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井戸村 泰宏; 小野寺 直幸; 山田 進; 山下 晋; 伊奈 拓也*; 今村 俊幸*
スーパーコンピューティングニュース, 22(5), p.18 - 29, 2020/09
多相多成分熱流動解析コードJUPITERの圧力ポアソン方程式に省通信型マルチグリッド前処理付き共役勾配(CAMGCG)法を適用し、従来のクリロフ部分空間法と計算性能と収束特性を比較した。CAMGCGソルバは問題サイズによらずロバーストな収束特性を示し、通信削減と収束特性向上を両立することから、通信削減のみを実現する省通信クリロフ部分空間法に対する優位性が高い。CAMGCGソルバを900億自由度の大規模多相流体解析に適用し、前処理付共役勾配法ソルバと処理性能を比較した。このベンチマークにおいて、反復回数は約1/800に削減され、Oakforest-PACS上で8,000ノードに至る良好な強スケーリングを維持しつつ約11.6倍の性能向上を達成した。
高瀬 和之; 小瀬 裕男*; 藤井 貞夫*
第17回数値流体力学シンポジウム講演要旨集, p.B2_2_1 - B2_2_4, 2003/12
温度や圧力の条件によっては、冷却材が原子炉構成材料と化学的に反応し、水素,酸素,メタン等を生成することが考えられる。これらは可燃性ガスであり、その取り扱いは十分な注意が必要であるが、原子炉条件下における化学反応挙動を実験的に調べることは容易ではない。そこで、著者らは熱流動に起因する化学反応時の生成物質の反応安全性を数値的に検証することを目的として、物質と流体間の相変化挙動を解析するコードの開発を行っている。今回、著者らが改良を加えた物質拡散モデルと気相,液相,固相を統一的に解く3次補間擬似粒子法の採用により、従来は蒸気と黒鉛表面間での反応挙動予測範囲を黒鉛内部にまで拡張できる見通しを得た。
中村 彰夫; 吉井 賢資
Journal of Nuclear Science and Technology, 39(Suppl.3), p.160 - 163, 2002/11
螢石型二酸化ウラン(UO)はネール温度(T
)30.8Kの反強磁性体である。前報において筆者等は、UO
にこれに固溶しないTiO
(x=1.0, 1.5, 2.0)系を混ぜ、高温で熱処理すると、T
はほぼ一定のまま、UO
の反強磁性が弱強磁性へと変化していく挙動を示すことを見いだした。本報では、この反強磁性(AF)→弱強磁性(WF)移行挙動への洞察を深めるために、対象をM=Nb, V, Si等を含むUO
-MO
多相系へと拡げ、磁化率測定,粉末X線回折,EPMA分析等を用いて、検討を進めた。その結果、シリカ(SiO
)等のd電子を有しない絶縁体を含む多相系においても他系同様このAF→WF移行現象は見られることがわかった。これらの実験事実から、本現象は、MO
と密に接触したUO
表面近傍での反強磁性転移に伴う格子歪み(酸素変位)の機械的抑制により惹起されるのではないかと現時点では考えている。
堀 利彦*; 伊藤 崇; 千代 悦司; 泉 敬介*; 山崎 正義*; 渡辺 和彦*; 高崎 栄一*; 長谷川 和男; 吉川 博
Proceedings of 27th Linear Accelerator Meeting in Japan, p.255 - 257, 2002/08
大強度陽子加速器リニアック用のDTQ電源は既に全数製作され、所定の出力性能を確保しているが、この電源を実機で円滑に運用するためには入力ACラインに流出する高調波電流を技術指針上限値以下に抑制することが必要である。今回、この電源から流出する高調波電流を実測し、このデータから高調波抑制のための検討と解析を行なった結果、第5,7次高調波成分に関しては電気設備系の多相化トランス並びに運用時電力バランスを考慮した送電系統を構築することで効率的,安価に高調波電流を目標値以下に抑制可能なことが判明した。
中村 彰夫; 筒井 智嗣; 吉井 賢資
Journal of Magnetism and Magnetic Materials, 226-230(Part.1), p.876 - 878, 2001/05
