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論文

Analysis of the high-dose-range radioresistance of prostate cancer cells, including cancer stem cells, based on a stochastic model

嵯峨 涼*; 松谷 悠佑; 高橋 玲*; 長谷川 和輝*; 伊達 広行*; 細川 洋一郎*

Journal of Radiation Research, 60(3), p.298 - 307, 2019/05

 被引用回数:7 パーセンタイル:10.08(Biology)

放射線治療において、腫瘍に含まれる癌幹細胞は放射線抵抗性を持つことが知られているが、細胞内の幹細胞含有率と細胞生存率の関係は未だ解明されていない。そこで本研究では、幹細胞を考慮した細胞死とDNA損傷を表現し得る数理モデルを構築し、幹細胞が細胞生存率へもたらす影響を解析した。細胞実験(フローサイトメトリ)による解析から、培養された細胞内の癌幹細胞の含有率は3.2%以下であり、モデルから推定された含有率と良い一致を示した。この検証に基づいたモデル推定から、高線量照射後の細胞生存率は幹細胞の影響を大きく受けることが明らかとなった。また、数%の幹細胞を考慮することで、核内致死DNA損傷数に関する線量応答も従来の放射線感受性モデル(LQモデル)より良い再現度を示すことが分かった。本研究の成果は、幅広い線量域に対する細胞の線量応答の評価では、幹細胞の考慮が不可欠であることを明らかにするものである。

論文

Correlative imaging of live biological cells with a soft X-ray microscope and a fluorescence microscope

加道 雅孝; 岸本 牧; 保 智己*; 安田 恵子*; 青山 雅人*; 刀祢 重信*; 篠原 邦夫*

AIP Conference Proceedings 1696, p.020019_1 - 020019_4, 2016/01

 被引用回数:1 パーセンタイル:100

軟X線顕微鏡は生きている細胞の細胞内小器官を観察するための非常に強力なツールであり、これまで細胞の内部構造を観察するための多くの研究開発が行われてきた。しかし、細胞内構造は非常に複雑で、軟X線顕微鏡で取得した細胞の軟X線顕微鏡像において細胞内小器官を特定することは困難であった。我々は、同一細胞を軟X線顕微鏡と蛍光顕微鏡により同時に観察するハイブリッドイメージング法を提案した。細胞にあらかじめ蛍光標識を施すことにより蛍光顕微鏡により細胞内小器官の位置を正確に特定することができ、蛍光顕微鏡によって得られた細胞内小器官の位置情報を用いて軟X線顕微鏡で取得した細胞の軟X線顕微鏡像において細胞内構造を正確に特定可能となる。軟X線顕微鏡は蛍光顕微鏡よりはるかに高い空間分解能を持つため、正確に特定された細胞内小器官の詳細な構造の解析が可能である。ハイブリッドイメージング法により生きている細胞の観察を行った。その結果、生きている細胞内のミトコンドリアの詳細な構造が確認できた。

論文

Cellular automaton-based model for radiation-induced bystander effects

服部 佑哉; 横谷 明徳; 渡辺 立子

BMC Systems Biology (Internet), 9, p.90_1 - 90_22, 2015/12

 被引用回数:11 パーセンタイル:33.47(Mathematical & Computational Biology)

低線量放射線が照射された細胞集団では、細胞間シグナル伝達により、放射線が当たっていない細胞に放射線の影響が伝達する。低線量の放射線による生物影響の評価やリスクを考える上で、個々の細胞間の照射影響伝達が組織や細胞集団に与える影響を調べることは重要である。本研究では、2種類の細胞間シグナル伝達を考慮した細胞集団の放射線応答モデルを構築し、モデルの特性を解析した。モデルは、1細胞レベルで細胞集団の動的変化を表現した数理モデルのセルオートマトンをベースとして、(1)放射線照射、(2)細胞間シグナルの生成と伝達、(3)DNA損傷の誘発、(4)細胞周期変化の要素を新たに導入した。細胞間シグナル伝達では、低線量放射線応答モデルとしては初めて、異なる伝達経路である培養液経由とギャップ結合経由を両方とも考慮した。細胞応答では、細胞周期の時間変化に着目した。モデルの特性解析では、照射線量と細胞間シグナルの伝達経路が、細胞周期変化に与える影響を調べた。解析結果から、細胞周期停止を示す細胞の数が照射線量に対して非線形に増加することが分かった。また、2種類の細胞間シグナル伝達ともに細胞周期停止を誘発し、その細胞数は伝達経路によって異なる時間変化を示した。モデルが示した特性は、今後、実験と比較して検証する。本モデルは、細胞間シグナル伝達による時間・空間的な細胞集団の変化を追跡可能であり、低線量放射線の応答解析に有用である。

