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佐々 敏信; 辻本 和文; 滝塚 貴和; 高野 秀機
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research A, 463(3), p.495 - 504, 2001/05
被引用回数:15 パーセンタイル:71.11(Instruments & Instrumentation)加速器駆動消滅処理システム(ADTS)の核特性及び燃焼特性を解析するATRASコードシステムの開発を行った。ATRASは、核破砕中性子源の影響を考慮した燃焼解析を行う独自の機能を備えている。ATRASは、核破砕解析コード、中性子輸送コード及び燃焼解析コードから構成される。燃料交換、入力データ作成、計算結果の解析を行うユーティリティプログラムもあわせて開発した。ATRASを用いて核破砕中性子ターゲットの核特性解析を行った。また、ATRASを用いて、ナトリウム冷却型ADTSの核特性及び燃焼特性の解析を行った。
向山 武彦
原子核研究, 44(6), p.23 - 32, 2000/04
大強度陽子加速器を用いた大強度中性子源や加速器駆動未臨界炉の研究開発の現状について述べる。特に、加速器原子力システムとして核破砕中性子源の特性と既存施設の概要と将来計画について述べ、その利用方策の一つとしての加速器駆動未臨界炉の研究、研究開発計画について紹介する。
野村 昌弘; 遠山 伸一; 田中 拓; 武井 早憲; 山崎 良雄; 平野 耕一郎; 大村 明子
JNC TN9410 2000-007, 376 Pages, 2000/03
昭和63年10月に原子力委員会・放射性廃棄物対策専門部会で策定された「群分離・消滅処理研究技術研究開発長期計画(通称:「オメガ計画」)」に沿って、大洗工学センターでは、その計画の一部である「電子線加速器による消滅処理」の研究を実施してきた。これは、電子線加速器で作られる高エネルギーガンマ線を用いて光核反応によりセシウム、ストロンチウム等の放射性核分裂生成物を安定な核種に変換する研究であるが、この消滅処理研究を工学的な規模で実施するためには100mA-100MeV(ビーム出力10MW)級の電子線加速器が必要であると推定され、「オメガ計画」の第1期の課題である大電流電子線加速器のビーム安定化等に関する要素技術の開発として20mA-10MeV(ビーム出力200kW)を開発目標として大電流電子線加速器の開発を行ってきた。本電子線加速器は、平成2年度から高エネルギー物理学研究所、放射線医学総合研究所、大学等の協力を得て技術開発に着手、平成5年度から大電流電子線加速器の製作を開始した。その後、加速器の心臓部とも言える入射部系が完成し、性能試験を平成8年3月から9月にかけて実施した。平成9年3月には本加速器の主要設備全ての据付けが完了したが、サイクル機構の諸事情等もあり、大幅に遅れ平成11年1月から性能確認のための加速器運転を開始、平成11年12月まで継続してきた。試験結果としては、まだ開発途中であり、長時間・安定に至っていないが、ビーム出力約14kWを達成した。また、短時間であるが、ビーム出力約40kWの運転も可能とした。本報告書では、サイクル機構で開発してきた大電流電子線加速器の開発を開始当時まで振り返って、開発の経緯、要素機器の開発、設備・機器の設計、加速器の性能確認試験等の事項について、総括的にまとめた。
武井 早憲; 田中 拓; 遠山 伸一; 長谷川 信
JNC TN9410 2000-005, 182 Pages, 2000/03
昭和63年10月に原子力委員会・放射性廃棄物対策専門部会で策定された「群分離・消滅処理研究技術研究開発長期計画(通称:「オメガ計画」)」に沿って、大洗工学センターでは、その計画の一部である「電子線加速器による消滅処理」の研究を実施してきた。これは、電子線加速器で作られる高エネルギーガンマ線を用いて光核反応によりセシウム、ストロンチウム等の放射性核分裂生成物を安定な核種に変換する研究であるが、この消滅処理研究を工学的な規模で実施するためには100mA-100MeV(ビーム出力10MW)級の電子線加速器が必要であると推定され、「オメガ計画」の第1期の課題である大電流電子線加速器のビーム安定化等に関する要素技術の開発として20mA-10MeV(ビーム出力200kW)を開発目標として大電流電子線加速器の開発を行ってきた。本加速器は、要素機器の開発を経て平成9年3月に完成し、施設検査を受け平成11年1月より加速器の本格試験を開始した。しかし、その間にアスファルト固化施設の火災爆発事故による動燃改革論議が行われ、平成11年3月に策定した核燃料サイクル開発機構の中長期事業計画では、「加速器開発についても平成11年度末までに研究を終了します。……研究成果を取りまとめます。……開発を終えた加速器については、ビーム利用施設として、有効活用を図ります。」とされ、消滅処理を目的とした研究開発は、収束する方向を示した。本報告書では、この中長期事業計画を受け、本加速器をビーム利用施設として利用する場合、どんな利用が考えられるかの検討を行うとともに、原子力分野に限定せずにこの加速器を利用した研究課題は何があるかを広い範囲の研究者を対象に調査した。
