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中山 梓介; 岩本 修; 木村 敦
EPJ Web of Conferences, 294, p.07001_1 - 07001_6, 2024/04
溶融塩炉などの革新型原子炉の減速材として黒鉛の利用が考えられている。減速材による熱中性子の散乱は炉心設計に大きな影響を与える。革新型原子炉の開発に貢献するため、原子炉級黒鉛の熱中性子散乱則の評価を行った。格子振動に起因する非弾性散乱成分は、第一原理シミュレーションから求めたフォノン状態密度に基づいて評価した。シミュレーションは理想的な結晶黒鉛に対して行った。結晶構造に起因する干渉性弾性散乱成分は、J-PARC/MLF施設で実施された中性子透過実験および散乱実験に基づいて評価した。中性子透過実験との比較においては、空孔などの結晶よりも大きな構造に起因する中性子小角散乱の定量が重要であることがわかった。以上の方法に基づいて、原子炉級黒鉛の熱中性子散乱則データを評価した。
Klotz, S.*; Baptiste, B.*; 服部 高典; Feng, S. M.*; Jin, Ch.*; Bneut, K.*; Guigner, J. M.*; Estve, I.*
Carbon, 185, p.491 - 500, 2021/11
被引用回数:1 パーセンタイル:5.76(Chemistry, Physical)二硫化炭素(CS)は、その最も近い類似体であるCOとともに、二重共有結合からなる最も単純な分子系の一つである。高圧下では、この分子構造は分解され、拡張された結晶性またはポリマー性の固体を形成すると考えられる。ここでは、大容量高圧技術を用いて300Kで約10GPa (100kbar)まで圧縮することにより、瞬間的な反応で純粋な硫黄とCSに近い化学組成を持つ化合物の混合体が得られ、常圧まで回収できることを示している。中性子回折,X線回折,ラマン測定の結果、この物質は硫黄がナノメートルオーダーのspグラファイト層に結合していることがわかった。電気抵抗の温度依存性からこの化合物は45meVのギャップを持つ半導体であることが明らかになった。200C以上の温度でアニールすることで、硫黄含有量をCSまで減らすことができた。この物質の構造的・電子的特性は、過去に行われたCSの高圧実験で報告された「ブリッジマンブラック」とは根本的に異なる。
濱本 真平; 大橋 弘史; 飯垣 和彦; 島崎 洋祐; 小野 正人; 清水 厚志; 石塚 悦男
Proceedings of 2021 International Congress on Advances in Nuclear Power Plants (ICAPP 2021) (USB Flash Drive), 6 Pages, 2021/10
HTGRは、炉心内に大量の黒鉛材料を有しているため、原子炉圧力バウンダリが損傷した際は、炉心内に空気が流入して黒鉛が酸化する事故を想定する必要がある。本事故時、酸化反応の熱によって燃料温度が上昇し、事故が進展しないことを確認することは重要である。そこで本研究では、黒鉛材料の不燃性を評価する方法として、材料の発熱量と放熱量を比較する方法を提案した。発熱量の計算には高温ガス炉HTTRの構造材料をリファレンスにした。構造材料と接触する空気の量は、煙突効果から決定される値とした。放熱量は、煙突効果を生む空気の加熱分と、材料外表面の対流と輻射の合計値とした。発熱量と放熱量を比較した結果、放熱量は発熱量よりも大きいことがわかった。この結果から、黒鉛材料は空気浸入事故時に事故条件に依存せず、温度が低下に向かうため、燃焼しないことが分かった。HTGRのシビアアクシデントへの対処法を決定する際には、黒鉛材料の不燃性を明確に説明することが重要である。本提案のようにシンプルな理論に基づく評価法は、黒鉛材料全体に適用できるため、有用と考えられる。
中村 詔司; 遠藤 駿典; 木村 敦; 芝原 雄司*
KURNS Progress Report 2020, P. 94, 2021/08
