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浅香 英明; 久木田 豊
Journal of Nuclear Science and Technology, 32(2), p.101 - 110, 1995/02
被引用回数:18 パーセンタイル:82.89(Nuclear Science & Technology)原子炉冷却系の減圧操作は、種々の事故シナリオにおいて炉心の冷却を維持する上で有効であると考えられている。本報は、PWRの小破断LOCA時における蒸気発生器(SG)2次側の意図的減圧操作のもたらす結果について、ROSA-IV/LSTF装置を用いて実験的に調べたものである。実験では、炉心上部が露出した直後に運転員がSG2次側逃し弁を開固定した。その結果、1次系圧力は、2次側圧力に追随しながら蓄圧注入系(ACC)の注入圧力まで低下した。しかし、この減圧操作により圧力容器内の冷却材の一部が減圧SG側ループ内に移動し蓄積するため、炉心水位が低下すること(悪影響)も明らかになった。原研改良版RELAP5/MOD2コードにより1次系及び2次系の圧力挙動が良く予測できた。
浅香 英明; 久木田 豊; 斉藤 誠司*
The 3rd JSME/ASME Joint Int. Conf. on Nuclear Engineering (ICONE),Vol. 1, 0, p.131 - 136, 1995/00
加圧水型原子炉(PWR)の小破断冷却材事故(LOCA)時におけるホットレグ内の流れは、重力により水と蒸気が分離した水平層状二相流で特徴づけられる。ここでホットレグ水位は、蒸気発生器(SG)内ないしは加圧器内への蒸気による水のキャリオーバー量に影響する重要なパラメータである。小破断LOCA時のホットレグ内層状二相流は、水流量が増加するにしたがい常流から射流に遷移し、これに起因する典型的な水位低下の生じることがLSTF実験により示された。Gardnerは、ホットレグ入口前後で各相のエネルギーが保存されると仮定し、常流から射流への遷移モデルを開発した。しかし、このモデルによる予測結果とLSTF実験結果との一致は、定量的に不十分であった。筆者らは、Gardnerのモデルにホットレグ入口の形状エネルギー損失項をとりいれた改良モデルを開発した。この改良モデルは、LSTF実験で見られたホットレグ内の常流から射流への遷移条件を良く予測した。さらに射流発生時の水位予測及び気液の相間摩擦が水位変化に及ぼす影響についても論じられている。
浅香 英明; 与能本 泰介; 久木田 豊
Journal of Nuclear Science and Technology, 31(12), p.1265 - 1274, 1994/12
被引用回数:3 パーセンタイル:35.55(Nuclear Science & Technology)ROSA-IV計画LSTF装置を用いて、加圧水型原子炉の小破断冷却材喪失事故(LOCA)における重力注入式非常用炉心冷却系(ECCS)の作動を模擬した実験を行った。注入系は、1次系と同一圧力に加圧された低温水を満たしたタンクと、1次系との接続配管(タンク底部と圧力容器ダウンカマを接続する注入ラインと、コールドレグとタンク頂部を接続する圧力平衡ライン)により構成される。タンクからの注入は、タンク内の低温水の静水頭と、圧力平衡ライン内の高温水の静水頭との差によって生じ、圧力平衡ライン内の流れが二相流になった後は、注入流量が振動的となった。著者らが改良を加えたRELAP5/MOD2コードを用いた解析により本実験の全体挙動は概ね良好に再現された。この解析によれば、注入流量の変動の原因は圧力平衡ライン内の保有水量の変動にある。
渡辺 正; M.Wang*; 久木田 豊
JAERI-M 93-039, 26 Pages, 1993/03
ROSA-IV/LSTFを用いて行われた蒸気発生器伝熱管損傷事象(SGTR)に関する安全解析の想定条件にほぼ沿った実験(実験番号SB-SG-07)の解析を、RELAP5/MOD2コードを用いて行い、SGTR事象に特徴的な現象に対するコードの予測性能の評価を行った。解析結果は実験における重要なパラメータの変化を良好に再現した。ただし、本解析では破断ライン内流体初期温度をホットレグ流体温度より低く設定したところ、破断流量は破断直後やや過大評価された。また、加圧器逃し弁(PORV)開による1次系減圧時の加圧器水位の上昇は過小評価され、PORV閉後の1次系圧力上昇は過大評価された。RELAP5/MOD2を用いたSGTR事象解析によって、水平層状流の判定基準、垂直層状流の界面熱伝達モデルなどの問題点が明らかとなった。
