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瀧上 眞知子*; 伊藤 均
食品照射, 31(1-2), p.4 - 7, 1996/00
食品を栄養成分変化が少ない状態に保つために、冷凍は最も優れた方法の一つである。-12C以下では、微生物の増殖は完全に抑制され、細菌の一部は死滅する。また冷凍下で食品にガンマ線を照射すると、成分変化が少ない状態で殺菌、滅菌されることが知られている。しかしながら極低温下照射による微生物感受性については、詳細な研究はほとんど行われていない。そこで、E.coliをモデルに、極低温下でのガンマ線感受性ならびに突然変異誘発について検討したところ、次の諸点が明らかにされた。すなわちいずれの菌株においても、ガンマ線感受性は室温、ドライアイス・メタノール、液体窒素温度での照射の順に低下した。またグリセリンを添加することにより、ガンマ線感受性は大幅に低下したが、その影響は、照射温度ならびに菌株により異なった。突然変異の誘発についても、菌株により、照射温度ならびにグリセリンの影響が異なった。
瀧上 真知子*; 伊藤 均
食品照射, 30(1-2), p.11 - 16, 1995/00
Escherichia coli BおよびB/r株のガンマ線および紫外線感受性についての報告は、従来から行われてきている。しかし両者の影響を同一エネルギーレベルで比較検討した報告は殆んどない。そこで、ガンマ線および紫外線をE.coliの各菌株に照射し、生存率ならびに突然変異率を求め照射の影響を比較検討した。その結果、同一エネルギーレベルでは、いずれの菌株においても、紫外線に対する感受性はガンマ線より高いことが認められた。また、菌株の感受性は、E.coli B株から分離されたB株で最も高く、次いで同様に分離されたB株、放射線抵抗性のB/r株の順であった。突然変異誘発については、ラクトースを質化する能力のないlac株と、アミノ酸要求性株について調べたが、突然変異発生率は、紫外線よりガンマ線照射の方が高い傾向が認められた。またガンマ線照射によるlacの発生率はB株で最も高く、次いでB、B/r株の順であった。