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佐藤 一憲
Nuclear Engineering and Design, 383, p.111426_1 - 111426_19, 2021/11
被引用回数:7 パーセンタイル:64.17(Nuclear Science & Technology)The D/W (Drywell) and S/C (Suppression Chamber) pressure data of Fukushima-Daiichi Nuclear Power Plant Unit 3 was analyzed in depth. This analysis provided valuable information related to the accident progression behavior on one hand, and gave a hint for understanding of the debris-to-coolant heat transfer when fuel debris relocated to the pedestal on the other hand. In this unit, the D/W and S/C pressure increased and decreased cyclically with a relationship, which seems to have been dependent on the composition of vapor and non-condensable gases in the S/C cover gas region. Based on this characteristic, the vapor pressure in the S/C cover gas region was evaluated for two pressure decrease cycles during and after the expected debris relocation to the pedestal respectively. This evaluation allowed an understanding that the S/C vapor pressure increased due to the heat transfer from the debris relocated to the pedestal.
竹田 武司
JAEA-Data/Code 2020-019, 58 Pages, 2021/01
ROSA-IV計画において、大型非定常実験装置(LSTF)を用いた実験(実験番号: SB-SL-01)が1990年3月27日に行われた。ROSA/LSTFSB-SL-01実験では、加圧水型原子炉(PWR)の主蒸気管破断(MSLB)事故を模擬した。このとき、両ループの蒸気発生器(SG)二次側への補助給水(AFW)とともに、非常用炉心冷却系である高圧注入(HPI)系から両ループの低温側配管内への冷却材注入を仮定した。MSLBにより、破断ループのSGは急減圧し、破断ループのSG二次側広域水位は低下した。しかし、破断ループのSG二次側へのAFWにより、破断ループのSG二次側広域水位は回復した。一次系圧力は、MSLB直後一時的に若干低下したが、SG主蒸気隔離弁の閉止に従い16.1MPaまで上昇した。一次系圧力が10MPa以下に低下した数分後、HPI系から両ループの低温側配管内へ冷却材を手動注入した。一次系圧力は、HPI系からの冷却材注入により上昇したが、加圧器逃し弁の開放により16.2MPa以下に維持された。実験中、炉心はサブクール水で満たされた。健全ループでは、流れが停滞し、HPI系からの冷却材注入時に低温側配管での温度成層が観察された。一方、破断ループでは、顕著な自然循環が継続した。HPI系からの冷却材の連続注入による継続的な炉心冷却を確認して実験を終了した。取得した実験データは、PWRのMSLBを伴う多重故障事故時の回復操作および手順の検討に役立てることができる。本報告書は、ROSA/LSTFSB-SL-01実験の手順、条件および実験で観察された主な結果をまとめたものである。
竹田 武司
JAEA-Data/Code 2016-004, 59 Pages, 2016/07