UO(二酸化ウラン)は30.5Kのネール温度(T
)を持つ反強磁性体である。これに2価、3価の異原子価陽イオンを置き換えさせたさまざまな固溶体系では、U
間の反強磁性(超交換)相互作用が弱められるため、T
は一貫して低下し、最終的にはキューリー・ワイス型の常磁性体に変化していくことも良く知られている。これらの固溶体系とは違って、UO
に固溶しないTiメタル及びTi酸化物:TiO
(x=0, 1.0, 1.5, 2.0)とUO
との多相混合物系が高温熱処理により、T
30.5~29.0Kとほぼ一定のまま、弱強磁性的なT
での磁化率(
)の増大を示すことを見いだしたので、その結果を報告する。この現象は相手方がTi酸化物系(TiO(x=1.0),Ti
O
(x=1.5),TiO
(x=2.0))の場合特に顕著であり、これらのTi酸化物との接触界面近傍でのUO
自身の磁気的性質の変化によって生じるものと推測される。
山中 伸介*; 阿部 和幸
JNC TY9400 2000-004, 78 Pages, 2000/03
高燃焼度時における高速炉用MOX燃料の挙動を把握するための基礎的研究を実施し、以下の結論を得た。プルトニウムをセリウムで代用した高速炉用模擬MOX燃料(U0.8,Ce0.2)O2にFPとして希土類元素及びジルコニウムを固溶させた模擬燃焼MOX燃料、(U0.8-yCe0.2My)O2x[M:NdorZr](0
y
0.13)の熱伝導度を評価し、添加元素濃度依存性、温度依存性を明らかにした。(U0.8-yCe0.2My)O2
x[M:NdorZr](0
y
0.13)の熱伝導度を(U0.8,Ce0.2)O2の熱伝導度と添加元素濃度を用いた近似式で表現することができた。模擬燃焼MOX燃料、(U0.8-yCe0.2My)O2
x[M:NdorZr](0
y
0.13)の機械的特性を試料中の音速とビッカース硬度から評価し、試料の弾性定数、ビッカース硬度及び降伏応力が添加元素濃度が増加するにつれて減少することを明らかにした。分子動力学法を用いて燃料の物性予測を、多相平衡計算プログラム"ChemSage"を用いて高燃焼度時における燃料中のFPの存在化学形態の予測を行なった。いずれの方法でも系のみを取り扱っただけであるが妥当な結果が得られた。
白川 典幸*; 堀江 英樹*; 山本 雄一*; 松宮 壽人*
JNC TJ9440 2000-008, 47 Pages, 2000/03
伝熱流動数値実験によって、化学反応を伴う伝熱流動が高速炉を構成する機器に及ぼす影響を評価するには、反応の発生箇所近傍だけでなく機器全体を解析対象とする必要がある。そのため、計算負荷の観点から微視的な解析手法を直接用いることができない。このため、使用する熱流動解析コードには、化学反応によって生じる多相・多成分の反応性流体の挙動をモデル化し、相関式として組み込まなければならない。反応性流体の化学反応の量は反応する相間の境界面積に依存し、この面積は界面の形状によって大きく変化する。しかし、ナトリウム-水反応のように化学反応を伴う系については、これに関する実験的知見もないのが現状である。そこで本件では、微視的解析手法である粒子法を用いて、多相・多成分・反応性流体の挙動を機構論的に解析し、流動様式や境界面積に関する知見を得ることを最終的な目的とする。本年度は、粒子法を用いて水・ナトリウム反応を扱うための第一段階として、液体ジェットが他の液体プールに噴出する際の流体力学的挙動への粒子法の適用性を検討することを目的とした。このため、文献調査によりジェット流動様式のメカニズムを検討するとともに、ここでの目的に合致する、「ガソリンプールに水を噴出させる実験」を選び、解析した。また、蒸気発生器内部の伝熱管水リーク事故では管群内のジェット流を解析する。このような複雑体系への本手法の適用性を検討するため、蒸気発生器安全性総合試験(SWAT/Run19試験)を例として化学反応を含まない流体力学のみの予備解析を実施した。その結果、伝熱管群を含む複雑体系においても、高速ジェット流とプール流体との相互作用を考慮した流動挙動への適用性が確認できた。さらに、今後扱うべき現象のモデリングについて検討し、相変化と化学反応経路を選定し定式化を行った。水の相変化は伝熱律速モデルに基づき、化学反応は水・水素転換率をパラメタとした一括反応モデルに基づいている。また、コード構成についても概念設計を行った。
