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土井 大輔
International Journal of Hydrogen Energy, 91, p.1245 - 1252, 2024/11
被引用回数:0Hydrogen is a major nonmetallic impurity in the coolant of sodium-cooled fast reactors (SFRs) during normal operation. A higher hydrogen concentration than the gas-liquid equilibrium has been transiently detected in the gas space of actual SFR plants. The presence of several sodium compounds can increase hydrogen generation; however, a thorough understanding of the thermal behavior of candidate reactions is lacking. Herein, thermal analysis reveals the hydrogen release behavior of sodium hydride. Mass spectrometry indicates hydrogen generation with decreasing sample mass, indicating thermal decomposition. Detailed kinetic analysis based on master plot methods indicates that the hydrogen release reaction occurred through a mechanism involving random nucleation and growth of nuclei. Furthermore, the reaction rate was newly formulated based on a kinetic model function representing the above mechanism and the Arrhenius-type reaction rate constant comprising an activation energy of 119.0 0.8 kJ mol and a frequency factor of 1.8 10 s. These findings will enable the numerical simulation of the hydrogen release behavior in SFRs.
廃炉環境国際共同研究センター; 東京工業大学*
JAEA-Review 2024-013, 48 Pages, 2024/07
日本原子力研究開発機構(JAEA)廃炉環境国際共同研究センター(CLADS)では、令和4年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業(以下、「本事業」という。)を実施している。本事業は、東京電力ホールディングス株式会社福島第一原子力発電所の廃炉等をはじめとした原子力分野の課題解決に貢献するため、国内外の英知を結集し、様々な分野の知見や経験を、従前の機関や分野の壁を越えて緊密に融合・連携させた基礎的・基盤的研究及び人材育成を推進することを目的としている。平成30年度の新規採択課題から実施主体を文部科学省からJAEAに移行することで、JAEAとアカデミアとの連携を強化し、廃炉に資する中長期的な研究開発・人材育成をより安定的かつ継続的に実施する体制を構築した。本研究は、令和3年度に採択された研究課題のうち、「非接触測定法を用いた燃料デブリ臨界解析技術の高度化」の令和4年度分の研究成果について取りまとめたものである。本研究は、非接触のアクティブ中性子法により燃料デブリの臨界安全上の特性を評価する測定システムの開発と、燃料デブリ取出し作業員の安全確保方策の確立に資する基盤技術として多領域積分型動特性解析コードの開発により燃料デブリ臨界解析技術を高度化することを目的としており、令和3年度から令和5年度の3年計画の2年目として東京工業大学、産業技術総合研究所、長岡技術科学大学が連携して実施した。検出器設計最適化のために新たに基礎実験を行って取得したデータを用いて、中性子輸送計算コードの妥当性及び不確かさを評価することで解析精度の向上を図った。この基礎データを基にした輸送計算コードを用いたパラメトリックサーベイにより、検出器の配置やHeガス圧、減速材、遮蔽材、中性子源配置の最適化を実施することにより検出器を設計した。遅発中性子による核分裂も考慮可能な多領域積分型動特性解析コードMIK2.0-MVPを開発し、予備検証としてGODIVA炉超臨界実験の再現解析を実施した。この結果より、MIK2.0-MVPコードでは、MIK1.0コードが有する計算機能に加えて、遅発中性子による核分裂の効果を考慮することができるようになり、MIK2.0-MVPコードと粒子法コードの弱連成解析の土台となる新たな機能を確立することができた。以上の活動により本研究の令和4年度の目的を達成することができた。
廃炉環境国際共同研究センター; 東京工業大学*
JAEA-Review 2022-043, 52 Pages, 2023/01
日本原子力研究開発機構(JAEA)廃炉環境国際共同研究センター(CLADS)では、令和3年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業(以下、「本事業」という)を実施している。本事業は、東京電力ホールディングス株式会社福島第一原子力発電所の廃炉等を始めとした原子力分野の課題解決に貢献するため、国内外の英知を結集し、様々な分野の知見や経験を、従前の機関や分野の壁を越えて緊密に融合・連携させた基礎的・基盤的研究及び人材育成を推進することを目的としている。平成30年度の新規採択課題から実施主体を文部科学省からJAEAに移行することで、JAEAとアカデミアとの連携を強化し、廃炉に資する中長期的な研究開発・人材育成をより安定的かつ継続的に実施する体制を構築した。本研究は、研究課題のうち、令和3年度に採択された「非接触測定法を用いた燃料デブリ臨界解析技術の高度化」の令和3年度の研究成果について取りまとめたものである。本研究は、非接触のアクティブ中性子法を用いた燃料デブリ臨界特性測定システムと多領域積分型動特性解析コードの開発による燃料デブリ臨界解析技術の高度化を目的とし、令和3年度から令和6年度の4年計画の1年目として日本側は東京工業大学(東工大)、産業技術総合研究所(産総研)が連携して実施し、ロシア側はロシア国立原子力研究大学(MEPhI)が実施した。日本側とロシア側でそれぞれが開発する臨界特性測定システムについて、計算精度向上のために、これまでの実験データの整理と予備解析を実施した。多領域積分型動特性解析コードの開発については、開発環境として開発専用メニーコアマルチノード並列計算・データサーバーを構築した。ロシア側が令和5年度に実施予定のコード検証に用いる代表的な解析条件を決定した。また、東工大とMEPhI間でオンラインによるワークショップを開催し、研究の今後の進め方に関する意見交換を行った。日本側の3機関は緊密に連携して研究を実施した。以上の活動により本研究の令和3年度の目的を達成することができた。
