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関口 哲弘; 馬場 祐治; 下山 巖; Nath, K. G.
Journal of Electron Spectroscopy and Related Phenomena, 144-147, p.437 - 441, 2005/06
被引用回数:3 パーセンタイル:17.55(Spectroscopy)表面における配向を化学結合種ごとに分析する新しい実験手法を開発した。偏光NEXAFS法はX線吸収スペクトル測定により表面の結合状態や配向方向を決定する手法である。軟X線領域ではX線吸収測定のためには通常全電子収量を測定する。本研究においては放射光励起に起因する脱離イオンの質量分析を行い、X線励起エネルギー依存性及びその偏光依存性を測定することにより個々の化学結合について配向解析を行う実験を試みた。系としては核融合第一壁において重要とされる重水素イオン照射グラファイトを用い、脱離するH及びDイオンを観測した。また高配向グラファイト単結晶を出発物質として使い照射による配向の乱れを観測した。電子収量はC-HとC-Dの平均構造を与えるのに対し、D収量は照射により生じたC-D結合周辺のみの局所構造を与える。Hは未照射領域のC-H結合の情報を与える。
原子分子データ研究委員会
JAERI-M 91-050, 185 Pages, 1991/03
本報告書は、昨年7月10~11日に原研本部で開催された原子分子データ研究委員会プラズマ-物質相互作用研究会1990で発表された16編の論文をまとめたものである。主な内容は、大型トカマク第一壁の問題点、核融合炉第一壁候補材における水素の捕捉と再放出、および材料データシステムの問題点に関するものである。
広岡 慶彦; 井本 利広*; 佐野 忠雄*
Journal of Nuclear Materials, 113, p.202 - 206, 1983/00
被引用回数:4 パーセンタイル:50.97(Materials Science, Multidisciplinary)グラファイトの表面特性の改善の一つの手段として、Mo(CO)を出発物質とする化学蒸着法を用いて、グラファイト基材上のMoコーティングが施された。この蒸着Mo被膜は、切子状表面形状および、柱状晶構造を持ち、それらの特性は、蒸着の際の条件で決定された。この蒸着Mo及び、蒸着後の拡散焼鈍によりえられたMoC被膜に、40keVのHeイオンの室温照射を行ったところ、蒸着後のMo表面には、ほとんど照射損傷は認められなかったが、同一照射条件で、蒸着後機械研磨を施した表面には、ブリスタの形成及び、破裂による顕著な損傷が認められた。又、形成されたブリスタの直径は、蒸着Moの柱状晶の直径に依存する傾向も認められた。同様の結果が、MoC膜に対しても得られている。これらの結果を併せて、ブリスタの形成及びその抑制の挙動と、照射試料表面特性の関連について、詳しく検討を行い、合理的な解釈を与えた。
田中 三雄; 深井 勝麿; 白石 健介
JAERI-M 6585, 25 Pages, 1976/06
核融合炉第一壁のブリスタリングによる損耗のわりあいがを評価するための予備実験を行った。入射エネルギーが450KeVのArionを室温でMoに照射し表面に形成されるブリスターを走査型電子顕微鏡で観察し、ブリスタリングの照射量およびその後の焼鈍温度依存性を調べた。Mo表面のブリスターは5.110ion/cm以上照射すると観えはじめ、直径は1.8mでガス気泡のつり合いの式から予測される値と良く一致した。照射をつづけると密度は一定で直径は増加した。直径(dm)と照射量(t)の関係はd=1.5log(t)-16で表わされた。ブリスタリングによる表面損耗率も同様に照射量の対数に比例して増加し、410ions/cmまで照射試料では2.04atoms/cmにも達する。照射後焼鈍を行ってもブリスタリングの程度(照射表面をブリスターが占める割合)はほぼ一定であり、損耗率もほとんど変わらない。これらの結果は室温照射におけるブリスタリングの程度は照射初期のSr気泡の密度であることを示している。