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福田 武司; 土屋 勝彦; 波多江 仰紀; 浦野 創*; 鎌田 裕; 坂本 宜照; 櫻井 真治; 竹永 秀信; 久保 博孝; 朝倉 伸幸; et al.
Journal of Plasma and Fusion Research SERIES, Vol.4, p.243 - 248, 2001/00
高密度プラズマで優れた閉じ込め性能を維持することは、近年の重要な課題である。本研究では、高密度プラズマにおける周辺輸送障壁の構造形成と維持に注目した解析を行い、閉じ込め改善の鍵を握る電場の捩れが高密度プラズマでは弱くなること及びプラズマ周辺部の密度が平均密度に対して非線形的に増大して温度が低下する結果、同時にペデスタル幅(周辺輸送障壁の幅)が減少することを明らかにした。また、プラズマ周辺部の密度が輸送障壁の形成に直結することから、周辺輸送障壁の形成に必要な加熱入力が高密度プラズマでは顕著に増大することがわかった。さらに、高密度プラズマの周辺部における中性粒子密度の評価を行い、中性粒子が輸送障壁の形成条件及び維持のいずれにも直接的には関与しないことを明らかにした。そのほか、プラズマ内部における輸送障壁の制御によって周辺輸送障壁の形成を促進することができることを示した。
福田 武司
Plasma Physics and Controlled Fusion, 40(5), p.543 - 555, 1998/00
被引用回数:25 パーセンタイル:61.65(Physics, Fluids & Plasmas)閉じ込め性能の顕著な改善が得られるHモードは、1982年の発見以降、理論と実験の両面で活発な研究が行われてきた。その結果、物理機構に関する描像は収束しつつあるが、遷移条件の定量的な理解には至っていない。実際、次期核融合実験炉であるITERの遷移閾値の評価は理論的な予測によるものではなく、各実験装置で得られた結果に基づく外挿値を基準にしており、その評価誤差が大きいことが問題となっている。本論文では、Hモード遷移を決定する物理要因に関する近年の実験研究の結果をまとめて報告する。特に、遷移閾値の密度と磁場及び平衡配位依存性の評価に影響を及ぼす主要因として周辺中性粒子密度を取り上げ、JT-60Uにおけるその定量評価の結果を示す。また、周辺物理量(温度・密度等)と巨視的な遷移閾値の比例則との相関に注目し、各装置における最近の実験結果を報告する。ここでは周辺無次元量に重点を置く。
福田 武司; 滝塚 知典; 鎌田 裕; 土屋 勝彦; 森 雅博; JT-60チーム
Plasma Physics and Controlled Fusion, 40(5), p.827 - 830, 1998/00
被引用回数:5 パーセンタイル:19.2(Physics, Fluids & Plasmas)プラズマ周辺部における輸送障壁の生成に依って閉じ込め性能が向上するHモードの物理機構を理解し、巨視的な遷移閾値比例則の決定要素を調べることを目的として、遷移直前の時刻における周辺局所物理量の実験的評価が近年積極的に進められている。しかしながら、単一物理量を用いて遷移加熱閾値を記述することは困難であり、外挿性に乏しいことが欧米における最近の実験結果で示されている。我々は、閉じ込め特性に関連する特性長、規格化圧力及び捕捉粒子の衝突度に対応する3個の周辺無次元量を用いてJT-60Uにおける遷移加熱閾値が記述できることを初めて示した。また、無次元比例則において工学変数に変換する際に要求される制約条件も同時に満たされることが分かった。加えて、これら周辺無次元量の指数から遷移閾値の周辺密度と磁場及び幾何寸法依存性を求めると、従来から得られている遷移閾値比例則に整合することを示した。
福田 武司; 滝塚 知典; 土屋 勝彦; 鎌田 裕; 永島 圭介; 佐藤 正泰; 竹永 秀信; 石田 真一; 木島 滋; 東島 智; et al.
Nuclear Fusion, 37(9), p.1199 - 1213, 1997/00
被引用回数:39 パーセンタイル:75.73(Physics, Fluids & Plasmas)次期核融合実験炉であるITERでHモード遷移に必要な加熱入力を評価することは緊急の課題となっている。しかしながら、これまでに集積された遷移閾値の実験結果を用いた解析では充分な精度と信頼性を有する比例則が現在確立されていない。その主な理由は、幾何寸法依存性と密度依存性の不明瞭性にあると考えられている。特に密度依存性は、第一壁の粒子補給条件に敏感であることから、重要ではあるが解明が困難な課題であると認識されている。我々は、JT-60Uにおける詳細な実験研究の結果、再現性の有る遷移閾値比例則を確立すると共に、プラズマ周辺部の中性粒子密度が密度依存性に顕著な影響を与えることを初めて定量的に示した。また、同様に周辺中性粒子密度が低密度遷移限界をも規定することを明らかにした。この結果は、周辺中性粒子密度の情報を基に従来装置依存性が高いと考えられてきた密度依存性の統一的理解に資する。