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玉井 秀定; 大貫 晃; 呉田 昌俊*; Liu, W.; 佐藤 隆; 秋本 肇
Proceedings of 2005 International Congress on Advances in Nuclear Power Plants (ICAPP '05) (CD-ROM), 8 Pages, 2005/05
原研で開発中の水冷却増殖炉炉心を模擬した稠密37本バンドル試験体を用いて、高温・高圧条件での定常並びに過渡時の限界出力,圧力損失等の熱特性データを取得した。また、燃料棒間ギャップ幅の異なる二つの試験体(ギャップ幅:1.3mm, 1.0mm)の試験結果を比較し、ギャップ幅が限界出力特性に及ぼす影響を評価した。その結果、定常時限界出力に及ぼす各種パラメータ効果、並びに過渡時の限界出力特性は両試験体間で同様であり、ギャップ幅が1.0mmに狭くなっても高稠密格子炉心の冷却特性に問題のないこと、及び従来の評価方法により稠密炉心の圧力損失を誤差10パーセント以内で予測できることを確認した。
玉井 秀定; 呉田 昌俊; 吉田 啓之; 秋本 肇
JSME International Journal, Series B, 47(2), p.293 - 298, 2004/05
低減速軽水炉の熱水力設計のためには稠密燃料集合体における圧力損失特性の把握及びその評価方法が重要である。本論文では、既存の45バンドル試験と原研で実施した7本バンドル試験の結果との比較により、Martinelli-Nelson及びHancoxの評価方法の予測精度を検討した。その結果、二相流の摩擦圧力損失は、水力等価直径が3mm以下の稠密燃料集合体では等価な円管より小さくなることがわかった。この理由は、稠密燃料集合体と円管の流路形状の相違とマイクロチャンネルの効果によるものである。
石山 新太郎; 武藤 康; 文沢 元雄; 塚崎 和生*
日本原子力学会和文論文誌, 1(2), p.164 - 176, 2002/06
高温発電システム(HTGR-GT)において、400MWt級高温ガス炉炉心から放出される黒鉛微粒子やアンダーミクロン級FP微粒子の捕集を目的に、HTGR-GTにおける基本仕様条件(1273Kにおける引張り強度1.5MPa,FP微粒子捕集効率90%,高温FPフィルター初期圧力損失0.4%)を目標に2種類の粒径(13m及び20m)のハステロイ-X製高温FPフィルターメディアを試作し、その基本特性を把握するとともに実機の性能予測を行った。その結果、次の結論が得られた。(1)フィルター試作材の1273Kの引張り強度は3MPa以上の高い値を示した。(2)90%以上のFP微粒子捕集効率を実現するためには、フィルター試作材の中の20mの粗粒フィルターで可能である。(3)0.4%以下の低圧力損失を実現するためには、フィルター試作材の中の20mの粗粒フィルターで可能である。(4)本試験で得られた知見を基に、HTGR-GT用高温FPフィルター実機の基本仕様は次の通り推定された。ハステロイX原料の構成粒子直径; 20m程度,フィルター充填率; 60%,ヘリウム流速; 6m/min,素材; ハステロイX,フィルター集塵面積; 882m,初期圧力損失0.4%以下,黒鉛粒子集塵容量; 529.3kg,フィルター厚み; 1.6mm,除去粒子径範囲; 0.017m。
Islam, M. S.*; 寺田 敦彦*; 木下 秀孝; 日野 竜太郎; 門出 政則*
JAERI-Tech 2001-044, 49 Pages, 2001/07
十分に発達した乱流域での水の熱伝達と圧力損失特性について高さ1.2mmの狭隘矩形流路内で2次元的に解析を行った。流路形状や流動条件は核破砕ターゲットシステムにおける陽子ビーム窓や固体ターゲット模擬した。解析は高レイノルズ数モデルの標準モデルとRNGモデルを用い、壁関数を利用してレイノルズ数(Re)が7,000~22,000の範囲で行った。熱伝達特性に関しては標準モデルで得られたヌセルト数がDittus-Boelterの式とよく一致した。しかし、摩擦係数に関してはリブのついた管における値を再現しなかった。また、二つの乱流モデルで計算される摩擦係数に大きな違いはなく、ブラジウスの式の値とよく一致した。
武田 哲明
JAERI-Research 2000-056, 27 Pages, 2000/12
本研究では、金属細線を挿入した高多孔性流路の伝熱及び圧力損失特性を調べることが目的である。ここでは、鉛直正方形流路と水平円管流路を用いて実験を行い、流路内に銅線を挿入した場合の熱伝達特性について調べた。実験の結果、流路内に銅線を挿入すると除熱量は増大し、除熱量増大の効果は加熱壁の温度上昇に伴い増大した。空隙率が0.993~0.998の範囲で銅線を挿入した正方形流路及び円管流路では、壁温度が170以下の一定熱流束条件下において、滑らかな伝熱面流路の場合に比べて約20%程度の伝熱促進効果があった。
