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報告書

試験研究用原子炉の解体により発生する廃棄物の放射能濃度評価方法の検討

村上 昌史; 星野 譲; 中谷 隆良; 菅谷 敏克; 福村 信男*; 三田 敏男*; 坂井 章浩

JAEA-Technology 2019-003, 50 Pages, 2019/06

JAEA-Technology-2019-003.pdf:4.42MB

試験研究用原子炉施設の解体廃棄物に対する共通的な放射能濃度評価方法の構築に向けて、立教大学のTRIGA-II型炉を対象として、アルミニウム合金, 炭素鋼, 遮蔽コンクリート及び黒鉛構造材中の放射化生成核種の放射能を、放射化学分析及び放射化計算により評価した。採取した構造材サンプルは放射化学分析及び構造材組成分析の両方に使用した。放射能を測定した核種はアルミニウム合金について$$^{3}$$H, $$^{60}$$Co, $$^{63}$$Ni、炭素鋼について$$^{3}$$H, $$^{60}$$Co, $$^{63}$$Ni, $$^{152}$$Eu、遮蔽コンクリートについて$$^{3}$$H, $$^{60}$$Co, $$^{152}$$Eu、黒鉛について$$^{3}$$H, $$^{14}$$C, $$^{60}$$Co, $$^{63}$$Ni, $$^{152}$$Euであった。中性子束分布の計算にはDORTコード、誘導放射能の計算にはORIGEN-ARPコードを使用した。アルミニウム合金, 炭素鋼及び遮蔽コンクリートでは、概ね保守的かつよい精度で放射能濃度を評価できる見通しが得られた。一方で黒鉛では、材料組成分析では全ての元素が定量下限値未満であったにも拘らず、全測定核種の放射能分析値が得られた。

論文

幌延深地層研究センターゆめ地創館および地下研究施設を活用したリスク・コミュニケーション

大澤 英昭; 野上 利信; 星野 雅人; 徳永 博昭*; 堀越 秀彦*

原子力バックエンド研究(CD-ROM), 26(1), p.45 - 55, 2019/06

日本原子力研究開発機構幌延深地層研究センターでは、国民のみなさまの地層処分技術に関する研究開発および地層処分の理解を深めることを目的に、ゆめ地創館および地下研究施設を活用してリスク・コミュニケーションを実施してきた。本稿では、2013$$sim$$2017年度、これらの施設の見学後に実施しているアンケート調査の結果を分析した。その結果は、理解度が深まると、長期の安全性についてはより不安な要素としてクローズアップされていることを示唆している。また、地下研究施設を見学している回答者の方が、見学していない回答者と比較して、地層処分の必要性,適切性,安全性をポジティブに評価していることなどから、本施設の見学が、地層処分の理解にとって貴重な体験になっていることが示唆される。

論文

高レベル放射性廃棄物地層処分施設の立地調査受容に信頼と手続き的公正が及ぼす影響

大澤 英昭; 大友 章司*; 広瀬 幸雄*; 大沼 進*

人間環境学研究, 17(1), p.59 - 64, 2019/06

本研究では、手続き的公正及び信頼が、高レベル放射性廃棄物地層処分施設の立地の受け入れに及ぼす影響を確認するため、意見の反映状況で手続き的公正の高低を操作するシナリオと、価値の類似性で信頼の高低を操作するシナリオを用いて、シナリオ実験を行った。その結果は、手続き的公正及び信頼は、立地の受け入れに影響を与えていること、信頼が低い時ほど、手続き的公正が立地の受け入れに与える影響が強くなることを示している。

論文

Importance of root uptake of $$^{14}$$CO$$_{2}$$ on $$^{14}$$C transfer to plants impacted by below-ground $$^{14}$$CH$$_{4}$$ release

太田 雅和; 田中 拓*

Journal of Environmental Radioactivity, 201, p.5 - 18, 2019/05

 パーセンタイル:100(Environmental Sciences)