論文

On the dynamical approach of quantitative radiation biology

大内 則幸

Evolution of Ionizing Radiation Research, p.41 - 62, 2015/09

コロニー形成法を用いた放射線生物学における定量的なアプローチと、線量-効果関係としての様々な細胞生存曲線について説明する。放射線照射に対する細胞の生存率曲線は、最も基本的な実験データとして利用されているにも関わらず、これまでは経験的な多項式でフィットするだけに留まり、生物メカニズムに基づいた導出例は存在しない。本論文では、たとえ生物種が異なっていたとしても、様々な条件下で生存率曲線が数学的にユニバーサリティを持つことに着目し、コロニー形成法による定量的なアプローチと、線量-効果関係としての様々な細胞生存曲線についての解析結果を示す。関数形がユニバーサリティを持つことは、生物種間を超えて、事象の数学的な普遍性が存在することを示している。また、染色体の構造変化が放射線損傷の修復確率に影響を与える事から、さらに細胞生存曲線の関数形にも影響を及ぼす可能性について述べる。

論文

Target irradiation of individual cells using focusing heavy-ion microbeam of JAEA-Takasaki, 5; Irradiation of individual cells with scanned heavy-ion microbeam

舟山 知夫; 横田 裕一郎; 鈴木 芳代; 坂下 哲哉; 小林 泰彦

JAEA-Review 2014-050, JAEA Takasaki Annual Report 2013, P. 73, 2015/03

原子力機構・マイクロビーム細胞照射研究グループでは、集束式重イオンマイクロビームを用いた、従来のコリメーション式重イオンマイクロビームを用いた照射より高速でかつ正確な細胞照準照射技術の開発を進めている。これまでに集束式重イオンマイクロビームを用いた細胞の照準照射のための要素技術の開発を行ってきた。そこで、2013年度は、これまでに確立したそれらの要素技術を用いて、実際の細胞への高速で正確な照準照射技術の確立を目指す実験を実施した。実験では、ヒト子宮頸がん細胞由来細胞株HeLaを用い、顕微鏡下で細胞試料へのスキャンビームを用いた照準照射を行った。その結果、CR-39上で検出したイオンヒット位置と、細胞核内に検出された$$gamma$$ H2AXフォーカスの位置が一致したことから、細胞への高速な照準照射を実現することができたことが確かめられた。

論文

Analysis of bystander effect induced by cell membrane response in glioma cells

和田 成一*; 安藤 達彦*; 渡辺 彩*; 柿崎 竹彦*; 夏堀 雅宏*; 舟山 知夫; 坂下 哲哉; 横田 裕一郎; 小林 泰彦

JAEA-Review 2014-050, JAEA Takasaki Annual Report 2013, P. 79, 2015/03

これまでのマイクロビームを用いた細胞の局部照射実験でバイスタンダー効果の誘導には細胞核の損傷応答だけでなく細胞膜応答も重要であり、細胞膜応答分子であるスフィンゴミエリナーゼがその応答に関与することが明らかになってきた。しかし、スフィンゴミエリナーゼがどのようにして細胞間情報伝達に関与しているかはまだ明らかになっていない。そこで本研究では、照射後に細胞外に分泌されるスフィンゴミエリナーゼが、細胞から放出され、細胞間情報伝達に関与する膜小胞であるエクソソーム内に含有されているかを解析した。照射したグリオーマ細胞をから細胞外に放出されたエクソソーム中にスフィンゴミエリナーゼが含まれるか解析するため、培養上清からExo Quickによるエクソソームの精製を行い、抗スフィンゴミエリナーゼ抗体を用いたウエスタンブロットを行った。その結果、照射によって細胞外に分泌されたスフィンゴミエリナーゼは主にエクソソームの形態で細胞外に分泌されることが明らかになった。この結果からバイスタンダー効果においてスフィンゴミエリナーゼ自身がバイスタンダー因子としてシグナル伝達に関与することが示唆された。

