Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
2D/3D解析グループ
JAERI 1336, 362 Pages, 1995/09
2D/3D計画は、PWRの大破断LOCA時の熱水力挙動の解明を目的として、日・米・独の国際協力の基で実施された。日本は、大規模試験装置(CCTF及びCSTF)により、再冠水挙動の解明を分担した。ドイツは、更に大規模な試験装置(UPTF)により、再冠水挙動に及ぼす装置規模の影響の解明を分担した。米国は、それぞれの試験装置へ新型二相流計測機器を貸与するとともに、解析コードTRACの予測性能の評価を分担した。本報告書は、2D/3D計画において各国が得た試験結果、及びコード評価結果に基づき、再冠水挙動を左右すると考えられる重要な熱水力的素現象についての評価結果をまとめたものである。本報告書では、特に、PWRの安全性と観点から重要な熱水力的素現象を対象とし、三国の討論の結果に基づいて記述された。
2D/3D解析グループ
JAERI 1335, 376 Pages, 1995/09
2D/3D計画は、PWRの大破断LOCA時の熱水力挙動の解明を目的として、日・米・独の国際協力の基で実施された。日本は、大規模試験装置(CCTF及びSCTF)により、再冠水挙動の解明を分担した。ドイツは、更に大規模な試験装置(UPTF)により、再冠水挙動に及ぼす装置規模の影響の解明を分担した。米国は、それぞれの試験装置へ新型二相流計測機器を貸与するとともに、解析コードTRACの予測性能の評価を分担した。本報告書は、2D/3D計画に基づき各国が得た試験結果、及びコード評価結果等を概観したものであり、三国の協力で作成された。本計画の成果に関するより詳細な報告書は、各国で個別に作成されている。
秋本 肇; 大貫 晃; 村尾 良夫
Validation of Systems Transients Analysis Codes (FED-Vol. 223), 0, 8 Pages, 1995/00
REFLA/TRACコードは、軽水炉の仮想事故時の熱水力挙動の最適予測のために原研で開発を進めている解析コードである。本報告は、加圧水型原子炉の大破断冷却材喪失事故再冠水時の熱水力挙動を対象として、REFLA/TRACコードの予測性能を評価した結果をまとめたものである。小型再冠水試験、平板炉心試験及び円筒炉心試験の試験データを用いて系統的な評価計算を行った。計算結果と試験結果を比較し、スケール効果、被覆管材質、集合体形状、系圧力・炉心圧力・冠水速度等のパラメータ効果を妥当に再現でき、加圧水型原子炉の安全評価上最も重要なパラメータである被覆管最高温度を50Kの誤差範囲で予測できることを確認した。一連の評価により、REFLA/TRACコードは加圧水型原子炉の再冠水時熱水力挙動を精度よく予測できることを検証できた。
井口 正; 榊 勲*; 岩村 公道; 秋本 肇; 大久保 努; 大貫 晃; 安達 公道*; 村尾 良夫
JAERI-M 91-172, 154 Pages, 1991/10
複合注水型ECCSを備えたPWRのLOCA時に重要な、炉心と上部プレナムとの境界における対向流制御(CCFL)現象を解明するために、平板第3次試験装置(SCTF-III)により試験を行った。試験では炉心に蒸気を注入して上昇蒸気流を形成し、上部プレナムに注水してCCFLを起こさせた。試験の結果、大規模の実半径炉心では、上部プレナムから炉心への落水は一様ではなく局所的に生じ、他の領域を蒸気が集中して上昇することが分かった。また、落水は上部プレナム内の水温の低い位置で生じ、落水面積は蒸気流量の減少に伴い増加した。典型的なPWRの条件に対しては、落水面積比は約20%だった。このときの落水流量は、小規模試験結果と同様に低水温ほどまた小蒸気流量ほど増加するものの、その値は落水と上昇蒸気の領域分離のため小規模試験結果からの予測値に比べて約10倍になることが分かった。
大久保 努; 井口 正; 岩村 公道; 秋本 肇; 大貫 晃; 阿部 豊; 安達 公道*; 村尾 良夫
JAERI-M 91-104, 108 Pages, 1991/07
