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前田 亮; 米田 政夫; 飛田 浩; 大図 章; 呉田 昌俊; Bogucarska, T.*; Crochemore, J. M.*; Varasano, G.*; Pedersen, B.*
第37回核物質管理学会日本支部年次大会論文集(CD-ROM), 7 Pages, 2017/02
原子力機構(JAEA)と欧州共同研究センター(JRC)は、使用済み燃料や次世代型MA燃料などの高線量核物質に適用可能な非破壊測定技術の研究開発を共同で実施している。本研究では、次世代型ダイアウェイ時間差分析法(DDA)の実証装置の設計・開発に用いる中性子輸送コードの信頼性が重要となる。そこで中性子輸送コードの信頼性を評価するために、JRC型DDAを用いたPulsed Neutron Interrogation Test Assembly (PUNITA)とJAEA型DDAを用いたJAEA Active Waste Assay System-Tokai (JAWAS-T)の2つの装置の測定空間内の中性子束分布を測定し、さらにPUNITAでは測定試料のマトリクス内の中性子束分布を測定し、中性子輸送コードによるシミュレーション結果と比較した。本報では、それら試験及びシミュレーション結果と信頼性の評価結果について報告する。
前田 亮; 米田 政夫; 飛田 浩; 大図 章; 呉田 昌俊; Bogucarska, T.*; Crochemore, J. M.*; Varasano, G.*; Pedersen, B.*
Proceedings of INMM 57th Annual Meeting (Internet), 9 Pages, 2016/07
原子力機構では、核変換用MA-Pu燃料などの高線量核燃量の非破壊測定技術の開発を目的として欧州JRCとの共同研究を開始した。共同開発項目の1つであるDDA法の技術開発として、JAEA型DDA法とJRC型DDA法の特性を比較し、より発展した手法、装置の開発を目指している。JRC型DDA法では高感度を実現するために14MeV中性子発生管とグラファイトを用いて大量の熱中性子を発生させている。一方、JAEA型DDA法では測定対象のマトリクスによる減速を利用し測定対象内の位置感度差を低減するために、高速中性子の多い中性子場を発生させている。DDA法では、装置の性能を評価する上で中性子発生管により装置内に作られる中性子場を正確に評価することが重要である。本発表では、モンテカルロシミュレーションと放射化測定により得られた結果に基づいたJRC型DDA法を使用したPUNITAとJAEA型DDA法を使用したJAWAS-T装置内の中性子束分布について評価結果を報告する。
甲斐 哲也; 原田 正英; 勅使河原 誠; 渡辺 昇; 鬼柳 善明*; 池田 裕二郎
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research A, 550(1-2), p.329 - 342, 2005/09
被引用回数:19 パーセンタイル:74.36(Instruments & Instrumentation)結合型モデレータに対する多数の中性子ビームの要求に応えるため、中性子ビームの取出角度を大きくする必要がある。このとき、低エネルギー中性子の時間積分、及びパルスピーク強度を最大とするため、中性子特性計算を行った。中性子強度の合計はビーム本数の増加に伴って増加したが、それぞれの中性子ビームの強度は、反射体に設けられたビーム取出孔に起因する反射体欠損により減少した。直方型モデレータにおいて取出角度が大きな場合(法線から25度)、その方向へ向かう低エネルギー中性子の空間分布を計算すると、大きく強度が減少している領域が生じていることがわかった。代案として提案した円筒型モデレータを用いることにより、強度減少の見られる領域を縮小することができた。さらに円筒型モデレータについて、時間積分,パルスピーク強度,パルス幅,パルス減衰特性をモデレータ直径の関数として計算した結果、直径140mmが最適であることがわかった。両者の比較の結果、円筒型の方が、時間積分強度とパルス減衰特性は同等で、高いパルスピーク強度,狭いパルス幅,平坦な角度依存性の中性子ビームを供給できることがわかった。両者のパルス特性の違いについての説明も行っている。J-PARC核破砕中性子源において、円筒型の結合型モデレータを採用することとした。
