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塩飽 秀啓; 丸下 元治*
JAEA-Research 2022-015, 39 Pages, 2023/05
大型放射光施設SPring-8日本原子力研究所専用ビームライン(現在は、日本原子力研究開発機構(JAEA)専用ビームライン)である硬X線アンジュレータビームラインBL22XUの設計を行った。BL22XUは、主に放射性廃棄物処理に係る分離抽出材の設計及び化学的挙動解明を行うためのXAFS(X-ray Absorption Fine Structure)解析実験、回折計を用いた磁性研究実験、高圧プレスやダイヤモンドアンビルセルを用いた極限環境下実験等を行うためのビームラインである。利用可能なX線エネルギー範囲を370keVに設定した。ビームラインの光学系を設計するために、ミラーの反射率、分光結晶の回折幅、Be窓材の吸収率等を計算した。また、光線追跡を行い、各光学素子の材料、寸法、設置場所等を最適化した。さらに、放射性物質利用上の安全確保のため音響遅延管ADL(Acoustic Delay Line)の遅延時間についても検討を行った。BL22XU「重元素科学研究I」は、2002年にビームラインの建設を終え、立ち上げ調整期間を経て、既に運用している。軟X線アンジュレータを光源とするもう一つのJAEA専用ビームラインBL23SU「重元素化科学究II」と共に、2つのビームラインを相補的に利用することによって、原子力科学が直面する多くの問題を解決する放射光ビームラインとして発展することが期待されている。2018年から2019年に分光器の高度化を実施したため、ビームライン建設当時の設計、特徴と性能を改めてここに記録することとした。
Saha, P. K.; 岡部 晃大; 仲野谷 孝充; 菖蒲田 義博; 原田 寛之; 田村 文彦; 沖田 英史; 吉本 政弘; 發知 英明*
Journal of Physics; Conference Series, 2420, p.012040_1 - 012040_7, 2023/01
To reduce high residual radiation at the RCS injection are caused by the foil scattering uncontrolled beam loss during injection period, a smaller size foil by minimizing the injection beam size has been successfully implemented at 700 kW operation. The new scheme also gives a significant beam loss mitigation at the collimator and 1st arc sections by reducing the beam halos. A beam loss mitigation of 30% has been achieved at the injection and 1st arc sections, while it is more than 50% at the collimator section. The residual radiation at 700 kW operation was thus measured to be significantly reduced, which at the injection and 1st arc sections are especially important due frequent access to these areas for regular maintenance works. The new scheme has also been successfully in service for 800 KW operation at present. It gives a very stable operation of the RCS and will also be tested for 1 MW operation in June 2022.
Yee-Rendon, B.; 近藤 恭弘; 田村 潤; 中野 敬太; 前川 藤夫; 明午 伸一郎; Jameson, R. A.*
Proceedings of 19th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.499 - 502, 2023/01
日本原子力研究開発機構(JAEA)は、放射性廃棄物の有害度低減のため、30MWの陽子線形加速器(linac)を用いた加速器駆動未臨界システム(ADS)を検討している。ADSの大強度陽子加速器の開発おいて、極めて高い信頼性を有する高周波四重極加速器(RFQ)の開発が重要となる。本RFQは、20mAの陽子ビームを取り込み、空間電荷効果の厳しい35keVから2.5MeVのエネルギーまで加速させる。RFQの設計では、エミッタンスの増大とコンパクト化するために、等分割(EP)ビームスキームを採用した。その結果、ビームハローの発生を最小限に抑え、超伝導リニアック下流部の最適化を可能にした。低いKilpatrickファクター(1.2)の採用により、本RFQはベーン上における表面放電の可能性を抑え、高い安定性を達成した。本発表では、RFQの設計とその結果に関して議論する。
