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松下 健太郎; 江連 俊樹; 田中 正暁; 今井 康友*; 藤崎 竜也*; 堺 公明*
Nuclear Engineering and Design, 432, p.113785_1 - 113785_16, 2025/02
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Nuclear Science & Technology)ナトリウム冷却高速炉の安全設計の観点から、液面渦によるアルゴンカバーガスのガス巻込み現象(GE)を評価する手法の確立が必要となる。本研究では、GEを評価するインハウスツールである「StreamViewer」の評価モデルの高度化として、吸込み部から液面部にかけて連続する渦中心点を接続することで渦中心線を抽出し、渦中心線に沿った減圧量分布と水頭圧とのつり合いに基づいて渦のガスコア長さを評価する「PVLモデル」について提案した。PVLモデルの適用性確認として、矩形開水路体系における垂直平板による非定常後流渦試験の三次元数値解析結果に本モデルを適用し、その結果、PVLモデルを用いたStreamViewerによるGE評価によって、非定常渦流れの試験における入口流速とガスコア長さの関係を再現できることが確認された。
Alzahrani, H.*; 堺 公明*; 松下 健太郎; 江連 俊樹; 田中 正暁
Proceedings of 20th International Topical Meeting on Nuclear Reactor Thermal Hydraulics (NURETH-20) (Internet), p.1262 - 1275, 2023/08
ナトリウム冷却高速炉の炉上部プレナム部自由液面において発生する渦によるカバーガス巻込み現象の評価手法の開発が求められており、CFD解析によって得られた流速分布から渦を予測する評価手法の開発が進められている。本研究は、渦の予測のためのCFD解析の効率化の観点からAdaptive Mesh Refinement(AMR)法の適用性について検討した。解析メッシュを詳細化する基準指標として、速度勾配テンソルの第二不変量Qが負となる指標(Index-1)およびIndex-1に圧力勾配の条件を追加した指標(Index-2)を選択した。垂直平板のある非定常渦体系にAMR法を適用し、得られた詳細化メッシュを用いて解析を行った結果、Index-2によって詳細化された解析メッシュにおける圧力分布や垂直平板周りの流速分布が、リファレンスとなる一様詳細メッシュのものと同等となり、Index-2によってはく離点近傍のメッシュが詳細化されることで渦の発生や成長をより正確に予測できることが確認された。
Song, K.*; 伊藤 啓*; 伊藤 大介*; 大平 直也*; 齊藤 泰司*; 松下 健太郎; 江連 俊樹; 田中 正暁
Proceedings of 30th International Conference on Nuclear Engineering (ICONE30) (Internet), 10 Pages, 2023/05
自由表面渦によるガス巻込み現象はナトリウム冷却高速炉の炉出力を擾乱させる原因となり得る。そのため、ナトリウム冷却高速炉の実用的な安全設計のために、ガス巻込み現象によるガス巻込み流量を正確に評価する必要がある。本研究では、ガス巻込み現象の正確な評価のためのCFD解析の適用性について検討することを目的に、吸い込み管を有する円筒容器における自由表面渦およびそれに伴うガス巻込み現象のシミュレーションにCFD解析を適用し、CFD解析結果とガス巻込み現象の実験データとを比較した。その結果、CFD解析結果と実験結果とで吸い込み管内部の二相流形態がよく一致し、かつ自由液面における渦のガスコアの形状もよく一致した。よって、CFD解析によって、自由表面渦によって引き起こされるガス巻込み現象を許容誤差の範囲内で適切かつ正確に予測できることが確認された。
Alzahrani, H.*; 松下 健太郎; 堺 公明*; 江連 俊樹; 田中 正暁
Proceedings of 12th Japan-Korea Symposium on Nuclear Thermal Hydraulics and Safety (NTHAS12) (Internet), 6 Pages, 2022/10
ナトリウム冷却高速炉(SFR)において、炉上部プレナム内自由液面部に生じるくぼみ渦によるカバーガス巻込み現象が、SFRの安全設計上の課題となることから、渦によるガス巻込み現象の評価手法の開発が求められている。日本原子力研究開発機構において、3次元CFD解析によって得られた流速分布から渦の存在を予測する評価手法の整備を進められており、3次元CFD解析の効率化の観点から自由液面部の解析メッシュへのAdaptive Mesh Refinement(AMR)法の適用が検討されている。本研究では、詳細化の基準指標として、速度勾配テンソルの第二不変量Q0のみの基準指標、およびQ
0に圧力勾配条件を加えた基準指標について検討し結果を比較した。垂直平板の存在する非定常後流渦の体系へAMR法を適用した結果、Q
0のみの基準指標と比較し、Q
0に圧力勾配条件を加えた基準指標では平板周辺のよどみ領域付近のメッシュが詳細化された。詳細化されたメッシュで過渡解析を実施したところ、Q