論文

Ion beam irradiation has different influences on superoxide dismutase activity in cultured human retinal vascular endothelial cells between $$^{12}$$C and $$^{4}$$He

明尾 潔*; 舟山 知夫; 小林 泰彦; 明尾 庸子*

JAEA-Review 2014-050, JAEA Takasaki Annual Report 2013, P. 80, 2015/03

イオンビームがヒト培養網膜色素上皮細胞に及ぼす影響を明らかにするために、異なる核種のイオンビームで照射した細胞におけるSuperoxide Dismutase (SOD)活性の測定を実施した。ヒト培養網膜血管内皮細胞にヘリウムイオンビーム、および炭素イオンビームを照射し、照射後0, 4, 8, 24時間後に細胞を採取した。この細胞試料にSODアッセイバッファを加えて凍結解凍を繰り返すことで溶解した細胞抽出液のSOD活性を、ルミノールアッセイ法を用いて定量した。その結果、ヘリウムイオンビームを照射した細胞試料では、照射後の時間経過に伴いSOD活性の低下が進むことが認められたが、炭素イオンビームを照射した細胞では、照射24時間後にSOD活性が上昇することが明らかになった。この結果は、ヘリウムイオンと炭素イオンでは、照射後のSOD活性に及ぼす影響が異なることを示唆する。

論文

シングルセルトラッキングによる細胞集団挙動の観測とシステム生物学的解析への展開

横谷 明徳; 神長 輝一

放射線生物研究, 49(4), p.418 - 431, 2014/12

最近、細胞標識技術の発展に伴う顕微鏡下でのライブセルイメージングにより、細胞の様々な活動が比較的容易に動画像(ムービー)として観察できるようになった。これらの実験により得られた動画像データは、個々の細胞に関する豊富な情報を含む。このような細胞機能に関するダイナミクスは、従来の免疫染色による静止画像データや細胞集団全体から生化学的に抽出された生体分子の平均化された値からは得ることができない。われわれは、細胞周期がライブセルでモニターできるHeLa-Fucci細胞を試料とし、タイムラプス法を用いてX線照射後に個々の細胞の細胞周期を追跡した。その結果、細胞集団は細胞周期が変調する群とほとんど影響を受けない群の2つに分かれる可能性が示された。このデータに対してシステム生物学的な解釈を試み、HeLa細胞の細胞周期制御とG2/Mチェックポイントのシグナル伝達系に内在する、"デジタル"的なスイッチ機構の存在を推定した。

論文

Mechanisms of uranium mineralization by the yeast ${it saccharomyces cerevisiae}$

大貫 敏彦; 尾崎 卓郎; 吉田 崇宏*; 坂本 文徳; 香西 直文; 若井 栄一; Francis, A. J.; 家藤 治幸*

Geochimica et Cosmochimica Acta, 69(22), p.5307 - 5316, 2005/11

 被引用回数:39 パーセンタイル:31.95(Geochemistry & Geophysics)

6価ウランの酵母細胞表面での鉱物化機構を濃集実験,分光学的分析,電子顕微鏡観察により解明した。ウランは細胞表面に吸着し、酵母細胞内から排出されるリンと接触することにより細胞表面でウラニルリン酸塩鉱物化することが明らかとなった。

論文

Specific absorbed fractions for photon and electron to a simple stomach model considering stem cells

