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小栗 英知
加速器, 21(4), p.279 - 287, 2025/01
The J-PARC accelerator has been in operation for 18 years, starting with the linac beam commissioning in 2006. Currently, the MLF is in continuous operation with a beam power of 1 MW, and the linac and RCS have achieved the nominal performance. R&D for 1.5 MW operation for future plans has also been started. The MR has increased its beam power through a major upgrade works in 2021, currently achieving 80 kW for HD and 800 kW for NU. In addition, MR is aiming to achieve 100 kW for HD and 1.3 MW for NU in 2026 and 2028, respectively.
神野 智史; 松原 章浩*; 藤田 奈津子; 木村 健二
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 557, p.165545_1 - 165545_4, 2024/12
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Instruments & Instrumentation)本研究では、放射性炭素分析における利便性とコスト効率の向上を目指した小型加速器質量分析(AMS)装置の開発を紹介する。AMSの小型化における課題の解決策として「結晶表面ストリッパー法」を導入し、従来のガスストリッパー法と比較して小さな角度広がりによる効率的なイオン検出を実証した。実験結果は、表面散乱における荷電変換能力、散乱角度広がり、エネルギー損失に関する洞察を提供する
山本 風海; 中野 秀仁; 松本 哲郎*
Proceedings of 21st Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.741 - 745, 2024/10
J-PARC 3GeVシンクロトロンでは、大強度ビームを達成するために入射点に炭素薄膜を配置し、リニアックで加速した負水素イオンを薄膜を通すことで電子を二個はぎ取り陽子に変換して加速している。この過程で一部入射ビームは陽子に変換されず残るため、それらを廃棄するダンプが入射点下流に置かれている。この廃棄ビームが生成する中性子、ガンマ線を照射試験等に用いることができれば、J-PARCの定常運転に寄生する形で照射試験を行うことができ効率的であることから、ダンプ内の二次粒子による放射化の評価を行った。ビスマスサンプルを実際に置き放射化させ、そのガンマ線スペクトルと計算コードPHITSの結果と比較したところ、主要な生成放射性核種の相対量はファクター2以下で一致した。
明午 伸一郎; 山口 雄司
Proceedings of 21st Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.853 - 858, 2024/10
30MWを超える大強度陽子加速器加速器を用いた、加速器駆動型核変換システム(ADS)が原子力機構(JAEA)で開発が進められている。核破砕中性子源においても、1MWを超えるマルチMWの施設が提案されていおり、これらの施設において安定に入射するためには、ビームが正しく標的に入射していることを確認するプロファイルモニタが重要となる。J-PARCの核破砕中性子源では炭化ケイ素(SiC)のマルチワイヤからなるプロファイルモニタを用いており、約1MWの利用運転では問題ないものの、今後の定常的な大強度運転ではワイヤの損傷が著しくなるものと考えられるため、ワイヤの損傷評価を定量的に行う事が重要となる。我々はモニタの開発の一環として、量子機構(QST)TIARAおよびJAEAタンデム加速器において、はじき出し損傷が数GeV陽子に比べ著しく高い重イオンビームを用いたビーム試験を実施した。JAEAタンデム加速器では様々なイオンビームを用いて、表面におけるLET依存性に関して調査を開始した。本発表では、この結果について報告する。
地村 幹
Proceedings of 21st Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.1064 - 1069, 2024/10