放射性廃棄物地下処分施設から漏洩する$$^{14}$$CH$$_{4}$$は、土壌中で微生物による酸化を受けて$$^{14}$$CO$$_{2}$$となる。既存の$$^{14}$$C移行モデルでは、土壌中$$^{14}$$CO$$_{2}$$の植生への移行が主に葉面吸収によって起こることが仮定されている。一方、$$^{14}$$CO$$_{2}$$の経根吸収の影響は把握されていない。本研究は、$$^{14}$$CO$$_{2}$$の経根吸収が植生への$$^{14}$$C移行に及ぼす影響を評価するため、土壌中の$$^{14}$$CH$$_{4}$$の輸送と酸化をモデル化し、これを陸面$$^{14}$$CO$$_{2}$$移行モデル(SOLVEG-II)に組み込んだ。モデルによる土壌中$$^{14}$$CH$$_{4}$$移行の計算性能は、深部土壌への$$^{13}$$CH$$_{4}$$注入の野外実験データを用いて検証した。次に、モデルを地下水面(深度1m)からの$$^{14}$$CH$$_{4}$$の連続放出時の陸面$$^{14}$$C移行に適用した。土壌中で根が浅く分布(深度11cm)する状況では、植生への$$^{14}$$C移行では$$^{14}$$CO$$_{2}$$の葉面吸収の影響が支配的となり、葉への$$^{14}$$C蓄積の80%に寄与した。一方、根が地下水面近くまで分布(深度97cm)する状況では、葉への$$^{14}$$C蓄積の半分以上(63%)が経根吸収によってもたらされた。更に、メタン酸化が土壌深部(深度20cmあるいは80cmまで分布)で起きた場合には、葉に蓄積した$$^{14}$$Cの全量が経根吸収によってもたらされた。これらの結果から、根が地下水面近くまで分布し、$$^{14}$$CH$$_{4}$$の酸化が土壌深部で起きる場合は、$$^{14}$$CO$$_{2}$$の経根吸収が植生への$$^{14}$$C移行において支配的となることが明らかとなった。

報告書

研究施設等廃棄物の埋設処分に係る共通的な非破壊外部測定装置の基本システムの検討

出雲 沙理; 林 宏一; 仲田 久和; 天澤 弘也; 本山 光志*; 坂井 章浩

JAEA-Technology 2018-018, 39 Pages, 2019/03

JAEA-Technology-2018-018.pdf:2.8MB

日本原子力研究開発機構が計画している研究施設等廃棄物の浅地中埋設処分施設では、個々の埋設対象廃棄物の放射能濃度が許可を受けた最大放射能濃度を超えないこと及び埋設対象廃棄物における総放射能量が許可を受けた総放射能量を超えないことが必要となる。このため、個々の埋設対象廃棄物の放射能量が、埋設する総物量の観点から過度に保守的な評価とならないことが重要となり、特に数量が多いく放射能濃度が極めて低いトレンチ埋設処分対象廃棄体については、その放射能濃度の下限値をクリアランスレベル程度まで評価することが望まれる。本報では、これまでの試験研究炉における放射能濃度の評価方法の検討結果から、非破壊外部測定法の適用が想定されているCo-60, Cs-137, Nb-94, Ag-108m, Ho-166m, Eu-152, Eu-154等の$$gamma$$線放出核種については、モデル計算等によりその 成立性を検討し、最も測定が難しい鋼製角型容器に収納した場合においてもこれらの核種をクリアランスレベル以下まで測定可能な見通しを得るとともに、その結果に基づき当該装置に必要な性能と基本システムを整理した。