マイナーアクチノイド核種の一つであるNpの熱中性子捕獲断面積の精度向上のために照射実験を行った。京都大学研究用原子炉(KUR)の黒鉛照射設備を用いて、放射化法にて行った。950BqのNp試料、及び中性子束モニタとして、Au/Al合金線, Co, Sc, Mo, Ta箔のセットを一緒に、黒鉛照射設備にて、30分照射した。中性子束モニタの反応率を、Westcott's Conventionに基づき解析して、照射場が良く熱化されていることを確認した。Np試料の量は、放射平衡の関係にあるPaのガンマ線収量から求めた。Np(n,)の反応率は、試料量と生成されたNpからのガンマ線の収量から求めた。Npの反応率を熱中性子束で割り込むことで、熱中性子捕獲断面積を導出する。
深谷 裕司; 後藤 実; 中川 繁昭; 中嶋 國弘*; 高橋 和暉*; 左近 敦士*; 佐野 忠史*; 橋本 憲吾*
EPJ Web of Conferences, 247, p.09017_1 - 09017_8, 2021/02
日本原子力研究開発機構は高温ガス炉の核的予測精度向上のための研究開発を始めた。その目的は、初めての商用高温ガス炉のためのフルモックアップ試験を省略できる一般化バイアス因子法とHTTR試験で未臨界度を測定するための炉雑音解析の導入である。そのために、B7/4"G2/8"p8EUNU+3/8"p38EU(1)と名付けた黒鉛減速炉心をKUCAのB架台に構成した。炉心は、燃料集合体,ドライバ燃料集合体,黒鉛反射体,ポリエチレン反射体で構成されている。HTTRの平均濃縮度と炉内スペクトルを実現するために、燃料集合体は濃縮ウラン板と天然ウラン板と黒鉛板から構成される。しかしながら、小さな炉心で臨界に達するためにはドライバ燃料が必要となる。この炉心は、一般化がイアス因子法導入のための基準炉心だけではなく、炉雑音解析技術開発のために炉雑音の測定を行う。本研究では、臨界実験の概要を報告する。黒鉛減速体系の炉心構成はKUCAでも珍しく、高温ガス炉開発だけではなく、溶融塩炉のような、他の黒鉛減速炉心開発にも期待できる。
左近 敦士*; 中嶋 國弘*; 高橋 和暉*; 芳原 新也*; 佐野 忠史*; 深谷 裕司; 橋本 憲吾*
EPJ Web of Conferences, 247, p.09009_1 - 09009_8, 2021/02
黒鉛反射熱中性子炉では、燃料領域から遠くに配置された検出器であっても、ある程度の相関振幅を検出する可能性がある。これは、黒鉛中の中性子の平均自由行程が水やポリエチレンよりも長いためである。そこで、本研究の目的は、原子炉騒音分析のためのグラファイト反射器への中性子検出器配置の高い柔軟性を実験的に確認することである。京都大学臨界集会(KUCA)の黒鉛減速反射炉心において炉雑音解析を実施した。BF比例中性子計数管(直径1インチ)を黒鉛反射領域に配置し、検出器を炉心からそれぞれ約35cmと30cmの厚さの黒鉛で隔離した。臨界状態と未臨界状態で、検出器からの時系列信号データを取得し、高速フーリエ変換(FFT)アナライザーにより分析し、周波数領域でのパワースペクトル密度を取得した。炉心から遠く離れた検出器から得られたパワースペクトル密度には、有意な相関成分を含むことが確認できた。また、パワースペクトル密度理論式にデータに最小二乗法で適合さることにより、即発中性子減衰定数を決定した。臨界状態での減衰定数は63.314.5[1/s]となった。2つの検出器間の相互パワースペクトル密度とコヒーレンス関数データから決定された減衰定数とよい一致を示した。予想通り、炉心から約35cmの位置に検出器を設置することで、原子炉のノイズ解析が可能であることが確認された。
峯尾 英章; 西原 哲夫; 大橋 弘史; 後藤 実; 佐藤 博之; 竹上 弘彰
日本原子力学会誌ATOMO, 62(9), p.504 - 508, 2020/09
高温ガス炉は、ヘリウムガス冷却,黒鉛減速の熱中性子炉で、優れた固有の安全性を有しており、発電のみならず、水素製造などの多様な熱利用に用いることができる。このため、我が国のみならず、海外においても温室効果ガス削減に有効な技術として期待されている。本稿では、ガスタービン発電や水素製造などの熱利用施設と高温ガス炉で構成される高温ガス炉システムの実用化に向け、原子力機構が取り組んでいる技術開発の最前線を紹介する。
柴田 大受; 水田 直紀; 角田 淳弥; 坂場 成昭; 大崎 貴士*; 加藤 秀樹*; 井澤 祥一*; 武藤 剛範*; Gizatulin, S.*; Shaimerdenov, A.*; et al.