0に圧力勾配条件を加えた指標基準による詳細化で得られたメッシュにおける解析結果は、平板付近の圧力分布についてリファレンスとなる一様詳細メッシュの結果と近い分布となった。
松下 健太郎; 江連 俊樹; 今井 康友*; 藤崎 竜也*; 田中 正暁
Proceedings of 29th International Conference on Nuclear Engineering (ICONE 29) (Internet), 8 Pages, 2022/08
ナトリウム冷却高速炉(SFR)において、炉上部プレナム内自由液面上に発生する渦によるカバーガス巻込み(GE)が安全設計上の重要な課題の一つであり、GEの評価手法の開発が求められている。日本原子力研究開発機構では、ループ型SFRを対象とした、3次元数値流体解析の計算結果を用いたGE評価手法を開発し、この手法を用いた評価ツールである「StreamViewer」を開発した。本研究では、StreamViewerにおける評価結果の保守性を合理化することを目的に、渦中心線の抽出と渦中心線に沿った減圧量の3次元分布を計算による評価手法の改良を検討した。改良した評価手法の適用性を、非定常渦が発生する矩形流路体系における実験結果に適用し、その結果、従来の評価手法で過大に評価されたガスコア長さの予測結果が改善し、改良された評価手法によってGEの発生を適切に判定できる可能性があることを確認した。
鳥川 智旦*; 大平 直也*; 伊藤 大介*; 伊藤 啓*; 齊藤 泰司*; 松下 健太郎; 江連 俊樹; 田中 正暁
混相流, 36(1), p.63 - 69, 2022/03
ナトリウム冷却高速炉(SFR)において、炉容器上部プレナム内の自由界面で、自由表面渦によるカバーガス巻込みが発生し、巻き込まれたガスが炉心を通過することで炉出力の擾乱を生じる可能性がある。そのため、巻き込みガスの流量を正確に予測するための評価モデルの開発が重要となる。既往研究における単一渦のガス巻込み試験では、一般的に、ガス巻込みは上部タンクの自由表面渦によって引き起こされ、吸込み管によって下部タンクにおいてガスが液体から分離される。しかし、これらの研究では、上部タンクと下部タンクとの間の圧力差の影響に着目していない。本研究では、上下部タンク間の圧力差の影響に着目した単一渦のガス巻込み試験を行った。上部タンクと下部タンクとの圧力差は、下部タンクのガス圧力を変更して制御した。その結果、上部タンクと下部タンクの圧力差が増加するにつれ、巻込みガス流量も増加することが分かった。また、吸込み管内の旋回環状流の可視化により、巻込みガス流量が増加すると吸込み管内の圧力降下が大きくなることが分かり、旋回環状流領域における圧力降下に基づいた評価モデルによってガス巻込み流量を予測できることが示唆される。
内田 真緒*; Alzahrani, H.*; 塩野 幹人*; 堺 公明*; 松下 健太郎; 江連 俊樹; 田中 正暁
Proceedings of 19th International Topical Meeting on Nuclear Reactor Thermal Hydraulics (NURETH-19) (Internet), 16 Pages, 2022/03
ナトリウム冷却高速炉の設計において、炉心反応度への予期せぬ影響の観点からカバーガスの巻込み現象が重要な課題の一つとなり、既往研究において高速炉プレナム内の自由液面部における自由表面渦のガスコア成長を評価するための、渦モデルに基づく評価手法が開発されている。本研究では、非定常渦のガスコア成長の予測精度を明確にするために、開水路試験体系を持つ回流水槽による水試験を実施した。また、実験と同じ体系による数値解析に基づいた評価手法によりガスコア長さを予測し、試験結果と比較した。その結果、試験では、下降流速が大きくなる下流領域においてガスコア長さが大きくなることが観測された。一方、数値解析結果を用いたガスコア長さの予測では、試験とは異なる位置でピークが現れ、ピーク値も過大評価となった。
松下 健太郎; 伊藤 啓*; 江連 俊樹; 田中 正暁
Proceedings of 27th International Conference on Nuclear Engineering (ICONE-27) (Internet), 9 Pages, 2019/05
ナトリウム冷却高速炉(SFR)では、炉心反応度擾乱等を防止する観点から一次冷却系統内に存在する非凝縮性ガスの量を制御することが重要であり、そのための数値計算コードSYRENAを開発している。本研究では、仮想的なタンク型炉を対象にフローネットワークモデルを構築して気泡・溶存ガス挙動の解析を行い、ループ型炉の解析結果との比較を行った。また、タンク型炉にディッププレート(D/P)を導入した場合を仮定し、D/Pを通るナトリウム交換流量および自由液面での気泡巻込み量をパラメーターとした解析を行ってタンク型炉の気泡挙動に対するD/Pの影響を調査した。その結果、D/Pを通過する交換流量の増加が必ずしも一次冷却系統内の気泡量の減少に働くとは限らないことが示された。
杉本 太郎*; 齋藤 慎平*; 金子 暁子*; 阿部 豊*; 内堀 昭寛; 大島 宏之
Proceedings of 26th International Conference on Nuclear Engineering (ICONE-26) (Internet), 7 Pages, 2018/07