前川 藤夫
JAEA-Conf 2022-001, p.7 - 13, 2022/11
分離変換技術は、高レベル放射性廃棄物の減容、有害低減のための有望な技術である。原子力機構では、加速器駆動システム(ADS)と組み合わせで文永変換技術を開発している。ADSの実現可能性に影響を与える重要課題の1つに、加速器と未臨界炉心の境界をなす陽子ビーム窓がある。陽子ビーム窓は、高強度の陽子ビームと標的で生成した核破砕中性子、および鋼材に対し腐食性を有する高温の液体鉛ビスマス共晶合金の流動によって損傷を受ける。J-PARCでは、ADS環境下での材料損傷研究のため、400MeV、250kWの陽子ビームを入射する液体鉛ビスマス核破砕ターゲットを備えた陽子ビーム照射施設を計画している。本施設は、半導体デバイスのソフトエラー試験,RI製造,核分裂および核融合炉のための材料照射など、多様な目的にも利用できる。陽子ビームや核破砕中性子を使った核データ研究への応用も多様な用途の一つであり、核データコミュニティからの優れたアイデアを歓迎する。
峯尾 英章
日本原子力学会誌ATOMO, 64(11), p.617 - 621, 2022/11
「もんじゅ」の廃止措置が決定された2016年12月にこのサイトを活用して新たに試験研究炉を設置することが原子力関係閣僚会議で決定された。その後、文部科学省により調査が行われ、中性子ビーム利用を主目的とする中出力炉に絞り込まれた。これを受けて、文部科学省は試験研究炉の概念設計と運営の在り方に関する検討を行う委託を公募し、原子力機構は、京都大学,福井大学とともに委託事業の中核的機関と位置づけられ、2020年から取組を続けている。本稿では、概念設計と運営の在り方に関する検討の体制や取組状況を述べる。
山本 風海; 金正 倫計; 林 直樹; Saha, P. K.; 田村 文彦; 山本 昌亘; 谷 教夫; 高柳 智弘; 神谷 潤一郎; 菖蒲田 義博; et al.
Journal of Nuclear Science and Technology, 59(9), p.1174 - 1205, 2022/09
被引用回数:5 パーセンタイル:81.82(Nuclear Science & Technology)J-PARC 3GeVシンクロトロン(RCS)は、最大1MWの大強度ビームを25Hzという早い繰り返しで中性子実験及び下流の主リングシンクロトロンに供給することを目的に設計された。2007年の加速器調整運転開始以降、RCSではビーム試験を通じて加速器の設計性能が満たされているかの確認を進め、必要に応じてより安定に運転するための改善を行ってきた。その結果として、近年RCSは1MWのビーム出力で連続運転を行うことが可能となり、共用運転に向けた最後の課題の抽出と対策の検討が進められている。本論文ではRCSの設計方針と実際の性能、および改善点について議論する。
明午 伸一郎; 中野 敬太; 岩元 大樹
プラズマ・核融合学会誌, 98(5), p.216 - 221, 2022/05
加速器駆動核変換システム(ADS)の実現やJ-PARCで建設を進めているADSターゲット試験施設(TEF-T)の建設には、陽子ビーム取扱い技術の開発やGeV領域の陽子に対するニュートロニクス(中性子工学)の詳細な検討が必要となる。このためJ-PARCの核変換ディビジョンでは、J-PARC加速器施設などで研究を進めてきた。本稿ではこれらの内容に関して紹介する。
前川 藤夫; 武井 早憲
プラズマ・核融合学会誌, 98(5), p.206 - 210, 2022/05
加速器駆動核変換システム(ADS)の開発にあたっては、大強度陽子ビームに耐える材料の開発や陽子ビームで駆動される未臨界炉心の特性評価等、陽子ビームに関わる技術課題を解決する必要がある。そこで大強度陽子加速器施設J-PARCでは、実際に大強度の陽子ビームを利用した各種試験を行う核変換実験施設が検討されている。本稿では核変換実験施設の概要と今後の方向性について紹介する。
中野 敬太; 岩元 大樹; 西原 健司; 明午 伸一郎; 菅原 隆徳; 岩元 洋介; 竹下 隼人*; 前川 藤夫
JAEA-Research 2021-018, 41 Pages, 2022/03
加速器駆動核変換システム(ADS: Accelerator-Driven System)の構成要素の一つであるビーム窓の核特性を粒子・重イオン輸送計算コードPHITS及び誘導放射能解析コードDCHAIN-PHITSを用いて評価した。本研究では日本原子力研究開発機構が提案するADSの運転時にビーム窓内部に生成される水素やヘリウム等の量、高エネルギー粒子により引き起こされるビーム窓材の原子弾き出し数、ビーム窓内部の発熱量及び分布を導出した。また、中性子源標的及び冷却材として用いられる鉛ビスマス共晶合金(LBE)中の生成核種、発熱密度及び放射能分布を求めた。ビーム窓解析の結果、300日間のADSの運転によりビーム窓中に最大で約12500appmのH及び1800appmのHeの生成と62.1DPAの損傷が発生することが判明した。一方で、ビーム窓内の最大発熱量は374W/cmであった。LBEの解析では、BiやPoが崩壊熱及び放射能の支配的な核種であることが判明した。さらに、陽子ビームによるLBE中の発熱はビーム窓下流5cm付近が最大であり、945W/cmであることがわかった。