藤本 望; 山下 清信*; 野尻 直喜; 竹内 光男; 藤崎 伸吾; 中野 正明*
Nuclear Science and Engineering, 150(3), p.310 - 321, 2005/07
被引用回数:6 パーセンタイル:39.99(Nuclear Science & Technology)HTTRの臨界試験において、解析コードの検証を目的として環状炉心の試験が行われた。この試験では、初臨界炉心,臨界制御棒位置,中性子束分布,過剰反応度等の測定が行われた。これらのデータを被覆粒子の燃料コンパクト中での配置を考慮できるモンテカルロコードMVPで評価した。その結果、環状炉心における反応度に対する被覆粒子燃料の非均質効果は、中実炉心での効果より小さいことが明らかになった。実効増倍率の解析値は測定値と1%k以下の誤差で一致した。中性子束分布の解析値は測定値とよく一致した。過剰反応度評価においては、制御棒の干渉効果を排除するための修正法を用いた。修正した過剰反応度と解析値は 1%k/k以下の差で一致した。
野尻 直喜; 島川 聡司; 藤本 望; 後藤 実
Nuclear Engineering and Design, 233(1-3), p.283 - 290, 2004/10
被引用回数:12 パーセンタイル:60.98(Nuclear Science & Technology)本報告書はHTTRの起動試験及び出力上昇試験時の炉物理試験結果について記載したものである。この試験は高温ガス炉の性能と安全性を確認する目的で行われ、臨界近接,過剰反応度,炉停止余裕,制御棒価値,反応度係数,中性子束分布及び出力分布が測定された。測定結果と計算結果から予期していた炉心性能と必要な炉心安全性能を有することを確認した。
村崎 穣; 宇野 祐一; 三好 慶典
JAERI-Tech 2003-029, 107 Pages, 2003/03
未臨界度測定手法の開発のため、STACY非均質炉心体系の実験において、位置検出型比例計数管(PSPC)により、炉心タンク外側近傍における中性子束分布の測定を行った。測定の結果、硝酸ウラニル溶液のウラン濃度50g/L~210g/Lの範囲における臨界時及び未臨界時の中性子束分布を13mmの位置精度で得た。また、パルス中性子実験における測定により、即発中性子減衰定数を求めた。さらに、連続エネルギーモンテカルロコードMCNPにより、PSPC測定位置における中性子束分布及びHe反応率分布を求め、PSPC測定値との比較を行った。比較の結果、カドミウムカバー付きPSPCの測定値に対して、計算値は、臨界液位の半分の高さより上部ではおおむね一致したが、それより下部では両者の差が大きくなった。一方、カドミウムカバーなしの測定値に対して、計算値は良く一致した。
藤本 望; 竹内 光男; 藤崎 伸吾; 中野 正明*; 山下 清信; 茂木 春義
UTNL-R-0378, p.5.1 - 5.10, 1999/00
HTTRは1998年7月に燃料装荷を開始し、同年11月に初臨界を達成した。臨界近接では炉心外周部から燃料を装荷し、環状炉心で臨界とした。従来行われてきた1/Mの直線外挿では臨界予測が難しかったため、臨界量も調整した計算により評価した1/Mで測定値をはさみ込むことにより臨界量を予測することができた。臨界試験では、過剰反応度、炉停止余裕、中性子束分布、制御棒反応度価値、熱出力及び動特性パラメータ等の測定を行った。過剰反応度の測定では、制御棒の干渉効果により測定値は実際の値より小さくなる。そのため、解析により補正係数を求め、これを測定値にかけることにより補正を行った。炉停止余裕や中性子束分布測定では、解析値は測定値もよく模擬できていることがわかった。今後、試験結果の検討を進め、解析の高度化を図ることとしたい。
T.V.Hung*; 坂本 幸夫; 安田 秀志
JAERI-Research 98-057, 25 Pages, 1998/10
