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藤田 朋子
JNC TN9400 2000-038, 98 Pages, 2000/04
実用化戦略調査研究の一環として、有力な候補プラントの1つであるナトリウム冷却MOX燃料大型炉心について、再臨界回避方策の評価を実施した。実証炉の炉心崩壊事故解析等による従来の知見から、流量低下型事象時に炉停止に失敗し、大規模な溶融燃料プールが形成されて初めて、径方向揺動等による燃料の移動集中が生じ、厳しい即発臨界現象に至る可能性があることが分かっている。再臨界の可能性を排除するために、炉心物質の再配置を制御するCMR(Controlled Material Relocation)概念に基づいた再臨界回避方策の候補として、内部ダクト付き集合体、LAB(下部軸ブランケット)一部削除型集合体が提案されている。これらの方策についてSIMMER-IIIコードを用いた予備解析を実施し、CMR有効性の比較検討を行った。検討した候補のうち、内部ダクト付き集合体が最も燃料流出が早く、再臨界回避方策として有力である見通しを得た。LAB一部削除集合体でも、若干燃料流出は遅くなるが有望な候補である。しかしながら、中央ピンにUAB(上部軸ブランケット)を残す場合は、炉心下方でのFCIによって炉心燃料領域内に燃料が再流入するため、炉心性能へ著しい影響を与えない限り、中央ピンのUABも削除する方が良い。中央ピンの燃料軸長の長短が燃料流出挙動に与える影響は小さく、むしろUAB有無の影響が重要である。