Na冷却高速炉の蒸気発生器内伝熱管破損時Na-水反応現象に対する数値解析コードの妥当性評価に資するため、水中に高圧空気が噴出した際に噴流の気液界面から液滴がエントレインされる様子を可視化し、その挙動について調べた。本実験により、気液界面から比較的大きい径の液滴が生成した後、小径の液滴へ微粒化するなどの挙動を明らかとした。
伊藤 啓; 小泉 安郎; 大島 宏之; 河村 拓己*
Mechanical Engineering Journal (Internet), 3(3), p.15-00671_1 - 15-00671_9, 2016/06
The authors are developing a high-precision CFD code with an interface tracking method to simulate the gas entrainment (GE) phenomena in sodium-cooled fast reactors (SFRs), which might be caused by a highly-intensified free surface vortex. To simulate the complicated GE phenomenon, the authors' CFD code has physics-basis algorithms which model accurately the interfacial dynamic behavior, the pressure jump condition at an interface and the surface tension. Several verification problems, e.g. the slotted-disk problem, have been already solved and the accuracy of each individual algorithm is confirmed. In this paper, a basic experiment of the GE is simulated to validate the developed CFD code. In the experiment, the entrained gas flow rate is measured by image processing with a high-speed video camera. The simulation result of the entrained flow rate shows comparable value to the experimental data, that is, our CFD code is considered applicable to the evaluation of the GE in SFRs.
内堀 昭寛; 大島 宏之
Proceedings of 16th International Topical Meeting on Nuclear Reactor Thermal Hydraulics (NURETH-16) (USB Flash Drive), p.533 - 544, 2015/08
Na冷却高速炉の蒸気発生器において伝熱管破損時に形成される隣接伝熱管周りのウェステージ環境を評価するため、Na側で生じる圧縮性多成分多相流及びNa-水化学反応を対象とした機構論的数値解析コードSERAPHIMを開発している。本研究では、ウェステージ環境評価に必要な液滴挙動解析モデルを導入したSERAPHIMコードの妥当性を確認するため、基礎的実験及び実機条件模擬実験それぞれの解析を実施した。基礎的実験の解析では、液滴発生時の圧力変動等を良好に再現し、液滴挙動解析モデルの基本的な妥当性を確認した。実機条件模擬実験の解析では、化学反応によって形成された温度分布が実験結果と一致すること、隣接伝熱管に液滴が比較的高い速度で衝突する位置が実験におけるウェステージ発生位置と一致することを確認し、SERAPHIMコードは実機条件下において温度分布や液滴挙動などウェステージに影響する環境を予測可能であるとの結論を得た。
伊藤 啓; 小泉 安郎*; 大島 宏之; 河村 拓己*
Proceedings of 23rd International Conference on Nuclear Engineering (ICONE-23) (DVD-ROM), 6 Pages, 2015/05
近年、過酷事故時の燃料溶融などの複雑現象を評価するため、高精度数値解析モデルの開発が進められている。著者らも、高速炉におけるガス巻込み現象評価のために、高精度界面追跡法に基づく数値解析コードの開発を進めている。評価対象のガス巻込み現象は渦流れによって誘起され、渦中心線に沿った自由界面の窪みとその先端から発生する気泡離脱によって特徴付けられる。この現象を解析するため、気液界面の動的変形挙動や界面における圧力条件や表面張力に関して物理的考察に基づく解析モデル開発を行っており、基本検証問題によって解析精度を確認している。本研究では、ガス巻込み基礎実験における気泡巻込み現象を対象とした解析を行うことで、解析コードの検証を実施する。解析の結果、実験結果と同様の気泡巻込み流量が得られており、解析による高速炉ガス巻込み現象評価の妥当性が示されている。
伊藤 啓; 大野 修司; 小泉 安郎*; 河村 拓己*