山本 風海; 畠山 衆一郎; 大津 聡*; 松本 哲郎*; 吉本 政弘
Proceedings of 18th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.494 - 498, 2021/10
J-PARC 3GeVシンクロトロン(3GeV Rapid Cycling Synchrotron, RCS)では、2021年5月現在、およそ740kWで中性子ターゲットに向けた連続運転を行っている。機器の放射線損傷の検討のために、加速器運転中のビームロスによる中性子やガンマ線などの二次粒子のスペクトルの評価方法を検討しているが、ビームロス量が過多であった場合は、ビームロスによって発生する中性子やガンマ線を識別することは困難となる。しかしRCSでは、入射直線部を除きほとんどロスが発生していないことが、ロスモニタの出力および残留線量の測定よりわかっている。そこで、今回は運転後の線量が現在の運転状況において数十マイクロSv/h程度である出射分岐ダクトの近傍において、液体シンチレータを用いて中性子-ガンマ線の弁別が可能か予備試験を行った。試験の結果、検出器に入ってくる二次粒子のレートは弁別可能なレベルであることが判った。
前川 藤夫
JPS Conference Proceedings (Internet), 33, p.011042_1 - 011042_6, 2021/03
加速器駆動核変換システム(ADS)開発にあたり、ビーム窓(BW)材料の開発は主要課題の1つである。BWは高エネルギー陽子及び核破砕中性子に、また約500Cの腐食性のある高温鉛ビスマス共晶(LBE)合金に曝される。また最近では、加速器施設の高出力化にあたり、高出力加速器のみならず高出力標的が放射線損傷や熱除去の点で律速となっている。ADSを含む高出力加速器施設のBW及び標的材料の放射線損傷研究に資するため、J-PARCのLinacにより供給される400MeV 250kWの陽子ビームを利用した材料照射施設の検討を行っている。標的にはADSの標的兼冷却材である流動LBE合金を用いる。標的中で鋼材を1年間照射下場合の放射線損傷は最大で10dpaとなり、これはADSのBWの年間放射線損傷量に相当する。現時点での施設概念では、本施設で効率的に照射後試験を行うためのホットラボを付設する。発表では、本施設の概要について述べる。
廃炉国際共同研究センター; 京都大学*
JAEA-Review 2019-036, 65 Pages, 2020/03
日本原子力研究開発機構(JAEA)廃炉国際共同研究センター(CLADS)では、平成30年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業(以下、「本事業」という)を実施している。本事業は、東京電力ホールディングス福島第一原子力発電所の廃炉等をはじめとした原子力分野の課題解決に貢献するため、国内外の英知を結集し、様々な分野の知見や経験を、従前の機関や分野の壁を越えて緊密に融合・連携させた基礎的・基盤的研究及び人材育成を推進することを目的としている。平成30年度の新規採択課題から実施主体を文部科学省からJAEAに移行することで、JAEAとアカデミアとの連携を強化し、廃炉に資する中長期的な研究開発・人材育成をより安定的かつ継続的に実施する体制を構築した。本研究は、研究課題のうち、平成30年度「ガンマ線画像スペクトル分光法による高放射線場環境の画像化による定量的放射能分布解析法」について取りまとめたものである。電子飛跡検出型コンプトンカメラ(ETCC)は、前段にガス増幅型位置検出器を用いて電子の3次元飛跡を測定することにより、従来型のコンプトンカメラの分解能を大幅に向上する技術として、これまで宇宙観測用として開発し医療への応用も進めて来た。本研究では、医療用に開発したETCCをもとに、現場での操作性を重視した軽ETCCを試作し、フィールド試験により実用性を評価する。
高田 弘; 羽賀 勝洋
JPS Conference Proceedings (Internet), 28, p.081003_1 - 081003_7, 2020/02
大強度陽子加速器施設J-PARCの核破砕中性子源では、設計を見直した水銀ターゲット容器を使用して2017年10月から2018年7月までの間、500kWの陽子ビームで運転を行うとともに、1MW相当のビーム強度で1時間の運転も行った。このターゲット容器では、ビームが入射する尖頭部でのキャビテーション損傷を抑制する対策として微小気泡注入器を装備するとともに、尖頭部では流路幅2mmの狭隘流路に水銀流れを形成する形状を採用した。運転終了後の観察の結果、厚さ3mmの容器尖頭部の損傷は17.5mより浅い程度に抑制できたことがわかった。
Omer, M.; 静間 俊行*; 羽島 良一*
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research A, 951, p.162998_1 - 162998_6, 2020/01