M.S.Islam*; 日野 竜太郎; 羽賀 勝洋; 門出 政則*; 数土 幸夫
Journal of Nuclear Science and Technology, 35(9), p.671 - 678, 1998/09
被引用回数:17 パーセンタイル:77.70(Nuclear Science & Technology)大強度核破砕中性子源となる固体ターゲット板に発生する高熱流束を除去するためのターゲット冷却流路の設計に資することを目的として、0.2mmの高さの矩形リブをピッチと高さの比(p/k)が10と20の条件で設けた片面一様加熱の狭隘矩形流路の乱流域における圧力損失及び熱伝達特性を実験的に調べ、それらの実験式をレイノルズ数(Re)が、2,400~98,500の範囲で導出した。高さ1.2mmの流路においてp/kが10の場合、Re数が8,000~30,000の範囲でリブのない平滑な流路よりも圧力損失は2倍、熱伝達率は2~2.5倍増大した。流路高さが3.2mmの場合には、圧力損失及び熱伝達率は平滑な流路よりも大きいものの、高さが1.2mmの場合よりも低い結果を得た。
飯塚 透; 上出 英樹; 西村 元彦
PNC TN9410 98-083, 118 Pages, 1998/07
実証炉段階で採用される原子炉冷却系に係る新概念技術の確立を目的とし、原子炉容器から蒸気発生器(SG)までを総合的に模擬した大型ナトリウム試験(原子炉冷却系総合試験)計画を検討した。これまでに基本設計を行い、試験施設は実証炉の1/3縮尺2ループモデルとした。SGについては水・蒸気側の模擬性を高めるため高さ方向1/1縮尺の部分モデルとし、2次系配管を1ループに集約して接続するものとした。このため、2次系配管が著しく長くなり、実機模擬性が損なわれる可能性が考えられる。また、2次系配管の途中で2ループを1ループに集約する構造のため、自然循環試験時にはループ間のアンバランスが助長されることも考えられる。そこで、2次系配管長をパラメータとして動特性解析を実施し、模擬性に与える影響を把握した。また、IHX伝熱面積等にループ間で差異を与えた場合の予測解析を実施した。その結果、SGが流れ方向に長く、熱容量も大きいことから、2次系配管長の影響は相対的に小さいことが分かった。また、片方のループにのみ選択的に自然循環が発達するような現象は見られなかった。以上より、2次系配管長の短縮は制約条件が厳しい割に熱過渡の改善の効果が小さく、構造上可能な範囲すべきことが分かった。また、ループ間に実証炉と同等の製作誤差があっても、試験の実施及び試験結果の評価に大きな影響を与えるような問題は生じないことが分かった。
成田 均; 大島 宏之
PNC TN9410 97-104, 69 Pages, 1997/12
単相サブチャンネル解析コードASFRE-IIIの整備の一環として、燃料ピン伝熱モデルおよび圧力損失モデルの検証解析を実施した。燃料ピン伝熱モデルの検証では、構造解析コードFINASによる解析を行い、ASFREコードの解析結果との比較を実施した。これらの比較より、ASFRE燃料ピン伝熱モデルの結果は燃料ピン内部において、FINASによる解析結果と最大で1%未満の差であったことから、燃料ピン伝熱モデルにおける熱伝導計算の妥当性を確認した。圧力損失モデルの検証解析では、ASFREコードにおけるワイヤスペーサモデル(Distributed Resistance Model(D.R.M.))を用いて、169本および127本ピンバンドル燃料集合体を用いた流動試験結果との比較を実施した。軸方向差圧については、定格流領域において両試験ともに解析結果と実験結果はほぼ一致した傾向となった。また、周方向圧力分布については試験結果の傾向とASFREコードの解析結果の間にピーク値となる位置に違いが生じた。この原因を調べるため実施した、SPIRALコードによる解析結果や周方向圧力分布を測定した他の試験との比較ではASFREコードの傾向は非常に良く一致することを確認した。従って、D.R.M.による周方向圧力分布予測は妥当であり、周方向分布についての差の原因は燃料バンドルの偏り、ワイヤ巻き誤差および測定位置におけるワイヤの影響であると考えられる。
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PNC TN1410 97-034, 338 Pages, 1997/09
