Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
涌井 隆; 高岸 洋一*; 二川 正敏
Materials, 16(17), p.5830_1 - 5830_16, 2023/09
水銀ターゲット容器は、陽子ビームの入射に伴い、キャビテーション損傷を受けるため、キャビテーションバブルの位置や衝撃圧力分布の不確実さを考慮して、モンテカルロ・シミュレーションを用いたキャビテーション損傷を予測する手法を提案した。本手法では、個々のキャビテーション気泡の崩壊に起因する衝撃圧力の分布はガウス分布とし、衝撃圧力の最大値の確率密度分布は3種類の分布: デルタ関数、ガウス分布、ワイブル分布と仮定した。衝撃圧力の分布を記述する方程式の2つのパラメータについて、実験から得られたキャビテーション損傷の分布とシミュレーションから得られた累積塑性ひずみの分布を比較し、ベイズ最適化を使用して推定することができた。また、ワイブル分布を用いて得られた結果が、他の結果に比べて、実際のキャビテーションエロージョン現象を再現することが分かった。
荒井 陽一; 渡部 創; 長谷川 健太; 岡村 信生; 渡部 雅之; 武田 啓佑*; 福元 博基*; 吾郷 友宏*; 羽倉 尚人*; 塚原 剛彦*
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 542, p.206 - 213, 2023/09
Spent PUREX solvent, which mainly consists of tributyl phosphate (TBP) and normal dodecane, is generated by solvent extraction of Plutonium and Uranium in the spent nuclear fuel reprocessing. One of the treatment options for storage of the spent solvent is adsorption of the liquid into vermiculite. The organic liquid is considered to be trapped between layers of the vermiculite. Our previous experiments on the adsorption of spent solvent into the vermiculite have shown that some parts of loaded solvent gradually leaked out from the vermiculite. In order to investigate the adsorption mechanism and capacity, elution behavior of the loaded solvent into organic diluents were evaluated. A part of the loaded solvent was easily leaked into the diluent, while some solvent remained inside the particle even after the leaching test. In this study, the adsorption capacity of the vermiculite was evaluated through amount of remaining solvent after washing with diluents. The amount of the remaining solvent was analyzed by Particle Induced X-ray Emission (PIXE) on P contained in TBP. Peak intensity of P-K line depended on the washing condition, and the behavior of the amount of change in adsorbed P atom qualitatively agreed with the results of the leaching test.
外川 織彦; 外間 智規; 平岡 大和
JAEA-Review 2023-013, 48 Pages, 2023/08
原子力災害時に大気へ放射性物質が放出された場合には、住民等の被ばくを低減するための防護措置として、自家用車やバス等の車両を利用して避難や一時移転が実施される。避難等を実施した住民等の汚染状況を確認するため避難退域時検査が行われるが、その迅速性を損なわないことが重要である。現状の検査では、車両の指定箇所検査をワイパー部とタイヤ側面で実施し、要員によるGMサーベイメータ等の表面汚染検査用測定器で検査することを基本としている。また、車両の迅速かつ効率的な検査実施のため、可搬型車両用ゲート型モニタの活用も計画されているところである。本報告書では、迅速かつ効率的な避難退域時検査に資するため、原子力災害時における車両の汚染状況と除染措置に関する調査を実施した。利用可能な関連文献や情報はごく少数であったが、当該文献等に記載された調査結果を目的に応じて抽出して整理するとともに、避難退域時検査の迅速かつ効率的な運用という観点からその調査結果について検討を行った。
端 邦樹; 塙 悟史; 知見 康弘; 内田 俊介; Lister, D. H.*
Journal of Nuclear Science and Technology, 60(8), p.867 - 880, 2023/08
被引用回数:2 パーセンタイル:49.42(Nuclear Science & Technology)PWR一次冷却水中の腐食環境評価の1つの主要な目的は、主な構造材への悪影響を抑えつつ、PWRにおける一次冷却材応力腐食割れ(PWSCC)を抑制するための最適水素濃度を決定することにある。この目的に資するため、本研究ではラジオリシス解析と腐食電位(ECP)解析を併用したECP評価手法を提案した。前報では、ラジオリシス解析結果について報告した。この結果を踏まえて本報ではECP解析結果を報告する。ECP解析は混成電位モデルと酸化物層成長モデルを組み合わせたものであり、元々BWR用に開発したものである。本研究ではこれにLiとH
のアノード分極曲線への影響を取り入れ、PWR用に拡張した。解析結果を過去のINCAインパイルループでの実験結果やその他の実験結果と比較し、本解析により
100mVの誤差でECPを再現可能であることを示した。
竹田 武司