報告書

多様な処分概念に共通して利用可能な生活圏評価手法の整備

加藤 智子; 深谷 友紀子*; 杉山 武*; 中居 邦浩*; 小田 治恵; 大井 貴夫

JAEA-Data/Code 2019-002, 162 Pages, 2019/03

JAEA-Data-Code-2019-002.pdf:2.78MB

東京電力福島第一原子力発電所の事故により発生した放射性廃棄物(事故廃棄物)を安全かつ合理的に処分するためには事故廃棄物の特徴を考慮した適切な処分概念の構築が必要である。このような検討に資するため、既往の処分概念である地層処分, 中深度処分, ピット処分, トレンチ処分等既存の処分概念の事故廃棄物処分への適用可能性の検討が行われている。処分概念の適用性評価においては、処分概念の違いによる影響が小さいと考えられる生活圏評価のシナリオ、モデル・パラメータを共通して利用する評価手法を整備することが可能である。本検討では、さまざまな処分概念において共通的に利用可能な生活圏共通モデル・パラメータセットの整備を目的とし、地下水移行シナリオを対象として、既往の処分概念における生活圏評価手法に基づきモデルの整備、パラメータ値の更新などを実施した。これらの検討に基づき、地下水移行シナリオに対して、処分概念に依らない生活圏共通モデル・パラメータセットを整備し、事故廃棄物の処分の適用性評価に用いるための線量への換算係数を算出した。

論文

高レベル放射性廃棄物の管理方策の選択に関する意思決定プロセス; スイスと英国を例として

大澤 英昭; 広瀬 幸雄*; 大沼 進*; 大友 章司*

社会安全学研究, 9, p.145 - 160, 2019/03

スイスと英国を事例に、高レベル放射性廃棄物の管理方策に関する意思決定プロアセスを、文献レビューに基づき比較した。その結果は、全体の流れは共通しており、評価基準と方法の決定、HLW管理方策のオプションの評価、オプションの選定の流れで行われていることを示している。管理方策の比較の基準は、安全性、世代間公正性が重要であるとされた。また、世代間公正に関しては、現在の世代ができる限り早急にできることをする責任があるという点を重視する立場「今取り組む」と、将来の世代に自らの選択をさせる自由を与える、すなわち将来世代が責任(選択の権利)を取れるように情報と補償を提供する義務が現世代側にあるとする立場「後まで置いておく」とが共通のトレードオフになっていた。これらトレードオフになっている2つの価値観を考慮して熟議することにより、地層処分を忌避する価値観が緩和され、結果的に回収可能性を考慮した地層処分概念が選択された。

論文

高レベル放射性廃棄物地層処分施設のサイト選定に関する意思決定プロセス; スイスと英国を例として

大澤 英昭; 広瀬 幸雄*; 大沼 進*; 大友 章司*

社会安全学研究, 9, p.161 - 176, 2019/03

公募方式を採用している英国と安全性を最優先にスクリーニングする方式を採用しているスイスを事例に、高レベル放射性廃棄物地層処分施設のサイト選定に関する意思決定プロセスを、文献レビューにより比較した。その結果、公募方式を採用している英国は、サイト選定の公正さは、自発的参加、撤退権、パートナーシップ、福祉の向上により実現できるという考えに基づいている。一方で、安全性を最優先にスクリーニングする方式を採用しているスイスは、自分の地域の属性を知らない状況で、処分場建設の選定基準として何が重要かについて共通の認識も持つことができれば、もしも自分の地域が候補地に選定されたとしても、その手続きは公正だとあらかじめ合意していたので、その結果を受け入れざるを得ないと判断する、といった無知のヴェールの考えにそったサイト選定方式を考えられる。