被引用回数:1 パーセンタイル:12.95(Instruments & Instrumentation)Compton scattering of a single-energy -ray results in a one-to-one relationship between the incident and scattered photon energies. This relationship is altered when the incident beam has a definite energy distribution because of the broadening occurring in the energy distribution upon Compton scattering. This broadening causes a change in the spectral density of the Compton-scattered spectra. To restore the spectral density, the energy distribution of the scattered radiation must be manifested as a function of the scattering kinematics. Here, we propose a simple analytic way to calculate the energy spread of the scattered photons in terms of the geometry of the scattering process and the energy spread of the incident photon beam. The predictions of the model agree with measurements of Compton scattering of quasi-monochromatic -ray beams, carried out at the High Intensity -ray Source (HIS) facility, Duke University. As a benchmark of our method, we measured the intensity profile of energy-distributed -ray beams by direct measurements as well as by Compton scattering. We found that only when the spectral density of the scattered radiation is restored, the measured intensity profile agrees with the actual profile of the incident beam. The proposed method can continuously measure the flux of an energy-distributed -ray beams in the real time and on a bin-by-bin basis. Such online monitoring of -ray beams is indispensable for in-beam measurements and applications. This work was supported by the subsidiary for promotion of strengthening nuclear security or the like of the Ministry of Education, Culture, Sports, Science, and Technology (MEXT), Japan.
原子力科学研究部門 原子力基礎工学研究センター 分離変換技術開発ディビジョン
JAEA-Technology 2017-033, 383 Pages, 2018/02
原子力機構では、高レベル放射性廃棄物の減容化及び有害度低減のための研究開発を推進している。このうち、加速器駆動システム(ADS)を用いた核変換に係る研究開発を促進するため、大強度陽子加速器施設(J-PARC)の二期計画として、核変換実験施設(Transmutation Experimental Facility, TEF)の建設が計画されている。TEFは、大強度陽子ビームを液体鉛ビスマスターゲットに入射して核破砕ターゲットの技術開発及び材料の研究開発を行うADSターゲット試験施設(TEF-T)と、陽子ビームをマイナーアクチノイド装荷体系に導入して炉心の物理的特性探索とADSの運転制御経験を蓄積するための核変換物理実験施設(TEF-P)で構成される。本報告書は2つのTEF施設のうちTEF-Pについて、原子炉の設置許可申請のための安全設計についてまとめたものである。
高田 弘; 羽賀 勝洋; 勅使河原 誠; 麻生 智一; 明午 伸一郎; 粉川 広行; 直江 崇; 涌井 隆; 大井 元貴; 原田 正英; et al.
