Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
湊 和生; 高野 公秀; 西 剛史; 伊藤 昭憲; 赤堀 光雄
Recent Advances in Actinide Science, p.317 - 322, 2006/06
高レベル廃棄物の放射性毒性を低減し、地層処分場を有効に使用するために、将来の燃料サイクルの選択肢として、プルトニウムばかりでなくマイナーアクチノイド(MA)もリサイクルすることが考えられている。MA含有燃料の研究開発のために、新しい不活性雰囲気の実験設備を整備し、MA窒化物,MA酸化物の熱物性を測定した。MA窒化物は炭素熱還元法によりMA酸化物から調製した。格子定数及びその熱膨張を高温X線回折により測定し、熱拡散率をレーザフラッシュ法により測定した。
田口 富嗣; 井川 直樹; 實川 資朗; 志村 憲一郎
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 242(1-2), p.469 - 472, 2006/01
被引用回数:3 パーセンタイル:28.02(Instruments & Instrumentation)SiC繊維強化SiCマトリクス(SiC/SiC)複合材料は、優れた高温強度特性を有し、中性子照射後の誘導放射能も低いことから、核融合炉の構造材料の候補材料として期待されている。核融合炉構造材料として、熱交換の効率化及び熱応力の低減化の観点から、候補材料には高熱伝導率を有することが要求されている。核融合炉環境下において、14MeVの中性子照射により、材料中に核変換生成物としてHe及びHが生成する。そこで、本研究では、SiC及びSiC/SiC複合材料の熱拡散率に及ぼすHe原子の影響をHe注入法により検討した。その結果、He注入によりSiC及びSiC/SiC複合材料の熱拡散率は減少するが、核融合炉運転温度である8001000Cの範囲では、熱拡散率の減少はとても小さいことを見いだした。また、アニール効果により、熱拡散率の回復がみられた。He注入により試料内に導入された照射欠陥濃度を、推定した。それによれば、He注入濃度が増加するとともに、照射欠陥濃度も増加する。また、照射欠陥濃度は、500C付近で急激に減少する。これは、SiCからHeが拡散し始める温度と一致している。
西 剛史; 高野 公秀; 伊藤 昭憲; 赤堀 光雄; 湊 和生; 木崎 實
JAERI-Tech 2005-051, 13 Pages, 2005/09
マイナーアクチノイド(MA)化合物の熱拡散率を測定するための装置を整備した。不活性雰囲気のグローブボックス内に、レーザフラッシュ法熱拡散率測定装置を設置することにより、崩壊核種のMA化合物の熱拡散率測定を可能にした。また、試料の形状に最適化した試料ホルダーを用いることにより、40mg程度の微小試料の測定を可能にした。さらに、この装置の性能を確認するため、タンタル,ニッケル及びセリウム酸化物の測定を行った。その結果、本装置で得た熱拡散率の値は、文献値及び汎用の熱拡散率測定装置により測定した値とほぼ一致し、微小なMA化合物の熱拡散率測定に本装置が有用であることを確認した。
山田 禮司; 井川 直樹; 田口 富嗣
Journal of Nuclear Materials, 329-333(Part1), p.497 - 501, 2004/08
被引用回数:32 パーセンタイル:86.83(Materials Science, Multidisciplinary)先進的核融合炉のブランケット用構造材料として高いポテンシャルを有しているSiC繊維強化型SiC複合材料(SiC/SiC)には、高熱負荷下で発生する熱応力をできるだけ低減するため、高い熱伝導率を持つことが期待されている。最近開発された高性能SiC繊維(チラノSA繊維,ハイニカロンタイプS繊維)を用いて、3次元織布並び2次元不織布を作製し、CVI及びPIP/CVIによりSiC/SiC複合材料を作製し、その熱伝導率を測定した。チラノSA繊維強化の場合、室温において3D CVIでは40-50W/mK、3D PIP/CVIでは35-40W/mK、1000Cにおいてそれぞれ、25, 17W/mKの値が得られた。一方、2D不織布の場合、全測定温度範囲で12W/mK以下であった。また、ハイニカロンタイプSでは、35(RT), 20(1000C)W/mKであった。これらの値は、従来のSiC繊維を用いた場合と比較して2ないし3倍高い値であり、新繊維がより高密度,高結晶性を有することに起因するものである。繊維配向比がSiC/SIC複合材料の熱伝導率に与える効果は低い温度ほど顕著であった。