JAEA-Data/Code 2023-007, 72 Pages, 2023/07
ROSA-V計画において、大型非定常実験装置(LSTF)を用いた実験(実験番号:IB-HL-01)が2009年11月19日に行われた。ROSA/LSTF IB-HL-01実験では、加圧水型原子炉(PWR)の加圧器サージラインの両端ギロチン破断による17%高温側配管中破断冷却材喪失事故を模擬した。このとき、高温側配管内面に接する様に、長いノズルを上向きに取り付けることにより破断口を模擬した。また、非常用炉心冷却系(ECCS)である高圧注入系の全故障と補助給水系の全故障を仮定した。実験では、比較的大きいサイズの破断が早い過渡現象を引き起こした。破断後一次系圧力が急激に低下し、蒸気発生器(SG)二次側圧力よりも低くなった。破断流は、破断直後に水単相から二相流に変化した。炉心露出は、ループシールクリアリング(LSC)前に、クロスオーバーレグの下降流側の水位低下と同時に開始した。低温側配管に注入されたECCSの蓄圧注入系(ACC)冷却水の蒸気凝縮により両ループのLSCが誘発された。LSC後の炉心水位の急速な回復により、全炉心はクエンチした。模擬燃料棒被覆管最高温度は、LSCとほぼ同時に検出された。ACC冷却水注入時、高速蒸気流による高温側配管からSG入口プレナムへの液体のエントレインメントにより、高温側配管とSG入口プレナムの水位が回復した。ECCSである低圧注入系の作動を通じた継続的な炉心冷却を確認後、実験を終了した。本報告書は、ROSA/LSTF IB-HL-01実験の手順、条件および実験で観察された主な結果をまとめたものである。
門野 良典*; 平石 雅俊*; 岡部 博孝*; 幸田 章宏*; 伊藤 孝
Journal of Physics; Condensed Matter, 35(28), p.285503_1 - 285503_13, 2023/07
Magnesium hydride has great potential as a solid hydrogen (H) storage material because of its high H storage capacity of 7.6 wt%. However, its slow hydrogenation and dehydrogenation kinetics and the high temperature of 300 C required for decomposition are major obstacles to small-scale applications such as automobiles. The local electronic structure of interstitial H in MgH
is an important fundamental knowledge in solving this problem, which has been studied mainly based on density functional theory (DFT). However, few experimental studies have been performed to assess the results of DFT calculations. We have therefore introduced muon (Mu) as pseudo-H into MgH
and investigated the corresponding interstitial H states by analyzing their electronic and dynamical properties in detail. As a result, we observed multiple Mu states similar to those observed in wide-gap oxides, and found that their electronic states can be attributed to relaxed-excited states associated with donor/acceptor levels predicted by the recently proposed ambipolarity model. This provides an indirect support for the DFT calculations on which the model is based via the donor/acceptor levels. An important implication of the muon results for improved hydrogen kinetics is that dehydrogenation, serving as a reduction for hydrides, stabilises the interstitial H
state.
石塚 悦男; Ho, H. Q.; 北川 堪大*; 福田 理仁*; 伊藤 諒*; 根本 将矢*; 楠木 捷斗*; 野村 拓朗*; 長瀬 颯太*; 橋本 温希*; et al.
JAEA-Technology 2023-013, 19 Pages, 2023/06
「HTTRに関する技術開発」をテーマとした2022年度夏期休暇実習において、5つの大学から8名が参加した。参加者は、原子力電池の検討、HTTR炉心の燃焼解析、Cf製造の検討、冷却機能喪失時の挙動解析、炉容器近傍の熱流動解析について実習した。実習後のアンケートでは、就業体験として有益であったこと、一部の学生においては自身の研究に役立ったこと、他の大学生との議論が良い経験となった等の感想があり、本実習は概ね良好な評価を得た。
涌井 隆; 高岸 洋一*; 二川 正敏; 田邉 誠*
実験力学, 23(2), p.168 - 174, 2023/06
核破砕中性子源の水銀ターゲット容器において、陽子ビームが水銀に入射することにより、容器内面にキャビテーション損傷が生じる。気泡核の位置や衝撃圧力分布のばらつきを考慮して、モンテカルロ・シミュレーションを用いたキャビテーション損傷の予測方法を提案した。実験より得られたキャビテーション損傷の分布とシミュレーションより得られた積算ひずみの分布を比較し、ベイズ最適化を用いた逆解析により、衝撃圧力の分布を評価した。ガウス分布を仮定した最大衝撃圧力の平均値及び広がりはそれぞれ3.1GPa及び1.2mであった。シミュレーション結果は実験結果を再現しており、本評価手法が有効であると言える。
根本 隆弘; 荒川 了紀; 川上 悟; 長住 達; 横山 佳祐; 渡部 雅; 大西 貴士; 川本 大樹; 古澤 孝之; 猪井 宏幸; et al.