日本原子力研究所・高エネルギー加速器研究機構共同推進チーム
JAERI-Tech 2000-003, p.99 - 0, 2000/02
大強度陽子加速器を用いた科学技術の総合的展開を図るために、高エネルギー加速器研究機構(以下「機構」という。)と日本原子力研究所(以下「原研」という。)は、機構の大型ハドロン計画と原研の中性子科学研究計画を共同で推進することとした。本報告書は、機構と原研が策定した大型ハドロン計画と中性子科学研究計画の加速器及び実験施設を原研の東海研究所に建設するための統合計画の提案書である。最初英文で作成された提案書に若干の変更を加えて平成11年11月現在でまとめて日本語にした。
共同推進チーム
JAERI-Tech 99-056, 78 Pages, 1999/08
大強度陽子加速器を用いた科学技術の総合的展開を図るために、高エネルギー加速器研究機構(以下「機構」という。)と日本原子力研究所(以下「原研」という。)は、機構の大型ハドロン計画と原研の中性子科学研究計画を共同で推進することとした。本報告書は、機構と原研が策定した大型ハドロン計画と中性子科学研究計画の加速器及び実験施設を原研の東海研究所に建設するための統合計画の提案書である。
有井 祥夫
JNC TN9200 99-009, 432 Pages, 1999/07
平成11年5月18日19日に、オーストリア・ウィーンのIAEA本部で開催された第32回IAEA/IWGFR定例年会に日本委員(代理)として出席した。出席国は、中国、フランス、ドイツ、インド、日本、カザフスタン、韓国、ロシア、アメリカ、イギリス、イタリアおよびスイスの12カ国から13人、IAEAから4人であった。会議では、IAEAの高速炉に関する1998年の活動のレビュー、19992000年の活動計画の審議・調整を行うとともに、メンバー各国における高速炉開発の状況について、報告・討論が行われた。各国の主な状況は以下の通り。・フランスからは、PHX、SPXの現況とR&Dへの取組み状況のほか、1994年3月にRapsodieで発生したNaタンクでの事故の解析結果についての報告があった。・中国からは、実験炉CEFRの設計の概略と建設工事の進捗状況報告があった。2003年臨界の予定とのこと。・インド、ロシア、カザフスタンからは、それぞれ自国の高速炉の現況報告があった。・各国の活動状況や関心を簡単にまとめると、高速炉先進国(主に欧米諸国)の関心はデコミッショニングや新しい原子炉開発に関する研究に、ロシア、カザフスタンは研究協力による支援への期待が、そして、アジア諸国は高速炉開発への取組みに前向きとの印象であった。また、各国ともNaに替わる冷却材とそれを用いた液体金属冷却(高速)炉に関するR&Dへの関心が高かった。2000年のTechnical Committee Meetingのテーマは、"Design and Performance of Reactor and Subcritical Blanket with Lead,Lead-Bithmuth as Coolant and/or Target Material"に、また、炉物理関連のResearch Co-ordination MeetingとSpecialist Meetingが1999年11月頃にウィーンで開催されることとなった。このほか、IAEA事務局から、加速器による消滅処理に関する研究(ADS)をIAEA/IWGFRのスコープの中に含めたいとの提案があり、了承された。次回は、来月5月16日18日頃にIAEA本部で開催されることとなった。
向山 武彦
みらい, (6), p.40 - 43, 1999/07
未来エネルギー研究協会講演会において、同協会の要請により講演を行った。講演概要を同協会誌に掲載する。内容は、(1)消滅処理のねらいと方法、(2)国内における研究動向、国外の動向、まとめである。
向山 武彦
中性子科学; NSAコメンタリーシリーズ, No.7, p.1 - 2, 1999/06
NSAでは毎年コメンタリーを刊行している。今年度NSAコメンタリーの主題は「中性子科学」であり、NSAからの依頼により企画を担当した。刊行に当たり、本書の「はじめに」を執筆した。内容は各章の概要、中性子科学の位置付け等である。
向山 武彦; 若林 利男*
日本原子力学会誌, 41(6), p.713 - 714, 1999/06