曽我部 敏明; 石原 正博; 馬場 信一; 橘 幸男; 山地 雅俊*; 伊与久 達夫; 星屋 泰二*
Materials Science Research International, 9(3), p.235 - 241, 2003/09
2D-C/C複合材料は、次期の高温ガス炉(HTGRs)の炉心材料として有力な候補材の一つである。2D-C/C複合材料の空気酸化が、熱拡散率に及ぼす影響について検討した。熱拡散率は、室温から1673Kまで測定した。本2D-C/C複合材料は、PAN系の炭素繊維の二次元クロスと黒鉛マトリックスからなる。熱拡散率測定用の試験片は、この材料を823Kの大気中で1から11パーセントの間で重量減少させて製作した。酸化消耗は、マトリックス部分とりわけ炭素繊維束に近い部分から優先的に起こった。11パーセントまでの酸化消耗による室温での熱拡散率の減少率は、クロスの積層方向に平行方向では1020パーセント、垂直方向では59パーセントであった。クロスの積層方向に平行方向では、酸化消耗が進むにしたがって熱拡散率が減少する傾向を示したが、垂直方向では酸化の初期に熱拡散率が低下しその後あまり変化しない傾向を示した。この違いについては、複合材料の構造と酸化挙動から検討した。熱伝導率も得られた熱拡散率の値から求めた。
Wan, C.*; 本橋 嘉信*; 柴田 大受; 馬場 信一; 石原 正博; 星屋 泰二
Journal of Iron and Steel Research, International, Special Issue IFAMST, p.85 - 89, 2002/06
3Y-TZP試験片をさまざまな条件で超塑性変形させ、その熱拡散率をレーザーフラッシュ法により298Kから1273Kの温度範囲で測定し、超塑性変形が3Y-TZPの熱物性に与える影響について調べた。その結果、800K以下では熱拡散率は温度の増加に伴い低下する傾向にあるが、それ以上の温度範囲では熱拡散率はほとんど温度に依存しないことがわかった。また、熱拡散率は超塑性変形により生じたキャビティーに大きく依存するが、超塑性変形がもたらす平均結晶粒径やアスペクト比の変化にはほとんど影響されないことを示した。
湊 和生; 白鳥 徹雄; 芹澤 弘幸; 林 君夫; 宇根 勝巳*; 野北 和宏*; 平井 睦*; 天谷 政樹*
Journal of Nuclear Materials, 288(1), p.57 - 65, 2001/01
被引用回数:21 パーセンタイル:79.81(Materials Science, Multidisciplinary)照射した燃料の熱伝導率は、燃料温度に直接かかわる物性であり、重要である。円盤状のUO及びUO-10wt%GdO試料を作製し、約4%FIMAまで照射した後、レーザフラッシュ法により熱拡散率を測定した。照射済み試料の熱伝導率は、未照射試料に比べて減少したが、約1800Kまで熱拡散率を測定した後の試料では、点欠陥の回復により、熱伝導率の一部回復が認められた。照射中の温度の急上昇において1273K以上を経験した試料では、熱伝導率の一部回復の幅が小さかった。これは、熱伝導率の減少に寄与している照射による点欠陥が、高温で照射中に回復したためであることを明らかにした。
井口 正
JAERI-Research 2000-050, 107 Pages, 2000/09