木名瀬 栄; 横谷 立子; 斎藤 公明

KEK Proceedings 2005-10 (CD-ROM), p.33 - 38, 2005/11

本研究では、内部被ばくによる胃腸管の合理的な線量評価法を開発することを目的として、胃腸管の1区分である胃に着目し、放射線感受性の高い細胞である幹細胞の位置を仮定できる胃の簡易モデルを開発するとともに、モンテカルロ計算により、光子及び電子に対する胃壁全体や幹細胞位置などの比吸収割合(SAF)を評価した。その結果、胃の幹細胞位置の光子SAFは、10keV-4MeVの光子エネルギー範囲において、これまで放射線防護分野などで利用してきた胃壁全体の光子SAFに比べ最大5倍程大きくなること,胃の幹細胞位置に対する電子SAFは、これまで放射線防護分野などで利用されてきた電子SAFのような定数(たとえば、2.0kg-1)ではなく、電子エネルギーに対して無関係ではないこと、などを明らかにした。これにより、光子及び電子に対する胃の線量評価手法の開発において、モンテカルロ計算の有効性を示すとともに、胃組織内の標的部位の決定がSAF評価において極めて重要であることを明らかにした。

論文

原研・高崎研の重イオンマイクロビームの現状

小林 泰彦; 舟山 知夫; 和田 成一; 坂下 哲哉; 柿崎 竹彦; 浜田 信行*; 横田 裕一郎; 古澤 佳也*

KEK Proceedings 2005-5, p.6 - 8, 2005/10

環境ラドン被曝や銀河宇宙線など極低フルエンス率の高LET重イオンによる生物影響を明らかにするためには、マイクロビームを用いた細胞照射実験が有効な手段となる。そこで、原研・高崎研では、個別の培養細胞に照準して正確な個数の重イオンを照射し、その影響を経時的に観察する実験システムを開発している。今回、照射前に試料を自動スキャンして細胞を検出するオフライン顕微鏡及び取得した座標データに従ってビーム位置に標的細胞を移動するオンライン顕微鏡の各々の試料ステージを更新し、従来は$$pm$$10$$mu$$m以上の誤差があった試料移動の位置再現精度が$$pm$$1$$mu$$mに向上した。これによって、多数の標的細胞を次々に自動照準して連続的にシングルイオン照射することが可能になった。併せて、最近の細胞照射実験の結果についても報告する。

論文

Comparative radiation tolerance based on the induction of DNA double-strand breaks in Tobacco BY-2 cells and CHO-K1 cells irradiated with $$gamma$$ rays

横田 裕一郎; 鹿園 直哉; 田中 淳; 長谷 純宏; 舟山 知夫; 和田 成一; 井上 雅好*

Radiation Research, 163(5), p.520 - 525, 2005/05

 被引用回数:17 パーセンタイル:51.01(Biology)

一般的に高等植物は哺乳動物よりも放射線に強い。高等植物の放射線耐性機構を探索するために、タバコBY-2細胞及びその対照としてチャイニーズハムスターCHO-K1細胞に$$gamma$$線を照射し、パルスフィールドゲル電気泳動法によりDNA2本鎖切断(DSB)を定量した。タバコBY-2細胞におけるDSB生成量(2.0$$pm$$0.1DSBs Gbp$$^{-1}$$Gy$$^{-1}$$)はCHO-K1細胞のわずか1/3であり、一方で、平均致死線量の$$gamma$$線照射による細胞あたりのDSB生成量は、タバコBY-2細胞(263.2$$pm$$13.2)ではCHO-K1細胞より5倍多かった。これらの結果は、タバコBY-2細胞で認められた放射線耐性の原因として、DNA損傷が少ないばかりでなく、DNA損傷が効果的に修復されることを示唆している。

論文

Irradiation of mammalian cultured cells with a collimated heavy-ion microbeam

舟山 知夫; 和田 成一; 小林 泰彦; 渡辺 宏*

Radiation Research, 163(2), p.241 - 246, 2005/02

 被引用回数:30 パーセンタイル:33.7(Biology)

重イオンの生物作用を解明を目的に、細胞を一つ一つ重イオンで照射することができるマイクロビームシステムを確立した。イオン飛跡検出用プラスチックCR-39で作った照射容器で培養したCHO-K1細胞を蛍光染色で自動認識し、その位置座標をもとに、細胞を個別に$$^{40}$$Ar$$^{13+}$$イオンで照準照射した。照射後、照射容器の底のCR-39の裏側を37$$^{circ}$$Cのアルカリエタノール溶液で処理し、細胞を生かしたまま飛跡を可視化することに成功した。可視化した飛跡と、細胞の顕微鏡画像を重ね合わせ、細胞にヒットしたイオンの数の位置を正確に検出した。アルゴンイオンで照射した細胞では、照射による細胞増殖の阻害が引き起こされていた。加えて、細胞核にアルゴンイオンが一つヒットしただけで、細胞の増殖が非常に強く阻害されることを明らかにした。

