術に関しては溶媒抽出法と抽出クロマト法の研究開発を述べ、マイナーアクチノイド含有燃料技術に関して簡素化ペレット法を用いた酸化物燃料製造と、外部ゲル化法を用いた窒化物燃料製造および窒化物燃料の乾式再処理に関する研究開発成果をまとめた。核変換技術に関しては、高速炉と加速器駆動システムを用いた核変換技術に係る研究開発をまとめた。最後に今後の研究開発に必要な施設整備に言及した。
佐々 敏信
加速器, 18(4), p.233 - 240, 2022/01
鉛ビスマス共晶合金(LBE)は、長寿命放射性廃棄物の放射性毒性を低減する加速器駆動核変換システム(ADS)の核破砕ターゲットとして有望な選択肢である。LBEは重金属であり、核変換システムの核破砕ターゲットや冷却材として良好な性質を持つ。しかしながら、LBEは構造材の腐食性が高いことでも知られている。この論文では、腐食を抑制するための酸素濃度制御技術や高温での運転などのLBE利用における課題解決のための最新の技術開発をADSターゲットの概要とともに解説する。
深澤 優人*; 金子 政志; 中島 覚*
Journal of Radioanalytical and Nuclear Chemistry, 329(1), p.77 - 84, 2021/07
被引用回数:1 パーセンタイル:9.12(Chemistry, Analytical)マイナーアクチノイドと希土類元素の分離メカニズム解明の一環として、クラウンエーテル型配位子のAm/Eu選択性について密度汎関数計算を用いて研究を行った。まず、異なるリングサイズを持つクラウンエーテル, 12C4, 15C5, 18C6とEuとの錯生成反応を比較した結果、18C6が最も安定に錯体を生成することが分かった。18C6によるAm/Eu選択性を見積った結果、Amに対する選択性が示され、溶媒抽出を用いた既報の研究結果と一致した。18C6の酸素ドナーを窒素及び硫黄ドナーに置換した配位子を用いて、Am/Eu選択性を予測した結果、18C6よりも高いAm選択性を示すことが期待された。化学結合解析の結果、Am-O結合と比較してAm-N及びAm-S結合の強い原子軌道間の相互作用が観測され、その高い共有結合性がクラウンエーテル型配位子によるAm/Eu選択性の起源であることが示唆された。
佐々 敏信; 斎藤 滋; 大林 寛生; 有吉 玄
JPS Conference Proceedings (Internet), 33, p.011051_1 - 011051_6, 2021/03
マイナーアクチノイド核変換のための加速器駆動システム(ADS)実現のため、JAEAはJ-PARCに陽子ビーム照射施設の建設を提案している。施設は鉛ビスマス液体合金(LBE)を安全に利用するための技術課題の解決のために計画されている。LBE冷却ADSの運転温度域を包含する陽子・中性子ビーム照射が可能な施設として250kWのLBE核破砕ターゲットを設置する。施設建設に不可欠な酸素濃度制御技術や遠隔操作によるターゲット保守技術、核破砕ターゲット設計などの研究開発が行われており、ターゲットモックアップや材料腐食試験のための大型LBE試験ループが整備されている。最新の250kW鉛ビスマス核破砕ターゲットの開発状況を報告する。
森田 泰治; 西原 健司; 津幡 靖宏
JAEA-Data/Code 2018-017, 32 Pages, 2019/02
分離変換技術の適用対象であるアクチノイド元素の回収率目標値を設定するためのデータを整備することを目的とし、経口摂取した場合の被ばく線量として与えられる潜在的放射性毒性を元素ごとに評価し、経時変化及び各元素の毒性全体に対する割合から、潜在的放射性毒性の観点から見たアクチノイド元素の重要度の比較を行った。検討した4種の使用済燃料いずれにおいても、Amが最も重要で、例えば加圧水型軽水炉の使用済燃料から発生する高レベル放射性廃棄物において、核分裂生成物の潜在的放射性毒性が減衰した10