LSTFを用いた実験(実験番号: TR-LF-07)が1992年6月23日に行われた。TR-LF-07実験では、PWRの給水喪失事象を模擬した。このとき、一次系フィード・アンド・ブリード運転とともに、補助給水系の不作動を仮定した。また、蒸気発生器(SG)の二次側水位が3mまで低下した時点でSI信号を発信し、その後30分で加圧器(PZR)の逃し弁(PORV)開放による一次系減圧を開始した。さらに、SI信号発信後12秒でPZRの有るループの高圧注入系(HPI)の作動を開始し、一次系圧力が10.7MPaまで低下した時点でPZRの無いループのHPIの作動を開始した。一次系とSG二次側の圧力は、PZRのPORVとSGの逃し弁の周期的開閉によりほぼ一定に維持された。PORVの開放にしたがい、PZRの水位が大きく低下し始め、高温側配管では水位が形成した。HPIの作動により、PZRと高温側配管の水位は回復した。一次系圧力はSG二次側圧力を下回り、両ループの蓄圧注入系(ACC)が作動した。炉心露出が生じなかったことから、PORV, HPIおよびACCを用いた一次系フィード・アンド・ブリード運転は、炉心冷却に有効であった。本報告書は、TR-LF-07実験の手順、条件および実験で観察された主な結果をまとめたものである。
高田 昌二; 清水 厚志; 近藤 誠; 島崎 洋祐; 篠原 正憲; 関 朝和; 栃尾 大輔; 飯垣 和彦; 中川 繁昭; 沢 和弘
Proceedings of 23rd International Conference on Nuclear Engineering (ICONE-23) (DVD-ROM), 5 Pages, 2015/05
HTTRを使った炉心冷却喪失試験では、原子炉の固有の安全性を確認するとともに、自然現象によりより安全を確保できることを示すため、炉心に制御棒を挿入せず、また、VCSを停止させて原子炉の強制冷却を停止させる。試験では、VCSの熱反射板のついていない水冷管に、原子炉の安全上問題とはならないが、財産保護の観点から局所的な温度上昇が懸念された。非核加熱試験を通して、局所的な温度上昇点が確認され、最高使用温度よりは低いが運転上の管理制限値を超える可能性のあることが分かった。冷却水の自然循環による冷却効果は1C以内であった。このため、再稼働後早期に試験を実施するための安全確実な試験方法を確立した。
中村 博文; 西 正孝
Journal of Nuclear Materials, 329-333(Part1), p.183 - 187, 2004/08
被引用回数:27 パーセンタイル:82.07(Materials Science, Multidisciplinary)ITERの熱交換器ステンレス配管を通じた1次冷却水から2次冷却水へのトリチウム透過量を正確に把握するために模擬実験を実施した。実験には、直径6mm,肉厚0.5mm,長さ30cmの316Lステンレス鋼の細管37本を集合させた試験体を用意し、細管の内側に1次冷却水を模擬した7.4MBq/cmのトリチウム水を、外側には純水を充填して、0.9MPa-423Kの条件でトリチウム透過量を測定した。その結果、100時間経過後に有意なトリチウムの透過が観察されはじめ、その後直線的な純水中トリチウム濃度の上昇が観察された。本実験結果から評価される定常状態におけるトリチウムの透過率は、3.4
10
C
A/d(Bq/hr)である。ここで、
C, A, dは、それぞれトリチウム濃度差,細管の表面積及び肉厚である。今回得たトリチウム透過率は、従来用いられてきたガス透過の結果に基づく評価値より約3桁小さい。これは、ガス状態で接した場合の材料表面のトリチウム濃度がSievert's則で規定されるのに対し、水状態で接した場合の表面トリチウム濃度が水中の水素イオンもしくは水酸イオン濃度に規定されているためであると推察される。以上の結果は、これまで評価されてきたITERの2次冷却水中のトリチウム濃度が十分保守的であることを証明するものである。
甲斐 哲也; 原田 正英; 前川 藤夫; 勅使河原 誠; 今野 力; 池田 裕二郎
Journal of Nuclear Science and Technology, 41(Suppl.4), p.172 - 175, 2004/03
J-PARC核破砕中性子源では大強度陽子(3GeV,1MW)がビーム窓を通過してTRMA(target-moderator- reflector-assembly)の水銀ターゲットに入射する。TMRA周辺の機器は1次陽子や2次粒子(中性子が主)により高度に放射化される。SS316製のターゲット容器が最も放射化されるが、デカップラー材であるAIC(Ag-In-Cd)合金も高度に放射化される材料である。反射体はベリリウムとアルミ被覆鉄からなり、中性子取出孔はAICで覆われている。またTMRA外側にはSUS316遮蔽が設置される。これら全ての機器は軽水,または重水で冷却されている。本論分では、メンテナンスシナリオ構築と施設設計基準を得るため、NMTC/JAM,MCNP4,DCHAIN-SPを使用してTMRA機器と冷却水の放射化を評価した結果を示す。結果から、遠隔操作メンテナンスの必要性、及び必要遮蔽厚さが示された。例として、反射体集合体に対して、表面線量を1mSv/h以下にするために、厚さ30cmの鉄キャスクが必要であり、キャスクを含めた機器の操作に130トンクレーンが必要となった。反射体のAl被覆鉄をSS316の代替として採用した結果、SS316中のニッケルの放射化を除去することができ、キャスク重量も軽減された。このような結果に基づき、施設の遮蔽壁が設計され、高放射化物のメンテナンスシナリオを構築した。