本書は、新型転換炉(ATR)のATR熱水力設計技術について、「ふげん」の設計技術から高度化を図るための研究を実施し、その妥当性等について、学識経験者の審議を通して集大成したものである。ATR実証炉の開発において「ふげん」の開発で培われた解析手法、解析コードを基に「ふげん」の運転実績等を踏まえつつ、設計手法の改良を行っており、それを基にATRの熱水力設計手法の高度化を図っている。特に熱的余裕の指標については、「ふげん」のMCHFRからMCPRに変更し、確率論的な評価手法を開発・導入している。このため、熱的余裕の評価の観点から特に重要な限界熱流速、圧力損失係数等の相関式については、実規模試験データとの対比により、その妥当性を検討した。また、チャンネル流量配分解析コードHAPI(AQUERIOUS)については、「ふげん」におけるチャンネル流量測定データとの対比により計算精度を確認した。さらに、バーンアウト発生確率解析コードDERIV-1については、モンテカルロ法による解析手法及び解析に用いられるデータベース等の妥当性を検討した。このほかに、熱水力安定性、炉心安定性、自然循環時の冷却性及び重水温度分布特性の評価手法について検討した。なお、本書のATR実験炉に係わる検証等には、通商産業省委託事業である新型転換炉技術確証試験の成果を用いている。
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PNC TJ1409 97-021, 27 Pages, 1997/03
None
大島 宏之
PNC TN9410 96-128, 82 Pages, 1996/04
高速炉においては,その稠密な燃料格子構造および高い出力密度ゆえ,燃料集合体局所異常/事故は安全評価上重要な事象として認識されている。ワイヤースペーサ型のバンドル体系では,過去の試験結果等により起因事象として厚みのあるポーラス状の閉塞を想定することが最も現実的と考えられるが,その事象評価には,閉塞の形状・大きさ・位置,閉塞物のポロシティ・材質等パラメータが多く,解析コードと介した検討が必要となる。本研究では,このポーラス状流路閉塞事象評価の精度向上を目的として,昨年度単相サブチャンネル解析コードASFRE-IIIに組み込んだポーラス状閉塞モデルの高度化を実施した。ここでは,閉塞領域内の熱流動現象をより忠実に再現するために,充填層理論に基づく圧力損失,熱伝導そして熱伝達に関する相関式を新たに組み込んだ。また,仏で行われたポーラス状流路閉塞模擬試験Scarlet-2のデータを基に機能検証解析を行うことにより,閉塞領域内の冷却材ピーク温度およびその発生位置を良好に再現できることを確認した。詳細なモデル検証は,今後予定されている水/ナトリウム炉外試験の結果を待ち,実施する予定である。
佐々木 敏彦*; 井戸 勝*; 原 俊治*
PNC TJ9582 96-001, 11 Pages, 1996/03
「常陽」移行炉心における炉心管理に資するため、運転監視コードシステム"MAGI"を用いて、MK-II燃料とMK-III燃料が混在する移行炉心における集合体毎の冷却材流量配分を計算し、設計計算値と比較することで"MAGI"の流量配分計算機能を検証した。全ての移行炉心において、MK-III燃料集合体の冷却材流量は、設計計算値と比べて0.3%以内で一致し、"MAGI"の計算結果が妥当であることを確認した。MK-II燃料については、"MAGI"の定数ファイルに入力されている圧力損失データの違いに起因して、設計計算値よりも最大2%大きくなることがわかり、MK-II燃料の圧力損失データの見直しが必要であることが明らかとなった。
下村 寛昭
日本原子力学会誌, 38(10), p.803 - 813, 1996/00
被引用回数:1 パーセンタイル:14.44(Nuclear Science & Technology)高温ガス炉を熱源とする原子力ガスタービンの候補となる閉サイクルガスタービンについて、その利点ならびに実用されている解放サイクルガスタービンとの相違点と閉サイクル固有の問題を指摘するとともに、それらが熱効率等の性能に及ぼす影響を検討評価し、併せて設計パラメータへのヘリウムの影響を説明する。また、過去に旧西ドイツで実施された研究開発が不成功であった原因について考察し、その主要原因が閉サイクルガスタービンに特有な熱交換器等の圧力損失がもたらす圧縮機及びタービンの外部効率の低下にあることを種々の計算等から明らかにする。さらに、当面の作動流体と考えられるヘリウムのガスタービン特性等に対する得失を述べた後、外部効率低下を減少するための熱交換器の基本構造、軸受及び軸封技術等に対する研究開発の基本的方向を示すとともに、HTTRがガスタービン開発にも有用なデータを提供し得ることを述べた。
倉沢 利昌; 高津 英幸; 佐藤 聡; 森 清治*; 橋本 俊行*; 中平 昌隆; 古谷 一幸; 常松 俊秀; 関 昌弘; 河村 弘; et al.
