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吉本 政弘; 山崎 良雄; 仲野谷 孝充; Saha, P. K.; 金正 倫計
EPJ Web of Conferences, 229, p.01001_1 - 01001_7, 2020/02
J-PARC 3GeVシンクロトロン(RCS)では、ハイブリッドボロン添加カーボンフォイル(HBCフォイル)を用いた荷電変換ビーム多重入射方式を採用している。高エネルギー加速器研究機構(KEK)で開発されたHBC荷電変換フォイルはビーム照射に対する寿命を飛躍的に向上させることに成功した。これまで荷電変換フォイルの準備作業は、第1段階としてKEKつくばサイトでフォイルの蒸着作業を実施し、次に原子力機構(JAEA)東海サイトでフォイルの調整作業を実施するという2段階に分けて行ってきた。フォイル準備作業を効率的に進めるためには同一場所での作業が望ましく、そのためにHBCフォイル用の蒸着装置をつくばサイトから東海サイトに移設した。蒸着装置の修理及び再立ち上げを行った後に、製作したHBCフォイルの性能評価試験を高崎量子応用研究所TIARAにおいて実施した。Ar照射試験による寿命評価、RBS法を用いた組成分析、PIXEによる不純物評価の結果、これまでのHBCフォイルと同等の性能を有することを確認した。そして実際にRCSにおけるビーム照射試験を実施し、10日間の利用運転に問題なく使えることを実証した。
原田 寛之; Saha, P. K.; 金正 倫計
Proceedings of 16th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.179 - 182, 2019/07
宇宙最高密度の巨大な原子核である「中性子星」に関して、中性子星同士の合体で発生した重力波の観測に、2017年人類で初めて成功した。その重力波観測によって、人類が未解明である中性子星内部の構造情報の取得が可能になった。そして、ミニ中性子星合体と相似のGeV級の高エネルギー重イオン衝突実験による宇宙最高密度物質やハイパー核の研究が世界中で加熱しており、米国RHIC加速器BES-IIプログラム,ドイツFAIR計画,ロシアNICA計画などの大型研究計画が進められている。大強度陽子加速器施設J-PARCは、MW級の大強度陽子ビームを多くの最先端実験施設に供給している。このJ-PARCを最大限活用するために、重イオンビームの加速に関して検討・設計し、世界最高強度の重イオンを供給可能な加速器施設を提案している。本講演では、J-PARCにおける陽子ビームの現状を報告し、提案している重イオン加速に関して紹介する。
地村 幹*; 原田 寛之; 守屋 克洋; 岡部 晃大; 金正 倫計
Proceedings of 16th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.728 - 732, 2019/07
大強度ビームにおける空間電荷効果の増大は、ビーム損失の増大を引き起こす。そのビーム損失は、装置の放射の観点からビーム強度を制限してしまう。そのため、その空間電荷効果によるビーム広がりを抑制することが非常に重要である。本研究では、その効果が特に顕著になるリニアックの低エネルギー領域に着目した。その効果によるビーム広がりの起源を同定するために、空間電荷力を考慮したシミュレーションを実施した。そして、J-PARCリニアックの低エネルギー部(MEBT1)における空間電荷効果が顕著に影響を及ぼしていることが判明した。その要因が空間電荷力の非線形力であることを突き止め、八極電磁石による非線形磁場にてその効果を緩和する手法を新たに考案した。シミュレーション上でその手法を検証した結果、ビーム広がり抑制が可能であるという結果を得た。本発表では、考案した手法やその検証結果について報告する。
小栗 英知
プラズマ・核融合学会誌, 95(7), p.340 - 344, 2019/07
粒子加速器用の負イオン源は現在、基礎科学分野から医療,産業分野まで幅広く利用されている。負イオンを用いた大型陽子加速器施設のひとつであるJ-PARCでは現在、高周波駆動型のイオン源を使用して約50mAの負水素イオンビームを連続3か月間、加速器に供給している。また、イオン源のビーム電流を一定に保つためのビーム電流フィードバックシステム機能を備え、オペレータを必要としない自動運転を実現している。J-PARC用負水素イオン源は、大強度ビームを生成するとともに実用機として十分な寿命及び安定性を有しており、J-PARCで行われている幅広い最先端研究の進展に大きく貢献している。