荷電粒子ビームはビーム自身が誘導する電磁場(自己場)の影響を受けながら加速器内を輸送される。特に、大強度イオン線形加速器の初段部に代表されるように、ビームが高密度かつ低速の場合には、ビームが単位距離を進む間にこの自己場から大きな力積を受け取るため、急速なビーム分布の変化が引き起こされる。自己場が有意に働くことによってハミルトニアンが線形項のみで表すことができない場合、その摂動項によってベータトロン振動の振幅が変動し、エミッタンスの増大を引き起こす可能性がある。特に大強度イオン加速器におけるエミッタンスの増大は、ビーム透過率の悪化及び機器の高放射化を引き起こし、大強度かつ高安定な加速器運転を阻害する。本研究では、大強度イオン線形加速器J-PARCリニアックの上流に位置する3MeVビーム輸送路をモデルとしたビーム軌道計算を行うことで、自己場支配領域におけるエミッタンス増大の評価を実施した。本ビーム輸送路は数m程度と短く周期的な収束構造を持たないことに加え、時間方向と横方向のビーム幅に大きな差はない球体に近いバンチドビームであるため、周期解や2次元ビーム形状を仮定しない解析方法が要求される。よって、本研究では自己場支配領域におけるエミッタンス変動についての理論式を提案し、その計算から既存Particle-in-Cellコードとの比較を示した。さらに、時間反転計算を行うことによってモニタ出力から初期分布を再構成した場合及び、非線形外場を導入した際の位相空間分布の変化についても同様の計算から評価を実施した。
野村 昌弘; 島田 太平; 田村 文彦; 沖田 英史; 宮越 亮輔*; 清矢 紀世美*; 吉井 正人*; 大森 千広*; 原 圭吾*; 長谷川 豪志*; et al.
Proceedings of 21st Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.85 - 88, 2024/10
J-PARC 3GeVシンクロトロン(RCS)では、Linacからの入射ビームに関する情報をビームモニタで得た強度分布の情報をマウンテンプロットと呼ばれる画像にすることにより、入射ビームの運動量や入射タイミングのオフセットが視覚的に分かる様にしている。最近話題となっている深層生成モデルの一つにCVAE(Conditional Variational Auto Encoder)がある。CVAEでは、なんらかの条件を与える事により、元の画像から与えられた条件に沿った画像が生成されることが示されている。今回このCVAEの特性を活かして、測定したマウンテンプロットの画像に新たなRCSへの入射の条件を与える事により、入射ビームの運動量分布や時間幅の情報も視覚的に分かる様にすることができた。このことは、今後の加速器の調整に有効であると考えられる。
栗山 靖敏*; 岩下 芳久*; 不破 康裕; 頓宮 拓*; 早野 仁司*; Geng, R. L.*
Journal of Instrumentation (Internet), 19(9), p.P09037_1 - P09037_15, 2024/09
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Instruments & Instrumentation)Electrons emitted via field emission during superconducting (SC) radio-frequency (RF) cavity tests at vertical test stands often collide with the iris region inside the cavity, generating X-rays at these locations. In 1.3GHz 9-cell SC RF cavities designed for the International Linear Collider (ILC), stiffener rings located outside the iris region between cells can interfere with X-ray detection, complicating the precise identification of field emission sites. Hence, we developed a high-density strip X-ray mapping systems (sX-map) that can be inserted into the iris region of ILC-type 9-cell SC RF cavities. This sX-map facilitates efficient and accurate detection of X-rays generated near the irises, unaffected by the presence of stiffener rings. The sX-map consisted of 32 sensors per strip, with sensors spaced approximately 10 mm apart. It was deployed in every iris of the 9-cell cavity, using a total of 320 sensors. A multiplexer was employed to facilitate the readout of a large number of detectors using a minimal number of signal lines, connecting the strips inside within the vertical test cryostat. In a vertical test conducted at Jefferson Lab (JLab), we demonstrated the capability of sX-map to detect X-rays despite the presence of a stiffener ring. This paper presents the detailed design of the sX-map and the results from the vertical test at JLab.