複合注水型緊急炉心冷却系(ECCS)を備えたドイツ型加圧水型原子炉に於ける冷却材喪失事故時の再冠水過程中に、ホットレグに注入されたECC水が各ループから交互に上部プレナムに供給される場合に於けるブレークスルー及び炉心冷却挙動を平板炉心試験装置(SCTF)第3次炉心を用いて検討した。本試験では、サブクールECC水をバンドル7と8及びバンドル3と4の上方の上部炉心板直上に交互に供給した。試験データの検討から、(1)1つの期間を除いて、交互に行われたECC水の供給と呼応してブレークスルーが2ヶ所で交互に発生した。(2)クエンチ時期の近くを除いて、炉心の冷却はECC水の供給が連続的又は間欠的な場合とほぼ同じであった。(3)クエンチ時期の近くでは、ECC水の供給が連続的又は間欠的な場合と比較して炉心冷却がやや劣化していた。等の点が明らかとなった。
岩村 公道; 刑部 真弘*; 数土 幸夫; 傍島 眞; 大貫 晃; 阿部 豊; 安達 公道*; 村尾 良夫
JAERI-M 91-093, 89 Pages, 1991/06
PWR大破断LOCA時再冠水過程の熱水力学的挙動に及ぼす半径方向出力分布の効果を、平板炉心試験装置(SCTF)を用いて調べた。実際のPWRでは周辺バンドルでは中心バンドルよりも出力が低くなっているので、半径方向出力分布に起因するいわゆるチムニー効果のため、高出力バンドルでの冷却を促進することが期待される。SCTFはPWRの半径方向長さを模擬しており、半径方向出力分布効果が調べられる。SCTF第1次炉心における4種類の強制注入試験(S1-01,S1-06,S1-08,S1-11)の試験結果より、以下の点が明らかになった。1)半径方向出力分布により炉心内に二次元的な流れが生じた。横流れの方向はクエントフロント上方では中心の高出力部より周辺の低出力部に向い、クエントフロントの下方では横流れ方向が逆転した。2)総出力が同一の場合の最高出力バンドルにおいては、より急峻な出力分布の方が平坦出力分布の場合より熱伝達率は大きくなる。
大貫 晃; 安達 公道*; 岩村 公道; 井口 正; 阿部 豊; 村尾 良夫
JAERI-M 91-033, 68 Pages, 1991/03
平板炉心試験装置(SCTF)を使った今までの実験的研究により、PWR-LOCA時再冠水過程における高出力バンドルでの熱伝達促進に対する物理的な機構として、高出力バンドルでの液上昇流量が低出力バンドルでのそれより高くなるという機構が考えられる。本報ではこの考えに基づく物理モデルを開発する一環として、半径方向出力分布による熱伝達促進の程度と液上昇流量の増加量との定量的な関係を評価した。評価方法としては、炉心内の二次元的な流動が無視できる半径方向の出力分布が平坦であり、LPCI期の流量の異なる二つの試験結果より熱伝達の増加の程度を評価し、以前に行った半径方向出力比の存在による熱伝達促進の程度とを比較する方法をとった。二つの試験の流量の比はほぼ2であった。この二つの試験での熱伝達率の増加の程度は、半径方向のピーク出力の比が1.065の場合の熱伝達促進の程度とほぼ同程度であることがわかった。
大貫 晃; 傍島 眞; 岩村 公道; 安達 公道*; 大久保 努; 阿部 豊; 村尾 良夫
JAERI-M 91-001, 125 Pages, 1991/02
平板炉心試験では、圧力や炉心入口サブクーリングといったパラメータの効果を調べる際、ECC水注入方法として強制冠水モードを採用している。これは、実炉でのコールドレグ注入の重力冠水モードではパラメータの変化により炉心境界条件が変化するためである。しかしながら、強制冠水モードのかたいシステムは圧力容器内の熱水力学的挙動に影響を及ぼすことが考えられ、強制冠水モードの妥当性を確かめる必要があった。そこで本報ではECC水注入モードの違いによる効果を、重力冠水試験及び強制冠水試験のデータの比較及びREFLAコードによる解析により明らかにした。主な結論として、炉心境界条件が両注入モードで同等であれば、モードの違いは2次元挙動を含む圧力容器内の熱水力学的挙動に影響しないことがわかった。
大貫 晃; 岩村 公道; 阿部 豊; 安達 公道*; 村尾 良夫
JAERI-M 90-236, 76 Pages, 1991/01