原田 寛之; Saha, P. K.; 米田 仁紀*; 道根 百合奈*; 井上 峻介*; 佐藤 篤*; 菅沼 和明; 山根 功*; 金正 倫計; 入江 吉郎*
Proceedings of 15th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.811 - 815, 2018/08
大強度陽子加速器では、線形加速器で加速された負水素イオンの2つの電子を円形加速器の入射点に設置された荷電変換用炭素膜にて剥ぎ取り、陽子へと変換しながら多周回にわたり入射することで、大強度陽子ビームを形成している。この入射手法は、大強度の陽子ビームを生成できる反面、周回する陽子ビームが膜への衝突を繰り返すことで、ビーム自身が散乱され制御不能なビーム損失が原理的に発生する。加えて、大強度出力ではビームの衝突時の熱や衝撃による膜の破壊が生じる。大強度陽子ビームの出力や運転効率は、このビーム損失による残留線量や膜の寿命による制限が懸念される。そのため、さらなる大強度出力には炭素膜を用いた荷電変換入射に代わる新たな入射手法が必要となる。J-PARC 3GeVシンクロトロンでの設計出力を超える大強度化に向けて、レーザーにて電子剥離を行う「レーザー荷電変換入射」を新たに考案した。その原理実証実験に向けて、レーザーシステムの開発を進めている。本発表では、レーザー荷電変換入射の概要を紹介し、レーザーシステムの開発状況を報告する。
平野 耕一郎; 杉村 高志*; 栗原 俊一*
Proceedings of 15th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.324 - 328, 2018/08
2017年10月からのビーム利用運転において、3MeVビームスクレーパは1MWビーム利用運転のスクレーパ平均ビーム電流と同等または1.3倍の照射を行い、5ケ月間問題なく使用することができた。このときのスクレーパ表面温度は1800Cであった。粒子数3E22個の3MeVビームによる照射損傷は、深さ700
mであった。今後、加速器のビーム調整においてほとんど全てのビームがスクレーパに照射される可能性があるため、スクレーパに使われる炭素複合材より高い電流密度に耐えられるスクレーパ材料について検討しており、今回、熱伝導率の高いスクレーパ材料としてグラフェンとタングステンのビーム照射試験を行った。本稿では、3MeVビームスクレーパとスクレーパ材料のビーム照射試験について述べる。
原田 寛之; 山根 功*; Saha, P. K.; 菅沼 和明; 金正 倫計; 入江 吉郎*; 加藤 新一
Proceedings of 14th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.684 - 688, 2017/12
大強度陽子加速器では、線形加速器で加速された負水素イオンの2つの電子を炭素膜にて剥ぎ取り、陽子へと変換しながら多周回にわたり円形加速器に入射し大強度陽子ビームを形成している。この手法は大強度ビームを形成できる反面、周回する陽子ビームが膜へ繰返し衝突し散乱され、ビーム損失が生じ残留線量となる。また、衝突時の熱付与や衝撃による膜の変形が生じている。これらは、大強度陽子ビームの出力や運転効率を制限する可能性がある。そのため、さらなる大強度出力には炭素膜に代わる新たな荷電変換入射が必要となる。J-PARC 3GeVシンクロトロンでの設計出力を超える大強度化に向けて、レーザーにて電子剥離を行う「レーザー荷電変換入射」を新たに考案し研究開発を進めている。この新たな入射方式の実現には、現存より2桁高い平均出力のレーザーが必要となるため、レーザーを再利用する形で連続的にビームへの照射を可能とする「高出力レーザー蓄積リング」の開発を目指している。本発表では、レーザー荷電変換入射の概要を紹介し、開発を行う高出力レーザー蓄積リングを説明する。加えて、現在の開発状況を報告する。
山本 風海; 神谷 潤一郎; Saha, P. K.; 高柳 智弘; 吉本 政弘; 發知 英明; 原田 寛之; 竹田 修*; 三木 信晴*
Proceedings of 14th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.374 - 378, 2017/12