JAEA-Technology 2023-005, 33 Pages, 2023/05
HTTR (High Temperature engineering Test Reactor) RS-14サイクルの原子炉出力降下において、ヘリウムガス循環機のフィルタ差圧が上昇傾向となった。この原因を調査するため、1次ヘリウム純化設備のガス循環機の分解点検等を実施した結果、ガス循環機内のシリコンオイルミストがチャコールフィルタの性能低下で捕集できなくなり、1次系統に混入したためと推定された。今後は、フィルタ交換を実施するとともに、さらなる調査を進め、再発防止対策を策定する予定である。
堀口 直樹; 吉田 啓之; 北辻 章浩; 長谷川 信*; 岸本 忠史*
Proceedings of 30th International Conference on Nuclear Engineering (ICONE30) (Internet), 7 Pages, 2023/05
我が国のエネルギー安全保障の観点および環境負荷低減の観点から、軽水炉の連続運転が不可欠である。PWRの水質管理にはLi-7イオンを濃縮したpH調整剤が必要であり、Li-7濃縮技術の開発が重要課題の一つである。環境負荷の少ない技術としてマルチチャンネル向流電気泳動(MCCCE)法が開発されている。これを実用化するためには、チャネル内のLi-7イオン挙動を把握し、Li-7と他同位体を分離させるため実験条件を最適化する必要がある。本報告では、実機の単一チャンネル内のLi-7イオン挙動を把握することを目的に、原子力機構で開発した粒子追跡機能を有するCFDコードTPFIT-LPTをベースとしたイオン挙動の数値シミュレーション手法を開発した。本手法では、電場下のイオンの運動を、電場による速度を粒子に付加して運動させることで模擬した。同位体の運動の差異は付加速度の大きさを変更して表現した。また、個々のイオン挙動を実験計測することは不可能であるが、数値シミュレーションの検証の為に、バルク流体の流速を測定することが重要であると考えた。そこで、実機の単一チャンネルを簡略化したラボスケール実験装置を開発し粒子画像流速計測法(PIV)により流速を測定することとした。実験装置には、実機の実験条件の一つであり数値シミュレーションで難しい条件の一つである脈動流条件を設定し、流速を測定した。結果として、脈動流が再現されることを確認した。この脈動流の実験データを数値シミュレーションの入口境界条件として設定し、数値シミュレーションを実施した。この結果として、電場の影響を受けたイオンが脈動しながら上流へ移動することを確認した。また、電場下の同位体の挙動の差異も確認した。
池田 侑典*; 松村 大樹; 辻 卓也; 生井 飛鳥*; 井元 健太*; 所 裕子*; 中林 耕二*; 大越 慎一*
Inorganica Chimica Acta, 550, p.121434_1 - 121434_8, 2023/03
被引用回数:0 パーセンタイル:0.02(Chemistry, Inorganic & Nuclear)A film of a cyanido-bridged Cu-Mo assembly Cu[Mo(CN)
]
8H
O (CuMo-film) was electrochemically synthesized. Unlike analogs with a formula of M
[Mo(CN)
]
zH
O (M = Mn, Fe, Co), which show tetragonal crystal structures, the CuMo-film shows a monoclinic structure in the C2/m space group with cell parameters of a = 17.2461
= 125.1089
, and V = 1774.44
. Extended X-ray absorption fine structure analysis traced the bond distances around the Cu site as 1.93-2.30
for Cu-N and 2.01-2.40
for Cu-O. CuMo-film exhibits photo-switchable magnetization with T
= 18 K and dielectric relaxation related to the hydrogen bond network. The change of activation energy (E
) of the dielectric relaxation around 157 K (from E
= 49.9 kJ mol
to E
= 27.3 kJ mol
on cooling) suggests that the development of the hydrogen bond network occurs below 157 K.