石井 隼也*; 清水 森人*; 加藤 昌弘*; 黒澤 忠弘*; 辻 智也; 吉富 寛; 谷村 嘉彦; 渡部 浩司*
Journal of Radiological Protection, 44(3), p.031516_1 - 031516_8, 2024/09
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Environmental Sciences)The dosimeter response should be calibrated in a reference field near the user's radiation environment. Environments around nuclear reactors and radiation therapy facilities have high-energy photons with energies exceeding that of Co gamma rays, and controlling exposure to these photons is important. The Japan Atomic Energy Agency (JAEA) and National Metrology Institute of Japan (NMIJ) have high-energy reference fields with energies above several MeV for different types of accelerators. Their reference fields have different fluence-energy distributions. In this study, the energy dependencies of the two-cavity ionization chambers, which are often used by secondary laboratories, were experimentally and computationally evaluated for each high-energy field. These results agreed well with relative expanded uncertainties (
= 2), and their capabilities for air kerma measurements in each high-energy reference field were confirmed. Therefore, the capabilities of the air-kerma measurements can be verified in the two high-energy reference fields.
栗山 靖敏*; 岩下 芳久*; 不破 康裕; 照沼 信浩*
IEEE Transactions on Applied Superconductivity, 34(5), p.4004005_1 - 4004005_5, 2024/08
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Engineering, Electrical & Electronic)永久磁石を用いた荷電粒子ビーム用軌道補正磁石を開発している。この磁石では磁場を発生させる永久磁石のロッドを回転させることで、磁場を両極性に変化させることができる。この両極性変化の原理を検証するため、試作機を製作し、性能評価を行った。試作機の性能評価の結果、永久磁石の残留磁化の不均一性が多極成分に大きな影響を与えることがわかった。この影響を抑制するために、異方性中間磁極を追加した補償磁石が検討した。
斎藤 滋; 明午 伸一郎; 牧村 俊助*; 平野 幸則*; 堤 和昌*; 前川 藤夫
JAEA-Technology 2023-025, 48 Pages, 2024/03
日本原子力研究開発機構(JAEA)は、原子力発電に伴い発生する高レベル放射性廃棄物の減容化・有害度低減のため、加速器を使った核変換の研究開発として加速器駆動システム(ADS; Accelerator-Driven Systems)の開発を進めている。ADSの設計に必要な材料照射データベースを作成し、鉛ビスマス共晶合金(LBE; Lead-Bismuth Eutectic)中での照射効果について研究するため、J-PARCに陽子照射施設の検討を進めている。この陽子照射施設では、LBEの核破砕ターゲットに250kWの陽子ビームを入射し、ADSの構造材候補材についてLBE流動下での照射試験を実施する他、半導体ソフトエラー試験、医療用RI製造、陽子ビーム利用などを行う計画である。これらのうち照射済み試料の照射後試験(PIE; Post Irradiation Examination)とRIの分離精製は、陽子照射施設に付属して建設されるPIE施設において実施される。本PIE施設では、J-PARCの他の施設において照射された機器や試料のPIEも実施される予定である。本報告書は、この照射後試験施設の概念構築に必要な照射後試験項目、試験フロー、設備、試験装置等の検討を行い、施設内の配置案をまとめたものである。
岩元 大樹
JAEA-Conf 2023-001, p.40 - 45, 2024/02
加速器駆動核変換システム(ADS)の研究開発及び京都大学におけるADS未臨界炉物理実験に資する核反応データを取得することを目的として、2019年10月より京都大学のFFAG (Fixed Field Alternating Gradient)加速器を用いたADS用核データの実験的研究を行っている。本実験プログラムは、「(1)核破砕中性子エネルギースペクトル測定」および「(2)高エネルギー核分裂測定」の二つのサブプログラムから構成される。これまでに「(1)核破砕中性子エネルギースペクトル測定」に関する実験をおおむね終了した。本発表では、本プログラムの概要、これまでの研究の成果及び今後の実験の準備状況について紹介する。
岩元 大樹; 明午 伸一郎; 佐藤 大樹; 岩元 洋介; 石 禎浩*; 上杉 智教*; 八島 浩*; 西尾 勝久; 杉原 健太*; elik, Y.*; et al.