J-PARC 3GeVシンクロトロン(RCS)は、最大1MWの大強度陽子ビームを物質生命科学実験施設および主リングシンクロトロンに供給するために設計され、運転を行っている。現在のところ、RCSでは設計値の半分である500kWの出力での連続運転に成功しているが、今後さらにビーム出力を向上し、安定な運転を達成するためには、入射点付近の残留放射能による被ばくへの対策が重要となってくる。これまでのビーム試験やシミュレーション、残留線量の測定結果等から、入射点周辺の残留放射能は、入射で使用する荷電変換用カーボンフォイルに入射及び周回ビームが当たった際に発生する二次粒子(散乱陽子や中性子)が原因であることがわかった。現状では、RCSの入射にはフォイルが必須であり、これらの二次粒子を完全になくすことはできない。そこで、これら二次粒子によって放射化された機器の周辺に遮蔽体を置けるように、より大きなスペースが確保できる新しい入射システムの検討を開始した。予備検討の結果、機器配置は成立するが、入射用バンプ電磁石磁場が作る渦電流による発熱が問題となることがわかり、その対策の検討を進めることとなった。
原田 寛之; Saha, P. K.; 田村 文彦; 明午 伸一郎; 發知 英明; 林 直樹; 金正 倫計; 長谷川 和男
Progress of Theoretical and Experimental Physics (Internet), 2017(9), p.093G01_1 - 093G01_16, 2017/09
被引用回数:0 パーセンタイル:100(Physics, Multidisciplinary)J-PARC 3GeVシンクロトロン(RCS)は、設計出力1MWの大強度陽子加速器である。このRCSで3GeVまで加速された陽子ビームは、リング内の8台のパルスキッカー電磁石で取り出しラインへ導き、物質生命科学実験施設や後段の加速器へ供給されている。しかしながら、この電磁石の電磁回路的なリンギングにより時間的な磁場変調を生じており、取り出しビームが大きく変動していた。この変動は、中性子源標的の故障リスクの増大や後段加速器のビーム損失の増大を生じ、大きな課題である。特別な短パルスビームと各電磁石のタイミングスキャンを行い、取り出しビームの位置変動を測定することで、この磁場変調を実測し把握した。それを用いて各電磁石の磁場変調を抑制する最適なタイミングを求め、適用することで装置の改造を行うことなく要求以上の精度のビーム取り出しを実現した。さらにタイミングのずれを自動で測定し補正するシステムを導入し、安定化も実現した。この論文では、手法や成果を報告する。
岡部 晃大; 丸田 朋史*; 發知 英明; Saha, P. K.; 吉本 政弘; 三浦 昭彦; Liu, Y.*; 金正 倫計
Proceedings of 12th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.933 - 937, 2015/09
J-PARC 3GeV-RCSシンクロトロンでは、ビームハローのような極少量のビームロスでさえ加速器機器を甚大に放射化する要因となり、メンテナンス作業を困難なものにする。そのため、大強度ビームの安定的な利用運転を実現するに向けて、RCSではビームハローの抑制が大きな課題となっている。RCSではビーム入射方法として荷電変換による多重入射法を採用しており、入射ビームのtwissパラメータがRCSのオプティクスに整合していない場合、入射過程においてハローが生成される可能性が高い。ビーム損失の要因であるハローの生成を抑制するため、RCSでは入射ビームのtwissマッチング調整を行っている。マッチング調整では大強度ビームの挙動を正確に把握するため、空間電荷効果を考慮した3次元エンベロープ方程式を用いて入射点におけるビームのtwissパラメータを算出している。また、Linac-RCSビーム輸送ライン(L3BT)に設置されたワイヤスキャナモニタを用いてビームプロファイル測定を行い、算出したtwissパラメータと比較しつつ、入射ビーム調整を行っている。本発表ではJ-PARC RCSで行われている入射ビームマッチング調整の手法を紹介する。
金正 倫計
Proceedings of 6th International Particle Accelerator Conference (IPAC '15) (Internet), p.3798 - 3800, 2015/06
J-PARC 3GeVシンクロトロン(RCS)では、物質生命科学実験施設(MLF)、及び50GeVシンクロトロン(MR)でのユーザー運転のために、ビーム運転を実施している。ビーム強度をこれまで徐々に増強し、2015年3月から400kW、4月から500kWでの安定運転を行っている。大強度ビーム試験も実施し、2015年1月10日に、設計値である1MW相当の粒子加速器に成功した。この実験では、1MWでの安定運転に関する課題も明らかにすることができた。これら、RCSの現状について報告する。