土井 大輔
Proceedings of 29th International Conference on Nuclear Engineering (ICONE 29) (Internet), 7 Pages, 2022/08
In sodium-cooled fast reactors (SFRs), hydrogen is a major nonmetallic impurity in the coolant during normal operation. A higher hydrogen concentration than the gas-liquid equilibrium had been transiently detected in the gas space of the actual SFR plant. However, the chemical reactions that caused hydrogen generation, which involve several sodium compounds, have not been identified. Furthermore, the thermal behavior of these hydrogen release reactions has not been thoroughly investigated. In this study, the hydrogen release behavior of sodium hydride, which could be involved in all of these reactions, was clarified by two experimental methods dealing with different sample quantities. In the thermal analysis with a semi-micro sample of about 1mmol, the hydrogen generation was demonstrated by mass spectrometry as the sample mass decreased, suggesting thermal decomposition. A monomodal hydrogen release curve similar to the thermal analysis result was obtained in the heating experiment with a macro amount sample of about 1mol. These experimental results showed consistent activation energies within the standard error. Therefore, it was elucidated that the ideal reaction behavior obtained by thermal analysis could be sufficiently extrapolated to the reaction behavior occurring in a larger amount of sample. These findings provide fundamental insights into the thermal decomposition of sodium hydride and are indispensable for analyzing hydrogen release behavior in other hydrogen release reactions involving sodium hydride.
城戸 健太朗; 端 邦樹; 丸山 結; 西山 裕孝; 星 陽崇*
NEA/CSNI/R(2016)5 (Internet), p.204 - 212, 2016/05
Seawater injection into the degraded core is one of the measures of accident management as it has been performed at Fukushima Daiichi Nuclear Power Plant. The constituents of seawater deeply relates to the iodine chemistry in the water pool of the suppression chamber, which indicates that it is important to assess their effect on the source term in a severe accident. In the present study, by employing a four-component seawater (SW) model we try to simulate the I molecules yielding in aqueous solution as the function of time, based on several datasets about chemical reaction kinetics and to evaluate its fraction of the initial inventory released from the solution to gas phase. The amount of I molecule in gas phase was in proportion as the SW mixing ratio. The combination of bromide and hydrogen-carbonate anions considerably contributes to the behavior of the history of producing I gas. The oxygen molecules solved from air drastically reduced yielding I gas by catalytically consuming hydroxyl radicals, while the I gas increased by the carbon dioxide gas contained in air. The effects of SW and carbon dioxide gas are recommended to be considered in the quantitative discussion about I gas released from aqueous solution.
