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Frazer, D.*; Saleh, T. A.*; 松本 卓; 廣岡 瞬; 加藤 正人; McClellan, K.*; White, J. T.*
Nuclear Engineering and Design, 423, p.113136_1 - 113136_7, 2024/07
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Nuclear Science & Technology)ナノインデンテーション法では、微小な試験片を用いてヤング率,硬度及びクリープ強度といった機械物性を評価することが可能である。本研究ではMOX燃料の代替物質として(U,Ce)Oを用いて、高温ナノインデンテーション試験を実施した。試料のCe含有率は0.1、0.2及び0.3mol%とし、温度は800Cまでの測定を行い、ヤング率、硬度及びクリープ強度の評価を行った。温度の上昇に伴い、ヤング率は線形的に低下し、硬度は指数関数的に低下する結果が得られた。また、800Cにおいては、応力指数n=4.76.9のクリープ変形が得られた。
廃炉環境国際共同研究センター; 東京大学*
JAEA-Review 2024-007, 83 Pages, 2024/06
日本原子力研究開発機構(JAEA)廃炉環境国際共同研究センター(CLADS)では、令和4年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業(以下、「本事業」という。)を実施している。本事業は、東京電力ホールディングス株式会社福島第一原子力発電所の廃炉等をはじめとした原子力分野の課題解決に貢献するため、国内外の英知を結集し、様々な分野の知見や経験を、従前の機関や分野の壁を越えて緊密に融合・連携させた基礎的・基盤的研究及び人材育成を推進することを目的としている。平成30年度の新規採択課題から実施主体を文部科学省からJAEAに移行することで、JAEAとアカデミアとの連携を強化し、廃炉に資する中長期的な研究開発・人材育成をより安定的かつ継続的に実施する体制を構築した。本研究は、令和2年度に採択された研究課題のうち、「燃料デブリにおける特性の経年変化と環境劣化割れの調査」の令和2年度から令和4年度分の研究成果について取りまとめたものである。本研究は、燃料被覆管、制御棒シース等に由来する元素を主成分とする"金属デブリ"に着目し、事故の進展と経年化によるデブリの特性の変化及び材料の変化に由来する金属デブリの機械的特性と形状について、基礎的な知見を取得するものである。今年度が最終年度であり、三ヶ年で得られた知見は次の通りである。金属デブリには、Zr-Fe-B-C系の状態図に即した6つの相が析出する。燃料ペレットから金属デブリ側への酸素拡散による酸化は限定的だと予想される。事故直後を模擬した高温酸化状態では、表面にZrFeを主成分とする外層皮膜が形成される。この物質は良い耐食性を持つので、外層皮膜は金属的な性質を維持している。母相の化学組成に応じた内層酸化皮膜も形成される。内層皮膜の成長は体積膨張を伴うが、ZrB等は硬質で酸化しないので、これを起点に表面隆起や割れが生じる。軽水炉運転温度程度の水蒸気腐食環境で、金属デブリを構成する各相は耐食性を持つ。金属デブリへの水素吸収は限定的である。被覆管材が主成分の金属デブリは金属的だが、原子炉圧力容器や制御材の構成物質を多く含むなら硬くて脆くなる。金属デブリの表面には、硬さの小さな外層皮膜が存在する可能性があるが、内部の機械的特性は主要構成物質の性質による。
Sun, Y.*; 阿部 雄太; 牟田 浩明*; 大石 佑治*
Journal of Nuclear Science and Technology, 57(8), p.917 - 925, 2020/08
被引用回数:5 パーセンタイル:47.80(Nuclear Science & Technology)After the core meltdown in the Fukushima Daiichi (1F) nuclear power plant, various compounds in metal boride systems could potentially form as a result of the reactions between BC (control material) and Fe, Zr alloys (control-blade sheaths, zircaloy claddings, channel box, etc.). Some previous studies have focused on the properties of intermetallic compounds of the Zr-B and Fe-B systems, such as ZrB, FeB, and FeB. However, during the solidification of fuel debris, composites of these intermetallics rather than large chunks of single-phase intermetallics will form. This situation makes the understanding of the composition dependence of the mechanical and thermal properties of these metal borides a major task before debris retrieval takes place. In this study, we first investigated the temperature-dependent thermal conductivity of Fe-B and Zr-B eutectics from room temperature up to 900 C. We were then able to evaluate the composition-dependent indentation hardness of these metal borides at room temperature. Based on our experimental data, we concluded that the hardness and thermal conductivity of the Fe-B, Zr-B composites can be well estimated using the properties of the composites' corresponding components, with Rule of Mixtures and Effective Medium Theory (EMT) calculations, respectively.
