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坂本 文徳; 香西 直文; 田中 万也
no journal, ,
福島第一原子力発電所の事故により環境中に大量のCsが放出された。森林地帯に降下した
Csの一部は植物に取り込まれた。きのこが
Csを濃集することは以前から知られている。しかし、鉱物が吸着した
Csは長く保持されることが知られているが、きのこが濃集した
Csの動態の詳細は調べられていない。そこで、今回天然のきのこ子実体への
Csの濃集割合を調べるとともに、きのこに濃集した
Csの動態を菌糸体を利用して調査した。きのこ子実体に濃集した
Csの放射能は1.6
10
- 1.3
10
Bq/kgの範囲だった。室内実験での結果から、菌糸体が旺盛に繁殖している間は
Csは高く濃集するが、菌糸体の繁殖を終えるとともに
Csは再拡散することを確認した。菌糸を内包したバイオマットを利用した野外実験の結果、35日間の長期間設置では
CSの濃集は確認できなかったが、8日間の設置で
Csが濃集することを確認した。これは室内実験と同様の結果であり、きのこは一度濃集した
Csを環境中に再放出すると考えられる。