Proceedings of 10th International Topical Meeting on Nuclear Thermal Hydraulics, Operation and Safety (NUTHOS-10) (USB Flash Drive), 10 Pages, 2014/12
The gas entrainment (GE) due to free surface vortex is one of important issues in the safety study on sodium-cooled fast reactors. In this paper, the authors perform numerical simulations of a simple GE experiment. To simulate interfacial deformations accurately, a high-precision interface-tracking method is employed. Two kinds of fluids, i.e. water and silicone oil, are considered as the working fluid in the simulations and the flow rate is changed over a wide range as the simulation parameter for both fluids. As a result of the numerical simulations, the evaluated values of the entrained gas flow rates shows good agreements with the experimental data. In addition, both the simulation results and experimental data provide the entrained gas flow rate in proportional to the average velocity at the cylindrical tank outlet.
伊藤 啓; 江連 俊樹; 大島 宏之
日本機械学会論文集(インターネット), 80(818), p.FE0299_1 - FE0299_9, 2014/10
高速炉において、ガス巻込みや液中渦キャビテーションを生じる可能性のある渦流れの評価が重要である。本研究では、渦中心軸方向流速の分布を有する新しい渦モデルを提案する。検証計算として新たな渦モデルを用いて基礎実験の評価を行った結果、実験結果とよく一致する流速分布と気液界面形状が得られた。また、Burgers渦モデルを用いた評価に関しては、一様な軸方向流速の仮定を用いる場合は正しい評価結果が得られないが、渦中心近傍の実効的な軸方向流速を用いることで精度の良い評価結果が得られることを確認した。
小泉 安郎*; 大手 直介*; 上出 英樹; 大野 修司; 伊藤 啓
Proceedings of 22nd International Conference on Nuclear Engineering (ICONE-22) (DVD-ROM), 7 Pages, 2014/07
A sodium-cooled fast breeder reactor is now at the developing stage in Japan. One concern for safety is cover gas entrainment into the sodium coolant. The gas entrainment rate into liquid by the vortex formed on the free surface was examined experimentally. Four kinds of test fluid were used; water at 25C, water at 60
C, 20 cSt silicone oil and kerosene. The gas entrainment rate into liquid was measured. The relation between gas entrainment rate and liquid velocity was mainly affected by the viscosity of liquid. As viscosity became large, higher exit velocity was required to get the same gas entrainment rate. No systematic trend by the surface tension was noticed in the gas entrainment rate. A flow state at the outlet piping has significant effect on the gas entrainment rate. The dimension of the outlet piping may become important to consider the gas entrainment rate in the vortex type region.