Quantum Beam Science (Internet), 1(2), p.8_1 - 8_26, 2017/09
大強度陽子加速器施設(J-PARC)の物質・生命科学実験施設では、パルス核破砕中性子源から高強度かつ狭いバルス幅の中性子を供給し、多様な中性子科学研究の推進に役立てている。この核破砕中性子源の構成機器は、エネルギー3GeV、繰り返し25Hz、強度1MWという世界最高クラスの強度の陽子ビームで駆動されルことを前提に設計されており、水銀ターゲットと3種類の液体パラ水素モデレータがその中枢の機器である。目標とする1MWの陽子ビームによる運転に向けて、まだ途上段階にあるが、本報告では、この核破砕中性子源のターゲット・モデレータ・反射体システムの特色ある性能について解説する。
前川 藤夫; 佐々 敏信
エネルギーレビュー, 37(9), p.15 - 18, 2017/08
放射性廃棄物の低減を目指す加速器核変換駆動システム(ADS)の開発に向けて、J-PARC核変換実験施設計画、および世界のADS開発の情勢について紹介する。
J-PARCセンター 核変換ディビジョン
JAEA-Technology 2017-003, 539 Pages, 2017/03
原子力機構では、平成26年4月に公表された「エネルギー基本計画」等を踏まえ、高レベル放射性廃棄物の減容化及び有害度低減のための研究開発を推進している。このうち、加速器駆動システム(ADS)を用いた核変換に係る研究開発を促進するため、大強度陽子加速器施設(J-PARC)の二期計画として、核変換実験施設(TEF)の建設が計画されている。TEFは、大強度陽子ビームを鉛ビスマスターゲットに入射して核破砕ターゲットの技術開発および材料の研究開発を行うADSターゲット試験施設(TEF-T)と、陽子ビームをマイナーアクチノイド装荷未臨界炉心に導入して炉心の物理的特性探索とADSの運転制御経験を蓄積するための核変換物理実験施設(TEF-P)で構成される。本報告書は2つのTEF施設のうちTEF-Tについて、その建設を目指して行った施設の技術設計の内容についてまとめたものである。
Lopez-Martens, A.*; Henning, G.*; Khoo, T. L.*; Seweryniak, D.*; Alcorta, M.*; 浅井 雅人; Back, B. B.*; Bertone, P. F.*; Boilley, D.*; Carpenter, M. P.*; et al.
EPJ Web of Conferences, 131, p.03001_1 - 03001_6, 2016/12
被引用回数:1 パーセンタイル:43.58(Chemistry, Inorganic & Nuclear)原子番号が100を超える原子核の核分裂障壁の高さとその角運動量依存性を初めて測定した。核分裂による崩壊が優勢となり始める励起エネルギーを決定できる初期分布法という方法をNoの測定に適用した。Noの核分裂障壁はスピンゼロにおいて6.6MeVと決定された。このことは、Noが原子核の殻効果によって強く安定化されていることを示している。
岩元 大樹; 西原 健司; 岩元 洋介; 橋本 慎太郎; 松田 規宏; 佐藤 達彦; 原田 正英; 前川 藤夫
Journal of Nuclear Science and Technology, 53(10), p.1585 - 1594, 2016/10
被引用回数:18 パーセンタイル:85.32(Nuclear Science & Technology)The impact of different spallation models and parametrisations of nucleon-nucleus interactions in PHITS on nuclear characteristics of an accelerator-driven system (ADS) is investigated. Cut-off neutrons below 20 MeV calculated by a current default option of the spallation model (i.e., Lige Intranuclear Cascade (INC) model version 4.6, INCL4.6) are found to be 14% less than those by the old spallation model (it i.e. Bertini INC model). This decrease increases the proton beam current that drives the 800-MW thermal power, and impacts various ADS parameters, including material damage, nuclear heating of the proton beam window (PBW), and the inventory of spallation products. To validate these options based on the ADS neutronics design, we conduct benchmark calculations of the total and nonelastic cross sections, thick target neutron yields, and activation reaction rate distributions. The results suggest that Pearlstein-Niita systematics, which is a default option of the nucleon-nucleus interaction parametrisation, would be best option and that the Bertini INC is better suited for cut-off neutrons than INCL4.6. However, because of the difficulty in making a definite conclusion on the spallation models, we conclude that relatively large uncertainty in the cut-off neutrons, which is the difference between the two spallation models (i.e. 14%), should be considered.