塙 悟史; 橘 幸男; 伊与久 達夫; 石原 正博; 伊藤 治彦
JAERI-Tech 2003-064, 25 Pages, 2003/07
材料試験炉(JMTR:Japan Materials Testing Reactor)は、第147サイクルの共同利用運転中に、一次冷却系統の精製系統充填ポンプNo.1の出口配管に取り付けられた圧力計導管からの水漏れが確認されたため、12月10日に原子炉を手動停止した。当該圧力計導管については、充填ポンプが加振源となり圧力計導管が振動し、その繰り返し荷重によりき裂が発生・進展した可能性がある。このため、当該部の振動解析と応力解析を実施した。振動解析の結果、充填ポンプNo.1圧力計導管の固有振動数は5358Hz程度と推定され、共振周波数である50Hz(充填ポンプ回転数)に近い状態にあった。応力解析の結果、振動により当該圧力計導管に発生する応力は固有振動数53Hzで63MPa,58Hzで25MPaと求められた。振動による応力と、自重と内圧による応力の合計値を計算すると、固有振動数53Hzで112.2MPa,58Hzで74.2MPaになる。これらの発生応力は使用材料の疲れ限度に近い値であり、充填ポンプNo.1の圧力計導管に生じたき裂は、充填ポンプの振動に起因する疲労によるものと推測された。
き裂発生原因の調査ワーキンググループ
JAERI-Tech 2003-060, 183 Pages, 2003/07
日本原子力研究所大洗研究所の材料試験炉(JMTR)において、平成14年12月10日に一次冷却系統の精製系統充填ポンプNo.1の出口配管に取り付けられた圧力計導管に水漏れが確認された。また、水漏れ停止後に行った外観観察及び浸透探傷試験の結果、当該圧力計導管にき裂が確認された。このため、水漏れ発生の原因と対策及び安全管理への取組みについて検討するために、日本原子力研究所内外の専門家から構成する「JMTR計測用配管水漏れ調査検討委員会」が平成14年12月16日に設置された。これを受けて、当該圧力計導管におけるき裂発生の原因を調査するためのワーキンググループを材料試験炉部に設置し、圧力計導管とその溶接部分を含む試料を切り出し、ホットラボ施設において外観検査,破面観察,金属組織観察,硬さ測定等を実施した。本報告書は、これらのデータをまとめたものである。
堀 順一; 佐藤 聡; 山内 通則*; 落合 謙太郎; 西谷 健夫
JAERI-Research 2003-002, 50 Pages, 2003/03
本研究では、低放射化フェライト鋼(F82H)と酸化物分散強化型(ODS)フェライト鋼に対してD-T中性子照射を行い、逐次反応によるCo生成実効断面積を測定した。F82H,ODSフェライト鋼に対する
Co生成実効断面積は、鉄の約1.5倍となった。さらに、6種類の核融合炉材料(鉄,銅,バナジウム,チタン,タングステン,鉛)とF82Hに対して、水素化合物との接触面領域での逐次反応実効断面積の分布を測定した。水素化合物との接触面で逐次反応率は同一材料の場合と比べて20倍以上となり、F82Hに対しては50倍となった。核融合冷却水配管表面で生成される
Coによる放射能は、1次中性子反応で生成される
Mnによる放射能の3~10%に至ることを示した。逐次反応実効断面積を(n,xp), (p,n)反応断面積,陽子放出スペクトル,陽子阻止能を用いて評価し、実験値との比較を行なった。
榎枝 幹男; 黒田 敏公*; 森山 耕一*; 小原 祥裕
Journal of Nuclear Science and Technology, 38(11), p.921 - 929, 2001/11
被引用回数:2 パーセンタイル:19.28(Nuclear Science & Technology)ITERのテストモジュール試験は、原型炉ブランケット開発に最も重要なマイルストンである。テストモジュールの設計では、ITERに対してテストモジュールが安全上の問題を新たに付加しないことを、示すことが非常に重要である。本報告は、日本の主候補原型炉ブランケットである水冷却固体微小球増殖ブランケットのテストモジュールについて、本質的な安全性を明らかにするために実施されたものである。主要な評価の内容は、事後のテストモジュールの冷却、ベリリウム-水蒸気反応による水素発生、冷却水漏洩事象による圧力上昇である。本解析は、遮蔽ブランケット安全評価を参考にして、これらの3点の評価項目の上限値を明らかにした。
奥村 進; 荒川 和夫; 福田 光宏; 中村 義輝; 横田 渉; 石本 貴幸*; 倉島 俊; 石堀 郁夫; 奈良 孝幸; 上松 敬; et al.