城戸 健太朗; 金子 政志
Journal of Computational Chemistry, 44(4), p.546 - 558, 2023/02
被引用回数:0 パーセンタイル:0(Chemistry, Multidisciplinary)Distribution of solvent molecules near transition-metal complex is key information to comprehend the functionality, reactivity and so on. However, polarizable continuum solvent models still are the standard and conventional partner of molecular-orbital (MO) calculations in the solution system including transition-metal complex. In this study, we investigate the conformation, hydration structure and ligand substitution reaction between NO and H
O in aqueous solution for [Ru(NO)(OH)(NO
)
]
(
), [Ru(NO)(OH)(NO
)
(ONO)]
(
) and [Ru(NO)(OH)(NO
)
(H
O)]
(
) using a combination method of MO theories and a state-of-the-art molecular solvation technique (NI-MC-MOZ-SCF). In the complexes, the treatment is essentially required because except for nitrosyl ligand, a strong hydrogen bond is formed between the ligand and solvent water. These results are complementary to the data previously obtained by
N NMR experiment. A dominant species is found in the complex
conformers and, as expected, different between the solvent models, which reveals that molecular solvation beyond continuum media treatment are required for a reliable description of solvation near transition-metal complex. In the stability constant evaluation of ligand substitution reaction, similar to the previous reports, an assumption that considers the direct association between the dissociated nitrite anion and complex
is useful to obtain a reliable stability constant.
佐藤 里奈; 眞田 幸尚; 吉村 和也; 中山 真理子*
JAEA-Review 2022-055, 42 Pages, 2023/01
東京電力株式会社福島第一原子力発電所事故に伴い設定された避難指示区域は、空間線量率の減少や除染の進捗に従って区域の再編がなされており、帰還困難区域についても、2020年代をかけて帰還意向に応じた除染、及び避難指示解除を目指すことが決定された。本報告書は、今後の避難指示区域解除における住民の個人被ばく線量評価の在り方について検討するため、事故後に個人線量計による測定やシミュレーションを活用して実施されてきた個人被ばく線量評価の手法や特徴を調査し、体系的にまとめたものである。
廃炉環境国際共同研究センター; 北海道大学*
JAEA-Review 2022-050, 116 Pages, 2023/01
日本原子力研究開発機構(JAEA)廃炉環境国際共同研究センター(CLADS)では、令和3年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業(以下、「本事業」という)を実施している。本事業は、東京電力ホールディングス株式会社福島第一原子力発電所(1F)の廃炉等を始めとした原子力分野の課題解決に貢献するため、国内外の英知を結集し、様々な分野の知見や経験を、従前の機関や分野の壁を越えて緊密に融合・連携させた基礎的・基盤的研究及び人材育成を推進することを目的としている。平成30年度の新規採択課題から実施主体を文部科学省からJAEAに移行することで、JAEAとアカデミアとの連携を強化し、廃炉に資する中長期的な研究開発・人材育成をより安定的かつ継続的に実施する体制を構築した。本研究は、研究課題のうち、令和元年度に採択された「高い流動性および陰イオン核種保持性を有するアルカリ刺激材料の探索と様々な放射性廃棄物の安全で効果的な固化」の令和元年度から令和3年度の研究成果について取りまとめたものである。本課題は令和3年度が最終年度となるため3年度分の成果を取りまとめた。本研究の目的は、1Fから発生する放射性廃棄物の中でも鉄沈殿物を検討対象とし、安全な保管と処分を可能とする高い陰イオン核種保持性や流動性のアルカリ刺激材料とそのレシピを探索し、実プラントとして成立する固化体製作装置の概念を提案することである。この目的を達成するために、本研究では、以下の5つの項目について実施した。(1)陰イオン核種の保持性能を高めたアルカリ刺激材料の設計、(2)試験体の物性試験と評価、(3)パイロットサイズ試験体の作製と評価、(4)安全評価による処分システムの提案、(5)研究推進である。その結果、安全評価上重要な陰イオン核種であるヨウ素やセレンの高い保持性を有し、高い流動性、作業性十分な強度を有する安全な保管・処分を可能とするアルカリ刺激材料を用いた固化体のレシピが明らかとなり、実スケール固化体製作設備に必要な要素やプロセスをまとめ、これらを基に構想した混練装置および付帯設備の概略を示すことができた。