吉本 政弘; 原田 寛之; 岡部 晃大; 金正 倫計
Proceedings of 54th ICFA Advanced Beam Dynamics Workshop on High-Intensity, High Brightness and High Power Hadron Beams (HB 2014) (Internet), p.143 - 147, 2015/03
横方向のビームハローは大強度ビーム加速器の性能を制限するもっと重要なパラメータの一つである。そのためJ-PARC3GeVシンクロトロンRCSのビーム強度増強を行うにはビームハローの測定は必須である。ビーム分布に対して中心の密度が濃い部分をビームコア、周辺の密度が薄い部分をビームテール、さらに外周に散在している部分をビームハローと呼んでおり、一般にビームハロー部はビームコアに対して1/100001/1000000程度の強度と言われている。そのために、ビームハローを測定するには6桁程度のダイナミックレンジが必要になるが、単体の装置でこれを実現することは非常に困難である。そこで、ワイヤースキャナーとビームロスモニタを組み合わせた新しいビームハローモニタを開発し、ビームを取り出した輸送ラインに設置した。ロスモニタのダイナミックレンジは3桁程度だが、感度領域の異なるロスモニタを複数台組み合わせることで、非常に広いダイナミックレンジを実現でき、コア部からテール部そしてハロー部迄を含むビームプロファイルを計測することが可能となった。
岡部 晃大; 山本 風海; 吉本 政弘; 金正 倫計
Proceedings of 5th International Particle Accelerator Conference (IPAC '14) (Internet), p.876 - 878, 2014/07
J-PARC RCSではビーム出力増大に伴う加速器機器の放射化を避けるため、入射ビーム用ビームハロースクレーパの開発が要求されている。ライナック-RCS間ビームトランスポートライン(L3BT)にはビームハロースクレーパが設置されているが、スクレーパ使用時における周辺機器の放射化が問題となったため、その使用が控えられてきた。2013年度夏期メンテナンス時に周辺機器の放射化を抑制する新スクレーパシステムをL3BTにインストールし、大強度ビームを使用した性能評価実験を行った。本発表では、新スクレーパシステムの特徴、及び、性能評価試験結果について報告する。
小栗 英知; 上野 彰; 滑川 裕矢*; 池上 清*
Review of Scientific Instruments, 77(3, Part2), p.03A517_1 - 03A517_3, 2006/03
被引用回数:5 パーセンタイル:67.96(Instruments & Instrumentation)原研では2001年より高エネルギー加速器研究機構と共同で大強度陽子加速器計画(J-PARC)を開始している。J-PARCの第1期では、リニアックにてビーム電流30mA,デューティーファクタ1.25%の負水素イオンを加速する。LaB6フィラメントを使用したJ-PARC用負イオン源は、セシウム未添加状態にて定常的にビーム電流35mA以上,デューティーファクタ0.9%のビーム供給を行っている。デューティーファクタはJ-PARC要求値の1/3であるが、LaB6フィラメントの交換頻度は半年に1回程度である。一方、J-PARCにおいてセシウム添加状態にて72mAのビームを発生できる負イオン源を使用し、タングステンフィラメントの寿命測定を実施した。その結果、J-PARCの目標である500時間連続運転を達成できる見込みを得ることができ、タングステンフィラメントを使用したセシウム未添加型負水素イオン源もJ-PARC用イオン源の候補になり得ることがわかった。現在、セシウム未添加型タングステンフィラメント負水素イオン源のビーム試験を実施しており、本会議ではその結果について報告する。
荒川 和夫
原子力年鑑2006年版, p.125 - 126, 2005/10
イオン,RI,陽電子,中性子等のビーム利用に関する研究は、農業,工業,医療及び環境科学などの研究分野に新しい研究手段を提供し、科学技術の発展に寄与するばかりでなく、幅広い産業分野で大きなブレークスルーをもたらすものとして期待されている。こうした観点から、先進小型加速器の開発の経緯と現状,イオンビーム利用の現状と加速器施設整備計画の進捗及び自由電子レーザーの開発の現状と利用計画について概観した。
長谷川 和男