Fusion Engineering and Design, 27, p.449 - 456, 1995/00
被引用回数:7 パーセンタイル:59.15(Nuclear Science & Technology)核融合実験炉(ITER,FER)で増殖ブランケットとして、セラミックスの層状構造ブランケットが採用されている。このセラミックスブランケットの設計および研究開発に関する最近の原研での研究成果を発表する。ブランケットの設計ではブランケット第1壁の冷却チャンネル中の冷却水停止時の温度上昇および熱応力の解析をおこなうと共に、冷却水の圧力損失の評価をおこなった。ブランケット設計を支援するR&Dではブランケット筐体の製作およびHIP接合部の機械試験を行い、実機製作への見通しを得ると共に有意義なデータベースを取得した。ペブル(Be)充填層の熱伝導度測定および増殖セラミックスの熱サイクル試験、構造材と増殖材の両立性試験後の引張試験データなどを評価解析して発表する。
荒井 長利; 日野 竜太郎; 武藤 康; 中平 昌隆; 渋井 正直*; 古谷 一幸; 多田 栄介; 関 昌弘
Fusion Engineering and Design, 28, p.103 - 112, 1995/00
被引用回数:1 パーセンタイル:17.51(Nuclear Science & Technology)原研はJT-60に続いて核融合実験炉(FER)の建設を目指した研究開発を行っている。炉心構造の一つであるダイバータは厳しい熱負荷/粒子負荷を受けキーコンポートネントである。その構造要素の一つである支持具は強度設計及び交換容易性の観点から詳細化と最適化が必要である。本研究では、ダイバータ管路の熱機械的特性との関連を調べるため、改良型支持機構を装着した1/1スケールの冷却管路ユニットを製作し、高速水流動条件下の管路圧力損失特性と流体誘起振動特性の測定を行い、概要を把握した。主な結果は次の通りである。1)通常時定路流速10m/sにおける全圧力損失は、水温20Cで約0.7MPaであった。CDAの設計値はほぼ妥当であった。2)管路折返しベンド部は上下管間の拘束具を装着した条件で、流速が10m/s以上において振動現象が急激に著しくなる。
村田 満*; 石井 裕治*
PNC TJ9381 94-001, 84 Pages, 1994/02
昨年度(平成5年2月)に実施した「ATR中小型炉の自然循環特性解析」では、自然循環の基本的な流動特性を把握し、1000MW-級の自然循環炉の成立性を検討する目的で行われた。本研究では、昨年度の結果に基づき、同炉の設計に資するための感度解析を実施し、以下に示す項目について、明らかにした。(1)上昇管口径の影響 上昇管口径を5Bとしたケースを基本ケースとし、配管の制作コストを低減する目的で、同口径を3Bとしたケースの解析を行った。その結果、上昇管口径5Bでは、チャンネル出力1.8MWでドライアウトしないが、同口径3Bでは、1.8MWでドライアウトに至る。(2)上昇管本数の削減と上昇管口径の変更による影響 基本ケースを基に、2本の圧力管からYピース管を用い、1本の上昇管に接続させ、上昇管本数を1/2とし上昇管口径は5B、及び4Bとしたケースを解析した。上昇管本数を1/2とする事により」自然循環量は低下するが、上昇管口径5Bのケースは、チャンネル出力1.8MWではドライアウトしない。しかし、同4Bのケースは、1.8MWでドライアウトする。(3)中間ヘッダーへの接続と上昇管口径の変更による影響 圧力管からの配管50本を中間ヘッダーへ接続し、中間ヘッダーからは従来の上昇管の流路断面積の50倍とした大口径の上昇管を蒸気ドラムへ接続させ、併せて上昇管口径を24B、並びに32Bとしたケースを解析した。両ケース共に、基本ケースに比べ自然循環量は少なくなるが、共にチャンネル出力1.8MWでは、ドライアウトに至らない。(4)圧力管口径の影響(1)(3)の解析結果より、チャンネル出力を上昇させた場合、圧力管部の圧力損失の影響が大きくなり、流量が低下するため、圧力管を広げた解析を行った。圧力管口径を広げる事により、自然循環量は増加するが、チャンネル出力が高くなるに従い、口径が広いケースの方が、流量振動が激しくなる。しかし、両ケース共にチャンネル出力1.8MWでは、ドライアウトに至らない。本解析結果より、上昇管口径を4Bとし、上昇管本数を1/2としても圧力管口径を122.0MMとする事により、チャンネル1本当り1.8MWの出力が得られる。