報告書

ドラム缶からの漏えい跡原因調査及び対策に係る報告書

下村 祐介; 佐藤 拓也; 福井 康太; 工藤 健治; 吉岡 龍司

JAEA-Review 2018-023, 220 Pages, 2019/01

JAEA-Review-2018-023.pdf:15.6MB

平成27年9月11日、日本原子力研究開発機構大洗研究開発センター廃棄物管理施設の固体集積保管場IIにおいて、アスファルト固化体封入ドラム缶(アスファルトドラム缶)4缶からアスファルトの漏えい跡が確認された。また、その後の点検において、平成27年11月10日にアスファルトドラム缶1缶からアスファルトの漏えい跡が発見された。さらに、平成27年12月2日には、アスファルトドラム缶1缶に、アスファルトの漏えい跡は無いが上蓋の腐食が激しいものが確認された。アスファルトドラム缶からのアスファルトの漏えい跡について、原因の調査と対策を検討するため、「ドラム缶からの漏えい跡原因調査及び対策に係る検討作業部会」を設置し、対応が進められた。具体的な検討事項は、(1)アスファルトドラム缶からのアスファルトの漏えい原因の特定、(2)アスファルトドラム缶の腐食(錆)発生原因の特定、(3)アスファルトドラム缶のアスファルト漏えい及び腐食(錆)の再発防止対策である。本報告書は、当該作業部会でまとめられた報告書「ドラム缶からの漏えい跡原因調査及び対策に係る報告書」を基に、その後の書類調査によって明らかになった内容を含めて再構成したものである。

論文

原子力分野における分光分析手法の紹介

日下 良二

分光研究, 67(6), p.239 - 240, 2018/12

本稿では原子力分野外の読者を対象に、日本原子力研究開発機構(JAEA)と量子科学技術研究開発機構(QST)の共同研究によって開発された分光分析手法を解説した。解説した手法は、使用済燃料に含まれる$$^{107}$$Pd同位体を、レーザー誘起光還元法と誘導プラズマ質量分析計(ICP-MS)を用いることによって定量分析することに成功した手法である。使用済燃料に含まれる放射性同位体の定量分析の重要性と、その分析の難しさや問題点を解説した上で、本手法の原理、利点、さらには、今後の応用について記述した。

論文

無知のヴェールによる決定方法は社会的受容を高めるか?; 日本における高レベル放射性廃棄物地層処分候補地選定を題材とした仮想シナリオ調査

大沼 進*; 広瀬 幸雄*; 大澤 英昭; 大友 章司*; 横山 実紀*

日本リスク研究学会第31回年次大会講演論文集(USB Flash Drive), 6 Pages, 2018/11

高レベル放射性廃棄物地層処分候補地が決まらない理由の一つに、仮に必要性が理解できたとしても自分の居住地が候補地になってほしくないため、候補地名が上がった途端に反発が生じることがあげられる。そこで、誰もが潜在的に当事者となり得る状況(無知のヴェール下)であらかじめ決め方に合意し、その決め方で決まったならば、受容しやすくなるだろうか。日本全国を対象に調査を実施した。その結果、無知のヴェールによる決定方法は現状の政策よりも受容の程度が高く、無知のヴェールによる決め方で自分の居住地が候補地になったとしても現状の政策よりは受容が高かった。さらに、現状の政策は手続き的公正の評価が低いが、無知のヴェールによる決定は肯定的に評価されていた。

