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近藤 正樹*; 中尾 彰夫*; 新井 英彦; 宮田 定次郎
下水道協会誌, 28(324), p.28 - 39, 1991/00
下水処理水の塩素殺菌により発ガン性の有機塩素化合物が生成することが世界的に問題となっており、代替法の開発が求められている。高エネルギー電子の照射により水中の微生物が効果的に殺滅される。この効果に着目して回分式及び流通式照射による下水処理水の殺菌の研究を行なった。その結果、殺菌効果は主に吸収線量と照射域の水深によって支配され、COD、SS、DO等の水質の影響をほとんど受けないこと、また、回分式及び流通式照射で同一の殺菌効果が得られることが判った。さらに、大量の下水処理水の照射を可能とするため、落差を利用した噴流方式により動力を全く用いないで高速薄膜水流を発生し得る装置を開発した。これらの結果に基づき実装置の概念設計を行い、本技術の実用性を明らかにした。
山本 忠利
JAERI-M 83-054, 94 Pages, 1983/03
溶媒吸収法により再処理廃ガス中のKrを回収する際に問題となるフロロカーボン(CClF,CClF,CClF,CClF)の放射線損傷について検討した。Co線源による照射試験では、線量と分解率との関係、分解に及ぼす諸因子の影響、照射方式による分解特性の相違について調べた。フロロカーボンの分解率は線量率か高いほど減少し、温度が高いほど増大し、空気の存在で分解が多少促進された。Kr線源による照射試験では、照射方式による分解特性の相違を調べるとともに、Coによるそれとの比較を行った。照射方式の違いによるCClFの分解特性の相違はCo線源の場合と同様、顕著に認められたが、線源の違いによる本質的な相違ほ認められなかった。本試験結果から、実際のプラントにおけるCClFの分解のG値は約10になることを推定し、この程度のG値では溶媒フロロカーボンの放射線損傷の問題は溶媒吸収法の致命傷とならないことをの結論を得た。
山本 忠利; 大塚 徳勝
Radioisotopes, 31(12), p.629 - 635, 1982/00
流通式の照射装置を用いて、Co線によるCClFの照射試験を行なった。照射は線量率が5.810rad/h、温度が-30Cの下で行ない、CClFの分解特性、分解に及ぼす不純物の影響、およびハロゲンによる装置構成材料の腐食について調べた。さらに、本試験結果とアンプル規模の試験結果との比較を行なった。 その結果、次のことが明らかとなった。(1)CClFの分解率とフロン系化合物の収率は、いずれも吸収線量に比例して増大する。CClFのエネルギー分解率は0.0248mol%/Mrad(G=2.9)であり、これはアンプル規模の試験結果に比べて1.8倍大きい。このような両試験結果の相違は、主として分解生成物の連続的な除去に伴う分解の促進によるものと思われる。(2)不純物(Air,CH,I)の影響は、ハロゲンイオンの収率に対してのみ著しく認められる。(3)腐食に関しては、いずれのテストピース(ステンレス鋼、ニッケル合金)にも顕著な変化は認められない。