原子力学会「消滅処理工学」専門委員会の1995年4月から1999年3月までの活動の報告である。活動内容を(1)消滅処理システム、(2)燃料開発、(3)データベース、(4)加速器開発、(5)郡分離研究、(6)地層処分と消滅処理の関係に分けて報告する。
滝塚 貴和; 辻本 和文; 佐々 敏信; 高野 秀機
Proceedings of the 3rd International Conference on Accelerator Driven Transmutation Technologies and Applications (CD-ROM), 12 Pages, 1999/06
原研では、国のOMEGA計画のもとで加速器駆動消滅処理専用システムの研究開発を進めている。ナトリウム冷却の参考システムは現行の液体金属冷却高速増殖炉技術に基づいて設計し、未臨界炉心の燃料に窒化物を、核破砕ターゲットに固体タングステンを用いている。ナトリウム冷却システムと並行して、鉛・ビスマス冷却システムの予備的な設計研究を行い、燃焼反応度変化及びマイナアクチノイド消滅率を調べた。プラント設計では耐震性の観点からプール型とし、また中間熱交換機及び2次冷却ループの削除を図った。ナトリウム及び鉛-ビスマス冷却材について、流動特性、冷却性能、圧力荷重、熱衝撃等の熱流動設計及び構造設計に与えるインパクトを比較、評価した。
井頭 政之*
JNC TJ9400 99-001, 78 Pages, 1999/03
高速炉を用いた長寿命核分裂生成物(LLFP)消滅処理研究のためには、消滅性能等の炉心特性を詳細に検討する必要があり、従って、LLFPの精度良い中性子核反応断面積データが必要となる。そこで本研究では、重要なLLFPであるTc-99についてkeV中性子捕獲反応断面積の精度良い測定を行うため、測定に用いるTc-99試料の検討・調査及び我々の実験装置を用いた測定の詳細検討を行った。
高橋 博*; X.Chen*; 佐々 敏信; 滝塚 貴和
JAERI-Research 99-011, 63 Pages, 1999/03
日本のオメガ計画では、高速未臨界炉心を用いてマイナーアクチノイドを消滅する加速器駆動消滅炉が研究されている。このシステムでは、構造材への中性子と荷電粒子による放射線損傷が既存の核分裂炉よりも深刻な問題となる。消滅炉の放射線損傷を評価することは、損傷が主として材料の寿命を決定するため、特に重要である。構造材の損傷はモンテカルロシミュレーションコードLAHET,HMCNP及びHTAPEを用いて検討した。そのため、原子の弾き出し(DPA)、水素、ヘリウムの生成率及びエネルギー損失が評価された。DPA断面積の計算にはTRANSX2コードを使用した。これらの値を使用して、システムの放射線損傷と発熱密度を計算した。ターゲットやビーム窓の頻繁な交換は、システムの稼働率を低下させる可能性があるが、浅い未臨界度を選択すればこの問題は解決される。一方で小さいDPA断面積を持つ構造材の調査も必要である。
佐々 敏信; 辻本 和文; 滝塚 貴和; 高野 秀機
JAERI-Data/Code 99-007, 65 Pages, 1999/03
日本原子力研究所では、大強度陽子加速器と未臨界炉心から構成されるハイブリッド消滅処理システムの設計研究を進めている。加速器駆動システムの核特性及び燃焼特性の解析は、炉心の未臨界度及びエネルギーバランスの維持という点から、重要である。これらの特性を正確に解析するには、従来の原子炉解析コードでは解析できない高エネルギー領域の反応を考慮する必要がある。著者らは、加速器駆動未臨界炉システムの核特性及び燃焼特性を解析するATRASコードシステムを開発した。ATRASは核破砕中性子源を考慮した燃焼特性解析を行う独自の機能を持つ。ATRASは核破砕解析コード、中性子輸送コード、燃焼解析コードから構成される。また、燃料交換、前/後処理等のユーティリティコードも組み込んだ。
安藤 良平*; 高野 秀機
JAERI-Research 99-004, 270 Pages, 1999/02
消滅処理炉では、発電炉からの使用済燃料を再処理した時の高レベル廃液中に含まれるマイナーアクチニド(MA)や核分裂生成物(FP)を発電しながら消滅することを目的としている。発電炉の中心となっている軽水炉では、今後、高燃焼度化やMOXの本格利用等が計画されており、使用済燃料中のプルトニウムやMA組成も多様化すると考えられる。そこで、軽水炉(炉型:PWR及びBWR)で使用される取出燃焼度60GWd/tHMまでの高燃焼度化燃料(燃料タイプ:UO2燃料及びMOX燃料)について使用済燃料の核種組成を統合化燃焼計算コードシステムSWATで評価すると共に得られた核種組成を燃料形態(取出燃焼度・燃料タイプ・炉型)や冷却期間をパラメータにして比較検討し、種々の使用済燃料におけるMA生成量及びFP生成量について包括的な知見が得られた。本検討結果は、今後、消滅処理炉を検討する際の基礎データとして利用する。