Proceedings of 9th International Topical Meeting on High Temperature Reactor Technology (HTR 2018) (USB Flash Drive), 7 Pages, 2018/10
高温ガス炉(HTGR)の炉内構造物には黒鉛が用いられている。空気侵入事故による黒鉛構造物の酸化は、安全性の観点から重要な課題である。黒鉛表面へのSiC被覆は、黒鉛の耐酸性を向上させる有望な技術である。しかし、炉内構造物への適用については、この材料の高温、中性子照射に対する健全性を確認することが重要である。原子力機構と日本の黒鉛メーカは耐酸化黒鉛の研究開発を進めてきた。原子力機構とカザフスタンINPとは、ISTCパートナープロジェクトの枠組みを利用して耐酸化黒鉛に対する中性子照射効果について調べた。本報は、SiC被覆を施した耐酸化黒鉛への中性子照射後試験の結果について述べるものである。耐酸化黒鉛のうち、ある一つの銘柄については照射後の酸化試験において優れた特性を示した。
水田 直紀; 角田 淳弥; 柴田 大受; 大崎 貴士*; 加藤 秀樹*; 井澤 祥一*; 武藤 剛範*; Gizatulin, S.*; 坂場 成昭
炭素材料科学の進展; 日本学術振興会第117委員会七十周年記念誌, p.161 - 166, 2018/10
原子力機構及び日本の黒鉛メーカ4社(東洋炭素,イビデン,東海カーボン,新日本テクノカーボン)は、高温ガス炉の炉内構造材料に用いる黒鉛の耐酸化性を向上させることを目的に、CVD法によりSiCコーティングを施した耐酸化黒鉛の研究を進めている。本報では、国際科学技術センター(ISTC)のパートナープロジェクトとして実施した、カザフスタン共和国の核物理研究所(INP)のWWR-K炉による耐酸化黒鉛の中性子照射試験について紹介する。照射試験に先立ち、各試験片に対して未照射条件での酸化試験を行った結果、耐酸化試験片全てにおいて、CVD法により施されたSiCコーティングが十分な耐酸化性を示すことがわかった。中性子照射試験は終了しており、今後はWWR-Kホットラボでの炉外酸化試験を行う計画である。
柴田 大受; 角田 淳弥; 坂場 成昭; 大崎 貴士*; 加藤 秀樹*; 井澤 祥一*; 武藤 剛範*; Gizatulin, S.*; Shaimerdenov, A.*; Dyussambayev, D.*; et al.
Proceedings of 8th International Topical Meeting on High Temperature Reactor Technology (HTR 2016) (CD-ROM), p.567 - 571, 2016/11
高温ガス炉(HTGR)に用いられている黒鉛について、さらなる安全裕度を確保するため、耐酸化性を向上させることが望ましい。黒鉛表面へのSiC被覆は、そのための候補技術である。原子力機構と日本の黒鉛メーカ4社:東洋炭素,イビデン,東海カーボン,新日本テクノカーボンとで、耐酸化黒鉛を炉内黒鉛構造物に適用する研究を進めている。国際科学技術センター(ISTC)のパートナープロジェクトとして、カザフスタン共和国の核物理研究所(INP)のWWR-K炉により、照射キャプセル2体により耐酸化黒鉛に対する中性子照射試験を実施した。WWR-K炉で、照射温度1473Kにおける10サイクル200日間の照射試験を完了した。最大の高速中性子(E0.18MeV)照射量は、中央の照射孔に装荷したキャプセルで1.210/m、炉側部の照射孔に装荷したキャプセルで4.210/mであった。照射後の試験片について、寸法、重量測定、光学顕微鏡による外観観察を実施した。今後、炉外での酸化試験を行う計画である。
内田 芳昭*; 三枝 純; 梶本 与一; 谷村 嘉彦; 清水 滋; 吉澤 道夫
JAERI-Tech 2005-012, 31 Pages, 2005/03
