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崔 炳賢; 西田 明美; Li, Y.; 高田 毅士
Earthquake Engineering and Resilience (Internet), 1(4), p.427 - 439, 2022/12
本研究では、原子力施設の確率論的地震リスク評価の信頼性向上に資するため、原子炉建屋の地震フラジリティ評価における認識論的不確実さの定量化を目的としている。従来、原子炉建屋の地震フラジリティ評価では、簡易な質点系モデルが用いられているが、より現実的な応答との違いを把握するため、原子炉建屋の3次元詳細モデルによる地震応答解析を実施し、得られた建屋の壁および床の応答を現実的応答と仮定して、質点系モデルの認識論的不確実さとして評価を試みた。得られた認識論的不確実さ結果は、上層階程大きくなる傾向があり、重要機器が設置される地下階では、地下3階で0.1程度、地下1階で0.20.35程度であった。この認識論的不確実さを従来の質点系モデルに反映することにより、3次元効果を考慮したより現実的なフラジリティ評価が期待される。
孫 昊旻; Leblois, Y.*; Gelain, T.*; Porcheron, E.*
Journal of Nuclear Science and Technology, 59(11), p.1356 - 1369, 2022/11
被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Nuclear Science & Technology)PWRのシビアアクシデントシナリオにおいて、格納容器内エアロゾル状放射性物質の除去・保持のために、格納容器スプレイを用いることができる。そのために、高精度な除去効率の予測は安全評価上重要である。PWRの格納容器スプレイでは、84%-95%と高いスプレイカバー率が要求されるのに対して、既往研究では、そのような高いカバー率におけるエアロゾル除去実験はかなり限られている。本論文では、カバー率に着目し、スプレイによるエアロゾル除去現象の理解と除去効率評価モデル高度化のために、大型容器において実機相当のカバー率を有する体系のエアロゾル除去実験を実施し、詳細なエアロゾルと液滴特性の計測結果から除去特性を調査した。また、MELCORの除去モデルと実験結果を比較し、粒子径に対する除去効率の傾向が再現でき、大きい粒子径に対して過小評価となるものの、最小除去効率を有する小さい粒子径(0.52
m)において良好な一致が得られることを示した。
廃炉環境国際共同研究センター; 東京大学*
JAEA-Review 2022-010, 155 Pages, 2022/06
日本原子力研究開発機構(JAEA)廃炉環境国際共同研究センター(CLADS)では、令和2年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業(以下、「本事業」という)を実施している。本事業は、東京電力ホールディングス株式会社福島第一原子力発電所の廃炉等をはじめとした原子力分野の課題解決に貢献するため、国内外の英知を結集し、様々な分野の知見や経験を、従前の機関や分野の壁を越えて緊密に融合・連携させた基礎的・基盤的研究及び人材育成を推進することを目的としている。平成30年度の新規採択課題から実施主体を文部科学省からJAEAに移行することで、JAEAとアカデミアとの連携を強化し、廃炉に資する中長期的な研究開発・人材育成をより安定的かつ継続的に実施する体制を構築した。本研究は、研究課題のうち、平成30年度に採択された「燃料デブリ取出し時における放射性核種飛散防止技術の開発」の平成30年度から令和3年度の研究成果について取りまとめたものである(令和3年度まで契約延長)。本課題は令和3年度が最終年度となるため4年度分の成果を取りまとめた。本研究は、東京電力ホールディングス株式会社福島第一原子力発電所の燃料デブリ取出し時に発生する放射性微粒子を着実に閉じ込めるために、気相及び液相における微粒子の挙動を明らかにするとともに、微粒子飛散防止技術を開発することを目的としている。具体的には、微粒子飛散防止技術として、(1)スプレー水等を利用して最小限の水で微粒子飛散を抑制する方法、及び(2)燃料デブリを固化して取り出すことで微粒子飛散を抑制する方法について、実験及びシミュレーションにより評価し、実機適用可能性を評価した。
廃炉環境国際共同研究センター; 東京大学*
JAEA-Review 2020-043, 116 Pages, 2021/01