論文

Microbeams of heavy charged particles

小林 泰彦; 舟山 知夫; 和田 成一; 古澤 佳也*; 青木 瑞穂*; Shao, C.*; 横田 裕一郎; 坂下 哲哉; 松本 孔貴*; 柿崎 竹彦; et al.

宇宙生物科学, 18(4), p.235 - 240, 2004/12

銀河宇宙線のように、低フルエンス・低フルエンス率の高LET重イオン(粒子線)による生物影響を明らかにするためには、マイクロビームを用いた細胞照射実験が有効な手段となる。そこで、高エネルギー重イオンマイクロビームを顕微鏡観察下の生物試料に照射するために原研・高崎研・バイオ技術研究室で開発した細胞局部照射装置を用いて、哺乳動物培養細胞を個別に重イオンで照射・観察する実験系を開発した。標的細胞を貫通したイオンのエネルギーと個数をシンチレータ/フォトマルを用いて測定することによって、重イオンを1個ずつカウントしながら正確に照射することが可能となった。さらに、CR-39を直ちに37$$^{circ}$$Cでエッチングして各標的細胞における実際のイオン飛跡を可視化すると同時に、その飛跡が可視化されたCR-39上で細胞の照射後培養と観察を継続する方法を確立した。国内外の重粒子線のマイクロビーム開発の歴史を概観し、細胞核へのシングルイオンヒット効果やバイスタンダー効果に関する最近の研究成果をレビューする。

論文

System of cell irradiation with a defined number of heavy ions, 3

小林 泰彦; 舟山 知夫; 和田 成一; 坂下 哲哉

宇宙生物科学, 18(3), p.186 - 187, 2004/11

銀河宇宙線のように、低フルエンス率の高LET重イオン(粒子線)による生物影響を明らかにするためには、マイクロビームを用いた細胞照射実験が有効な手段となる。そこで、原研・高崎研・バイオ技術研究室で開発した細胞局部照射装置を用いて、哺乳動物培養細胞を個別に重イオンで照射し、その影響を経時的に観察する実験システムを開発している。今回、照射前に試料を自動スキャンして細胞を検出するオフライン顕微鏡及び取得した座標データに従ってビーム位置に標的細胞を移動するオンライン顕微鏡の各々の試料ステージ更新し、従来は$$pm$$10$$mu$$m以上の誤差があった試料移動の位置再現精度が$$pm$$1$$mu$$mに向上したことにより、多数の標的細胞を次々に自動照準して連続的にシングルイオン照射することが可能になった。併せて、最近の細胞照射実験結果について報告する。

論文

Development of single-ion hit techniques and their applications at TIARA of JAERI Takasaki

神谷 富裕; 平尾 敏雄; 小林 泰彦

Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 219-220, p.1010 - 1014, 2004/06

 被引用回数:8 パーセンタイル:47.84(Instruments & Instrumentation)

日本原子力研究所高崎研究所のTIARAでは4種類のイオンマイクロビーム装置(重イオン, 軽イオン, コリメート型高エネルギー重イオン、及び集束方式高エネルギー重イオン)をもち、それぞれイオンと物質との相互作用の特殊性(照射影響がミクロに局在化する)を活かしたユニークな応用利用が行われている。従来のマイクロビームの応用はマイクロPIXEに代表されるようなMeV軽イオンによる非破壊局所分析が主であったのに対して、TIARAでは、タンデム加速器及びサイクロトロン加速器からのMeV~数100MeVの重イオンによるシングルイオンヒット技術を応用し、高エネルギー重粒子による半導体素子や生物細胞へのシングルイベント効果や照射損傷の機構研究やリスク評価に関する研究に重点をおいている点に特色がある。今回の発表では、シングルイオンヒット技術についてこれまでの開発の経緯と今後の展望について述べ、併せてこれを用いた最新の応用研究成果について紹介する。