Proceedings of 2005 Particle Accelerator Conference (PAC '05) (CD-ROM), p.220 - 224, 2005/00
原研は、高エネルギー加速器研究機構と共同で大強度陽子加速器施設(J-PARC)の建設を行っている。この施設は、世界最大強度の陽子ビームを用いて、物質科学,生命科学,原子核・素粒子などの幅広い分野の研究を推進することを目的とする。この施設で用いる加速器は、リニアック(線形加速器),3GeVシンクロトロン,50GeVシンクロトロンの3基から構成され、多くの新しい研究開発をもとに建設を進めている。各加速器機器の製作や試験を行うとともに、リニアックや3GeVシンクロトロンは、建家への据付を開始する段階にある。これらJ-PARCのコミッショニングについて、その状況を報告する。
金正 倫計; 荻原 徳男; 齊藤 芳男*; 壁谷 善三郎*
Proceedings of 2005 Particle Accelerator Conference (PAC '05) (CD-ROM), p.2604 - 2606, 2005/00
大強度陽子加速器施設3GeVシンクロトロンに使用するセラミックス真空ダクトの開発に成功した。このダクトは2種類に大別される。一つは偏向電磁石用で、レーストラック型の断面形状を有する3.5mの長さで15度湾曲したダクト、もう一つは、四極電磁石に使用される円形断面を有するダクトである。これらは、一体もので製作するのは非常に困難であるため、0.5-0.8mのダクトをメタライズとロウ付けで接合した。外表面には、ダクトのインピーダンスを小さくするために、RFシールドを施し、内表面には、二次電子放出を小さくするために、TiN膜をコーティングした。
金正 倫計; 荻原 徳男; 増川 史洋; 竹田 修; 山本 風海; 草野 譲一
Proceedings of 2005 Particle Accelerator Conference (PAC '05) (CD-ROM), p.1309 - 1311, 2005/00
大強度陽子加速器3GeVシンクロトロンで使用するビームコリメータ用に放射線に強い機器の開発に成功した。ターボ分子ポンプは吸収線量が15MGyの線照射試験に耐え、ステッピングモータは70MGyまで耐えることを確認した。また、PEEK材を用いた電線も10MGy以上の吸収線量でも使用可能であった。一方、ヒートパイプは30kGy以上では使用できないことが明らかとなった。
長谷川 和男
Proceedings of 34th ICFA Advanced Beam Dynamics Workshop on High Power Superconducting Ion, Proton and Multi-Species Linacs (HPSL 2005) (Internet), 7 Pages, 2005/00
原研は、高エネルギー加速器研究機構と共同で大強度陽子加速器施設(J-PARC)の建設を行っている。この施設は、世界最大強度の陽子ビームを用いて、物質科学,生命科学,原子核・素粒子などの幅広い分野の研究を推進することを目的とする。この施設で用いる加速器は、リニアック(線形加速器),3GeVシンクロトロン,50GeVシンクロトロンの3基から構成され、多くの新しい研究開発をもとに建設を進めている。各加速器機器の製作や試験を行うとともに、リニアックや3GeVシンクロトロンは、建家への据付を開始する段階にある。これらJ-PARCの建設や機器の製作状況について報告する。
長谷川 和男; 大内 伸夫; 千代 悦司; 加古 永治*; 野口 修一*; 大内 徳人*; 宍戸 寿郎*; 土屋 清澄*
Proceedings of 34th ICFA Advanced Beam Dynamics Workshop on High Power Superconducting Ion, Proton and Multi-Species Linacs (HPSL 2005) (Internet), 5 Pages, 2005/00
原研は、高エネルギー加速器研究機構と共同で大強度陽子加速器施設(J-PARC)の建設を行っている。この第1期計画の加速器は、400MeVのリニアック(線形加速器),3GeVシンクロトロン,50GeVシンクロトロンの3基から構成される。第2期計画では、400MeVから600MeVまでの超伝導リニアックを建設し、放射性廃棄物の核変換実験に用いる予定である。その開発研究として、超伝導空洞を内蔵するクライオモジュールの設計と製作試験を進めており、これまでに2Kの冷却に成功した。ここではJ-PARC計画での超伝導リニアックの開発状況について報告する。