北垣 徹; 池内 宏知; 矢野 公彦; Brissonneau, L.*; Tormos, B.*; Domenger, R.*; Roger, J.*; 鷲谷 忠博
Journal of Nuclear Science and Technology, 56(9-10), p.902 - 914, 2019/09
被引用回数:8 パーセンタイル:62.42(Nuclear Science & Technology)Characterization of fuel debris is required to develop fuel debris removal tools. Especially, knowledge pertaining to the characteristics of molten core-concrete interaction (MCCI) product is needed because of the limited information available at present. The samples of a large-scale MCCI test performed under quenching conditions, VULCANO VW-U1, by CEA were analyzed to evaluate the characteristics of the surface of MCCI product generated just below the cooling water. As a result, the microstructure of the samples were found to be similar despite the different locations of the test sections. The Vickers hardness of each of the phases in these samples was higher than that of previously analyzed samples in another VULCANO test campaign, VBS-U4. From the comparison between analytical results of VULCANO MCCI test product, MCCI product generated under quenching condition is homogeneous and its hardness could be higher than that of the bulk MCCI product.
阿部 雄太; 大高 雅彦; 岡崎 航大*; 川上 智彦*; 中桐 俊男
Proceedings of 2019 International Congress on Advances in Nuclear Power Plants (ICAPP 2019) (Internet), 7 Pages, 2019/05
制御材に炭化ホウ素(BC)を用いている原子炉(福島第一原子力発電所等)では、酸化物の約2倍の硬度を持つホウ化物が生成されているため、金属,酸化物及びホウ化物を判別しながら燃料デブリを取り出すのが効率的である。本報告は、レーザー誘起ブレークダウン分光法(LIBS)を用いた元素分析を用いて、金属,酸化物及びホウ化物を判別し、硬度計測方法への適用性を評価した。BWRの炉心溶融・移行挙動を解明するためのプラズマ加熱試験体(CMMR試験体)を用いた。測定は、EPMAによる試験体表面の元素マッピング情報および半定量情報を基に測定箇所を選定した後に、LIBS計測結果とビッカース硬度を比較した。その結果、Zrの結合状態に由来するLIBS蛍光発光強度の変化が確認され、材料硬度評価手法への応用が示唆された。
植山 大地*; 齋藤 勇一; 石川 法人; 大村 孝仁*; 千星 聡*; 堀 史説*; 岩瀬 彰宏*
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 351, p.1 - 5, 2015/05
被引用回数:7 パーセンタイル:49.28(Instruments & Instrumentation)We have irradiated Al-Mg-Si alloy with 5.4 MeV-16 MeV several ion species at room temperature so far, and have found that ion irradiation is a useful tool for controlling the surface hardness for the alloy. In the present study, we tried several experiments as some applications of ion beam irradiation for hardness modifications of the alloy. Main results are as follows; (1) the combination of ion beam irradiation and the subsequent thermal aging are effective for the hardness modification of the alloy, and (2) designated regions and areas of the specimen can be hardened by changing the energy of ion beam and producing the irradiated area and unirradiated area of the surface. Then, we can expand the possibility of the ion beam irradiation as a new process for the three-dimensional hardness modification of Al-Mg-Si alloy.
星野 貴紀; 北垣 徹; 矢野 公彦; 岡村 信生; 小原 浩史*; 深澤 哲生*; 小泉 健治
Proceedings of 23rd International Conference on Nuclear Engineering (ICONE-23) (DVD-ROM), 6 Pages, 2015/05
In the decommissioning of Fukushima Daiichi Nuclear Power Plant (1F), safe and steady defueling work is requested. Before the defueling in 1F, it is necessary to evaluate fuel debris for properties related to the defueling procedure and technology. It is speculated that uranium and zirconium oxide solid solution is one of the major materials of fuel debris in 1F, according to TMI-2 accident experience and the results of past severe accident studies. In this report, mechanical properties of uranium and zirconium oxide solid solution evaluated in the ZrO content range from 10% to 65%.