渡辺 庄一; 山根 祐一; 三好 慶典
JAERI-Tech 2003-045, 73 Pages, 2003/03
燃料溶液体系の臨界事故では、正確な情報が必ずしも得られないことから、その熱流動の振舞いを把握するためにはパラメータサーベイ計算が必要である。しかし、一方では従来の熱流動解析計算は時間を要するため、許容できる計算精度の範囲内で計算時間を短縮できる実用的な計算手法が必要である。このため、汎用熱流体解析コードPHOENICSをサブルーチンとして取込み、熱流動を考慮した多領域動特性方程式に基づく中性子エネルギー1群の3次元動特性解析コードを作成した。核熱計算と流動計算の時間刻み幅を分離し、さらに出力の時間変化に応じて時間刻み幅を自動調整することによってコードの計算時間短縮化を図った。TRACYを用いた0.5ドルの反応度投入後の過渡出力に引き続く、緩やかな出力変化が5時間持続する自然冷却特性実験について解析計算を行った。実用的な時間の範囲内で計算が可能であり、出力及び温度変化についての解析値は実験値をほぼ再現する見通しを得た。
柴田 靖*; 松村 明*; 山本 哲哉*; 阿久津 博義*; 安田 貢*; 中井 啓*; 能勢 忠男*; 山本 和喜; 熊田 博明; 堀 直彦; et al.
Research and Development in Neutron Capture Therapy, p.1055 - 1060, 2002/09
腫瘍摘出する初期開頭手術時に患者にホウ素薬剤(BSH)を少量投与し、得られた生物学的薬剤分布データを用いて、医療照射当日の血液ホウ素濃度の予測について予備調査を行った。悪性グリア腫瘍の患者9名は1995から2001年の間に日本原子力研究所においてホウ素中性子補足療法を受けた者である。その内7名については、腫瘍摘出の前にBSH1gを注入し、即発線分析装置(PGA)を用いてホウ素濃度の測定を行った。BNCT照射12時間前にBSHを100mg/kgの投与量を患者に注入し、ホウ素濃度を再び決定した。その結果、ホウ素の生物学的薬剤分布データは2相指数曲線の薬物動態分布を示した。もし、注入後から6時間又は9時間の医療照射直前のホウ素濃度が予測値に対して95%予測信頼区間にあれば、2相指数曲線フィットからの直接予測は照射時間内の血液ホウ素濃度の誤差を6%程度に抑えることができる。
永瀬 文久; 大友 隆; 上塚 寛
JAERI-Research 2001-009, 21 Pages, 2001/03
軽水炉におけるシビアアクシデント時の燃料集合体溶融進展過程に関する基礎的な知見を取得するために、1273~1573Kの温度範囲でジルカロイ-4とステンレス304鋼間の化学的な相互作用を調べた。接触界面に反応層が形成され、温度上昇及び時間の経過とともに成長した。SEM/EDX分析により、反応の主過程はZrリッチの共晶の生成であることが示された。材料の肉厚減少に関する反応速度を評価し、反応が一般に2乗則に従うことを明らかにした。各試験温度について反応速度定数を決定し、アレニウスタイプの反応速度式を求めた。
岡田 高志; 三竹 晋; 高野 誠; 大橋 一孝*
JAERI-M 84-170, 127 Pages, 1984/09
多目的高温ガス実験炉プラントの動特性を解析する計算コードICARUS・2に対して、使用されている解析モデル、数値解法および物性値等について示すと共に、各種コンポーネント単位での応答特性および各種事象に対するプラント全体での応答特性も示した。本ICARUS・2コードでは、原子炉、1次および2次ヘリウムループさらに3次ループである水・蒸気系までをモデル化しており、原子炉に対し左右対称に存在するAループおよびBループの2冷却ループをモデル化可能である。また、動特性の解析結果へ比較的大きな影響を与える制御システムについても任意のシステムをモデル化して解析することができる。
