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松本 俊慶; 川部 隆平*; 岩澤 譲; 杉山 智之; 丸山 結
Annals of Nuclear Energy, 178, p.109348_1 - 109348_13, 2022/12
被引用回数:1 パーセンタイル:19.69(Nuclear Science & Technology)シビアアクシデント時の溶融物関連事象を評価するためにFCIコードであるJASMINEの機能拡張を行った。溶融物の冷却性評価ではキャビティ床面上における粒子状・アグロメレーション・ケーキ状デブリ質量割合や最終的な幾何形状の予測が必要である。アグロメレーションモデルでは、熱を保有した粒子同士のくっつきを考慮し、組み込んだ。もう一つのモデル改良は拡がりモデルの改良である。浅水方程式を導入し、拡がり先端部のクラスト成長に基づく拡がり停止条件を組み込んだ。調整係数の最適化のためにスウェーデンKTHにおいて実施されたDEFOR-A及びPULiMS実験を参照した。JASMINEコードによる実験解析では共通のパラメータセットで良い再現性が得られ、主要な現象は適切にモデル化されたことを示した。
松本 俊慶; 岩澤 譲; 杉山 智之
Proceedings of Reactor core and Containment Cooling Systems, Long-term management and reliability (RCCS 2021) (Internet), 8 Pages, 2021/10
本研究ではBWRのシビアアクシデント(SA)時のウェットキャビティ戦略(事前注水方策)の下での格納容器内デブリ冷却性を評価するための方法論的枠組みを開発している。この評価手法を実証するために、戦略下での格納容器内デブリの冷却成功確率を解析した。炉心溶融進展に関連する5つのパラメータの不確実さを考慮したMELCORコードによる多ケース解析によりRPVから放出される溶融物条件の確率分布を取得した。パラメータセットは、ラテン超方格サンプリング(LHS)によって生成した。JASMINEコードにより水中及び床面上の溶融物の挙動を予測し、アグロメレーション(凝集)及びメルトプールの質量を予測した。JASMINEコード解析のための59個の入力パラメータセットは、MELCOR解析の結果から決定した溶融物条件の確率分布を用いて、再度LHSにより生成した。複数のキャビティ内初期水プール深さ条件でJASMINE解析を行い、堆積デブリ高さをMCCI発生の判定基準値と比較した。判定結果を集計することで溶融物の冷却成功確率を求めた。
松本 俊慶; 岩澤 譲; 安島 航平*; 杉山 智之
Proceedings of Asian Symposium on Risk Assessment and Management 2020 (ASRAM 2020) (Internet), 10 Pages, 2020/11
本研究では、事前注水した格納容器内デブリの冷却確率を評価した。まず、落下溶融物条件を求めるため、シビアアクシデント解析コードMELCORによる不確かさ解析を行った。この解析では炉心の溶融・移行過程に関連する5つの不確かさパラメータを選択し、仮定された確率分布を用いて、ラテン超方格法(LHS)により入力パラメータセットを生成した。これを用いたMELCORによる多ケース解析の結果から落下溶融物条件を抽出した。次に、MELCOR解析結果をもとに、パラメータの確率分布を決定し、LHSにより生成した59個のパラメータセットを用いてJASMINEコードによる水中の溶融物挙動の解析を行った。水位の条件は0.5m, 1.0m及び2.0mとした。広がり半径とデブリ質量の解析結果からデブリの堆積高さを求め、判定基準と比較することで冷却の成否判定を行った。以上の一連の解析の結果、デブリ冷却の成功確率を求めた。また、MELCOR及びJASMINEを組み合わせた冷却性解析の課題について論じた。