飛田 徹; 相澤 一也; 鈴木 雅秀; 岩瀬 彰宏*
日本原子力学会和文論文誌, 3(4), p.331 - 339, 2004/12
軽水炉圧力容器鋼の照射脆化には、高速中性子のみならず熱中性子や線の寄与も含まれる。線による照射脆化は高速中性子よりも効率的である可能性が指摘されているが、現在までにその定量的な把握はなされていない。試料としてFe-Cuモデル合金を用い、照射温度と速度を一定に制御し、線照射を模擬した2.5MeV電子線照射と中性子照射を行って照射硬化量を測定し比較した。これにより照射硬化の温度依存性,照射量依存性等を調査した。また、中性子小角散乱法により照射に伴うCu析出を確認した。その結果、dpa(はじき出し損傷量)を基準にすると、電子線(線)と中性子による照射硬化が照射のごく初期を除いてほぼ等しいことがわかった。照射の初期に関しては、電子線照射の方が照射硬化が低いdpaから生じる傾向にあった。また、Cuの析出と粗大化が照射量に依存しており硬化の主な原因になること,10のマイナス3乗dpaまでに飽和すること等がわかった。以上の結果工学的な観点からは、dpaを指標にすることで線による照射硬化が中性子による照射硬化と同列に十分な精度で評価できるという結果が示された。
二川 正敏; 粉川 広行; 石倉 修一*; 工藤 久明*; 祖山 均*
Journal de Physique, IV, 110, p.583 - 588, 2003/09
高出力核破砕中性子源として開発が進められている液体水銀ターゲットには、陽子線入射時に生じる圧力波の伝播過程でキャビテーションが発生する。キャビテーションが壁面近傍で発生すれば、容器壁面はマイクロ衝撃による壊食損傷を受ける。損傷低減には、容器壁面の表面硬化処理が期待される。そこで、SHPB衝撃負荷装置により、ターゲット内で生じると予測される圧縮波相当を水銀中に入射し、CrN,TiN被覆処理材及び浸炭処理Kol材について損傷評価実験を行った。その結果、損傷の程度は、局所衝撃荷重に対応した硬度と良い相関を示した。
二川 正敏; 粉川 広行; Tsai, C.-C.*; 石倉 修一*; 池田 裕二郎
JAERI-Research 2003-005, 70 Pages, 2003/03
世界的にMWクラスの核破砕中性子源ターゲットの開発が行われている。陽子ビーム入射時に核破砕に伴う瞬時発熱により水銀中に圧力波が発生する。圧力波の伝播過程で構造/液体水銀界面で負圧が生じ、キャビテーションの発生・崩壊によるピッチング損傷が容器構造体内壁に形成されると考えられる。ピッチング損傷はターゲット容器の寿命支配因子となることから、その発生条件,損傷形態,程度を評価し、設計に反映することが必要である。そこで、ピッチング損傷に関する2種類のOFF-LINE実験;ホプキンソン棒衝撃負荷実験(SHPB),電磁力衝撃負荷実験(MIMTM)、を実施した。1000万回に及ぶ衝撃負荷後の損傷形態に関するデータをMIMTMにより取得した。さらに、古典的音響振動法により得られた平均壊食深さの結果と比較した。その結果、壊食挙動は、一定の質量減少率を示す定常状態と定常状態に至るまでの潜伏期に大別でき、定常状態における質量減少は規格化統一線図により整理され、潜伏期間は材料特性,負荷圧力の大きさにより決定されることを明らかにした。
二川 正敏; 粉川 広行; 日野 竜太郎; 伊達 秀文*; 武石 洋征*
International Journal of Impact Engineering, 28(2), p.123 - 135, 2003/02
核破砕液体水銀ターゲットでは、陽子線ターゲット入射時の発熱現象に伴う熱膨張により圧力波が生じる。液体/固体金属界面における圧力波(液体中)から応力波(固体金属中)への動的伝播挙動は複雑な連成問題となる。液体/固体金属の音響インピーダンスの差異から、圧力波の伝播過程で液/固体界面では巨視的あるいは微視的な不連続変動に伴った負圧が生じる。したがって、液体界面ではいわゆるキャビテーションが生じ易い条件が成立し、キャビテーション崩壊に伴う衝撃波やマイクロジェットによる固体界面の損傷が懸念される。そこで、Split-Hopkinson-Pressure-Bar(SHPB)原理に基づく衝撃負荷装置により、平面歪み波を水銀中に入射させることで液体/固体金属界面に急速変動を与えて、界面における応力波/圧力波変換挙動及び壊食損傷について4種類の金属材料に対して検討した。その結果、損傷の程度は材料の硬さに対応し、硬度の増加に伴い損傷の程度は低下すること、壊食痕周囲に発達したすべり線分布から局所的に動的降伏応力を越える圧力が作用したことがわかった。
小山 智史*; 二川 正敏; 粉川 広行; 石倉 修一*