論文

酸化剤含有NaOH水溶液中でFeに形成させたFe$$_{3}$$O$$_{4}$$皮膜中へのD$$_{2}$$Oの拡散浸透挙動

春名 匠*; 宮瀧 裕貴*; 廣畑 洋平*; 柴田 俊夫*; 谷口 直樹; 立川 博一*

材料と環境, 67(9), p.375 - 380, 2018/09

本研究では、酸化剤含有沸騰45mass% NaOH水溶液(424K)中においてFeの浸漬試験を行い緻密な皮膜を形成させる浸漬時間の探索を行うこと、ならびに形成した皮膜に対する室温でのD$$_{2}$$Oの浸透挙動を明らかにすることを目的とした。その結果、以下の知見が得られた。酸化剤含有沸騰NaOH水溶液中に0.4ks以上浸漬したFe表面にはFe$$_{3}$$O$$_{4}$$が検出され、21.6ksまでは浸漬時間の増加とともに皮膜厚さが放物線則に従って増加した。酸化剤含有沸騰NaOH水溶液中にFeを1.2ksもしくは3.6ks浸漬して形成したFe$$_{3}$$O$$_{4}$$皮膜にD$$_{2}$$O浸透試験を行った結果、いずれの皮膜に対しても、浸透時間が1000ksまでは、浸透時間の増加とともにD$$_{2}$$O浸透量が増加し、それ以上の浸透時間ではD$$_{2}$$O浸透量が定常値を示した。また3.6ks浸漬して形成した皮膜に対する定常D$$_{2}$$O浸透量の方が大きい値を示した。D$$_{2}$$Oの浸透時間と浸透量の関係をFickの拡散方程式に基づいて解析した結果、1.2ksおよび3.6ks浸漬して形成したFe$$_{3}$$O$$_{4}$$皮膜に対するD$$_{2}$$Oの拡散係数がそれぞれ5.1$$times$$10$$^{-15}$$ cm$$^{2}$$・s$$^{-1}$$および9.9$$times$$10$$^{-15}$$ cm$$^{2}$$・s$$^{-1}$$と算出されたため、本Fe$$_{3}$$O$$_{4}$$皮膜に対するD$$_{2}$$Oの拡散係数は5.1$$times$$10$$^{-15}$$ $$sim$$ 9.9$$times$$10$$^{-15}$$ cm$$^{2}$$・s$$^{-1}$$の範囲に存在すると推定された。

報告書

幌延深地層研究計画; 平成30年度調査研究計画

花室 孝広

JAEA-Review 2018-011, 20 Pages, 2018/08

JAEA-Review-2018-011.pdf:2.77MB

本計画は、原子力機構が堆積岩を対象に北海道幌延町で実施している。原子力機構の第3期中長期計画では、幌延深地層研究計画について、「実際の地質環境における人工バリアの適用性確認、処分概念オプションの実証、地殻変動に対する堆積岩の緩衝能力の検証に重点的に取り組む。また、平成31年度末までに研究終了までの工程やその後の埋戻しについて決定する。」としている。幌延深地層研究計画は、「地上からの調査研究段階(第1段階)」、「坑道掘削(地下施設建設)時の調査研究段階(第2段階)」、「地下施設での調査研究段階(第3段階)」の3つの調査研究段階に分けて進めることとしており、全体の期間は20年程度を考えている。平成30年度は、地下施設での調査研究段階(第3段階)を継続しながら、第3期中長期計画の3年度目として、同計画に掲げた3つの課題を達成していくための調査研究を実施する。

報告書

JRR-2及びJRR-3保管廃棄物に対する放射能濃度評価方法の検討

林 宏一; 出雲 沙理; 仲田 久和; 天澤 弘也; 坂井 章浩

JAEA-Technology 2018-001, 66 Pages, 2018/06

JAEA-Technology-2018-001.pdf:4.12MB

日本原子力研究開発機構では、研究施設等から発生する低レベル放射性廃棄物を対象とした浅地中埋設処分における廃棄体確認に向けて、廃棄体に含まれる放射性物質の種類ごとの放射能濃度評価方法を構築しておく必要がある。このため、試験研究炉であるJRR-2及びJRR-3の保管廃棄物をモデルに、放射性核種(H-3, C-14, Cl-36, Co-60, Ni-63, Sr-90, Nb-94, Tc-99, Ag-108m, I-129, Cs-137, Eu-152, Eu-154, U-234, U-238, Pu-239+240, Pu-238+Am-241及びCm-243+244)を対象とした放射化学分析データに基づき放射能濃度評価方法の検討を行った。検討の結果、相関係数やt検定により対象核種とKey核種の相関関係を確認することでスケーリングファクタ法を適用できる見通しを得た。また、分散分析検定(F検定)によるグループ分類の要否を確認することでJRR-2及びJRR-3施設共通のスケーリングファクタを適用できる見通しを得た。スケーリングファクタ法の適用の見通しが得られなかった核種については、平均放射能濃度の裕度を確認することで平均放射能濃度法を適用できる見通しを得た。これらの結果は、放射能濃度評価方法を構築する雛形として今後の検討に適用可能である。