PWR-LOCA時再冠水過程での炉心入口サブクール度は、コールドレグでの凝縮の程度、ダウンカマ壁からの入熱の程度及び下部プレナム残存水の水温の違いにより影響をうけ、サブクール度の違いが圧力容器内における二次元挙動を含む熱水力学的挙動に影響を及ぼすことが考えられる。本報告書では、SCTF第2次炉心重力冠水試験の結果を用い、圧力容器内における二次元挙動を含む熱水力学的挙動に対する炉心入口サブクール度の違いの効果を調べた。主な結論として、(1)サブクール度が高いほど、炉心内や上部プレナム内の蓄水量は多くなり、炉心冷却は促進された。この傾向はクエンチ速度の違い及び発生蒸気量の違いにより説明できる。(2)圧力容器内における二次元熱水力学挙動(ボイド率や熱伝達率の半径方向の差等)に及ぼすサブクール度の違いの効果はほとんどなかった。
安達 公道*; 岩村 公道; 傍島 眞; 大貫 晃; 阿部 豊; 村尾 良夫
JAERI-M 90-130, 77 Pages, 1990/08
平板炉心試験装置(SCTF)は、PWR-LOCA時の、主として再冠水過程における炉心内の2次元的な熱水力学的挙動を解明することを目的として建設された。SCTF試験計画では3体の模擬炉心を使用する予定であり、それぞれの炉心の設計が少しづつ異なるので、異なる炉心を用いて得た試験データを直接比較して良いかどうかを再現性試験によって明らかにしておく必要がある。本報では、共に強制冠水条件下で行われた、第2次炉心使用の試験S2-13(Run618)と第1次炉心使用の試験S1-05(Run511)とのデータの比較を行なった。システムの熱水力学的挙動においても、炉心の2次元挙動においても、これらの2つの試験はきわめて類似のものであった。しかし、被覆管温度が最高値に達した後の時間帯において、上部プレナムの蓄水挙動や、炉心下部から上方へのクエンチフロントの進行状況等の2次元的な炉心冷却挙動に有意な違いが見られた。
安達 公道; 岩村 公道; 傍島 眞; 刑部 真弘; 大貫 晃; 阿部 豊; 村尾 良夫
JAERI-M 90-129, 179 Pages, 1990/08
本報告書では、一定系圧力条件下で行われた平板炉心試験装置(SCTF)第1次炉心コールドレグ注入再冠水試験S1-14(Run520)、S1-15(521)、S1-16(522)、S1-17(523)、S1-20(530)、S1-21(531)、S1-23(536)、S1-24(537)において観察されたシステム挙動について紹介する。主な検討項目は、(1)蒸気バインィディング、(2)U字管振動、(3)ECC水のバイパス、(4)炉心冷却挙動、(5)ベント弁の効果、および(6)試験パラメータの影響である。ここに紹介する結果は、再冠水挙動について極めて有用な情報や示唆を与えるものである。
秋本 肇; 阿部 豊; 大貫 晃; 村尾 良夫
JAERI-M 90-122, 36 Pages, 1990/08
TRAC-PF1/MOD2コードでは、燃料棒内の温度分布計算のために、2次元非定常熱伝導方程式が差分法により解かれる。差分法として一部に陽解法が用いられているため、小さなノード分割を用いる計算では、安定な解を得るためには小さなタイムステップサイズを用いる必要があり、多大な計算時間を必要としていた。大きなタイムステップサイズでも安定に計算できるようにするために、二次元非定常熱伝導方程式の陰解法ルーチンを、TRAC-PF1/MOD2コードに組み込んだ。陰解放ルーチンを組み込んだ修正版とオリジナル版を用い評価計算を行なった。解析解並びにオリジナルのTRAC-PF1/MOD2コードの結果との比較により、今回整備した陰解法ルーチンが信頼できるものであり、TRAC-PF1/MOD2コードに正しく組み込まれていることを確認した。陰解法ルーチンの組み込みにより、ノード分割が0.1mm以下にしても効率よく燃料棒内の温度分布を計算できようになった。
安達 公道; 岩村 公道; 傍島 眞; 大貫 晃; 阿部 豊; 大久保 努; 村尾 良夫
JAERI-M 90-107, 146 Pages, 1990/07