日本原子力研究開発機構(JAEA)廃炉環境国際共同研究センター(CLADS)では、令和元年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業(以下、「本事業」という)を実施している。本事業は、東京電力ホールディングス福島第一原子力発電所の廃炉等をはじめとした原子力分野の課題解決に貢献するため、国内外の英知を結集し、様々な分野の知見や経験を、従前の機関や分野の壁を越えて緊密に融合・連携させた基礎的・基盤的研究及び人材育成を推進することを目的としている。平成30年度の新規採択課題から実施主体を文部科学省からJAEAに移行することで、JAEAとアカデミアとの連携を強化し、廃炉に資する中長期的な研究開発・人材育成をより安定的かつ継続的に実施する体制を構築した。本研究は、研究課題のうち、平成30年度に採択された「燃料デブリ取出し時における放射性核種飛散防止技術の開発」の令和元年度の研究成果について取りまとめたものである。本研究は、微粒子飛散を効果的に抑制する技術を開発しており、実験の結果、水ミストを使ってスプレイする方法がエアロゾル除去効率と除去率を改善する上で効果的かつ適用可能な手法であることが分かった。また燃料デブリを固めて切断時に微粒子飛散を抑制する手法として、ジオポリマーによる固化手法に注目し、同材の強度、熱伝導率や切断粉の特徴を把握するとともに、RPV施工時における温度分布や流動に関するシミュレーションを実施した。
崔 炳賢; 西田 明美; 村松 健*; 糸井 達也*; 高田 毅士*
Proceedings of 2020 International Conference on Nuclear Engineering (ICONE 2020) (Internet), 5 Pages, 2020/08
2011年福島原子力発電所事故の後、設計を超える地震動に対する原子力施設の耐震規制が強化されている。そこで、確率論的地震リスク評価(SPRA)が注目されている。不確実さの定量化は、原子炉建屋のフラジリティ評価において非常に重要な問題である。本研究では、低減可能な認識論的不確実さに焦点を当て、原子炉建屋のモデル化手法の違いによる地震応答結果への影響を明らかにすることを目的としている。まず、原子炉建屋は、従来の質点系(SR)モデルと3次元詳細(3D FE)モデルの2種類のモデル化手法によるモデルを用いる。入力地震動として、不確実さを有する震源断層モデルによって生成された200種類の地震波を用いた。不確実さの定量化のために、各入力地震動に対して、2種類のモデル化手法による建屋応答への影響を統計的に分析し、異なるモデル化手法による建屋応答への不確実さを定量的に評価した。特にモデル化手法の違いは、床と壁の開口部近傍で明確に表れた。また、地震応答解析における3次元効果について得られた知見を報告する。
廃炉国際共同研究センター; 東京大学*
JAEA-Review 2019-037, 90 Pages, 2020/03
日本原子力研究開発機構(JAEA)廃炉国際共同研究センター(CLADS)では、平成30年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業(以下、「本事業」という)を実施している。本事業は、東京電力ホールディングス福島第一原子力発電所の廃炉等をはじめとした原子力分野の課題解決に貢献するため、国内外の英知を結集し、様々な分野の知見や経験を、従前の機関や分野の壁を越えて緊密に融合・連携させた基礎的・基盤的研究及び人材育成を推進することを目的としている。平成30年度の新規採択課題から実施主体を文部科学省からJAEAに移行することで、JAEAとアカデミアとの連携を強化し、廃炉に資する中長期的な研究開発・人材育成をより安定的かつ継続的に実施する体制を構築した。本研究は、研究課題のうち、平成30年度「燃料デブリ取出し時における放射性核種飛散防止技術の開発」について取りまとめたものである。本研究は、福島第一原子力発電所の燃料デブリ取り出し時の放射性微粒子閉じ込めを着実に行うため、気相及び液相における微粒子の挙動を把握するとともに、飛散防止対策として(1)水スプレー等を活用し、極力少量の水で飛散を抑制する方法、(2)燃料デブリを固めて取り出すことで飛散を抑制する方法について実験及びシミュレーションによる評価、開発を行う。
崔 炳賢; 西田 明美; 村松 健*; 高田 毅士*
日本地震工学会論文集(インターネット), 20(2), p.2_1 - 2_16, 2020/02
本研究では、原子力施設の確率論的地震リスク評価の信頼性向上に資するため、原子炉建屋の地震応答解析結果におけるモデル化手法の違いによる影響を評価し、フラジリティ評価における認識論的不確実さを定量化することを目的としている。入力地震動として、偶然的不確実さを考慮するため、ハザード適合地震波を用いた。現実的な応答を得るため、原子炉建屋の3次元詳細モデルによる地震応答解析を実施し、建屋の壁および床の最大加速度について、中央値と対数標準偏差により統計的評価を行った。本研究により、建屋の上層部や床の開口部周辺において面外変形などの3次元効果が現れることが分かった。
