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Wach, R.; 杉本 雅樹; 吉川 正人
Key Engineering Materials, 317-318, p.573 - 576, 2006/08
ケイ素高分子から合成されるSiCセラミックスは、アモルファス構造を有することから水素等のガス選択透過性が予想される。また、SiCは耐熱・耐蝕性に優れていることから、高温水素分離フィルター等への応用が期待できる。本講演ではSiCセラミックスの前駆体であるケイ素系高分子を溶媒に溶かして、アルミナセラミック基板上に成膜し、電子線により酸化架橋した後、不活性ガス中で1000Cまで焼成してセラミックに転換することにより、SiCコーティングの合成を試みた。ケイ素系高分子は焼成に伴い収縮するが、膜厚を500
m以下に制御することで、クラックの生成を抑制することが可能であること,コーティング膜に生成するピンホールはアルミナ基板の平滑性に依存していることを明らかにした。
Kulsartov, T. V.*; 林 君夫; 中道 勝*; Afanasyev, S. E.*; Shestakov, V. P.*; Chikhray, Y. V.*; Kenzhin, E. A.*; Kolbaenkov, A. N.*
Fusion Engineering and Design, 81(1-7), p.701 - 705, 2006/02
被引用回数:45 パーセンタイル:92.80(Nuclear Science & Technology)核融合炉構造材料へのセラミック被覆は、トリチウム透過防止膜として使用されることが考えられている。本研究では、リン酸クロム(CrPO)を含む酸化クロム-二酸化ケイ素のセラミック皮膜がある場合とない場合におけるF82H鋼について、水素及び重水素透過実験を行った。まず第1段階として、300
600
Cの100
1000Paの水素及び重水素雰囲気において、皮膜のないF82H鋼中の透過実験を行った。得られた拡散係数,透過定数及び溶解度は、以前に公刊されている値と良い一致を示した。第2段階としては、皮膜を施したF82H鋼中について、400
600
C, 1000
1500Paの重水素雰囲気において、上と同様な透過実験を行い、皮膜の透過低減係数(PRF)を算出した。600
Cにおける透過低減係数は約400であった。この値は、同じ皮膜を316ステンレス鋼に施した場合の透過低減係数(約1000)に匹敵する値である。本発表は、国際科学技術センター(ISTC)によるパートナープロジェクト(K-1047p)として実施した研究の成果の一部を発表するものである。
Wach, R.; 杉本 雅樹; Lam, N. D.; 吉川 正人
Proceedings of 8th SPSJ International Polymer Conference (IPC 2005) (CD-ROM), 60 Pages, 2005/07
ケイ素高分子から合成されるSiCセラミックスは、耐熱・耐蝕性に優れた材料である。本研究では、SiCセラミックスの出発物質であるケイ素系高分子として、ポリカルボシラン(PCS)及び、PCSとポリビニルシラン(PVS)のポリマーブレンドをアルミナ基板上に塗布してから、電子線により酸化架橋した後、不活性ガス中で焼成してセラミックに転換することでSiCコーティングの合成に成功した。また、PVSを10wt%ブレンドしたポリマーブレンドが高いセラミック化収率を示し、セラミック転換時の収縮による欠陥生成を抑制することに効果的であることを見いだした。得られたSiCコーティングについて高温で水素を透過することができれば、高温水素分離フィルターとしての応用が期待できる。
山下 清信; 沢 和弘; 安藤 弘栄; 北村 昶*; 西村 一久*
日本原子力学会誌, 40(1), p.65 - 69, 1998/00
被引用回数:6 パーセンタイル:48.75(Nuclear Science & Technology)高温工学試験研究炉でのトリチウム製造試験に被覆リチウム粒子を用いることを提案し、この粒子のトリチウム保持特性を評価した。この粒子は、セラミックをリチウム化合物のカーネルに被覆したものであり、セラミック被覆にはAlO
、カーネルにはLiAlO
等の物質を使用する。本検討より、1000Kで400日加熱しても、この粒子からのトリチウムの漏洩率は1%以下に押さえることができ、また、1400K以上で加熱すれば短時間でほぼ完全に放出できることが明らかとなった。この特性から、HTTRのトリチウム製造試験では1000K以下で照射し、照射後この粒子を1400K以上に加熱することにより容易にトリチウムを抽出できるものと考える。更に、この粒子を核融合炉に装荷しバッチ交換してトリチウムを製造すれば、ブランケット等のトリチウム漏洩防止機能への要求は低くなるものと考えられる。
鈴木 邦彦*; 稲垣 嘉之; 近藤 康雄; 井岡 郁夫*; 宮本 喜晟; 川上 春雄*; 神坐 圭介*; 圭介*
日本原子力学会誌, 34(1), p.59 - 62, 1992/01
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Nuclear Science & Technology)高温工学試験研究炉(HTTR)の炉心出口7領域の冷却材温度(約950C)は、各領域に挿入された熱電対により運転時に常時監視される。この熱電対は、炉心の状態を観察するうえで重要な計測機器であり、原子炉圧力容器の外側から炉内構造物を貫通して炉心出口領域まで挿入され、交換可能な構造となっている。この熱電対の構造健全性を確認するために、HENDELT
試験部に設置されたHTTRと同等の構造を有する熱電対について、約7000時間使用後に材料試験等を実施した。その結果、シース材及びセラミックコーティング処理を行った保護管の腐食及び強度低下は、実用上問題のない範囲であった。また、新しい熱電対との交換も支障なく行われ、交換性についても確認した。
河村 弘; 蓼沼 克嘉*; 内田 勝秀*; 宮島 生欣*; 中田 宏勝
Journal of the Ceramic Society of Japan, International Edition, 97, p.1403 - 1408, 1989/00
一般的にセラミックスコーティングは、産業機械部品、圧延用ローラー等の表面処理として行われており、そのコーティング膜に種々の機能を持たせて用いられている。そのなかでも、特に水素ガス等による腐食雰囲気で腐食防止用膜としてコーティング膜を用いる場合には、より厳しく、しかも定量的なコーティング膜の欠陥率評価が必要になるが、そのような欠陥率評価技術は確率されていないのが現状である。一方、原子力分野、特に核融合開発の分野においても、構造材からのトリチウム透過防止、第一壁材の表面保護等あるいはトリチウム製造用照射容器材の水素脆化防止のためにセラミックスコーティングが行われようとしている。本論文では、特にトリチウム製造用照射容器材の水素脆化防止膜として考えられているセラミックスコーティング膜について行った各種欠陥率評価手法の検討結果を報告する。