篠原 伸夫; 初川 雄一; 畑 健太郎; 河野 信昭; 安藤 真樹; H.H.Saleh*; W.S.Charlton*; Parish, T. A.*; S.Raman*
Journal of Radioanalytical and Nuclear Chemistry, 239(3), p.631 - 638, 1999/00
被引用回数:3 パーセンタイル:28.62(Chemistry, Analytical)マイナー・アクチノイドは原子炉中で核燃料の連続中性子捕獲反応によって生成し、燃料の燃焼度が増加するにつれて蓄積していくが、長寿命のゆえにその廃棄物としての処理・処分は重要な研究課題である。本研究では、マイナー・アクチノイドの生成過程と核変換過程の定量的理解のために不可欠な核データ、特に中性子捕獲断面積と遅発中性子収率について測定した。これらの測定値は専焼炉や核破砕反応を用いた高レベル放射性廃棄物の消滅処理のための基礎データとして意義がある。本シンポジウムでは、実験で得られたデータを発表するとともに、高エネルギー陽子加速器を用いた消滅処理について紹介する。
初川 雄一; 篠原 伸夫; 畑 健太郎; 小林 勝利; 本石 章司; 棚瀬 正和; 加藤 敏郎*; 中村 詔司*; 原田 秀郎*
Journal of Radioanalytical and Nuclear Chemistry, 239(3), p.455 - 458, 1999/00
被引用回数:2 パーセンタイル:75.00(Chemistry, Analytical)放射性廃棄物の管理の一つの方法として原子炉や加速器による中性子を用いた核変換による消滅処理がある。しかしそのために必要な核データの信頼性は高くない。本研究ではこれら放射性核種の中性子吸収断面積と共鳴積分を東海研究所JRR-3Mを用いて測定した。今回の実験では230万年の半減期を有するCsの断面積測定を行った。Csは高純度試料の入手が困難なためCs試料中のCsを利用した。あらかじめ質量分析法によりCs/Cs比を求めておいた試料を原子炉により中性子照射を行いCs(n,)反応により生成したCsを線分光法により測定し、この反応断面積を求めた。カドミカプセルを用いた照射により共鳴積分も同時に求めた。中性子吸収断面積は既存の2つのデータのうちBaergらの値と一致したが、共鳴積分はBaergらの値の約2/3程の小さな値が得られた。
荒井 康夫; 岩井 孝; 中島 邦久; 白井 理; 鈴木 康文
Proc. of the Int. Conf. on Future Nuclear Systems (GLOBAL'99)(CD-ROM), 8 Pages, 1999/00
原研における窒化物燃料サイクルに関する実験研究の最近の成果を紹介するものである。照射挙動に関しては、JMTRにおける照射試験により基礎的な燃料挙動を把握したのに引き続き、2本の(U,Pu)N燃料ピンが高速実験炉常陽で現在照射中である。約4.7%FIMAの燃焼度達成後、11年度後半からは照射後試験の開始が予定されている。高温特性に関しては、アクチニド窒化物相互の固溶体以外に、ZrNあるいはTiN等の不活性母材を含む窒化物燃料の調製条件の確立及び熱伝導度の評価等が行われた。また、新規装置を用いた熱容量及び熱膨張の測定に着手した。溶融塩電解に関しては、塩化物共晶塩中におけるNpN及びPuNの電解試験が行われ、電気化学測定により陽極溶解機構を調べるとともに固体陰極においてアクチノイド金属の回収に成功した。
向山 武彦
Proceedings of the 3rd International Conference on Accelerator Driven Transmutation Technologies and Applications (CD-ROM), 12 Pages, 1999/00
招待講演として、日本におけるオメガ計画の概要と原研内における加速器駆動消滅処理の開発について述べる。内容は以下のとおりである。(1)オメガ計画の概要、(2)原研におけるオメガ計画関連研究活動、(3)中性子科学研究計画、(4)大強度陽子加速器に関する統合計画、(5)統合計画の下におけるADSの開発
滝塚 貴和
日本機械学会動力エネルギーシステム部門ニュースレター, (17), p.2 - 3, 1998/11
高レベル放射性廃棄物の処分の効率化、積極的な安全性の向上、その資源化という新たな可能性を目指した長期的、先導的な群分離・消滅処理研究開発計画「オメガ計画」が進められている。陽子加速器と核破砕ターゲット、未臨界マイナアクチノイド炉心を組み合わせたハイブリッド型システム概念について設計研究を行うとともに、その技術実証のための消滅処理実験施設の検討を行っている。