Y.Yang*; 大橋 弘忠*; 杉本 純
Eighth Int. Topical Meeting on Nuclear Reactor Thermal-Hydraulics (NURETH-8), 2, p.663 - 670, 1997/00
蒸気爆発の粗混合過程を解析するコードで使用される構成式では、通常、抵抗力に対する蒸気の影響を考えていない。しかし、高温溶融物の周りで蒸発が不均一であると、圧力分布も非常に不均一になり易い。この不均一な圧力分布は高温溶融物の受ける抵抗力に影響を及ぼす。本論文では冷却材の自由界面にある高温粒子と冷却材中にある高温粒子について、周囲の蒸気膜中での圧力分布を分析し、蒸気抵抗力モデルを開発した。自由界面では、蒸気が全部高温粒子の下部のみで発生するので、蒸気の圧力は一方向に働くため、大きな抵抗力で粒子の落下速度は大幅に低下する。特に、粒子温度が2500K以上なら、この蒸気抵抗力は無視できないことを明らかにした。水中の粒子については、蒸気抵抗力が蒸気の圧力と冷却材の圧力の比に正比例することを示した。この蒸気抵抗力モデルを蒸気爆発解析コードCHAMP/VEに組込んで、Winfrith Technology Centre(UK)で行った蒸気爆発の粗混合実験MIXA06を解析し、従来の抵抗力モデルとの比較を行った。本モデルの有効性を明らかにした。
三田村 久吉; 松本 征一郎; M.W.A.Stewart*; 坪井 孝志; 橋本 昌亮*; E.R.Vance*; K.P.Hart*; 冨樫 喜博; 金澤 浩之; C.J.Ball*; et al.
Journal of the American Ceramic Society, 77(9), p.2255 - 2264, 1994/00
被引用回数:31 パーセンタイル:80.33(Materials Science, Ceramics)Naを含まない模擬高レベル廃棄物の多相チタン酸セラミック固化体に0.91wt%のCm-244を添加して崩壊の影響を調べた。1.2
10
(
崩壊/g)の線量を受けた試料のX線回折結果から、3つの構成主相-ホランダイト、ペロブスカイト、ジルコノライトの単位格子体積がそれぞれ0,2.7,2.6%増加していた。放射線損傷による体積膨張で密度は徐々に減少し、上記の線量を受けた試料の密度減少は1.7%に達した。2
10
(
崩壊/g)の線量を受けた試料からの浸出率を以前のNaを含んだ試料からの結果と比較したところ、Naを含まない場合にはCsの浸出率が3~8倍低くなった。
荒井 康夫; 岩井 孝; 大道 敏彦
Journal of Nuclear Materials, 151, p.63 - 71, 1987/00
被引用回数:11 パーセンタイル:72.15(Materials Science, Multidisciplinary)ウラン炭化物燃料中の固体FPの化学形態を多相化学平衡プログラムSOLGASMIX-PVを用いた計算により予測した。固体FPは照射下の燃料中において、燃料母材中に固溶する、ウランを含む三元系化合物やFP自身の炭化物を形成する、金属相として析出する、などにそれぞれ分配される。FPの化学形態は、装荷する燃料の化学組成及び燃焼の進行に従い変化することが確かめられた。ここで得られた計算結果は、高燃焼度模擬の実験や照射後試験のデータと比較的良い一致を示した。ウラン炭化物燃料において、固体FPの蓄積に起因するスウェリングを、燃焼度1%あたり0.6%体積であると評価した。
内田 正明
JAERI-M 84-143, 20 Pages, 1984/08
与えられた独立成分の比率の下で平衡化学組成を求める問題を自由エネルギー最小の条件を用いて解くコードMPECを開発した。本コードは従来の速度の遅い数値計算法を、活量の対数を独立変数とする扱いにより改良した点に特徴を有する。収束性の向上に伴って生ずる数値不安定の問題は、線型項のみに着目して線型計画法により解析の骨格を推定してから平衡の計算に入るという方法により解決した。この方法は多数の相の消長が独立成分量の微妙なバランスにより決定されるような複雑な問題の場合ほど有効となり、そのような問題では計算速度が従来の方法にくらべて100倍程度に達することがわかった。