AIP Conference Proceedings 600, p.330 - 332, 2001/00
JAERI AVFサイクロトロンにおいて、ビーム電流を長時間一定に保つにはしばしば磁場調整が必要となっている。NMRプローブによる磁場測定と白金測温抵抗体による温度測定から、磁場と電磁石の鉄心温度との間に相関関係があることがわかった。メインコイルからの熱が主な原因となって鉄心温度が上昇し、ビームの不安定現象を引き起こしている。鉄心への熱を遮断するために鉄心とメインコイル間に温度制御した銅板を挿入した。それに加えて、ポール先端温度を独立に制御するために、トリムコイルの冷却水温度制御系を独立化した。磁場安定化のために、これら温度制御系の最適運転条件を見いだした。
吉島 哲夫; 田中 純利; 根本 傳次郎
JAERI-Tech 98-052, 69 Pages, 1998/11
研究炉部では、3基の研究炉を運転管理し、減速材、冷却材及び反射材として使用するために約41トンの重水を保有している。これらの重水は、米国、カナダ及びノルウェーから輸入している。このうちのカナダから輸入した重水は、日加原子力協定において国際規制物質としての管理が義務付けられていることから全ての重水は国際規制物質に準じた方法で厳密な計量管理を実施している。本報告書は、各炉での在庫量の変動と重水の計量管理等についてまとめたものである。
三浦 秀徳*; 佐藤 聡; 榎枝 幹男; 黒田 敏公*; 高津 英幸; 河村 繕範; 田中 知*
JAERI-Tech 97-051, 51 Pages, 1997/10
原型炉用ブランケットを対象としたITERでの工学試験用ブランケットシステムについて検討した。原型炉用ブランケットの試験はITERの主な工学目標のうちの1つである。テストモジュールにより、燃料自給のためのトリチウム増殖能力と発電用の熱回収機能の試験及び実証を行う。原型炉用プラズマとして、水冷却及びヘリウム冷却のセラミック増殖材ブランケットを取り上げ、これらのテストモジュールの核・熱設計、試験ポートへの設置概念検討、冷却系及びトリチウム回収系の設計を実施した。その結果、現ITER設計と整合のとれたテストモジュール及び補機系の設計が提示された。
高田 昌二; 鈴木 邦彦; 稲垣 嘉之; 数土 幸夫
Heat Transfer-Jpn. Res., 26(3), p.159 - 175, 1997/00
高温ガス炉(HTGR)の崩壊熱除去用水冷形冷却パネルシステムの除熱特性と構造物の温度分布を調べるため、システムを模擬した実験装置により実験を行った。実験装置は、炉心の崩壊熱を模擬した最高出力100kWの電気ヒーターを内蔵した、直径1m,高さ3mの圧力容器と、容器を取り囲む冷却パネルからなる。数値解析コードTHAPACST2の数値解析手法と提案されたモデルを検証するために、実験と数値解析の比較検討を行った。圧力容器内ヘリウムガス圧力を0.73MPa,温度を210Cの条件で、圧力容器温度は-29
C,+37
Cの誤差の範囲で実験データをよくあらわした。冷却パネルの除熱量の数値解析結果は実験結果に比べて11.4%低く、放射による伝熱量は除熱量の全入熱量の74.4%であった。また、圧力容器のスカート形サポートの上下端の空気流路を流れる自然対流により圧力容器の下鏡部が効果的に冷却されることがわかった。
村尾 良夫; 新谷 文将; 岩村 公道; 渡辺 博典
Transactions of the American Nuclear Society, 69, p.539 - 540, 1993/00
環境問題から原子力エネルギーへのなお一層の依存が予想される将来の世界に対して、原研では、保守を容易にし安全性を向上させた受動的安全炉の概念検討を進めている。先ず、炉心出力の炉物理的固有除熱追従性を持たせるには、減速材密度反応度係数を負の大なる値にするとともに、ドップラー反応度係数を負の小さい値にする必要がある。そのため、ケミカルシムを廃止するとともに、炉心線出力密度を低くすることにした。ケミカルシム廃止により制御棒数を増加する必要があり、圧力容器内蔵型制御棒駆動機構を採用した。一方、タービン入口蒸気温度の許容変動は小であるので、炉心核特性との熱水力的整合性をとるために、過熱蒸気領域を長くした貫流型蒸気発生器を採用した。その他、工学的安全設備の受動化とシステム簡素化を行い、保守が簡単であり、かつ、安全性を向上させた受動的安全炉の概念をまとめた。
山本 克宗; 横内 猪一郎; 比佐 勇; 米澤 仲四郎; 中山 富佐雄
日本原子力学会誌, 29(8), p.717 - 723, 1987/08