崔 炳賢; 西田 明美; Li, Y.; 村松 健*; 高田 毅士*
Proceedings of 26th International Conference on Nuclear Engineering (ICONE-26) (Internet), 9 Pages, 2018/07
2011年福島原子力発電所事故の後、原子力施設では設計を超える地震動への対策が求められている。確率論的地震リスク評価(SPRA)における不確実さは、低減できない偶然的不確実さと知識や情報収集によって低減可能な認識論的不確実さに分類される。SPRAの信頼度向上のために、知識不足による認識論的不確実さを低減することが必要である。本研究では、認識論的不確実さに関連し、モデル化手法による地震応答の違いに着目する。従来の質点系モデルと3次元有限要素モデルの2種類のモデルを用いて、偶然的不確実さを考慮した多様な入力地震動を用いた地震応答解析を実施する。各モデルで得られた原子炉建屋の床応答の違いについて定量的評価を行う。最後に、SPRAのフラジリティ評価において不確実さ評価結果をどのように活用するかについて議論する。
崔 炳賢; 西田 明美; 村松 健*; 高田 毅士*
Proceedings of 12th International Conference on Structural Safety & Reliability (ICOSSAR 2017) (USB Flash Drive), p.2206 - 2213, 2017/08
本稿では、モデル化手法の違いが原子力施設の地震応答解析結果のばらつきに与える影響を明らかにするため、多様な模擬入力地震動を用いた地震応答解析を実施し、応答のばらつきの統計的分析を行った。特に、建屋せん断壁の最大加速度応答に着目し、モデル化手法による応答結果への影響、応答のばらつき要因について分析を行い、得られた知見について報告する。
小沢 和巳; 谷川 博康; 森貞 好昭*; 藤井 英俊*
Fusion Engineering and Design, 98-99, p.2054 - 2057, 2015/10
被引用回数:1 パーセンタイル:10.17(Nuclear Science & Technology)低放射化フェライト鋼(F82H)は先進核融合炉の構造材料候補である。第一壁ならびにダイバータではプラズマスパッタ抑制のため、タングステン被膜が必須とされている。F82H鋼に、真空プラズマ溶射法でタングステン(W)を皮膜し、その後摩擦攪拌処理(FSP)にて強化した試料に対しイオン照射実験を実施し、WとF82Hの各要素のイオン照射後の硬さと微細組織に及ぼす細粒化の影響を調べた。これまでの結果からは、800C、5.4dpaでイオン照射したFSP-W皮膜の顕著な照射硬化は認められていない。
金成 守康; 阿部 哲也; 古作 泰雄; 丹澤 貞光; 廣木 成治
日本原子力学会誌, 43(12), p.1228 - 1234, 2001/12
被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Nuclear Science & Technology)プラズマ溶射法によってステンレス鋼基材表面に析出させたアルミナ電気絶縁膜の繰り返し衝撃力に対する電気絶縁破壊耐久特性を実験的に調べた。衝撃試験は、アルミナ膜同士及びアルミナ膜とステンレス鋼基材の2種類の組み合わせについて行い、それぞれの組み合わせに対して、平均衝撃圧力,640,1,130及び2,550MPaを印加した。衝撃試験中に行った耐電圧測定から、アルミナ膜同士の衝突における衝撃耐久性は平均衝撃圧力640MPaで76,000サイクルを示し、平均衝撃圧力の増加とともに減少した。他方、アルミナ膜とステンレス鋼基材の衝突におけるアルミナ膜の衝撃耐久性は、アルミナ膜同士の場合と比較して約2.7倍に改善された。衝撃試験後のSEM観察から、アルミナ膜の厚さは、衝撃サイクル数が増加するにしたがって逆比例関係で減少し、バルク材に見られるような脆性破壊はなかった。
大野 修司; 松木 卓夫*; 石川 浩康; 三宅 収
JNC TN9520 2000-001, 196 Pages, 2000/01