BWR燃料と模擬燃料の伝熱特性、特に熱容量及び熱的時定数を検討した。BWR燃料からの単位長さあたりの熱容量cp A(kJ/mK)は、300から800の範囲では、0.34kJ/mKから0.36kJ/mKの範囲にあると見積もられる。模擬燃料の熱容量は、製作上のばらつきの影響、高さ位置の違いの影響は小さく、温度が高いほど大きい。異常時炉心伝熱試験の模擬燃料の熱容量は、600Kで約0.38kJ/mKとなり、この値は実機平均値(0.35kJ/mK)の+9%である。一方、核熱結合試験の模擬燃料の熱容量は、600Kで約0.42kJ/mKとなり、この値は実機平均値の+20%である。熱的時定数は、表面熱伝達率、熱拡散率、ギャップコンダクタンスに関係する。表面熱伝達率が小さい場合、表面熱伝達が伝熱を支配し、熱的時定数は表面熱伝達率に関係する。表面熱伝達率が大きい場合、内部熱伝導が伝熱を支配し、熱的時定数は熱拡散率に関係する。前者の場合、1点近似モデルが成立し、時定数は表面熱伝達率に反比例する。この場合、表面熱伝達率が1kW/mKのとき、BWR燃料、模擬燃料の熱的時定数はそれぞれ約10s、約13sと見積もられた。一方、後者の場合、時定数は表面熱伝達率にかかわらず、熱拡散率に逆比例する一定値に漸近する。この場合、BWR燃料では約5s、模擬燃料では1s以下と見積もられた。ギャップコンダクタンスが小さくなると、ギャップ部の伝熱が支配的になり、この場合熱的時定数はギャップコンダクタンスに関係する。
山田 禮司; 田口 富嗣; 井川 直樹; 實川 資朗
Proceedings of 4th International Energy Agency Workshop on SiCf/SiC Ceramic Composites for Fusion Structural Application, p.33 - 41, 2000/00
SiC/SiC複合材料を構造材料とした原研のDREAM炉の設計案に基づき、高熱伝導を有するSiC/SiC材料を開発することを目標に化学蒸発浸透法(CVI)、ポリマー含浸焼成法(PIP)、反応焼結法(RB)の各手法について最適化と熱測定を行っている。ここでは、特に最近の熱拡散率の計算機シミュレーションの結果をCVI試料の実験結果との比較の下に紹介する。また、RB試料の特性評価、さらにはHeイオン照射による熱伝導率の低下に関する初期報告も行う。
白数 淑郎; 湊 和生
Proc. of the Int. Conf. on Future Nuclear Systems (GLOBAL'99)(CD-ROM), 7 Pages, 1999/00
テクネチウム消滅処理のためのデータベースを構築するために、テクネチウム-ルテニウム合金の特性評価を行った。X線回折により求めたテクネチウム-ルテニウム合金の格子定数は、ルテニウム濃度の増加とともに減少し文献値ともよく一致していた。そして、X線回折及びSEM-EDXを用いてテクネチウム-ルテニウム合金の組成の均一性を確認した。また、レーザフラッシュ法によって熱拡散率を測定し、その熱拡散率、試料密度及び比熱容量の文献値から、テクネチウム-ルテニウム合金の熱伝導率を導出した。テクネチウムの熱伝導率がルテニウムよりも小さいこと、並びにテクネチウム-ルテニウム合金の熱伝導率が温度及びルテニウム濃度の増加とともに増加することを明らかにした。
湊 和生; 白数 淑郎
Proceedings of 2nd Japanese-Russian Seminar on Technetium, p.77 - 78, 1999/00
長寿命の核分裂生成物であるテクネチウムを消滅処理するために必要となる物性値のデータベースを構築するために、金属テクネチウム及びテクネチウム-ルテニウム合金を調製し、特性評価を行った。X線回折による相状態及び格子定数測定、液浸法による密度測定、光学顕微鏡による組織観察、SEM/EDXによる元素分布測定、レーザーフラッシュ法による熱拡散率測定、などを行った。熱拡散率から導出したテクネチウムの熱伝導率は、ルテニウムの熱伝導率よりも小さいこと、並びにテクネチウム-ルテニウム合金の熱伝導率は、温度及びルテニウム濃度の増加とともに増加することを明らかにした。
高野 公秀; 湊 和生; 福田 幸朔; 佐藤 正知*; 大橋 弘士*
Journal of Nuclear Science and Technology, 35(7), p.485 - 493, 1998/07