鈴木 富男; 新藤 雅美; 近藤 達男
JAERI-M 83-093, 16 Pages, 1983/07
高温ガス炉冷却材近似ヘリウムのような微量の不純物を含む雰囲気で腐食試験を行うのに適した試験装置を開発した。この試験装置の特徴は以下の通りである。1)反応容器は透明石英製である。2)4つの試験片が各々独立した容器に納められ、同時に同じ雰囲気中で試験がてきる。3)熱サイクル、恒温のいづれでも酸化試験ができる。4)定量的な重量増加量の測定と腐食生成物の放射化分析のためにはく離酸化物が回収可能な構造になっている。この装置は精製、不純物添加の機能を有し、高温ガス炉近似ヘリウムを連続的に供給できるヘリウムガスループに接続されている。熱サイクル腐食試験装置を使用した長時間酸化試験の代表的な実験結果の一例として、はく離酸化物を回収して重量変化を求めた結果および腐食生成物の放射化分析を行った分析例を示した。
斎藤 伸三
JAERI-M 7280, 67 Pages, 1977/09
ナトリウム冷却高速炉用の炉心過渡挙動解析コードEXCURESを開発した。本コードでは炉心をチャンネルで代表しその過渡挙動を解析する。炉心の出力挙動については6群の遅発中性子を考慮に入れた1点近似の中性子動特性方程式により求める。反応度の外乱およびスクラムによる制御棒効果が取り入れられ、フィードバック効果としては平均チャンネルの温度に基いて計算し各種の効果を考慮する。熱計算については軸方向の各断面で熱平衡式を導き計算する。物性値については、温度に関する二次式で近似し、又、燃料の溶融過程についても考慮している。本コードにより反応度挿入および冷却材流量低下等による炉心の過渡挙動が解析出来、又、結合コードEXPLOTによって計算結果の図式化も可能である。
伊勢 武治; 稲辺 輝雄; 中原 康明
日本原子力学会誌, 17(6), p.314 - 321, 1975/06
NSRRの炉特性解析法の確立をはかるとともに、この炉の炉物理的特徴を明らかにした。また、実験孔最適設計の検討を行なった。炉解析上の特徴は、中性子の散乱過程を充分考慮した炉定数作成コードおよび臨界計算コードが必要であること。炉物理上の特徴は、即効性負温度係数が-0.9410/Cと大きいこと、この温度係数の80%は熱中性子の寄与であること、多群の熱群炉定数でないとは、いづれも実験孔内の物質による影響を受けること、試験燃料ピンに最大発熱を与える実験孔内の軽水の最適の厚さが存在し、それがピンの太さおよびウランの濃縮度に依らないこと、等である。
石川 迪夫
JAERI 1214, 37 Pages, 1971/09
SPERT-III、E型炉心暴走実験の結果、これまで無視されていた即発生減材加熱(PMH)効果が、極めて有力な反応度補償効果となることが確認された。しかし、PMH効果の持つ性質やその挙動については未だ明らかでない。本稿は、PMH効果の理論を簡単な仮定により定性解析式に発展させ、PMH効果の性質に検討を加えると共に、最近開発した核燃料水力結合動特性コードEUREKAによるSPERT-III実験解析により、同効果を定量的に求め上記性質を証明したものである。またPMH効果に影響を与える因子、冷却材温度、流量、出力、出力分布、反応度印加量等についても合せて検討した。
栗原 寛人; 堀田 寛
Bulletin of the Chemical Society of Japan, 40(4), p.719 - 723, 1967/00
被引用回数:8抄録なし