年後におけるAm潜在的放射性毒性はアクチノイド全体の93%を占める。また、再処理で99.5%回収した後の残留Puも無視できない寄与を示すことがわかった。軽水炉燃料で燃焼度が高くなった場合は燃焼度に比例するような形で潜在的放射性毒性が上昇するが、MOX燃料となった場合、及びマイナーアクチノイドリサイクル型の高速炉では、それ以上に潜在的放射性毒性が大きくなった。燃料が異なる場合のアクチノイド元素回収率の目標値設定には十分な考慮が必要であり、今後の課題である。
湊 和生; 辻本 和文; 田辺 博三*; 藤村 幸治*
日本原子力学会誌ATOMO
, 59(8), p.475 - 479, 2017/08
本稿は、日本原子力学会「放射性廃棄物の分離変換」研究専門委員会において、国内外における分離変換技術や関連する技術の研究開発状況について調査・分析してきた結果を基に、長寿命核種の分離変換技術の現状について、4回に分けて紹介するものである。第1回にあたる本稿では、分離変換の意義は何であるのかを解説するとともに、分離変換を効果的・効率的に行うために研究開発が進められている分離変換のシステムについて解説する。分離変換の意義については、放射性廃棄物を経口摂取した場合の被ばく線量で定義される潜在的有害度低減の観点から、使用済み燃料の潜在的有害度が原料とした天然ウランの潜在的有害度を下回るまでに要する時間はおよそ10万年であるが、再処理後は約1万年、分離変換後は数百年まで短縮されることを示した。また、潜在的な吸入摂取毒性の低減にはMAの分離変換の効果が顕著であることから、数十万年の超長期にわたる人間活動や地殻変動の予測等に相当の不確実性が伴うことから、分離変換は処分場影響の不確実性低減にも寄与すると考えられることを示した。分離変換システムについては、総合的なシステムとして分離変換技術を捉えた場合、比較的有望な概念として考えられている発電用の高速炉を用いたシステム(高速炉利用型)と核変換専用の小規模な燃料サイクルを商用発電サイクルに付加したシステム(階層型)を紹介するとともに、プルトニウムや核分裂生成物を核変換対象とするその他のシステムも紹介した。
大井川 宏之; 西原 健司; 湊 和生; 木村 貴海; 荒井 康夫; 森田 泰治; 中山 真一; 片倉 純一
JAERI-Review 2005-043, 193 Pages, 2005/09
原研では、2000年3月に原子力委員会・原子力バックエンド対策専門部会の取りまとめた「長寿命核種の分離変換技術に関する研究開発の現状と今後の進め方」に基づき、階層型核燃料サイクル概念に基づく分離変換技術の研究開発を進めてきた。階層型核燃料サイクルは、群分離プロセス,核変換用燃料製造プロセス,核変換プロセス、及び、核変換用燃料処理プロセスで構成される。本報告書は、各分野における5年間の研究開発成果と今後の展望、並びに、高レベル放射性廃棄物の処理処分をはじめとする廃棄物管理方策への分離変換技術の導入効果及び導入シナリオの検討状況について取りまとめたものである。
大井川 宏之
原子力eye, 49(7), p.74 - 77, 2003/07
原研は、平成15年3月24,25日に、京大,阪大,東工大,KEKと協力して国際シンポジウム「加速器駆動核変換システム(ADS)とアジアADSネットワーク構築」を開催した。シンポジウムでは、日本,米国,欧州,韓国,中国の代表者が各国におけるADSの研究開発状況と将来計画について講演を行い、今後の国際協力、特にアジア地域での交流活性化と、原子核物理学と原子力工学の分野間協力の促進について討論を行った。
辻本 和文
no journal, ,