三輪 周平; 唐澤 英年; 中島 邦久; 木野 千晶*; 鈴木 恵理子; 井元 純平
JAEA-Data/Code 2021-022, 32 Pages, 2023/01
東京電力福島第一原子力発電所の原子炉内におけるセシウム分布のより正確な予測に向けて、核分裂生成物の化学挙動データベースECUMEに格納されているステンレス鋼へのセシウム化学吸着モデルをシビアアクシデント解析コードSAMPSONに組み込んだ。改良モデルを組み込んだSAMPSONにより、当該モデルを構築した実験の結果を再現し、コードに誤りが無いことを確認した。また、SAMPSONに組み込まれた改良モデルのセシウム化学着挙動解析への有効性を確認するため、温度勾配管を有する装置を用いた実験の解析を実施した。改良モデルを組み込んだSAMPSONにより、実験の結果を再現し、SAMPSONにおけるノードジャンクションの設定方法、エアロゾル生成モデル、CsOH蒸気の飽和蒸気圧等の計算方法等の解析方法、そして改良モデルがセシウム化学吸着挙動解析に適用可能であることを確認した。また、セシウムがシビアアクシデント後に水相を介して移行したことから、原子炉内におけるセシウム分布を予測するためには、セシウム沈着物の水への溶解性の評価が前提となる。このため、ステンレス鋼へのセシウム化学吸着生成物の水への溶解性を調べた。ステンレス鋼304へのセシウム化学吸着生成物は、873Kから973Kで水溶性の高いCsFeO、973Kから1273Kで水溶性の低いCsFeSiO
、1073Kから1273Kで水溶性の低いCs
Si
O
であることが分かった。これらの結果から、セシウム化学吸着量に影響を与える原子炉内温度やCsOH蒸気種濃度のようなシビアアクシデント解析条件に応じて、セシウム化学吸着生成物の水への溶解性を予測できる可能性を得た。
Wu, P.*; 村井 直樹; Li, T.*; 梶本 亮一; 中村 充孝; 古府 麻衣子; 中島 健次; Xia, K.*; Peng, K.*; Zhang, Y.*; et al.
New Journal of Physics (Internet), 25(1), p.013032_1 - 013032_11, 2023/01
被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Physics, Multidisciplinary)The understanding of the lattice dynamics is essential for engineering the thermal transport properties in quantum materials. Based on the canonical point of view, acoustic phonons are believed to be the principal thermal carriers in heat flow. Here, in this work, optical phonons are elucidated to play a pivotal role in determining the lattice thermal conductivity in thermoelectric material SnS by using the state-of-the-art inelastic neutron scattering technique combined with first-principles calculations. Additionally, in contrast to acoustic phonons, optical phonons are observed to exhibit pronounced softening and broadening with temperature. Our observations not only shed light on the significance of the optical phonons in thermal transport but also provide a vital clue to suppress the propagation of optical phonons to optimize the thermoelectric performance of SnS.
渡邉 友章; 多田 健一; 遠藤 知弘*; 山本 章夫*
Journal of Nuclear Science and Technology, 11 Pages, 2023/00
被引用回数:0 パーセンタイル:0.02(Nuclear Science & Technology)使用済み燃料の核種組成を計算する燃焼計算は核データに大きく依存する。日本における最新の評価済み核データJENDL-5では多くの核種がJENDL-4.0から修正されており、その修正は燃焼計算に影響を及ぼす。本研究では、燃焼計算におけるJENDL-5の妥当性を確認した。検証には高浜3号機のPIEデータを使用した。JENDL-4.0からJENDL-5への例えば断面積や核分裂収率等のパラメータ変更が核種組成に与える影響を定量的に調査した。計算の結果、JENDL-5はJENDL-4.0と同程度の性能を有することがわかった。また計算結果から、アクチニド核種の断面積、核分裂収率、HO中の水素の熱中性子散乱則データの変更がPWR使用済燃料の核種組成に影響を与えることが明らかになった。