日本原子力研究所東海研究所・放射線標準施設棟には、中性子個人線量計やサーベイメータを校正するための熱中性子校正場が整備されている。この校正場では、中性子源を黒鉛パイル内に設置し、中性子を減速させることによって熱中性子場を得ている。2003年1月に行った黒鉛パイルの更新及びサイズの変更に伴い、熱中性子フルエンス率及び中性子エネルギー分布を測定した。また、平行場における個人線量当量を求めるため、熱中性子入射角度分布を計算により評価した。金箔放射化法を用いた測定により、等方場及び平行場の熱中性子フルエンス率を決定した。また、ボナー球型スペクトロメータを用いて、平行場における中性子エネルギー分布を評価した結果、全エネルギーに対する熱外中性子の割合は線量当量で南側校正場が9%であり、西側校正場が12%であることがわかった。平行場における個人線量当量を評価する際、熱中性子が平行に入射すると仮定した場合と、入射する熱中性子の角度を考慮した場合で、前者が後者に比べて約40%高い値であることがわかった。
八木澤 博; 新井 貴; 後藤 純孝*
平成16年度大阪大学総合技術研究会報告集(CD-ROM), 4 Pages, 2005/03
臨界プラズマ試験装置(JT-60)の真空容器内にはプラズマによる容器壁の損傷を防ぐ目的から形状の異なる多数のプラズマ対向タイル(以下「タイル」と称す)が取付けられている。実験運転後のタイル表面には真空容器内の特にダイバータ部において数mから数十m位の損耗箇所や堆積層の蓄積箇所のあることが各種分析から確認されている。この表面分析調査の一環として損耗・堆積層の分布状態を調査することを目的に特殊な溝加工を施したタイルを真空容器内に設置した。Phase1の報告では真空容器内に入れる前の段階でタイル表面の段差(差分)の測定方法と結果を紹介した。測定の最終的な目的は、実験運転後にプラズマに晒されたタイル表面の段差測定を実施し、実験運転前の差分データと比較することにより損耗・堆積層を明確にすることである。実験運転後のタイルはトリチウムで汚染されているため非管理区域に設置されているPhase1で使用した装置の利用はできず、さらに相当性能を有する測定装置は管理区域内に設置されていない。そのため新たに管理区域内専用の装置の開発が必要となった。今回、汚染したタイルを管理区域内の環境で効率よく測定でき、かつコストを抑えた粗さ測定装置(三次元測定器)の開発を行ったのでそのシステムの概要を報告する。
石原 正博
セラミックス, 39(10), p.834 - 837, 2004/10
高温ガス炉は、燃料に耐熱性に優れた被覆燃料粒子,減速材に黒鉛,冷却材にヘリウム(不活性ガス)を使用していることから、高い固有の安全性の確保,高い燃焼度の達成及び高いプラントの熱効率の達成が期待でき、ヘリウムガスタービンを用いた高い熱効率発電炉,核兵器解体余剰プルトニウムの燃焼炉や水素製造,地域熱供給等の核熱利用を目指した高温ガス炉の検討が進められている。これらの実用化を進めるには、燃料,材料の高性能化が重要な課題の一つとなっている。そこで、本報告では耐熱性材料である黒鉛材料及び炭素繊維強化炭素複合材料について、研究開発の現状について紹介するとともに、今後の研究開発の展望について述べた。
後藤 純孝*; 新井 貴; 柳生 純一; 正木 圭; 児玉 幸三; 宮 直之
Journal of Nuclear Materials, 329-333(1), p.840 - 844, 2004/08
被引用回数:15 パーセンタイル:68.07(Materials Science, Multidisciplinary)JT-60の下部X点ダイバータで使用された黒鉛タイル上の再堆積層を、透過型電顕(TEM)及び制限視野電子回折(SAD)により解析した。タイル使用時期は1988年6-10月で、各300回と1500回の下部X点ダイバータ配位及びリミター配位による軽水素放電が行われた。SEMによる再堆積層の断面観察により、トロイダル方向の厚さ分布を測定した。内側再堆積層2か所から採取した表面層約6mのポロイダル及びトロイダル断面TEM像を観察し、各層構造と約40回のショット履歴を対応させ解析した。再堆積層中の柱状構造は、低加熱入力(11MW)のダイバータ配位放電で「足」位置から離れた領域に、また層状構造はリミター放電または高加熱入力のダイバータ配位放電に対応して形成される。また炭素-Moあるいは炭素-Ni, Fe, Cr, Tiの共堆積層はディスラプションに対応する。柱状堆積物及びその結晶子のトロイダル配向角分布から、柱状構造の成因は、低温成膜による吸着原子の低移動度と、炭素不純物イオンの斜入射によるセルフシャドウ効果で説明した。