被引用回数:1 パーセンタイル:19.15(Nuclear Science & Technology)JMTRの定常運転時には、1次冷却水中から常に微量の放射性ヨウ素が検出されている。この放射性ヨウ素の放出源を明らかにするために、定常運転時の測定データを検討し、また主な炉心構成材料中の不純物ウランの分析を行った。放射性ヨウ素濃度は炉心のベリリウム枠の交換に伴って変動していることがわかった。炉心構成材料の分析の結果、ベリリウム中から10~42ppmbのウランが検出された。この不純物ウランからは実測値に近い濃度の放射性ヨウ素が生成することが計算により確認された。これらのことから、1次冷却水中の放射性ヨウ素は主としてベリリウム中の不純物ウランから放出されていると考えられる。
内田 正明; 斉藤 裕明*
JAERI-M 86-158, 58 Pages, 1986/11
炉心損傷事故時に露出した原子炉1次冷却系における揮発性FPの移行を解析するために、HORNコードを開発した。本報は、そのモデルを解説する。FPの放出または沈着を決定する再重要因子として、コードは流体中および配管表面におけるFP化学形を、気・液・固体平衡モデルにより計算する。その結果を用いて、拡散による気体FPの沈着、エアロゾルの析出等を計算する。解析対象元素を少なくする為、周期律表上の同族元素を1つに代表させ、また揮発性の低い元素を1つの仮想元素として纏める等の近似を行った。現在解析対象として I,Te,Sb,Ag,Cd,Baである。
鈴木 光弘; 田坂 完二; 安濃田 良成; 熊丸 博滋; 中村 秀夫; 与能本 泰介; 村田 秀男; 小泉 安郎
JAERI-M 86-038, 275 Pages, 1986/03
ROSA-III実験装置において、BWR/LOCAを模擬する実験を実施した。本報は、その中で典型的な再循環ポンプ吸込側配管における200%破断LOCA実験を対象として、初期流体条件をBWRの定格条件から変化させた場合の影響を調べた結果をまとめたものである。変化させたパラメ-タは、炉心内ボイド分布(mass分布)、炉心入口サブク-ル度、及び給水温度である。炉心ボイド分布は、出口クオリティで標準条件の15%~5%および43%に変化させた。サブク-ルト度は標準の10K~21Kまで変化させた。給水温度は標準の216C~45
Cまで変化させた。上記2実験と標準実験(RUN926)の結果を比較検討し、次の結論を得た。(1)初期炉心ボイド率の高い実験では破断初期の炉心露出が著しく、下部プレナムフラッシング後にPCT907Kを示した。(2)炉心入口サブク-ル度と給水温度の影響は圧力変化には効くが、主要事象の変化に寄与しない。
山本 克宗; 板橋 行夫; 稲田 征二; 横内 猪一郎; 比佐 勇; 中山 富佐雄
日本原子力学会誌, 28(5), p.425 - 427, 1986/00
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Nuclear Science & Technology)JMTR用燃料の中濃縮化計画に基づき、昭和58年度に製作した2体の試験用中濃縮ウラン燃料要素(以下MEU燃料)をJMTRの炉心に装荷して照射試験が行われた。照射中および照射後のMEU燃料の健全性を確認するために、1次冷却水中の放射性ヨウ素の測定およびショッピングテストを行った。照射試験中には1次冷却水中から微量の放射性ヨウ素が検出されたが、その濃度は通常運転時と同程度であり、また照射期間中にその濃度が異常に上昇することもなかった。シッピングテストでは水中からFPが検出されたが、比較のために行った標準燃料要素および燃料以外の炉心構成要素についてのテストでもMEU燃料の場合と同程度のFPが検出され、MEU燃料には異常のないことが確認された。これらの測定により、MEU燃料の照射中および照射後における健全性が確認された。
傍島 真; 安達 公道; 岩村 公道; 大貫 晃
Proc.2nd Int.Topical Meeting on Nuclear Power Plant Thermal Hydraulics and Operations, p.2 - 129, 1986/00
平板炉心試験で通常観測される上部プレナム蓄水頭不均一に関し、その生成が落下水流量および炉心冷却の分布に及ぼす影響について個別に調べた。炉心部に上昇蒸気流を形成させて各バンドル上に一様に注水した。炉心には発熱を500Kw/バンドルで与えた場合と、発熱なしの場合とを試験し、落下冷却の分布と上部プレナム蓄水位分布の関係を評価した。蓄水頭の高い位置の下方のバンドルでは冷却がよく、落下流量も多くなることが、モデルをバンドル毎に適用することによって示された。また落下流量の多くの評価されたバンドルでは、蒸気発生量も相対的に多かった。注入水温が未飽和の場合には、局所的な未飽和水の落下があり、モデル計算よりも多い落下流量となったが、飽和水の場合は総落下流量の計算値と測定値はほぼ一致した。