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永井 晴康
Journal of Applied Meteorology, 44(10), p.1574 - 1592, 2005/10
大気-土壌-植生モデルSOLVEGへのCO交換過程の導入及びその感度解析と気孔抵抗計算が冬小麦畑における潜熱フラックスに及ぼす影響の考察について記述する。大気と地表面間の熱及び水交換に関するモデル構成の妥当性は、先の論文(Nagai:2002, 2003)において確認された。本研究では、CO交換過程をモデルに導入し、その性能評価を行った。試験計算において、モデルは地上2mのCOフラックス測定値を良好に再現した。モデル設定及びパラメータの不確実さを明確にするための感度解析においては、土壌中のCO生成がCO計算に最も重要であることがわかった。また、CO計算過程が潜熱フラックス計算へ及ぼす影響の考察も行った。その結果、新しいモデルは、地表面におけるCO交換だけでなく熱及び水交換の研究に対しても有効であることが示された。
永井 晴康
RIST News, (39), p.10 - 22, 2005/03
大気と陸面間の熱,水及びCO交換を研究するために、新しい大気-土壌-植生モデルSOLVEG2(SOLVEGバージョン2)の開発を行った。モデルは、大気,土壌,植生それぞれについての1次元多層サブモデルからなる。また、モデルは、植生層内の日射及び長波放射の伝達、及び大気,土壌,植生間のCO交換を計算する精緻な過程も含んでいる。本モデルは、通常の使用では気象データを上部境界条件として接地層大気,土壌及び植生層変数の鉛直分布を計算するだけであるが、3次元の大気モデルと結合して計算を行う機能も有する。
永井 晴康
JAERI-Data/Code 2004-014, 92 Pages, 2004/11
大気と陸面間の熱,水及びCO交換を研究するために、新しい大気-土壌-植生モデルSOLVEG2(SOLVEGバージョン2)の開発を行った。モデルは、大気,土壌,植生それぞれについての1次元多層サブモデルからなる。また、モデルは、植生層内の日射及び長波放射の伝達、及び大気,土壌,植生間のCO交換を計算する精緻な過程も含んでいる。本モデルは、3次元の大気モデルと結合して計算を行う機能も有する。本報告は、大気モデルMM5との結合機能も含めて、SOLVEG2の詳細を記述する。
永井 晴康
JAERI-Data/Code 2003-021, 36 Pages, 2003/12
地表付近の熱,水及び物質交換の研究に適用する目的で、大気-陸面結合モデルの開発を行っており、並列計算通信ライブラリMPI(Message Passing Interface)を用いたモデル結合手法を考案した。大気モデルにはペンシルバニア州立大学と米国大気研究センターが開発したメソスケール非静力大気モデル(PSU/NCAR-MM5)を、陸面モデルには原研で開発した接地層大気,土壌及び植生を含む詳細なモデル(SOLVEG)を用いた。また、MPIとしては、原研で開発した異機種並列計算機間通信ライブラリ(Stampi)を用いた。各モデルの独立した平行計算において、それぞれの計算結果をMPIにより交換し合うことにより結合を行う。
永井 晴康
Journal of Applied Meteorology, 42(3), p.434 - 451, 2003/03
大気-土壌-植生モデルの改良と観測値によるモデルの妥当性評価について記述する。先の測定値を用いた性能評価試験において、モデルの植生層放射伝達と気孔抵抗計算法に適用限界が認められたため、本研究においてそれらを改良した。改良により、アルベド及び潜熱フラックスの観測値を以前より良好に再現することができるようになった。冬小麦畑及び草原の観測と計算値の比較結果から、新しい手法の導入によりモデルの予測精度及び適用性が向上したことが示された。
山澤 弘実
KURRI-KR-61, p.100 - 105, 2000/00
大気-地表面間でのHTO移行の数値実験のためのモデル及び大気モデルの地表面モジュールの二つの目的で、地表面の数値モデルを開発した。1次元多層モデルで、土壌水分、温度、HTO濃度等を地上気象データを入力として予報的に求める。このモデルを用いて、土壌中のHTO移行の素過程である気相拡散、液相拡散、移流、分散の相対的重要性と降水等の外的条件、土壌種類及び時間スケールとの関連を調べた。その結果、各素過程の相対的重要性は、着目する時間スケールによって大きく異なることが示された。例えば、気相及び液相拡散は数ヶ月以下の短い時間スケールに比べ1年以上の長い時間スケールで重要な過程であることが示された。
Held, A.*; 堅田 元喜
no journal, ,
葉の湿り度は、植物と大気の間の交換過程の気象学・農学・環境学の重要な要素である。葉表面の水膜は大気物質の化学反応体として機能し、水溶性の物質がその水膜に容易に吸収される。本研究では、オウシュウトウヒの葉に直接設置したセンサーを用いた葉の湿り度観測と、葉洗浄法による無機イオンの沈着量の推定を行った。観測はバイロイト大学の保有する生態学研究サイトで実施した。葉の湿り度を支配する重要な気象要素(相対湿度・風速)と葉の湿り度の観測結果を比較した。さらに、多層大気-植生-土壌モデルSOLVEGを用いて葉の湿り度の再現計算を試みた。本研究を通じて、葉の湿り度が植生と大気の間の水交換や植生への大気沈着などの多様な現象に影響するものであり、学際的なプロジェクトで研究を進めるべきテーマであることが示された。