石塚 悦男; 中道 勝; 河村 弘; 佐川 尚司; 神澤 徹*; 鈴木 達志*; 斎藤 実
Journal of Nuclear Materials, 212-215, p.881 - 884, 1994/00
被引用回数:2 パーセンタイル:28.05(Materials Science, Multidisciplinary)ペブル充填型ブランケットの充填層内の圧力損失を正確に予測するため、ペブル試料を用いてスイープガスによって生じる圧力損失を測定した。測定データは、粉粒体工学の分野で使用されているKozeny-Carmanの式と+25~-60%の誤差で一致した。また、100ppmまでの水分を添加して圧力損失を測定したところ、水分の影響はほとんどなかった。
姜 泰一*; 岡本 孝司*; 班目 春樹*; 文沢 元雄
日本機械学会論文集,B, 59(566), p.172 - 178, 1993/10
高温ガス炉スタンドパイプ破断時空気侵入挙動解明の一環として、仕切りのある開口部におけるヘリウムと空気による密度差置換流の実験を行った。開口部高さと内径の比(アスペクト比)が小さい領域では、仕切りの有無による差はみられない。しかし、アスペクト比の大きな領域では、仕切りの無い場合に比べて仕切りの有る場合の方が置換流量が多くなる。この領域の置換流量を、管路の圧力損失と水頭差の釣合から評価し、アスペクト比や内径の影響を説明することができた。また、流量を評価する上で、開口部出入口近傍における上昇・下昇流の干渉による圧力損失が重要であることが分かった。
岸田 雅子*; 吉岡 直樹*; 内田 正治*
PNC TJ9214 93-001, 51 Pages, 1993/03
ATRの重水冷却系は、1次系より発生した熱を2次側と交換し、重水温度を下げてカランドリアタンク内へ循環される。先行炉の設計では、この重水の循環は、ポンプによる強制循環であったが、本研究では自然循環による冷却の可能性を検討した。下記に、本研究の実施内容の要旨を示す。 1)重水冷却系圧力低減方策の検討 ATRECSコードによる解析に先立ち、発生する自然循環流量を概略把握し、重水冷却系圧力損失低減方策を検討した。 2)解析モデルの設定とATRECSコード用入力データの作成 圧力損失低減方策に基づき、重水冷却系の設備・構造概念を定めると共に解析モデルを設定し、解析用入力データを作成した。 3)ATR重水系自然循環解析 カランドリアタンクからの重水出口温度および重水冷却器高さをパラメータとした定常解析を行い、重水流動に対する影響をサーベイした。 4)重水冷却器2次側の検討 事故時の重水冷却器2次側のヒートシンクについて、自然放熱等を利用した方策を検討した。本報告書は、上記研究の成果報告をまとめたものである。
石塚 悦男; 河村 弘; 佐川 尚司; 長倉 正昭*; 神澤 徹*
JAERI-M 93-044, 24 Pages, 1993/03
日本から提案されているペブル充填型ブランケットの概念設計を基にして、材料試験炉ではブランケット構造を模擬した試験体の照射試験を計画している。照射試験体を設計するための基礎データを取得するために、試験体中を流れるHeスイープガスによる圧力損失の評価を行った。この結果、実験値はKozeny-Carmanの式の約+25~-60%の範囲に収まり、本式を用いた設計が可能であることが明らかとなった。また、Heスイープガスに100ppmまで水分を添加して圧力損失を測定したところ顕著な水分の影響は見られなかった。