2014年に閣議決定されたエネルギー基本計画では、原子力発電は重要な基幹電源として位置付けているが、対策を将来へ先送りせず着実に進める取組として、「使用済燃料対策を抜本的に強化し、総合的に推進する。」こととしている。こうした取組の一環として、「将来の幅広い選択肢を確保するため、放射性廃棄物の減容化・有害度低減などの技術開発を進める。」とされている。原子力機構では、新たなエネルギー基本計画の策定を受けて、「放射性廃棄物の減容化・有害度低減技術」の選択肢の一つとして高速炉や加速器駆動炉(ADS)による分離変換技術に関する研究開発を強化している。本発表では、主に原子力機構を中心とした日本における分離変換技術の研究開発の現状や将来計画について報告する。
辻本 和文
no journal, ,
原子力エネルギーを持続的に利用していくための最も重要な課題の一つは高レベル放射性廃棄物(HLW)の取扱である。分離変換技術は、HLWの潜在的有害度やHLWの地層処分に関する管理負担の低減に有効であると考えられ、原子力機構ではHLW中の長寿命核種の核変換システムの一つとして加速器駆動核変換システム(ADS)の研究開発を行ってきている。原子力機構が提案しているADSは、熱出力800MWの液体鉛ビスマス冷却システムである。ADSの実現には解決すべき様々な課題があり、これらの技術開発課題に関して、原子力機構では様々な研究開発を実施しており、本発表では現在の研究開発の状況及び将来計画について報告する。
荒木 優太*; 守田 美咲*; 福谷 哲*; 津幡 靖宏; 松村 達郎; 藤井 俊行*
no journal, ,
高レベル放射性廃液から長半減期核種を分離することで、廃棄物の潜在的有害度を大幅に低減することができ、長期リスクの低減につながる。パラジウムは使用済燃料に含まれる核分裂生成物元素であり、質量数107を持つ核種は、半減期が6.5
10
年ほどあり、分離の対象となっている。また、パラジウムは高速中性子に対する反応断面積が大きいため、将来的なマイナーアクチノイドの核変換工程において妨害元素となる。本研究では、パラジウムの分離に焦点を当て、硝酸溶液からのパラジウムの溶媒抽出挙動を研究した。また、比較のため、パラジウムと同族元素であるニッケルの抽出挙動も調べた。その結果、リン酸トブチル及びジグリコールアミドでは、パラジウムの分配比は同族元素であるニッケルよりも著しく高く、高酸性度条件下で特徴的な酸性度依存性が見られることが明らかとなった。
守田 美咲*; 荒木 優太*; 上原 章寛*; 福谷 哲*; 津幡 靖宏; 松村 達郎; 藤井 俊行*
no journal, ,
核分裂生成物元素のロジウムの放射性核種は半減期が短いため、冷却後の使用済核燃料に含まれているロジウムは、非放射である
Rhが主な同位体となる。このため、使用済核燃料から回収したロジウムは放射能が低く、その価値は高い。またロジウムなどの白金族元素はガラスへの溶融性が悪く、ガラス固化の際に問題となるため、高レベル放射性廃液からの分離が検討されている。しかし、これまでの研究において溶媒抽出特性の報告例は少なく、詳細な抽出挙動は不明である。そこで本研究では、リン酸トリブチル(TBP)、CMPO(n-Octyl(phenyl)
-diisobutylcarbamoylmethylphosphine Oxide)及びジグリコールアミドを用いてロジウムの抽出実験を実施した。その結果、ロジウムの分配比は総じて低く、アクチノイド及びランタノイドに対して高い分離係数を示すことが明らかとなった。
鈴木 晶大*; 水迫 文樹*; 稲垣 八穂広*; 有馬 立身*; 深澤 哲生*; 星野 国義*; 室屋 裕佐*; 松村 達郎
no journal, ,
マイナーアクチニド(MA)分離変換技術の有効性向上のため、技術確立までの期間、再処理高レベル廃液を安定かつ再生可能な形態として顆粒体で貯蔵し、将来確立したMA分離変換技術をガラス固化直前に適用する柔軟な廃棄物管理法に関する実用化開発について、実用化に向けた課題と開発計画を報告する。
松村 達郎; 伴 康俊; 鈴木 英哉; 津幡 靖宏; 宝徳 忍; 筒井 菜緒; 鈴木 明日香; 樋川 智洋; 黒澤 達也*; 柴田 光敦*; et al.