日本機械学会関東支部茨城講演会(2002)講演論文集, p.5 - 6, 2002/09
水銀ターゲットにおけるピッチング損傷に対する抑制効果として、表面硬化処理技術がある。コーチング(CrN, TiN)及び浸炭法による表面硬化処理(Kolsterising)を施した試料に対して、Split-Hopkinson-Pressure-Bar(SHPB)衝撃原理に基づく平面歪み波入射実験を行い、硬化処理による抑制効果を調べた。その結果、材料表面硬度とピッチング損傷との相関は認められたが、硬化層厚さを適度に選択することが重要であることがわかった。そのためには、ピット深さを定量的に評価し、より効果的な硬化層厚さを決定することが重要である。
森田 憲二*; 石野 栞*; 飛田 徹; 知見 康弘; 石川 法人; 岩瀬 彰宏
Journal of Nuclear Materials, 304(2-3), p.153 - 160, 2002/08
被引用回数:13 パーセンタイル:62.70(Materials Science, Multidisciplinary)軽水炉圧力容器の照射脆性機構を調べるために、FeCuモデル合金に高エネルギーイオンビームを照射して、照射によるヴィッカース硬さ変化を測定した。硬さ変化の、イオン照射量,照射温度,銅濃度依存性について調べ、以下のような結果を得た。硬さ変化の照射温度依存性は、中性子照射時の延性・脆性転移と対応している。また、硬さ変化は、銅濃度の平方根に比例する。これは、照射による銅析出物の大きさは一定であるということを仮定すれば説明できる。
ホット試験室
JAERI-Tech 2002-050, 51 Pages, 2002/06
平成13年11月7日、中部電力浜岡原子力発電所1号機で、非常用炉心冷却系(ECCS)の高圧注入系(HPCI)で手動起動試験開始直後、余熱除去系(蒸気系)の配管が破断し、蒸気漏れ事故が発生した。この事故の原因究明に向けて、急きょ、経済産業省原子力安全・保安院(保安院)では、タスクフォースを設置し配管破断部を切断して詳細調査を行うこととし、事業者(中部電力)による調査と並行して第三者中立機関である日本原子力研究所(原研)に対して調査協力の指示を文部科学省に依頼した。これを受けて、原研東海研究所では浜岡1号機配管破断部調査グループを設置して、配管破断部から採取した試料(調査試料)の調査を東海研燃料試験施設等の各種装置類を用いて行うことになった。本報告書は、ホット試験室の3施設(燃料試験施設,WASTEF,ホットラボ)で実施した全調査試験項目,使用した照射後試験装置,試験技術等の技術的事項について、まとめたものである。
浜岡1号機配管破断部調査グループ
JAERI-Tech 2002-045, 253 Pages, 2002/03
平成13年11月7日に発生した中部電力浜岡原子力発電所1号機余熱除去系配管破断事故の原因究明等を行うため、原子力安全保安院はタスクフォースを設置し配管破断部を切断して詳細調査を行うこととし、事業者(中部電力)による調査と並行して、第三者中立機関である日本原子力研究所に対しての配管破断部調査への協力についての指示を文部科学省に依頼した。原研は、我が国の原子力研究開発の総合的研究機関であるとともに、軽水炉の安全性研究の中核研究機関であること,これまで国内外の原子力施設における事故原因調査等の実績があること,配管破断部調査に必要な試験施設や専門家を有することから、配管破断部調査に全面的に協力することとした。調査にあたって、原研東海研究所に調査グループを設置し、燃料試験施設等の研究施設,走査型電子顕微鏡等の各種分析機器類を活用して、配管破断部の調査を行なった。調査の目的は、配管破断部を切断した部材から採取した試料について、おもに破断面を中心に調査し、配管破断の原因究明に資することである。調査結果については、すでに原子力安全・保安院へ報告するとともに、JAERI-Tech 2001-094として公刊した。本報告書は、この調査で得られたデータの詳細をまとめたものである。
瀬口 忠男; 八木 敏明; 石川 俊一*; 佐野 裕子*
Radiation Physics and Chemistry, 63(1), p.35 - 40, 2002/01
被引用回数:71 パーセンタイル:96.19(Chemistry, Physical)高分子材料を高温で放射線照射すると、硬度が上昇することを見いだした。ポリサルホン、ポリカーボネイトはガラス転移温度で電子線を照射すると、硬度が50%前後も上がり、その線量は数kGyである。架橋・切断の反応がきわめて小さい線量で起こり、分子の凝集が主な理由と考えられる。
浜岡1号機配管破断部調査グループ