Dalat炉の中性子束特性であるエネルギースペクトル、中性子束絶対値及び照射孔に沿った分布をMCNP4Aコードで計算した。すべての計算はパーソナルコンピュータで実施した。各ケースの計算時間は約2日であった。計算体系は500Wで運転される炉心を正確にモデル化した。中性子束及びスペクトルフィッティング因子は5%以内で実験値と一致した。計算で得たエネルギースペクトルを用いてカドミウム比及びAuの実効断面積を計算した。この計算ではJENDL及びIRDF82の核データを用いた。計算結果の比較から、(1)カドミウム比は計算値/実験値で表した不一致がIRDF82の場合に1~6%、JENDLの場合に4~8%であり、(2)Au(n,)Au実効断面積はJENDLまたはIRDF82を用いても殆ど同一の値を与えた。
藤村 統一郎
JAERI-Data/Code 95-019, 54 Pages, 1996/01
複雑形状の炉心を解析するため、二重有限要素法による3次元中性子輸送コードDFEMを開発した。基本となる解法としては、空間と角度の変数に有限要素法を適用する二重有限要素法を用いている。炉心体系を多角柱でモデル化し、その中の中性子束の空間分布を1次の基底関数で近似するが、角度変数に対しては様々な基底関数について比較し、特徴を明らかにする。また、高精度化と高速化のため、反射境界打ち切り誤差について一般的な修正法を導出するとともに、反復解法に改良を加えた。本プログラムの構造について概説し、使用法を記すとともに、検証計算例として実規模の原子炉を含む様々な問題を採り上げ、中性子束分布等について他のコードによる計算結果と比較し、検討を行った。
小原 徹*; 中島 健; 井頭 政之*; 関本 博*; 須崎 武則
JAERI-M 94-004, 40 Pages, 1994/02
本書は、1993年7月に日本原子力研究所の軽水臨界実験装置TCA(Tank-Type Critical Assembly)を用いて行われた東京工業大学の学生実験のためにかかれたテキストを整理したものである。同実験では、炉物理実験の基本となる(1)臨界近接実験、(2)中性子束分布の測定、(3)出力分布の測定、(4)燃料棒価値分布の測定、(5)ロッドドロップ法による安全板価値の測定が行われた。本書には、実験原理、実験手順、結果の解析手法について記載されている。
大山 幸夫; 山口 誠哉*; 小迫 和明*; 前川 洋
JAERI-M 92-191, 46 Pages, 1992/12
10から40MeVの高エネルギ重陽子を厚いリチウムターゲットに照射した時に発生する中性子場の特性を、原研で計画されている材料照射用中性子源(ESNIT)の仕様を決定する際の参考とするためにモデル計算を行った。簡単な核反応モデルを用い、ターゲット周辺での中性子束分布とエネルギースペクトルを求めた。計算結果は報告されている実験値とファクター2の範囲で一致した。この計算結果は高エネルギー中性子による材料損傷パラメータへの効果を調べるために用いられる。
有金 賢次
JAERI-M 87-063, 133 Pages, 1987/04
JRR-4燃料の低濃縮化計画が原研の試験・研究炉濃縮度低減化計画に基づいて進められている。低濃縮炉心の核設計には、SRACコードシステムが用いられている。本報告は、低濃縮炉心の核設計に用いた解析手法の妥当性を明らかにするため行なったJRR-4高濃縮ウラン燃料炉心のベンチマーク計算について述べたものである。ベンチマーク計算は、過剰反応度、幅寄性、制御棒価値、熱中性子束分布、ボイド係数、温度係数、質量係数、動特性パラメータおよびXeの蓄積による反応度減少の各核特性について実施した。その結果、計算結果と測定結果は良い一致を示し、解析手法の妥当性が示された。
秋濃 藤義; 北舘 憲二; 金子 義彦
JAERI-M 6701, 25 Pages, 1976/09
高温ガス実験炉では、燃料温度を制限値以下に保ちながら所期の冷却材ガス出口温度を確保することが要求される。そのため、炉心における出力分布を最適化する必要があり、同じに制御棒挿入時の出力分布の空間変動に対する核計算の予測精度をあらかじめ実証しておく必要がある。そこでSHE-8炉心に実験炉の予備設計に採用された制御棒と形状寸法や炭化ボロン濃度が同じである実験用制御棒を挿入し、3次元的な出力分布の歪みを銅の放射化法によって測定した。一方、3次元の2群拡散Source-Sink法により、中性子束分布を計算し銅の放射化量を求め実験と比較した。実験・計算の一致は炉心内部ではかなり良く、軸方向の高温度因子についていうと平均1.2%、最高でも3%の相違にとどまり、ほぼ核設計に対する要求精度を満たしているものと判断される。