後藤 純孝*
核融合炉, (11), p.34 - 37, 2004/03
JT-60UのW型ダイバータ領域における黒鉛タイル表面の損耗・再堆積に関する研究状況を報告する。分析したタイルは1997年6月-1998年10月のプライベートフラックス領域内側からの片側排気実験時期に使用され、2度のボロナイゼーション,約3000回以上の重水素放電プラズマに曝されたものである。ダイバータ板上のポロイダル方向の損耗深さ分布をダイヤルゲージで、また再堆積層厚さ分布を断面SEM観察により測定した。その結果、外側ダイバータ板では損耗が、また内側では再堆積が支配的であることを示した。ドーム頭頂部では連続的な再堆積層は見いだされない。損耗・再堆積のポロイダル非対称性はダイバータ領域におけるプラズマ条件の内外非対称性(内側がより低温・高密度)に起因すると解釈した。再堆積層の微構造には、柱状あるいは層状構造が存在し、それぞれ柱状組織はダイバータ板上における低熱流束、及び足位置直下の高熱流束の領域の再堆積層の上層で形成されることを示した。
片西 昌司; 武井 正信; 中田 哲夫*; 國富 一彦
日本原子力学会和文論文誌, 3(1), p.67 - 75, 2004/03
日本原子力研究所では、高温工学試験研究炉(HTTR)の開発経験をもとに、実用高温ガス炉ガスタービン発電システム(GTHTR300)の設計研究を進めており、その一環として、燃料棒の構造設計を実施した。2種類の燃料棒構造を考案し、照射中に予想される変形や応力に対する構造強度検討,流路圧力損失,製作性等の観点で比較を行い、成立性を確認した。第一の構造は、燃料棒に支持用スペーサを取り付け流路内での水平方向支持を行うものであり、第二の構造は、燃料棒を装荷する流路の内壁に燃料棒支持用のリブを設けるものである。どちらも構造強度上は成立性があり、圧力損失及び製作性の観点で第一の構造が有利であるとの結論を得た。今回の燃料棒としての構造検討結果と既に報告した被覆燃料粒子の健全性評価結果とを併せて、GTHTR300用の高燃焼度燃料の構造を決定し、その成立性を明らかにした。
富満 広; 長谷川 裕司*; 相澤 一也
Physics Letters A, 309(3-4), p.183 - 188, 2003/03
被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Physics, Multidisciplinary)われわれは、高配列熱分解黒鉛の反射を用いると、後続のSi単結晶の反射強度が三倍に増強されることを見いだした。この現象は、精密中性子光学分野で活用できる。この現象は、黒鉛中の格子定数分布で説明できる。
奥 達雄*; 馬場 信一
炭素, 2002(202), p.90 - 95, 2002/05
熱膨張係数は、熱的性質の中でも重要な特性の一つである。熱膨張は外形の変形及び熱的拘束による内部応力すなわち熱応力の評価にとっては欠かすことができない特性の一つである。ここでは、熱膨張の物理的意義からはじめて、熱膨張係数の定義,熱膨張係数を求めるために測定すべき量,測定原理,測定装置,測定例及び測定上の注意事項などについて説明する。
川崎 幸三
原子力年鑑2003年版, p.150 - 158, 2002/00
高温ガス炉開発をはじめとする高温工学試験研究について、平成13年4月から14年5月頃までの活動状況を中心にまとめた。本稿は、高温ガス炉開発の意義,高温工学試験研究炉(HTTR)の状況,出力上昇試験,所内関連部門の活動及び海外における高温ガス炉開発の動向と国際協力について記述している。
萩原 正紀
原子力年鑑2001/2002年版, p.164 - 170, 2001/11
高温ガス炉開発をはじめとする高温工学試験研究について、平成12年4月から13年5月頃までの活動状況を中心にまとめた。本稿は、高温ガス炉開発の意義、高温工学試験研究炉(HTTR)の状況,出力上昇試験,所内関連部門の活動及び海外における高温ガス炉開発の動向と国際協力について記述している。