JAERI-Tech 2001-094, 60 Pages, 2001/12
平成13年11月7日に発生した中部電力(株)浜岡原子力発電所1号機余熱除去系配管破断事故の原因究明等を行うため、原子力安全・保安院は配管破断部を切断して詳細調査を行うこととし、事業者による調査と並行して、第三者中立機関である原研に対しての配管破断部調査への協力についての指示を文部科学省に依頼した。原研は、配管破断部調査に全面的に協力することとした。調査にあたって、原研東海研究所に調査グループを設置し、燃料試験施設等の研究施設,走査型電子顕微鏡等の各種分析機器類を活用して、配管破断部の調査を行った。調査の結果、以下のことが明らかになった。(1)破断部近傍で大きな肉厚減少が認められた。(2)観察した試料のほぼ全ての破面はディンプル状であり、また、疲労によって生じたき裂の存在を示すような破面は確認されなかった。(3)金属組織は典型的な炭素鋼組織(フェライトとパーライトの混合組織)であり、破断部付近では、伸ばされた金属組織が観察された。(4)肉厚減少が著しいほど硬さが高い値を示していた。(5)試料分析の結果から、管内面には断熱材に使用していた珪酸カルシウムが部分的に付着していたほか、Zn,Pt等が認められた。これらの結果から、配管破断の主な原因は、配管に何等かの原因により過大な負荷が加わったためと考えられる。今後、過大負荷を生じた原因の究明が必要である。
飛田 徹; 鈴木 雅秀; 岩瀬 彰宏; 相澤 一也
Journal of Nuclear Materials, 299(3), p.267 - 270, 2001/12
被引用回数:19 パーセンタイル:83.72(Materials Science, Multidisciplinary)軽水炉圧力容器鋼の照射脆化には、高速中性子のみならず熱中性子や線の寄与も含まれるが、線の寄与に関する定量的な把握はなされていない。圧力容器位置での線によるはじき出し損傷量(dpa)は高速中性子の数%にすぎないが、損傷メカニズムの違いから照射脆化に与える影響は実質的にはもっと大きくなる可能性が指摘されている。本研究ではFe-Cuモデル合金を用い、線による照射を模擬した電子線照射試験を行うことにより線の影響を定量的に評価した。その結果、電子線と原子炉を用いた中性子照射による照射脆化はほとんど差がなく、dpaがよい指標となることが明らかになった。
柴田 大受; 石原 正博; 高橋 常夫*; 本橋 嘉信*; 林 君夫
JAERI-Research 2001-024, 24 Pages, 2001/03
高温工学試験研究炉(HTTR)を用いた高温工学に関する先端的基礎研究の一環として、超塑性セラミックス材料に関する高温照射試験研究が計画されている。本報告書では、代表的な超塑性セラミックスである正方晶ジルコニア多結晶体(TZP)について、超塑性加工後の試料の変形量と硬さ及びヤング率との関係を微小押し込み試験により評価した。さらに、結晶状態のSEM観察結果から、超塑性変形による微細組織の変化と機械期特性との関連について考案し、以下の結果を得た。(1)硬さ及びヤング率は超塑性変形量の増加に伴い低下し、今回の実験条件では、変形量30%で約1/2に、変形量150%で約1/4になった。(2)超塑性変形量の増加に伴い結晶粒が大きくなり、寸法にばらつきが生じた。(3)結晶粒径の増加が、超塑性変形に伴う硬さ及びヤング率の低下の一因と考えられることを解析的に示した。
柴田 大受; 石原 正博; 高橋 常夫*; 本橋 嘉信*
Proceedings of Asian Pacific Conference on Fracture and Strength '01(APCFS '01) and International Conference on Advanced Technology in Experimental Mechanics '01 (ATEM '01), p.894 - 898, 2001/00
高温工学試験研究炉(HTTR)を用いた高温工学に関する先端的基礎研究の一環として、超塑性セラミックス材料に関する高温照射試験研究が計画されている。まず非照射状態での特性を調べるため、3mol%のイットリアで安定化した正方晶ジルコニア多結晶体(3Y-TZP)について、超塑性変形に伴う微小領域の動的硬さ及びヤング率の変化を微小押し込み試験により評価した。また、結晶状態の変化をSEMにより観察した。その結果、超塑性変形による平均結晶粒径の増加に伴い、微小領域の動的硬さ及びヤング率が低下することを明らかにした。この低下の原因を確率論的手法により検討し、結晶の相状態の変化が動的硬さの低下の重要な因子であり、またヤング率の低下には変形に伴うキャビティ生成が重要な因子であることを示した。