高速増殖炉プラントにおけるナトリウム漏えい燃焼事故の熱的影響を解析するための計算コードとして、ASSCOPS(Analysis of Simultaneous Sodium Combustion in Pool and Spray)が開発された。本報告書は、ASSCOPS version 2.1の使用マニュアルとして、同コードで扱われる計算モデル、インプット、アウトプットについて取りまとめたものである。ASSCOPSコードは、米国Atomics International社で開発されたナトリウムのプール燃焼計算コードSOFIREIIと米国Hanford Engineering Development Laboratoryで開発されたスプレイ燃焼計算コードSPRAYの二つのコードを結合したものである。ナトリウムの漏えい条件(流量、温度)、部屋の形状(容積、構造物の面積・厚さ)、雰囲気初期条件(温度、圧力、ガス成分濃度)などを計算条件として、雰囲気圧力、温度や酸素濃度変化ならびに構造物の温度変化などの時刻歴が計算結果として得られる。
金成 守康*; 阿部 哲也; 榎枝 幹男; 豊田 真彦*; 馬越 俊光*; 清水 克祐*; 森 順二*; 高津 英幸
JAERI-Research 98-029, 23 Pages, 1998/06
プラズマ溶射によってステンレス鋼基材上にNi-Cr中間層を介し形成されたアルミナ電気絶縁コーティング膜(アルミナ膜)の繰り返し衝撃荷重(638MPa)に対する電気絶縁耐久性(耐電圧1kV)を、アルミナ平端面の接触を伴う落錘試験を用いて評価した。繰り返し衝撃荷重に対するアルミナ膜の電気絶縁耐久性は、70,000回以上だった。絶縁破壊に至るまでのアルミナ膜の経時変化を調べるために、所定の回数だけ落錘試験を行った試料について、アルミナ膜表面及び断面のSEM観察を行った。その結果、アルミナ膜厚は、落錘試験開始時228mであったが、衝撃回数に比例して直線的に減少し、その速度は2.43nm/回だった。絶縁破壊時のアルミナ膜厚は落錘試験開始時の約21%であり(約50
m)、その断面はアルミナ膜とNi-Cr中間層との混在相を示していた。
石川 浩康; 宮原 信哉; 田辺 裕美; 大野 修司; 三宅 収; 前田 清彦
PNC TN9410 97-030, 93 Pages, 1997/04
高速炉の安全評価におけるナトリウム漏えい燃焼の解析において、スプレイ燃焼とプール燃焼をお互いの影響を考慮しながら同時に取り扱うことが可能なようにするため、スプレイ燃焼解析コードSPRAY-IIIMとプール燃焼解析コードSOFIRE-MIIを結合させた新たなナトリウム燃焼解析コードASSCOPS(Analysis ofSimultaneous Sodium Combustions in Pool and Spray)を開発した。開発したASSCOPSコードの妥当性を検証するため、内容積21mSUP
3
/SUP
の試験容器を用いて実施したナトリウムスプレー燃焼の実験結果を解析し、以下の結論を得た。(1)窒素雰囲気においては、SPRAY-IIIMコードでガスから壁への熱移行量が過小評価であった点について改善され、ガス圧力・温度に関してほぼ妥当評価をする (2)空気雰囲気においても、SPRAY-IIIMコードで全般的に過小評価であった点について改善され、ガス圧力・温度に関してほぼ妥当な評価をする (3)ガスと壁との間の輻射伝熱とプール燃焼を考慮しない「もんじゅ」パラメータを用いた場合には、窒素雰囲気および空気雰囲気ともにガス圧力・ガス温度に関して保守的な評価をする これらの結論から、SPRAY-IIIMコードを用いた従来の解析における課題を解決できたことを確認した。
日高 昭秀; 五十嵐 実*; 橋本 和一郎; 吉野 丈人*; 杉本 純
PSI Report Nr. 97-02, p.531 - 544, 1996/06
シビアアクシデント時の原子炉冷却系内におけるCsIの沈着挙動を調べるために、小規模配管を用いたWAVE実験を実施し、結果を3次元熱流動解析コードSPRAC及びFPエアロゾル挙動解析コードARTを用いて解析した。実験では、PWRホットレグ入口を模擬した配管内でCsIエアロゾルを発生させ、キャリアガスとして窒素と水蒸気を注入した。その結果、キャリアガスの種類によってエアロゾルの粒径が異なり、その結果沈着分布に差が生じた。窒素雰囲気下のCsIエアロゾルの挙動は、主要な沈着機構がガスの温度勾配に依存する熱泳動でることから、熱流動とエアロゾル挙動解析を密接に結合させることによりARTは実験結果を適切に再現した。一方、水蒸気雰囲気下のCsIエアロゾル挙動を模擬するためには、既存の解析モデルの予測よりも大きなエアロゾル粒径を仮定する必要があった。水蒸気雰囲気下のエアロゾル成長機構を解明する必要がある。
小野塚 正紀*; Tsujimura, Seiji*; 豊田 真彦*; 井上 雅彦*; 阿部 哲也; 村上 義夫
Fusion Technology, 29(1), p.73 - 82, 1996/01