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 544, p.165107_1 - 165107_15, 2023/11
被引用回数:4 パーセンタイル:71.02(Instruments & Instrumentation)入射陽子エネルギー200MeV以下の中性子生成に関する二重微分断面積(DDX)データの不足は、加速器駆動核破砕システム(ADS)の研究開発などの技術応用における核破砕モデルの検証を妨げている。本研究では、このエネルギー領域におけるADS核破砕ターゲット材料のDDX実験データを取得し、解析予測との比較を通じて核破砕モデルに関する課題を明らかにすることを目的とした。実験は、京都大学のFFAG加速器を用いて行った。100MeV領域のPbと
Biの陽子入射核反応に対するDDXを飛行時間法を用いて30
から150
の角度範囲で測定した。得られたDDXをモンテカルロ法に基づく種々の核破砕モデル及び評価済み核データライブラリによる計算結果と比較した。DDXの測定値と核破砕モデル及び評価済み核データライブラリに基づく解析値を比較した結果、CEM03.03モデルが実験値に最も近い一致を示した。さらに、100MeV領域における陽子入射中性子生成DDXの再現性向上のために対処すべき複数の課題を明らかにした。
吉本 政弘; 高橋 博樹; 原田 寛之; 地村 幹; 不破 康裕; 林 直樹; 栗山 靖敏*; 澤邊 祐希*; 畠山 衆一郎*
Proceedings of 20th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.839 - 843, 2023/11
J-PARC 3GeVシンクロトロン加速器(RCS)では、加速器の安定性を監視する主要なビームモニタである、ビームロスモニタ、ビーム位置モニタ、ビーム電流モニタについて、既存システムの更新に向けた新しいビームモニタ用信号処理システムの開発を行っている。新システムは、TAGサーバーと3つの主要モニタに共通して使えるADCモジュールを組み合わせた構成になる。開発に際しての主な設計思想は、(1)J-PARCに特有の様々なビームタグ情報をTAGサーバーで集約し、タグ情報として各ADCモジュールに分配する、(2)ADCモジュールでビームモニタからの信号情報をADCでデジタル信号に変換し、FPGAにより各モニタに合わせた解析手法を切り替えながら高速解析処理を実施する、(3)ADCモジュールから約10秒程度の全ショット分の信号処理データをパッキングしてタグ情報をヘッダーに付加した解析データを定期的に出力する、また、任意の1ショット分のデータに対してタグ情報を付加したモニタデータをオンデマンドで出力する、ための2種類のフォーマットを準備する、(4)また生波形に加えて、FFT関連の解析途中のデータや、周回毎のバンチデータなどについて最新の4ショット分をADCモジュールの内部メモリに保存し、必要に応じてデータを読み出せるようにする、ことを目指した。本発表では、現在開発中の試作機によるタグ情報の読み込みとビームモニタ信号のデータ収集試験についての進捗を報告する。
中野 秀仁; 不破 康裕; 篠崎 信一; 溝端 仁志*
Proceedings of 20th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.577 - 578, 2023/11
J-PARCリニアックでは、高周波源としてクライストロンが用いられている。近年、電力効率を向上させる目的のため、クライストロンから半導体増幅器への置き換えが検討されている。半導体増幅器は出力できる電力が比較的小さいため、大電力が必要な区間はクライストロンが用いられてきた。半導体製造技術の進歩により実利用が期待できる半導体増幅器が製造可能になった。J-PARCリニアックでは出力電力の比較的小さなデバンチャー2空洞用のクライストロンを半導体増幅器に置き換えることを計画している。本格的な導入に当たって、プロトタイプの半導体増幅器の入出力特性の測定を実施した。また、現在ビームラインで稼働しているクライストロンと電力効率についての比較も行った。これらの結果について報告する。
不破 康裕; 北村 遼
Proceedings of 20th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.531 - 534, 2023/11
J-PARCリニアックでは、次世代に向けたビーム出力の大強度化をめざしビーム電流及びビームパルス幅の増強が検討されている。MEBT1 (Medium Energy Beam Transport 1)はRFQとDTLの間に位置し、ビームの横方向と縦方向のマッチング、及び後段の高繰り返しシンクロトロンへの入射のための中間バンチ構造を形成するための区間である。この区間でのビームエネルギーは3MeVと低く、空間電荷効果の影響も大きくビームの大強度化に伴いその影響も大きくなると予測される。そこで本研究ではJ-PARCリニアックの大強度化に向けて、空間電荷効果に起因するビームロス等を抑制するための新しい磁石を設計製作している。当該磁石は集束機能と空間電荷効果補正機能を省スペースで両立のために多重極成分を重畳して発生可能な機能結合型とし、消費電力の低減及び機器の小型化のために永久磁石を用いている。本発表では、当該磁石の設計およびビーム力学的な効果を議論する。