渡辺 正; 久木田 豊
JAERI-M 93-008, 23 Pages, 1993/02
ROSA-IV計画/LSTF装置を用いて行われた美浜2号機蒸気発生器伝熱管損傷事象(SGTR)模擬実験(実験番号SB-SG-06)の解析をRELAP5/MOD2コードを用いて行った。本解析の目的は、SGTR実験解析に対する計算コード、及び入力データの評価を行い、SGTR事象に特徴的な現象に対するコードの予測性能の確認を行うことである。解析の結果、破断流量、1次系圧力、流体温度、自然循環流量等は非常に良く再現されたが、蒸気発生器(SG)2次側の水位、及び破断側SG2次側の圧力上昇が過大評価された。また、加圧器水位喪失後に加圧器内の蒸気がホットレグに進入する現象は解析でも見られたものの、ホットレグのボイド率は過小評価された。これらの結果をとおして垂直層状流モデル、及び水平層状流判定条件の問題点について議論した。
浅香 英明; 久木田 豊
Proc. of the 6th Int. Topical Meeting on Nuclear Reactor Thermal Hydraulics,Vol. 2, p.1361 - 1367, 1993/00
ROSA-IV/LSTF装置を用いて0.5%小破断冷却材喪失事故(LOCA)時及び全給水喪失(LOFW)事故時における1次系フィードアンドブリード実験が行われた。LOCAのケースでは高圧注入系と補助給水系の故障を仮定している。いづれのケースでも事故途中に運転員が手動で加圧器逃がし弁(PORV)を全開(bleed)することにより1次系の減圧を行いECC水の注入(feed)を促進した。その結果、1次系圧力は速かに低下し蓄圧注入系からサブクール水が注入された。また、PORV開後ホットレグから加圧器内へ多量の水が流入し、加圧器水位は高く維持された。このような過渡変化中の1次系内質量とエネルギーのバランスについても論じられている。RELAP5/MOD2(原研改良版)による解析で実験で見られたシステム熱水力挙動が良好に再現された。これらの実験と解析を通じて1次系フィードアンドブリード運転の有効性が示された。
渡辺 正; 久木田 豊
Proc. of the 6th Int. Topical Meeting on Nuclear Reactor Thermal Hydraulics,Vol. 2, p.1232 - 1239, 1993/00
加圧水型原子炉(PWR)の全電源喪失/給水喪失(TMLB)時に1次冷却材ポンプのシール部から冷却材の漏洩が起こると、TMLBシナリオで想定される過渡変化中の冷却材の分布及び流動状態が変化する。そこで、ROSA-IV/LSTF装置を用いてTMLB時のポンプシール破損模擬実験を行い(TR-LF-06)1次系の熱水力的挙動について調べ、さらにRELAP5/MOD3及びMOD2を用いて解析を行いコードの比較、評価を行った。実験ではTMLB時の6000秒の時点でのポンプシール破損を0.1%コールドレグ破断により模擬した。破断後、1次系圧の一時的な低下とホットレグの飽和、自然循環の停止、模擬燃料温度の一時的上昇とループシールクリアリング等が観察され、ホットレグを通る蒸気流動が継続することが確認された。本実験は両コードにより良好に再現されたが、MOD3ではSG初期水位を実験値より低く設定する必要があった。
渡辺 正; 久木田 豊
Best Estimate Safety Analysis, p.1 - 7, 1992/00
ROSA-IV/LSTFを用いて行われた美浜2号機蒸気発生器伝熱管損傷事象(SGTR)模擬実験の解析を、現象の理解及び計算コードの評価のため、RELAP5/MOD2を用いて実施した。初期定常状態、及び運転操作条件は実験と同一とした。破断流の計算にはコード内蔵の臨界流モデルを用い、放出係数は1.0とした。破断流量、及び一次系圧力は実験結果と良く一致し、原子炉トリップ、SI信号発信のタンミングは良好に計算された。そのため、ポンプトリップ、及びECCS作動のタイミングは実験とよく一致した。過渡変化中に一次系内で沸騰は計算されなかった。感度計算により、SGTR実験は加圧器の位置(健全側ループにあるか破断側ループにあるか)にはほとんど影響されないことが示された。加圧器の影響は、高温の水及び蒸気の流出によるホットレグへの気泡の混入、及び冷却水の温度上昇であることが明らかとなった。