被引用回数:9 パーセンタイル:62.55(Nuclear Science & Technology)核融合実験装置へ適用可能な電気絶縁性および導電性を有する膜の大面積コーティング技術の開発を行った。ここでは、コーティング手法として、大面積コーティングが可能な溶射法をとりあげた。電気絶縁膜としては、AlO
(アルミナ)膜を、導電性膜としては、Cr
C
-NiCrおよびWC-NiCr膜をそれぞれ選択した。これらの電気絶縁性および導電性膜をSUS基板上にコーティングし、膜の密着性, 耐熱衝撃性, 電気抵抗, 絶縁耐電圧および熱伝導率を測定した。その結果、核融合装置用として使用できる充分な電気絶縁性および導電性を有していることがわかった。
日高 昭秀; 五十嵐 実*; 橋本 和一郎; 佐藤 治志; 吉野 丈人*; 杉本 純
Heat and Mass Transfer in Severe Nuclear Reactor Accidents, 0, p.577 - 587, 1996/00
シビアアクシデント時の原子炉冷却系内におけるCsIの沈着挙動を調べるために、小規模配管を用いたWAVE実験を実施し、結果を3次元熱流動解析コードSPRAC及びFPエアロゾル挙動解析コードARTを用いて解析した。実験では、配管内沈着量分布に強い非等方性が見られた。ARTによる解析では、配管軸方向に加えて配管断面を5つに細分割し、SPRACで計算された詳細な熱流動条件をそれらに与えることにより実験結果を適切に再現した。CsIの主な沈着機構は熱泳動または凝縮であることから、配管内のCsIの挙動を精度良く予測するためには、配管内の平均的な熱流動条件を用いる従来の手法では不十分で、配管断面内の3次元的な熱流動条件も考慮する必要があることを明らかにした。また、局所的なFPが沈着すると崩壊熱により再蒸発量が増大することから、ソースターム計算においても配管内の詳細な熱流動を考慮する必要性を指摘した。
日高 昭秀; 五十嵐 実*; 橋本 和一郎; 佐藤 治志; 吉野 丈人*; 杉本 純
Journal of Nuclear Science and Technology, 32(10), p.1047 - 1053, 1995/10
被引用回数:13 パーセンタイル:76.51(Nuclear Science & Technology)シビアアクシデント条件下の原子炉冷却系内におけるCsIエアロゾル/蒸気の移行及び沈着挙動を調べるために、小規模配管を用いたWAVE実験を実施し、結果を3次元熱水力解析コードSPRAC及びFPIエアロゾル挙動解析コードARTを用いて解析した。実験では、配管上流部において床に、配管下流部において床よりも天井により多くのCsIが沈着する傾向が見られた。ARTコードによる解析では、配管軸方向に加えて配管断面を4つの扇形に細分割し、SPRACコードによって得られた詳細な熱水力計算結果をそれらに与えることによって実験結果を適切に再現した。CsIの主な沈着機構は熱泳動または凝縮であることから、配管内のCsIの挙動を精度良く予測するためには、従来行われてきた配管内のガス平均温度及び流速を用いてFP沈着を計算する手法だけでは不十分で、配管断面内の詳細な熱水力条件も考慮する必要があることが明らかになった。
小野塚 正紀*; 辻村 誠一*; 豊田 真彦*; 井上 雅彦*; 阿部 哲也; 村上 義夫
Fusion Technology 1994, Vol.1, p.803 - 806, 1995/00
核融合装置では、真空容器に発生する電磁応力を低減するため、あるいは接触電位を安定化するために炉内構造物等に電気絶縁性や導電性を付与する必要がある。ここでは、上記性質を付与する方法として、プラズマ溶射法による絶縁膜および導電膜のコーティングを試みたので、その結果を報告する。電気絶縁および導電材として、それぞれAlO
およびCr
C
膜をSuS基板上にコーティングし、電気的性質や耐摩耗性等を調べた。その結果、これらコーティング膜および手法によって大型構造物に電気絶縁性および導電性を付与することが充分に可能であることがわかった。
峰原 英介; 永井 良治*; 竹内 学*
Proc. Surface Engineering Int. Conf., p.249 - 254, 1988/00
高温超伝導体の薄膜作製技術の開発の為6種類の薄膜作製技術の評価を実際に薄膜を作製して行い、YBaCuO系、CaSrCuO系、BiSrCaCuO系の3種類の高温超電導体を再現性良く、任意の形状の母材に高結合強度で付ける方法としてプラズマ溶射法を開発した。この方法を用いて、この3種類の材料で数十から五百ミクロンの膜を均一に作る事ができる。YBaCuO系で母材表面に付けた状態で95-85k程度のTcが得られている。