平板炉心試験装置(SCTF)第1次炉心コールドレグ注入試験シリーズにおいては、蓄圧注入系注入期間中およびその後のある時間にわたって、炉心とダウンカマの間でU字管振動が観察された。また、同時期に、非常に良好な炉心冷却が観察された。これら2種類の現象の間には、何らかの関連があるものと思われる。U字管振動は、蓄圧注入から低圧注入への切換え時における炉心条件に大きな不確実性を与える。この切り換え時炉心条件は、炉心2次元熱水力挙動が主として発達する低圧注入期間に対する初期条件となるものであるから、平板2次炉心コールドレグ注入パラメトリック試験の主要な試験からは、上記U字管振動を除去することが望ましい。そこで、検収試験S2-AC1(Run 601)、S2-AC2(Run 602)及びS2-AC3(603)を実施することにより、U字管振動を除去する適当な試験手法を開発した。
秋本 肇; 岡部 一治*; 傍島 眞; 阿部 豊; 岩村 公道; 大貫 晃; 大久保 努; 安達 公道*; 村尾 良夫
JAERI-M 90-106, 101 Pages, 1990/07
被覆管初期温度が低い時の再冠水挙動を調べるために初期温度を573Kとした試験(試験名S2-09)を平板第2次炉心試験装置(SCTF)を用いて行なった。同試験では初期温度以外の条件は基準試験S2-SH1(初期温度1073K)と同一に設定した。両試験の比較検討の結果から、初期温度が低くなることにより、(1)炉心内の蒸気発生量及び一次系ループ差圧が小さくなること(2)ターンアラウンド温度は低く、温度上昇量は大きく、クエンチ速度は速くなること等がわかった。試験S2-09と同様に被覆管初期温度が低い条件で実施された円筒炉心試験装置(CCTF)による試験(試験名C2-12)では周期が50秒程度の流動振動が報告されている。試験S2-09では、初期温度が低い条件であったが、円筒炉心試験C2-12でみられたような流動振動はみられなかった。この相異は、CCTFと異なり、SCTFでは発熱源としての蒸気発生器が模擬されていないことに起因すると考えられる。
大久保 努; 傍島 眞; 岩村 公道; 大貫 晃; 阿部 豊; 安達 公道; 村尾 良夫
JAERI-M 90-083, 155 Pages, 1990/06
実機に対する流路面積の縮小割合は同じであるものの、実機の半径と同じ炉心幅を有するSCTFとその約4分の1の炉心半径を有するCCTFの間の炉心再冠水挙動の差および炉心の2次元的な熱水力学的挙動に与える炉心半径長さの効果を検討するため、数回のSCTF/CCTF対照試験を実施した。得られた主要な結果は以下の通りである。(1)SCTFとCCTFの間の試験条件と装置上の相違を考慮すれば、両試験に於ける再冠水挙動は類似のものであると考えられる。炉心の蓄水挙動の相違は炉心の実効流路面積の相違でほぼ説明できた。(2)炉心の半径長さがその2次元的な熱水力学的挙動に及ぼす効果は大きく、炉心半径の長い程顕著に現れる。(3)半径方向に大きな出力の変化がある場合には、その高出力側のバンドルでLPCI注水期に著しく熱伝達率が増加する。また、炉心の周辺領域では、同一のバンドル出力であるにも係わらず外周側のバンドル程熱伝達率の低減が大きい。
大久保 努; 井口 正; 岩村 公道; 秋本 肇; 大貫 晃; 阿部 豊; 榊 勲*; 安達 公道; 村尾 良夫
JAERI-M 90-080, 100 Pages, 1990/05
複合注水型ECCSを備えたPWRのLOCA時再冠水過程に、ホットレグに注入されたECC水が上部プレナムに間欠的に供給される場合のブレークスルー及び炉心冷却挙動をSCTF試験により検討した。本試験のデータを連続的なECC注水により実施した試験のデータも含めて検討して、以下の結論が得られた。(1)ブレークスルーは間欠的に発生し、間欠的なECC水の供給に即座に呼応して発生した。ブレークスルーの発生している期間には、ブレークスルー領域と非ブレークスルー領域で異なった二つの熱水力学的挙動が見られた。(2)ECC注水流量がほぼ零の期間には、炉心の水頭が減少し、この期間の炉心冷却を悪化させた。炉心水頭の減少の原因は、上部プレナムでの蒸気の凝縮の減少による健全ループ差圧の増加にあると考えられる。(3)炉心冷却挙動は、振動的であったものの連続的な注水を行なった場合とほぼ同じであった。
岩村 公道; 大貫 晃; 傍島 真; 安達 公道