論文

パルスパワー技術によるコンクリート瓦礫の除染・再利用に関する研究

坂本 浩幸*; 赤木 洋介*; 山田 一夫*; 舘 幸男; 福田 大祐*; 石松 宏一*; 松田 樹也*; 齋藤 希*; 上村 実也*; 浪平 隆男*; et al.

日本原子力学会和文論文誌, 17(2), p.57 - 66, 2018/05

福島第一原子力発電所の事故によって放射性セシウムによって汚染されたコンクリート瓦礫が発生しており、さらに、将来の原子炉の廃止措置に伴って多量の放射性コンクリート廃棄物が生じることが想定される。床や壁等のフラットな表面の除染には既存技術が有効であるが、コンクリート瓦礫に対する除染技術の適用性については課題がある。本研究では、パルスパワー放電技術の適用性可能性に着目して、汚染コンクリートの骨材とセメントペーストへの分離と、それぞれの放射能測定による基礎的な試験と評価を実施した。試験結果より、汚染コンクリートの骨材とセメントペーストへの分離によって、放射性コンクリートの除染と減容が達成される可能性が示された。

論文

幌延深地層研究センターの人工バリア性能確認試験孔周辺の掘削影響領域の経時変化に関する検討

青柳 和平; 宮良 信勝; 石井 英一; 松崎 嘉輝

資源・素材講演集(インターネット), 5(1), 7 Pages, 2018/03

幌延深地層研究センターでは、高レベル放射性廃棄物の地層処分技術の信頼性向上を目的として、深度350mの調査坑道において、人工バリア性能確認試験を実施している。当該試験では、処分孔竪置き方式を模擬したピットを坑道底盤に掘削し、ベントナイトを主成分とする緩衝材ブロック、模擬オーバーパック、ヒーターから構成される模擬人工バリアを設置し、坑道全体を埋め戻すことにより、実際の処分環境を模擬し、人工バリア材料および周辺岩盤の長期的な挙動をモニタリングしている。本研究では、ピット及び坑道を取り囲む二次元断面で実施した弾性波トモグラフィ調査に基づき、坑道およびピット周辺岩盤の長期的な挙動を検討した。調査の結果、ピット掘削後は、坑道の底盤およびピット周辺において、掘削時の岩盤のゆるみに起因すると思われる弾性波速度の顕著な低下を確認した。また、緩衝材ブロックへの注水を開始した後は、底盤部およびピット周辺部の弾性波速度が増大していく傾向を捉えた。これは、注水に伴う緩衝材ブロックの膨潤の影響でピットの内圧が増大したことにより、掘削影響領域の岩盤密度が回復した現象をとらえたものと考えられる。

論文

放射性廃棄物のガラスによる固化

天本 一平

Journal of the Society of Inorganic Materials, Japan, 24(391), p.393 - 401, 2017/11

ガラスは非晶質であるため、組成を変化させることが容易であり、さまざまな特性を制御できる。例えばソーダ石灰ガラスに酸化ホウ素を添加したホウケイ酸塩ガラスは、耐熱性や強度の面で優れており、幅広い用途がある。原子力の分野においても、放射性廃棄物を不動化して長期安定化を図るため、ホウケイ酸塩ガラスが放射性廃棄物の固化媒体として用いられている。高レベル放射性廃棄物を充填したガラスをガラス固化体と呼んでいる。本稿は、放射性廃棄物の分類や処理方法、製造したガラス固化体の特性やその後の処分方法について述べており、さらにホウケイ酸塩ガラス以外の固化媒体についても紹介している。

