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佐々木 貞吉
表面科学, 3, p.182 - 188, 1982/00
DV-X法により、CaF(フルオライト)型の結晶構造をもつ標記の水素化物の電子状態を計算した。クラスターとしては、〔MeH〕および〔MeH〕(Me:金属原子)を用いた。〔MeH〕クラスターに対する結果から、Me-H結合準位はEレベルより4~7.5eV低くなることがわかった。この値は、Me-H系について観測されたUPSスペクトルと概ね一致する。一方、MeおよびHのcharge stateは、それぞれ、1.20.4、-0.60.2となった。H原子上のchargeは同一周期の場合、結合する金属の原子番号とともに小さくなり、Paulingの電気陰性度から予測される傾向と符号する。レベルプロファイルおよびcharge stateを用いて、次に価電子帯のXPSスペクトルを計算した。スペクトルパターンを解析したところ、Me-H結合の光電子ピークは、d電子数の増加とともに強度が減ずる傾向を示した。