本多 敏雄; 斎藤 保; 堀口 洋二
炭素, (72), p.14 - 20, 1973/00
示差熱分析によって炭素材料の酸化挙動を推測しうる可能性があるのではないかと考え、その1つの試みとして、炭素の酸化に伴う示差熱曲線の再現性について検討を行い、併せて各種炭素材料の酸化・示差熱曲線の変化を追跡した。その結果、(1)ピーク極大温度は酸化・示差熱曲線の特性づけを行ううえでの指標として用いうることができる。(2)ピーク極大温度はその炭素材料の面間隔、結晶子の大きさと一定の対応関係があり、また酸化反応速度とも関連する。(3)X線複合図形を示す炭素材料の酸化・示差熱曲線にはダブルピークの存在が認められ、2種類の酸化反応性の異なる炭素質の集合体であることが推論された。などの点を明らかにすることができた。
吉田 啓之
no journal, ,
日本原子力学会部会連絡会ウィークリーウェビナーは、専門家集団としての原子力学会の部会・連絡会が普段からどのような取り組みをしているかを広く社会に発信・解説することで相互理解を促進し、会話の機会とすることを目的としている。軽水炉の安全性向上のためには、熱流動実験に加え熱流動現象についての数値シミュレーション技術の利用が不可欠と考えられる。本講演では、軽水炉の安全性向上に向けて実施されている熱流動研究のうち、数値シミュレーション技術の活用を目指して進められているシミュレーション技術開発について、その現状を概説するともに課題や今後の方向性、関連する学会・部会の取り組みについてについて紹介する。
真弓 明恵; 井戸村 泰宏; 山田 進; 伊奈 拓也; 山下 晋
no journal, ,
多相多成分熱流動解析コードJUPITERのPoissonソルバに省通信CG法を実装し、実問題における収束特性と処理性能を調査した。省通信化に伴う数値誤差の蓄積による収束特性悪化の問題を分析し、アルゴリズムを部分的に4倍精度化して収束特性を向上する手法を考案した。
小野寺 直幸; 井戸村 泰宏; Ali, Y.*; 山下 晋; 伊奈 拓也*; 今村 俊幸*
no journal, ,
原子炉の非定常熱流解析は、効率的な設計と安全性の観点から非常に重要である。原子力機構では、それらの解析を実施するためにJUPITERコードのPoisson方程式に対してP-CGおよびP-CBCG法のGPU実装により計算を高速化を行なっている。Poisson方程式の計算カーネルはCUDAを用いて記述し、更に最新のVoltaアーキテクチャのGPUで高い性能を実現するように最適化を行った。開発したソルバーにより、Summit(NVIDIA TESLA V100), ABCI(NVIDIA TESLA V100), Oakforest-PACS(Intel Knights Landing)で2,048GPU/CPUまで優れたスケーリングが得られると共に、Oakforest-PACSに対して、Summitで1.21.6倍、ABCIで1.4
1.7倍の性能向上が示された。
堀口 直樹; 山村 聡太*; 吉田 啓之; 阿部 豊*
no journal, ,
多相熱流動を解明するため時系列かつ2次元または3次元における界面形状データを取得可能な詳細計測手法が開発されている。例えば、燃料冷却材相互作用における溶融燃料ジェットの微粒化物といった分散相の詳細計測が実施され、3次元空間におけるその粒径等の時系列データの取得が達せられているが、個々の分散相を追跡する手法がないことから、3次元速度データの取得には至っていない。本報では、時系列3次元データを用いた分散相追跡手法の検討結果を報告する。本手法の適用性の確認には、TPFITを用いた詳細二相流動シミュレーションにより取得した3次元空間における分散相の体積率分布と速度分布データを用いた。結果として、分散相について時刻間の体積率分布の相関を取ることで速度を評価できることを確認した。