被引用回数:4 パーセンタイル:38.54(Nuclear Science & Technology)酸素ポテンシャルの高い酸化物燃料中において生成することが熱力学的に予測されているCsUOとCsUOを、UOとCsCOから調整し、熱膨張率及び熱伝導率を測定した。高温X線回折法による格子定数の温度依存性から求めたCsUOの線熱膨張は、室温から973Kまでで1.2%であり、CsUOについては1073Kまでで1%であった。CSUOとCsUOのディスク状試料を作製し、レーザーフラッシュ法により熱拡散率を測定した。測定値に密度と比熱を掛け、熱伝導率を温度の関数として決定した。100%理論密度に換算したCsUOの熱伝導率は980Kで1.18W/mKでありUOの約30%であった。CsUOについては1093Kで0.94W/mKであり、UOの約27%であった。
湊 和生; 芹澤 弘幸; 福田 幸朔
Journal of Alloys and Compounds, 267, p.274 - 278, 1998/00
被引用回数:7 パーセンタイル:49.62(Chemistry, Physical)テクネチウムの熱拡散率を直径5mm、厚さ1mmの試料を用いて、室温から1173Kまで、レーザーフラッシュ法により測定した。熱拡散率は、温度の上昇にともない減少したが、600K以上の温度では、ほとんど一定であった。測定した熱拡散率及び試料の密度、ならびに比熱容量の文献値から、テクネチウムの熱伝導率を導出した。熱伝導率は400K付近で極小値を示した後、温度とともに上昇した。測定した熱伝導率を電子による寄与成分とフォノンによる寄与成分に解析的に分離した。温度上昇にともなうテクネチウムの熱伝導率の上昇は、電子による寄与成分の上昇のためであると考えられる。
小出 芳彦; 森 雅博; 藤田 隆明; 白井 浩; 波多江 仰紀; 滝塚 知典; 木村 晴行; 及川 聡洋; 伊世井 宣明; 諫山 明彦; et al.
Plasma Physics and Controlled Fusion, 40(5), p.641 - 645, 1998/00
被引用回数:25 パーセンタイル:61.32(Physics, Fluids & Plasmas)JT-60Uの負磁気シア放電では顕著な電子系熱輸送の低減現象が観測された。一方、高ポロイダル放電では、電子系熱輸送の低減は明確ではないが、イオン系熱輸送の低減等は負磁気シア放電の特性と類似している。本研究の目的は、負磁気シア放電と高ポロイダル放電の特性を整理・比較することにより、前者で観測される電子系熱輸送の低減現象の起源を解明することである。これまで得られた知見は以下のとおりである: 両者とも中心加熱がその発生に必要である。負磁気シア放電では、(1)電子系熱輸送、イオン系熱輸送、粒子輸送の低減(内部輸送障壁)が小半径の20%程度の領域に局在する。(2)その位置は半径方向に移動し安全係数が極小となる位置で停流する。高ポロイダル放電では、(1)内部輸送障壁は半径方向に移動するが安全係数が極小となる位置が存在しなくても発生・停留する。(2)加熱閾値は電子密度とともに上昇する。
湊 和生; 白数 淑郎
Proc. of 5th Int. Information Exchange Meeting on Actinide and Fission Product Partitioning, p.223 - 230, 1998/00
テクネチウム消滅処理のためのデータベースを構築するために、金属テクネチウム及びテクネチウム-ルテニウム合金を調製し、特性評価を行った。X線回折により、テクネチウム-ルテニウム合金の格子定数は、ルテニウム濃度の増加により減少することを明らかにした。また、レーザーフラッシュ法により熱拡散率を測定し、熱伝導率を導出した。テクネチウムの熱伝導率はルテニウムよりも小さいこと、ならびにテクネチウム-ルテニウム合金の熱伝導率は温度及びルテニウム濃度の増加とともに増加することを明らかにした。
湊 和生; 芹澤 弘幸; 福田 幸朔; 伊藤 光雄
JAERI-Research 97-077, 17 Pages, 1997/10