no journal, ,
原子力エネルギーを継続して利用していくためには、高レベル廃棄物の放射能毒性の低減化と減容化は重要な課題である。分離変換技術はこれらを解決する有効な方策であると期待されている。原子力機構では、高レベル廃液からマイナーアクチノイド(MA)を分離回収し、核変換システムに供給するためのMA分離プロセスの開発を進めている。このMA分離プロセスは3つの分離ステップから構成されている。An(III)・RE一括回収プロセスでは、高レベル廃液から高い効率でMAを回収可能なTDdDGA抽出剤を開発し、An(III)/RE相互分離プロセス及びAm/Cm分離プロセスでは、抽出剤としてそれぞれHONTAとADAAMを開発した。これらの抽出剤は、すべてCHON原則に合った構造で、プロセスから発生する廃棄物の低減化に寄与している。このMA分離プロセスは、高レベル廃液の模擬液及び実液による連続抽出試験によって、その分離性能を評価した。
鈴木 英哉; 津幡 靖宏; 伴 康俊; 柴田 光敦*; 黒澤 達也*; 川崎 倫弘*; 松村 達郎
no journal, ,
高レベル廃液中からマイナーアクチノイド(MA)を分離回収するための抽出剤について検討した。その結果、側鎖に枝分かれを持つテトラ-2-エチルヘキシルジグリコールアミド(TEHDGA)が、MAに対する優れた抽出分離能、及び逆抽出性能を有することがわかった。TEHDGAは、抽出容量、反応速度が大きく、加えて、相分離性、製造コスト面にも優れており、非常に高い実用性を持つことが明らかになった。
金子 政志
no journal, ,
高レベル放射性廃棄物の分離変換処分を目指し、溶媒抽出法を用いたマイナーアクチノイド(MA=Am, Cm)と希土類元素(RE)の分離技術開発が進められている。溶液中において三価であるAm及びCmは、REと類似した抽出機構を示し、抽出剤のドナー原子の違いを反映して異なる選択性を示すことが知られている。本発表は、ジチオホスフィン酸及びホスフィン酸によるAm/Eu選択性の違いを理論的に明らかにすることを目指し、密度汎関数計算に基づいた錯生成反応モデルや配位結合解析を用いてアプローチを行った。既に報告されている単結晶構造や反応機構に基づいて錯体モデルを作成した。錯生成反応におけるギブズエネルギー差を解析した結果、ジチオホスフィン酸はEuよりもAmと安定に錯体を生成し、ホスフィン酸はAmよりもEuと安定に錯体を生成し、報告されているAm/Eu選択性と一致した。錯体中の金属イオンとドナー原子との軌道間の相互作用を解析した結果、Amのf軌道とドナー原子との相互作用が、Am/Eu選択性を決める一因であることを示唆した。なお、本発表は、第39回溶媒抽出討論会での特別講演である。
菅原 隆徳; 佐藤 匠; 村上 毅*; 西原 健司
no journal, ,
分離変換技術の早期実現を目指し、原子炉を用いない分離変換複合施設(PTComplex)を提案する。PTComplexは乾式再処理施設と陽子加速器から構成され、乾式再処理施設のタンクに直接陽子ビームを入射し、タンク内の溶融塩中のTRU等を核変換する。PTComplexは、従来の分離変換サイクルに対し、燃料製造,燃料および使用済み燃料の輸送・保管が不要となり、よりコンパクトな分離変換が可能になる。PTComplexの核変換モジュール検討例として、100MW級のMA核変換用モジュールを検討し、基本的な性能を評価した。
菅原 隆徳
no journal, ,
原子力機構では2024年4月より、NXR開発センターを立ち上げ、放射性廃棄物の再資源化を進めている。具体的には、「燃えないウランの蓄電池利用」、「使用済燃料内の元素利用」、「熱・放射線による発電」の研究開発を行っている。本発表では、各項目についての背景・目的、技術の内容、現状と今後の見通しを紹介し、これまでにない原子力利用の方向性を提示する。