伊藤 和宏*; 久木田 豊*; 辻 義之*
Eighth Int. Topical Meeting on Nuclear Reactor Thermal-Hydraulics (NURETH-8), 1, p.40 - 47, 1997/00
幅0.1m、高さ0.19m、長さ12mの矩形ダクトを用いて水-空気二相流実験を行い、水平波状流における流れ方向の気液界面摩擦および界面波の性質の変化を評価した。実験条件は水の見かけ流速をj=0.3m/sで一定に保ち、気相見かけ流速をj
=4.2~6.8m/sまで変化させた。気液界面せん断応力は水位、気相圧力、気相壁面せん断応力の測定値を気相の運動量方程式に代入することにより評価した。気液界面摩擦係数は界面波の存在により、試験部入口付近においても滑面よりも大きな値を示した。試験部入口では、気液相対速度がスラグ流遷移領域に近づくため、気液界面が不安定になり界面波が急速に形成される。また、j
が大きい場合には、エントレイメントにより界面波の流れ方向の成長は抑制される。これらの要因は、気液界面摩擦係数の流れ方向の変化に影響を及ぼすことがわかった。
与能本 泰介
JAERI-Research 96-024, 154 Pages, 1996/05
本研究は、加圧水型原子炉(PWR)における小破断冷却材喪失事故(LOCA)時の破断口と炉心におけるエントレインメントについて、物理的な理解を深めることと、予測手法を開発することを目的としている。破断口におけるエントレインメントに関しては、物理モデルを構築し、実験データベースを用いて評価し、さらに、このモデルを組み込み改良した解析コードがLOCA総合実験の結果を精度良く予測できることを示した。炉心におけるエントレインメントに関しては、高圧条件で再冠水実験を行い、その発生条件を明らかにした。これにより、PWRの典型的な高圧再冠水条件では、エントレインメントが発生しないため、ドライアウト炉心の冷却挙動は、極めて簡単であることを明らかにした。
炉心熱水力解析手法高精度化専門部会
JAERI-Data/Code 96-004, 109 Pages, 1996/02
軽水炉の炉心熱水力設計で用いられるサブチャンネルコードの解析能力を評価するため、ベンチマーク計算を実施した。選定したベンチマーク問題は、(1)2チャンネル間流体混合(単相流)、(2)2チャンネル間流体混合(二相流)、(3)多チャンネル間流体混合、(4)限界熱流束、及び(5)液滴の発生・付着である。計算の結果、流体混合問題に関しては、乱流混合係数の影響が大きいこと、ロッドギャップ幅の影響をうまく表現できないこと、及び二相流の混合については流量条件により予測精度に差が見られることなどが明らかになった。限界熱流束問題については、使用したコード及びCHF相関式によって予測精度に差があるが比較的実験との一致はよかった。液滴の発生・付着問題については、相関式の改良により予測精度が大幅に改善できたが、コード相互の差が顕著であった。
中村 秀夫; 久木田 豊; 田坂 完二*
Journal of Nuclear Science and Technology, 32(7), p.641 - 652, 1995/07
被引用回数:8 パーセンタイル:62.54(Nuclear Science & Technology)ROSA-V/TPTF装置の水平管テスト部を用いた蒸気/水二相流実験(圧力≦12MPa)を行い、スラグ流から波状噴霧流への遷移は界面波頭からの液滴発生により生じ、液滴発生時の気液相対速度は圧力上昇と共に大きく減少することを見い出した。また、LOCA計算コード等に使用されているモデルや相関式の検討から、Steen-Wallis式を気液相対速度をパラメータとして改良すると、TPTF実験での液滴発生開始の圧力依存性が良く予測できることがわかった。更に、比較的低圧(約3MPa)では界面波高が高い為、より小さい気液相対速度で遷移が生じることが分かった。
中村 秀夫; 久木田 豊; 田坂 完二*
Journal of Nuclear Science and Technology, 31(2), p.113 - 121, 1994/02
被引用回数:1 パーセンタイル:17.63(Nuclear Science & Technology)水平の閉流路内気液二相流では、波状流からスラグ流への遷移がKelvin-Helmholtzの不安定性を主要因として生じると考えられているが、実際はKelvin-Helmholtz理論が示す気相流速の半分程度で遷移が生じる。これまで提案されてきた多くの遷移機構予測モデルは、この違いが、波頭上部での気相流路面積の減少に伴う圧力降下が波の成長を促進する結果生じると仮定した。これをBernoulli効果と呼ぶが、これまでこの圧力降下を動的に計測した例は大変少ない。今回、PWRの水平配管と同等の流路高(0.7m)を持つ水平の矩形ダクト装置を用いてスラグ流遷移時の気相部圧力等を計測し、Bernoulli効果の評価を行った。その結果、スラグ流遷移過程の波の波頭部近傍で、水頭に匹敵する気相部圧力降下が確認された。その際、気相部運動エネルギー損失による波頭前後での不可逆な圧力損失や、高速の空気流による波頭での液滴の発生等が観察された。