廃炉環境国際共同研究センター; 高エネルギー加速器研究機構*
JAEA-Review 2022-031, 89 Pages, 2022/12
日本原子力研究開発機構(JAEA)廃炉環境国際共同研究センター(CLADS)では、令和3年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業(以下、「本事業」という)を実施している。本事業は、東京電力ホールディングス株式会社福島第一原子力発電所の廃炉等を始めとした原子力分野の課題解決に貢献するため、国内外の英知を結集し、様々な分野の知見や経験を、従前の機関や分野の壁を越えて緊密に融合・連携させた基礎的・基盤的研究及び人材育成を推進することを目的としている。平成30年度の新規採択課題から実施主体を文部科学省からJAEAに移行することで、JAEAとアカデミアとの連携を強化し、廃炉に資する中長期的な研究開発・人材育成をより安定的かつ継続的に実施する体制を構築した。本研究は、研究課題のうち、令和2年度に採択された「遮蔽不要な臨界近接監視システム用ダイヤモンド中性子検出器の要素技術開発」の令和3年度の研究成果について取りまとめたものである。本研究は、遮蔽不要な臨界近接監視モニター用中性子検出器の要素技術を開発することを目的としている。実機は軽量かつ最大1kGy/hの高線環境下で数cps/nvの中性子検出感度が要求される。本研究では、炉雑音解析法からの要請を基にダイヤモンド中性子検出素子と耐放射線性集積回路技術を用いた信号処理・データ転送用集積回路を使用した計測要素を試作し、実機開発に必要なデータを取得する。また実機の使用を想定した臨界近接評価手法の検討も行う。令和3年度は、未臨界度測定手法についてFeynman-
法により
線計数/中性子計数の割合
1の条件であれば、即発中性子減衰定数を測定できる見込みを得た。またシミュレーションにより定量評価を行い千個程度の中性子検出素子によって目標が達成されることを確認し、中性子検出素子の動作も確認した。これら検出素子の信号を高速で処理する1MGyまで動作する信号処理集積回路と512個検出素子が搭載できる基板を開発し集積回路を実装し全体の動作を確認した。1kGy/hの高
線バックグランド下で動作するダイヤモンド検出素子に関しても、ダイヤモンド膜製造プロセス、電極生成プロセス等の改良により0.864kGy/hでの動作を確認した。
Do, V. K.; 古瀬 貴広; 太田 祐貴; 岩橋 弘之; 廣沢 孝志; 渡辺 将久; 佐藤 宗一
Journal of Radioanalytical and Nuclear Chemistry, 331(12), p.5631 - 5640, 2022/12
被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Chemistry, Analytical)Snは2011年の福島第一原子力発電所事故により環境中に放出された可能性のある長半減期核分裂生成物であり、こうした核種のモニタリングは周辺環境及び放射性廃棄物を適切に管理・処理していくために重要である。本研究では、TEVA resinによるHClフリーな固相抽出分離とICPタンデム質量分析計(ICP-MS/MS)を組み合わせた放射性ガレキ中の
Sn分析手法を提案した。TEVA resinによるコンクリートマトリクスからのSnの回収率は95%以上であった。同重体である
Te及び試料マトリクスに由来する多原子イオンによるスペクトル干渉は、固相抽出による化学分離とICP-MS/MSとの組み合わせにより効果的に低減することができ、Teの除染係数は10
に達した。本手法でのコンクリートマトリクスにおける
Snの方法定量下限値は、12.1pg g
(6.1mBq g
)となり、コンクリートガレキ中の
Snを分析する手法として十分な感度を有することを確認した。
廃炉環境国際共同研究センター; 電気通信大学*
JAEA-Review 2022-029, 37 Pages, 2022/11
日本原子力研究開発機構(JAEA)廃炉環境国際共同研究センター(CLADS)では、令和3年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業(以下、「本事業」という)を実施している。本事業は、東京電力ホールディングス株式会社福島第一原子力発電所の廃炉等を始めとした原子力分野の課題解決に貢献するため、国内外の英知を結集し、様々な分野の知見や経験を、従前の機関や分野の壁を越えて緊密に融合・連携させた基礎的・基盤的研究及び人材育成を推進することを目的としている。平成30年度の新規採択課題から実施主体を文部科学省からJAEAに移行することで、JAEAとアカデミアとの連携を強化し、廃炉に資する中長期的な研究開発・人材育成をより安定的かつ継続的に実施する体制を構築した。本研究は、研究課題のうち、令和元年度に採択された「動作不能からの復帰を可能とする多連結移動ロボットの半自律遠隔操作技術の確立」の令和元年度から令和3年度の研究成果について取りまとめたものである。本課題は令和3年度が最終年度となるため3年度分の成果を取りまとめた。本研究の大目的は、多連結移動ロボット共通の課題である関節部のスタック状態からの復帰方法の確立である。この大目的に対し、本研究ではシステムの冗長性を巧みに利用することにより、多連結移動ロボットがスタック状態から復帰するための制御方法の提案を行う。さらに、提案制御則を利用するためのインタフェースとして、スタック状態を認識できるような描画インタフェース、提案制御の目標指示を行うための操作インタフェースの開発を行い、検証用実機を用いてその有効性を検証する。