論文

1F事故による環境回復に伴う廃棄物の管理と除去土壌の減容・再生利用の取り組み,5; 低レベル放射性廃棄物の処分費用の積算

仲田 久和; 坂井 章浩; 天澤 弘也; 坂本 義昭

日本原子力学会誌, 59(8), p.447 - 449, 2017/08

日本原子力学会2017年春の年会バックエンド部会企画セッション「福島第一原発事故による環境汚染の回復に伴う汚染廃棄物の管理と除去土壌の減容・再生利用の取り組み;低レベル放射性廃棄物の処分費用の積算方法」からの特記記事である。再生利用可能な除去土壌を分離した後の除去土壌は最終処分される。除去土壌の最終処分場の設計検討に資することを目的として、研究施設等から発生する低レベル放射性廃棄物の処分方法(研廃処分場)を参考として、合理的な設計に向けた費用評価上の課題を検討した。検討に際しては、研廃処分場において、遮水工を設置したトレンチ型埋設処分施設(付加機能型トレンチ処分施設)の概念設計をしたことから、その評価方法を適用して実施した。

論文

長寿命核種の分離変換技術の現状,1; 分離変換の意義と分離変換システム

湊 和生; 辻本 和文; 田辺 博三*; 藤村 幸治*

日本原子力学会誌, 59(8), p.475 - 479, 2017/08

本稿は、日本原子力学会「放射性廃棄物の分離変換」研究専門委員会において、国内外における分離変換技術や関連する技術の研究開発状況について調査・分析してきた結果を基に、長寿命核種の分離変換技術の現状について、4回に分けて紹介するものである。第1回にあたる本稿では、分離変換の意義は何であるのかを解説するとともに、分離変換を効果的・効率的に行うために研究開発が進められている分離変換のシステムについて解説する。分離変換の意義については、放射性廃棄物を経口摂取した場合の被ばく線量で定義される潜在的有害度低減の観点から、使用済み燃料の潜在的有害度が原料とした天然ウランの潜在的有害度を下回るまでに要する時間はおよそ10万年であるが、再処理後は約1万年、分離変換後は数百年まで短縮されることを示した。また、潜在的な吸入摂取毒性の低減にはMAの分離変換の効果が顕著であることから、数十万年の超長期にわたる人間活動や地殻変動の予測等に相当の不確実性が伴うことから、分離変換は処分場影響の不確実性低減にも寄与すると考えられることを示した。分離変換システムについては、総合的なシステムとして分離変換技術を捉えた場合、比較的有望な概念として考えられている発電用の高速炉を用いたシステム(高速炉利用型)と核変換専用の小規模な燃料サイクルを商用発電サイクルに付加したシステム(階層型)を紹介するとともに、プルトニウムや核分裂生成物を核変換対象とするその他のシステムも紹介した。

報告書

照射後試験施設から発生する廃棄物の放射能評価方法の検討,2

辻 智之; 星野 譲; 坂井 章浩; 坂本 義昭; 鈴木 康夫*; 町田 博*

JAEA-Technology 2017-010, 75 Pages, 2017/06

JAEA-Technology-2017-010.pdf:2.31MB

研究施設等廃棄物の埋設処分に向けた合理的な廃棄物確認手法確立のために、照射後試験施設から発生した放射性廃棄物に対する放射能濃度評価手法を検討する必要がある。このため、ニュークリア・デベロップメントの照射後試験施設をモデルに理論計算を主体とする新たな放射能濃度評価手法の検討を行った。この結果、埋設処分の安全評価上重要と考えられる17核種(H-3, C-14, Co-60, Ni-63, Sr-90, Tc-99, Cs-137, Eu-154, U-234, U-235, U-238, Pu-238, Pu-239, Pu-240, Pu-241, Am-241, Cm-244)のうち、Sr-90, Tc-99, Eu-154等の14核種に対し、理論計算手法を適用できる可能性を得た。

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