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論文

Site-specific ion desorption from condensed C- and N-deuterated formamide near the caron and nitrogen K-edge

関口 広美*; 関口 哲弘; 今村 元泰*; 松林 信行*; 島田 広道*; 馬場 祐治

Surface Science, 454-456, p.407 - 411, 2000/05

 被引用回数:5 パーセンタイル:66.16(Chemistry, Physical)

ホルムアミド(HCONH$$_{2}$$)はDNAの主鎖でもあるペプチド結合(-NH-CO-)を持つ最も簡単な分子であるため、それの分光学的性質に関する研究が実験及び理論の両面から非常に勢力的に進められている。本研究においては放射光を用いることにより炭素(C)1s準位または窒素(N)1s準位から非占有分子軌道へ共鳴励起を行い、オージェ電子分光、及び、光刺激脱離収量スペクトルのデータを測定した。重水素置換体(DCONH$$_{2}$$とHCOND$$_{2}$$)を用い、C-H結合とN-H結合での結合切断における選択性を調べた結果、C 1s励起では$$sigma^{*}$$(C-D)共鳴ピークがC-D結合に局在化していること、N 1s励起では$$sigma^{*}$$(N-D)共鳴ピークがN-D結合に局在化していることが結論された。これらのデータは将来、化学結合を選択した生体分子の軟X線顕微鏡観察の基礎となるものと思われる。

論文

Photon-stimulated ion desorption in deuterated formamide adsorbates

関口 広美*; 関口 哲弘; 今村 元泰*; 松林 信行*; 島田 広道*; 馬場 祐治

Photon Factory Activity Report 1998, Part B, P. 37, 1999/11

放射光を用いることによりホルムアミド(HCONH$$_{2}$$)の炭素(C)1s準位または窒素(N)1s準位から非占有分子軌道へ選択的に共鳴励起することができる。本研究においては二種類の重水素置き換え体(DCONH$$_{2}$$とHCOND$$_{2}$$)を用いることによりC-H結合とN-H結合での結合切断における選択性を調べた。C-H/C-D,C-N,C=0,N-H/N-Dの各結合はC1s又はN1s吸収端において$$sigma^{*}$$(C-H/C-D),$$sigma^{*}$$(C-N),$$sigma^{*}$$(C=0),$$sigma^{*}$$(N-H/N-D)に選択励起できる。結果としてC1s励起から$$sigma^{*}$$(C-N)への共鳴励起ではC-D切断により生じるD$$^{+}$$が増加し、N1s励起から$$sigma^{*}$$(N-D)への共鳴励起ではN-D切断により生じるD$$^{+}$$が増加することが見いだされた。実験結果としては共鳴励起の場合のみ内殻ホールを開けた原子に局在化したイオン性解離が起こっていることを示している。

論文

Photon-stimulated ion desoprtion spectra in the adsorption systems of water on Si(100) and Si(111)

関口 広美*; 関口 哲弘; 北島 義典*; 馬場 祐治

Photon Factory Activity Report 1998, Part B, P. 66, 1999/11

シリコン(Si)表面と水(H$$_{2}$$O)との相互作用は半導体プロセス技術に関連して広く研究されている。本研究においては光刺激イオン脱離スペクトルが吸着分子と基板原子との相互作用に敏感に変化することを利用して異なった面指数を持つSi(100)とSi(111)試料についてH$$_{2}$$O吸着の相互作用を調べた。イオン検出はパルス放射光を利用した飛行時間質量分析法により行った。どちらの試料も軟X線吸収スペクトルはかなり似たスペクトルであったのに対し、両者のH$$^{+}$$脱離スペクトルはかなり異なったものであった。Si(111)の方がイオン収量が小さく、弱い相互作用に特有な$$sigma^{*}$$(O-H)ピークが小さい。吸収スペクトルの偏光依存解析からSi(100)ではO-H結合が表面垂直に近いのに対し、Si(111)では平均約55度の傾き角となった。Si(111)ではH原子がよりSi表面第一層と近いため、相互作用が大きくなったものと結論した。

論文

Extremely high selectivity in fragmentation of (CH$$_{3}$$S)$$_{2}$$ on Si(100) following excitation of adsorbate or substrate core level

関口 哲弘; 馬場 祐治; Li, Y.; Ali, M.

Photon Factory Activity Report 1998, Part B, P. 67, 1999/11

放射光のX線エネルギーを変化させることにより特定の元素の内殻電子準位を選択的に励起することができる。これは、例えば、ディジタル・エッチング(薄膜吸着→光照射(反応)$$rightarrow$$薄膜吸着→…を単分子レベルで進行させようというアイデア)に応用できる可能性がある。本研究では表面励起とバルク励起の選択性を見積もるため、シリコン(Si)基板上にイオウ(s)化合物((CH$$_{3}$$S)$$_{2}$$)を吸着させた系に対し、基板(Si 1s)励起と吸着種(S 1s)の内殻励起により引き出される解離反応を調べた。放射光照射により生じるイオン脱離生成物を四重極質量分析により検出した。結果としてはイオウ原子イオンがあるイオウ内殻共鳴励起で生じ、基板Si励起では検出限界以下という大きな選択性が観測された。励起される吸着分子の数は歴される基板原子数に比べ数桁も小さいにもかかわらず、生成収量は大きいという非常に高い選択性が示された。

論文

Adsorbate-substrate interaction in photofragmentation of trimethylsilylfluoride (Si(CH$$_{3}$$)$$_{3}$$F) physisorbed on Cu(111) following Si K-Shell excitation

関口 哲弘; 馬場 祐治

Surface Science, 433-435, p.849 - 853, 1999/00

 被引用回数:14 パーセンタイル:37.58(Chemistry, Physical)

内殻励起領域でのイオン脱離反応における吸着環境の影響を調べた。試料としてSi-F結合とSi-C結合の選択励起のできるSi(CH$$_{3}$$)$$_{3}$$F(SiMe$$_{3}$$F)を使用し、低温冷却したCu表面上にSiMe$$_{3}$$Fを吸着量を制御して吸着させた。Si K殻励起領域の脱離イオン収量スペクトル及び質量スペクトルを種々の吸着量について測定した。単分子吸着系では軽いイオンが観測され、$$sigma$$$$ast$$$$_{Si-F}$$空軌道への共鳴励起によりF$$^{+}$$脱離収量が増加した。多層吸着では重いイオンが顕著に脱離し、収量の励起エネルギー依存性がほとんどない。単分子吸着系では基板との相互作用による脱励起過程が顕著であることにより励起状態の反結合性がより重要となる。多分子層ではイオン収量は終状態の性質よりむしろ平均電荷数により決まる。約3分子層吸着すると生成物パターンは大きく変化した。これは吸着種-基板間相互作用から分子間相互作用に敏感に変化したことを示す。

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