半減期約21万年の超長寿命核分裂生成物であるTcの消滅処理をめざして、テクネチウムの固体の研究を開始した。購入した粉末状の金属テクネチウムについて、X線回折測定、線測定、ならびにICP-AES法及びICP-MS法による不純物分析を行った。格子定数の測定値は、文献値に一致した。金属不純物はアルミニウム及び鉄などで約15ppmであり、線放出をともなう放射性の不純物は検出されなかった。この粉末試料を用いて、アーク溶解法により、ボタン、ロッド及びディスク状の金属テクネチウム試料を調製した。さらに、ディスク状の金属テクネチウム試料を用いて、レーザーフラッシュ法により、室温から1173Kまでの熱拡散率を測定した。金属テクネチウムの熱拡散率は、温度の上昇にともない減少したが、600K以上ではほとんど一定であった。
湊 和生; 高野 公秀; 福田 幸朔; 佐藤 正知*; 大橋 弘士*
Journal of Alloys and Compounds, 255, p.18 - 23, 1997/00
被引用回数:14 パーセンタイル:66.58(Chemistry, Physical)モリブデン酸セシウムの熱膨張率及び熱伝導率を測定した。熱膨張率は、高温X線回折法による室温から773Kまでの格子定数の温度依存性から導出した。CsMoOの線熱膨張率は、773Kにおいて約2%であり、UOの線熱膨張率の4倍以上であった。熱伝導率は、レーザーフラッシュ法により熱拡散率を室温から1000Kまで測定し、かさ密度及び比熱容量の文献値を用いて導出した。CsMoOの熱伝導率は、400K以上で温度の上昇とともに増加した。CsMoOの熱伝導率は、300KにおいてUOの熱伝導率の約5%であり、1000Kにおいては20%以下であった。
湊 和生; 高野 公秀*; 佐藤 正知*; 大橋 弘士*; 福田 幸朔
Transactions of the American Nuclear Society, 74, p.95 - 96, 1996/00
Cs-Mo-O系の複合酸化物CsMoOの熱膨張率(格子定数変化率)及び熱拡散率を測定した。熱膨張率は、高温X線回折により、コーエン法を用いて格子定数を温度の関数として得た。各結晶軸の熱膨張率には、異方性が見られた。CsMoOの幾何平均の線熱膨張率は、UOの3倍以上であった。熱拡散率は、レーザーフラッシュ法により測定し、かさ密度及び比熱の文献値を用いて熱伝導率を算出した。熱拡散率には、841Kにおける相転移のために、不連続性が認められた。CsMoOの熱伝導率は、UOの2分の1以下の小さな値であった。
中村 仁一; 上塚 寛; 河野 信昭; 大枝 悦郎; 助川 友英; 古田 照夫
HPR-345 (Vol. II), 0, 13 Pages, 1995/00
ハルデン炉で最高燃焼度62MWd/kgUまで照射された7本の燃料棒の照射後試験が原研で実施されており、現在までに全ての非破壊試験と一部を除いた大部分の破壊試験が終了した。このうち3本の燃料棒は16年間にわたって照射されており、金相試験で照射初期の高出力時に生じたと推定される顕著な柱状晶の成長と中心孔の形成が観察された。これらの燃料棒のFPガス放出は、製造時の燃料密度より、柱状晶の成長と中心孔の形成に大きな影響を受けていると推定された。ペレットの径方向燃焼度分布測定がマイクロサンプリングした試料の化学分析によりなされ、XMA分析によるPuとNdの径方向分布と良い一致を示した。またペレットの平均燃焼度は出力履歴から推定された燃焼度と良い一致を示した。高燃焼度UOの熱拡散率測定データについても報告を行う。
上塚 寛; 永瀬 文久
Proceedings of Three Mile Island Reactor Pressure Vessel Investigation Project Open Forum, p.269 - 280, 1994/00
TMI-2圧力容器下部ヘッド上から採取されたデブリ(コンパニオンサンプル)のうち、10個のサンプルに対する分析試験が原研で行われた。サンプルの平均密度は約7.7g/cmであった。ミクロ観察とEPMAの結果により、デブリはミクロ的には均一でないこと、おもに燃料構成材料からなり少量の炉心構造材を含むことが示された。また、線分析の結果、デブリ中の燃料成分の燃焼度(3,3003,600MWd/t)、Csの残留率(0.45.9%)等が求められた。事故解析上、デブリの熱特性は重要であるために、デブリに似た化学組成と気孔率を持つ模擬燃料デブリ(SIMDEBRIS)を作製し、溶融温度と熱伝導率を測定した。SIMDEBRISの熱伝導率は、室温では高密度UOの30%程度であるが、1573Kでは同等である。