論文

Irradiation of single mammalian cells with a precise number of energetic heavy ions; Applications of microbeams for studying cellular radiation response

小林 泰彦; 舟山 知夫; 和田 成一; 田口 光正; 渡辺 宏

Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 210(1-4), p.308 - 311, 2003/09

重イオンマイクロビームは、放射線の生物作用研究のための新しいツールとして極めて有望である。原研・高崎研では、銀河宇宙線のような極低フルエンス高LET重粒子線の生物影響の解明、特にトラック構造の局所的エネルギー付与分布による影響をダイレクトに解析することを目指して、サイクロトロンから得られる比較的高エネルギーの重イオンマイクロビームを用いて哺乳動物培養細胞を個別に照射・観察する実験系を開発した。その結果、ArやNeなどの重イオン1個のヒットで細胞の増殖が強く抑制されることを見いだした。

論文

細胞をシングルイオン照射したとき何が起こるか; 放射線応答研究のためのマイクロビーム細胞照射実験

小林 泰彦; 舟山 知夫

Isotope News, (590), p.2 - 7, 2003/06

マイクロビームによる局部照射は放射線の生物作用研究のための新しいツールとして極めて有望と考えられる。1個のイオン、特にネオンやアルゴンのような重イオンを1個、細胞に狙い撃ちして照射すると細胞がどうなるか。プロトンあるいはヘリウムイオンのような軽イオンの場合と異なり、重イオン1個のヒットで細胞は完全に不活化することが最近明らかになった。原研などで現在進行中であり、世界の各地でも計画が目白押しのマイクロビーム細胞照射実験について、その歴史と現状を概説するとともに、イオン1個のヒットが細胞に引き起こす現象について最近の成果を紹介する。

論文

大気マイクロPIXE分析技術の開発と生物・環境分野への応用

荒川 和夫

アイソトープ・放射線利用フォーラム講演論文集, 5 Pages, 2003/00

イオンビームの物質照射で二次的に放出される特性X線のスペクトルは、その物質元素特有の電子構造を反映するので、これを利用して物質に含まれる微量元素を分析することができる。この分析方法はPIXE(Particle Induced X-ray Emission)と呼ばれている。原研では、1個の生物細胞内の微量元素分布を1$$mu$$mの空間分解能で大気中で測定できる技術を開発した。この技術を用い、牛の血管内皮細胞内の元素の2次元分布を測定するとともに、放射線照射したヒト白血病細胞のアポトーシス過程における鉄元素の集積の様子,ヒト食道癌細胞に抗癌剤が集積する様子などを画像として捉えることに成功した。また、大気環境問題を解明するためにエアロゾルの個別粒子の元素分布とその濃度を定量する技術を開発した。

論文

原研・高崎研・生物照射用マイクロビーム装置の現状

舟山 知夫; 小林 泰彦

放射線生物研究, 37(3), p.334 - 347, 2002/09

マイクロビーム装置は、微小なサイズの放射線プローブを利用して、照射対象の一部分に放射線を照射し、それによるエネルギー付与を利用して、対象試料の解析や微細加工をおこなうためのツールである。生物試料に対するマイクロビーム技術の応用は、マイクロPIXEや、ラジオマイクロサージャリー、そして、放射線生物効果の解析等に利用されてきている。原研高崎では、重イオンマイクロビーム装置製作と、それをもちいた生物応用技術の開発をこれまでおこなってきた。しかし、この装置をもちいたこれまでの生物試料照射は、主にラジオサージャリー技術が中心であり、放射線生物研究ツールとしては利用されてこなかった。これは、高LET・高エネルギーのイオンビームを利用することに伴う、いくつかのビーム技術的制約及び単一細胞の自動認識・標的システムの開発上の制約によるものであった。原研高崎の重イオンマイクロビーム装置でも、培養細胞照射実験系が確立し、放射線生物研究ツールとして活用ができるようになった。この原研高崎の生物照射用マイクロビーム装置の概要と、培養細胞照射の実際の過程について概説する。

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