永山 晶大; 原田 寛之; 下川 哲司*; 佐藤 篤*; 山田 逸平; 地村 幹; 小島 邦洸; 山本 風海; 金正 倫計
Proceedings of 20th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.526 - 530, 2023/11
本研究では、ビームの遅い取り出しのための非破壊型静電セプタムを開発している。従来型と異なり、この装置はビームと衝突しないようにビーム周辺に配置した多段電極で構成されており、発生させた電場によって非破壊でビームを分離する。本研究ではその電場分布を評価すべく、電子銃とビームモニタで構成された試験装置を開発した。その装置に試作電極を設置し、細い電子ビームで電場分布測定の実験を実施した。その測定結果は計算結果との良好な一致を示した。しかし、ビームの分離能力はまだ十分ではない。そこで、電場分布の改良に向けた電極形状や配置の最適化の検討を行った。本発表では、試験装置を用いた電場分布測定実験の結果や改良案を報告する。さらに、本開発の今後の展望についても述べる。
山本 昌亘; 野村 昌弘; 沖田 英史; 島田 太平; 田村 文彦; 原 圭吾*; 長谷川 豪志*; 大森 千広*; 杉山 泰之*; 吉井 正人*
Progress of Theoretical and Experimental Physics (Internet), 2023(7), p.073G01_1 - 073G01_16, 2023/07
被引用回数:2 パーセンタイル:38.73(Physics, Multidisciplinary)J-PARC 3GeVシンクロトロンでは、ビームの加速に金属磁性体を装荷した加速空胴を使用している。金属磁性体の広帯域特性を利用して、ビームを加速する周波数だけでなく、その高調波も増幅する多重高調波励振によってビームの安定加速を実現している。既設の空胴は真空管増幅器において、加速電場を発生させる絶縁ギャップの前後に個別に電圧を印加するプッシュプル励振となるよう設計されている。プッシュプル励振は、ビームを加速しない状態では高調波歪みを抑制でき、さらに空胴の長さを短くできる利点がある。しかし、大強度ビーム加速時にはビームが誘起する電圧によって多重高調波励振が歪められ、それを補正するために絶縁ギャップの前後にかかる陽極電圧振幅が深刻な不平衡を引き起こし、真空管の動作を制限してしまう。現状では、設計値である1MWビーム加速は達成できているが、より安定な運転を行う上では真空管の不平衡が問題となる。この問題を避けるため、シングルエンド励振の空胴を開発した。シングルエンド励振は本質的に不平衡が起こらず、さらに既設の空胴に対して遥かに少ない電力消費を達成できることが分かった。
古渡 意彦*; 窪田 卓見*; 吉富 寛; 欅田 尚樹*
Radiation Protection Dosimetry, 199(11), p.1239 - 1247, 2023/07
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Environmental Sciences)We performed an experimental investigation on occupational exposure of the eye lens and the extremity of radiation workers engaged in handling of highly activated materials in a small research accelerator facility. Using a simplified physical phantom to simulate the relevant inhomogeneous radiation exposure situations, the personal dose equivalents obtained at the eye lens and the extremities of radiation workers handling heavily radioactive converters were measured together with the dose measured by personal dosemeters worn on their trunk. Results of a mockup experiments and the Monte Carlo calculations suggest that the quantitative estimation of the eye lens doses can be estimated from the trunk dose, while the extremity doses vary considerably from the dose readings from the trunk, depending on the use of simple point-source or volume source geometry.