中村 秀夫; 安濃田 良成; 久木田 豊
Proc. of the Int. Topical Meeting on Safety of Thermal Reactors, p.497 - 503, 1991/00
ROSA-IV/LSTFを用いて、原子炉停止後のミッドループオペレーション(1次系水位を低下させて各種メインテナンス作業)実施中の余熱除去(RHR)喪失事象を模擬した実験を実施した。ここでは、開口部やレグ閉鎖部の位置、蒸気発生器(SG)2次系冷却材の有無をパラメータとした3例の実験結果についてまとめた。実験では、いずれも炉心が沸騰して1次系が加圧され、その後連続的に、炉心露出を伴うループシール解除や長期間の炉心ボイルオフ等が観察された。その際2次系冷却材は、沸騰する炉心で生じる蒸気のSG細管内での蒸気凝縮を促進し、1次系冷却材の保持および圧力昇速度低下に有効となることが観察されたが、同時に事象発生時に1次系気相部を満たしていた非凝縮性ガス(空気)が、SG細管内での蒸気凝縮を強く防げる効果が有ることがわかった。
渡辺 正; 久木田 豊; 間庭 正樹*
Proc. of the Int. Topical Meeting on Safety of Thermal Reactors, p.349 - 357, 1991/00
コード解析における入力モデル作成時のユーザーの様々な選択が解析結果に及ぼす影響について調べた。小破断LOCA解析の一例としてROSA-IV/LSTFの5%コールドレグ破断実験を、RELAP5/MOD2コードを用いて解析した。炉心と蒸気発生器上昇流側のモデル化、及び破断流のオプションが結果に大きく影響することが示された。これらは解析対象となる物理現象が複雑である場合に、流動様式の変化、或いは相間まさつの評価等のコードの特性が入力モデルによって強調されて現れることが確認された。このようなユーザー効果を少くするためには、計算結果に対する工学的な判断、コード使用上の適切なガイドライン、感度計算の実施等が必要であると結論された。
浅香 英明; 久木田 豊; 与能本 泰介; 小泉 安郎; 田坂 完二
Experimental Thermal and Fluid Science, 3, p.588 - 596, 1990/00
被引用回数:18 パーセンタイル:76.01(Thermodynamics)LSTFによる0.5%コールドレグ破断向き効果実験(横向き、下向き及び上向き)の結果と本実験をRELAP5/MOD2コードを用いて解析した結果の報告である。実験から、破断向きの相違による一次系内熱水力挙動の相違は小さいことが判った。しかしながら、(二相)破断流量は、下向きの場合よりも横向きの方が大きくなるという興味深い結果が得られた。RELAP5原型版では破断流量の予測性能が不充分であったため、計算された一次系内の熱水力挙動は、実験結果と大きく異なった。同コードの臨界流モデル及び破断口における水/蒸気エントレインメントモデルを改良することにより、予測性能が著しく改善され、破断向きの相違による破断流の相違を定量的に予測することに成功した。本改良コードを用いた解析を通じて、横向きと下向きにおける破断流量の相違は、水位振動に伴う破断流量(クオリティ)の非線形振動に起因することを示した。
浅香 英明; 田坂 完二; 小泉 安郎*; 久木田 豊; 与能本 泰介
Proc. of the 4th Int. Topical Meeting on Nuclear Reactor Thermal-Hydraulics, Vol. 1, p.206 - 213, 1989/10
LSTFによる0.5%コールドレグ破断向き効果実験(横向き、下向き及び上向き)の結果と本実験をRELAP5/MOD2コードを用いて解析した結果の報告である。実験から、破断向きの相違による一次系内熱水力挙動の相違は小さいことが判った。しかしながら、(二相)破断流量は、下向きの場合よりも横向きの方が大きくなるという興味深い結果が得られた。RELAP5原型版では破断流量の予測が不充分であったため、計算された一次系内の熱水力挙動は、実験結果と大きく異なった。同コードの臨界流モデル及び破断口における水/蒸気エントレイメントモデルを改良することにより、予測性能が著しく改善され、破断向きの相違による破断流の相違を定量的に予測することに成功した。本改良コードを用いた解析を通じて、横向きと下向きにおける破断流量の相違は、水位振動に伴う破断流量(orクオリティ)の非線形振動に起因することを示した。