JAERI-M 86-196, 97 Pages, 1987/01
平板炉心試験装置(SCTF)の再冠水試験において、半径方向出力分布効果と不均一上部プレナム蓄水効果に基づく炉心内2次元熱水力挙動が観察された。この2種類の効果が多次元解析コ-ドCOBRA/TRACで いかに表現されるかを調べる為の計算を行なった。その結果、半径方向出力が存在すると、高出力バンドルでの蒸気流量が増大する為、クエンチフロント上方における高出力バンドルでの熱伝達が促進される事が示された。また、不均一上部プレナム蓄水により、炉心内の水平方向圧力勾配により蒸気が中心バンドルに集中し、クエンチフロント上方での蒸気及び液滴の流量が周辺バンドル内で低下する為、同バンドル内での熱伝達が低下する事が示された。以上の2次元挙動計算結果はSCTFで観察された炉心熱伝達挙動と類似した傾向を示しており、SCTF試験における2次元効果のメカニズムを考察する上で有用である。
岩村 公道; 傍島 真; 大久保 努; 大貫 晃; 阿部 豊; 安達 公道
JAERI-M 86-195, 189 Pages, 1987/01
平板炉心試験計画の主目的は、PWR-LOCA時再冠水過程における炉心内2次元熱水力挙動を調べる事である。既に実施した平板炉心試験装置(SCTF)第2次炉心試験結果により、不均一半径方向出力分布が存在すると、高出力バンドルでは、熱伝達が促進され、低出力バンドルでは熱伝達が劣化する事が明かとなった。半径方向出力(Q)分布自体と半径方向温度(T)分布の効果を分離して評価する為、急峻Qかつ急峻T、平坦Qかつ平坦T、急峻Qかつ平坦T、及び平坦Qかつ急峻Tの4試験を実施した。本試験結果により、半径出力方向分布に付随して生じる半径方向温度分布が、再冠水初期の炉心内2次元熱水力挙動にとって重要な原因である事が明かとなった。
安達 公道; 岩村 公道; 大貫 晃; 秋本 肇; 傍島 真; 村尾 良夫
Proc.2nd Int.Topical Meeting on Nuclear Power Plant Thermal Hydraulics and Operations, p.2 - 104, 1986/00
平板炉心再冠水試験においては、半径の大きいPWR炉心における冷却材喪失事故時再冠水過程の2次元的な熱水力学的挙動について、実験的に研究している。2次元挙動のうち、炉心の最高到達温度の低減に最も寄与するのは半径方向の出力分布に基づく2次元的効果であるが、その物理的なメカニズムについては、不明な点が多い。本法ではこのメカニズムの解明に定性的に役立つ情報を得るために炉心冠水速度を変えた2回の実験、及び炉心初期温度を変えた2回の実験を行ない、そのデータを分析した結果を報告する。 これらの実験を通じて、クエンチフロント下で高出力バンドルへの流れの集中が起れば、熱伝達率に有意な量の向上が現れること、及び炉心の初期温度分布の影響のかなりの部分が温度そのものよりも流体挙動を介して熱伝達率に影響を与えることが明らかにされた。
岩村 公道; 安達 公道
Journal of Nuclear Science and Technology, 22(6), p.451 - 460, 1985/00
被引用回数:2 パーセンタイル:37.24(Nuclear Science & Technology)複合注入方式下でのPWR-LOCA時再冠水開始前後の炉心熱水力挙動を、PWRの半径を模擬した平板炉心試験装置(SCTF)を用いて3回の試験を行うことにより、実験的に調べた。ECC水は上部プレナムと健全コールドレグに同時に注入された。上部プレナム注入水のサブクール度と半径方向分布を試験パラメータとした。底からの再冠水開始前にフォールバック水により炉心は冷却された。しかしながら最終的なクエンチは底からの再冠水によりなされた。再冠水開始以前に下部プレナム水位は3つの場合で異なる挙動を示した。すなわち、下部プレナム水位が急速に増加する場合,ゆっくり増加する場合,および炉心バレル下端以下に留まる場合があった。サブクール水を大量に上部プレナムに注入し、下部プレナムから蒸気が流出する条件下でも、連続的なフォールバックは観察されず、サブクール水は蒸気上昇流により間欠的に支持された。