岩元 大樹; 中野 敬太; 明午 伸一郎; 佐藤 大樹; 岩元 洋介; 杉原 健太; 西尾 勝久; 石 禎浩*; 上杉 智教*; 栗山 靖敏*; et al.
Journal of Nuclear Science and Technology, 60(4), p.435 - 449, 2023/04
被引用回数:4 パーセンタイル:51.78(Nuclear Science & Technology)加速器駆動核変換システム(ADS)の研究開発及び京都大学臨界実験装置(KUCA)におけるADS未臨界炉物理の基礎研究を目的として、固定磁場強収束(FFAG)加速器を用いて107MeV陽子による鉄、鉛及びビスマス標的に対する二重微分中性子収量(TTNY)を測定した。TTNYは8個の中性子検出器(各検出器は小型のNE213液体有機シンチレータと光電子増倍管より構成される)からなる中性子検出器システムを用いて飛行時間法により得られたものである。測定で得られたTTNYを、粒子・重イオン輸送コードシステム(PHITS)に組み込まれたモンテカルロ法に基づく核破砕反応モデル(INCL4.6/GEM, Bertini/GEM, JQMD/GEM, JQMD/SMM/GEM)及び評価済み高エネルギー核データライブラリ(JENDL-4.0/HE)による計算結果と比較した。JENDL-4.0/HEを含む比較対象のモデルは、検出器角度5度における高エネルギーピークを再現しないなどの特徴的な不一致が見られた。測定で得られたTTNYとPHITSによって評価した20MeV以下のエネルギー及び角度積分中性子収率を比較した結果、INCL4.6/GEMがKUCAにおけるADS炉物理実験のモンテカルロ輸送シミュレーションに適していることが示された。
乙川 義憲; 松田 誠; 阿部 信市
JAEA-Technology 2022-037, 23 Pages, 2023/03
原子力機構-東海タンデム加速器の発電用回転シャフト装置の軸受ユニットは、加速器の設置当初からベアリングの運転寿命が短く、交換整備後も初期故障が多発していた。そのため交換整備の数量や頻度が多く、加速器圧力容器を開放して行う定期整備において多くの時間を費やしており、これを解決することが長年の懸案事項であった。この初期故障の原因を考察した結果、軸受ユニットが軸方向変位に対し自由度がないこと、および上下の軸受ユニットの回転軸を一致させることが困難であることが主な原因であり、そのためベアリングに過度な負担が生じていると推察した。これを解決するため、軸受ユニットのフランジに軸方向変位と偏角の自由度を持たせるように金属板ばねによるカップリング(軸継手)を有した軸受ユニットを開発した。この結果、キャスティング間の距離のばらつきや、上下の軸受ユニットの回転軸のずれを許容できるようになった。開発した新型軸受ユニットを実機に設置し、実運転で使用を継続しつつ改良を加えることでベアリングの初期故障の数を減らし、運転寿命を約2倍以上に延ばすことに成功した。この開発により、軸受ユニットの交換整備数が減ったことで整備時間を1週間に短縮できた。また、年間で3回程度実施していた加速器圧力容器を開放して行う定期整備の1回化を実現し、その恩恵として温暖化ガスである六フッ化硫黄(SF)ガスの放出量を年間で約33
50%に削減できた。本報告書では、新型軸受ユニットの開発および2006年から2020年までの整備状況について報告する。