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論文

Experimental analysis on dynamics of liquid molecules adjacent to particles in nanofluids

橋本 俊輔*; 中島 健次; 菊地 龍弥*; 蒲沢 和也*; 柴田 薫; 山田 武*

Journal of Molecular Liquids, 342, p.117580_1 - 117580_8, 2021/11

 被引用回数:0

エチレングリコール水溶液中に二酸化ケイ素(SiO$$_{2}$$)ナノ粒子を分散したナノ流体の準弾性中性子散乱測定(QENS)およびパルス磁場勾配核磁気共鳴分析(PFGNMR)を行った。研究目的は、このナノ流体の熱伝導率が理論値を超えて増加するメカニズムを解明することだった。得られた実験結果は、SiO$$_{2}$$ナノ粒子の周りの液体分子の運動が非常に制限されているため、SiO$$_{2}$$ナノ粒子の添加により、エチレングリコール水溶液中の液体分子の自己拡散係数が低下していることを示す。そして温度一定の条件で、SiO$$_{2}$$ナノ流体中で、液体分子の自己拡散係数が減少するにつれて、熱伝導率が増加した。

論文

Dynamics of water in a catalyst layer of a fuel cell by quasielastic neutron scattering

伊藤 華苗; 山田 武*; 篠原 朗大*; 高田 慎一; 川北 至信

Journal of Physical Chemistry C, 125(39), p.21645 - 21652, 2021/10

 被引用回数:0

The catalyst layer (CL) in polymer electrolyte fuel cells (PEFCs) plays a critical role in the performance of a PEFC. In this study, we investigate the water dynamics in the CL using quasielastic neutron scattering (QENS) and small-angle neutron scattering. The temperature dependence of the mean square displacement $$<$$u$$^{2}$$$$>$$ shows that the freezing of water does not occur at a melting temperature in the Nafion thin film of the CL, suggesting that the water is confined in a smaller region than $$sim$$15 ${AA}$. The QENS measurements established three kinds of water in the CL: immobile water tightly connected to a sulfonic group, water in a fast mode assigned to free diffusion restricted in a sphere, and water in a slow mode described by a jump diffusion model. Assuming that these three modes were independent, the number of water molecules in each mode was estimated. On discussing the structure and dynamics elucidated in the study, we finally conclude that the coupled model of the fast and slow modes is plausible for describing the diffusion of water confined in the thin Nafion film of the CL.

論文

Evaluation report of Task 9B based on comparisons and analyses of modelling results for the $"A$sp$"o$ HRL LTDE-SD experiments

Soler, J. M.*; Meng, S.*; Moreno, L.*; Neretnieks, I.*; Liu, L.*; Kek$"a$l$"a$inen, P.*; Hokr, M.*; $v{R}$$'i$ha, J.*; Vete$v{s}$n$'i$k, A.*; Reimitz, D.*; et al.

SKB TR-20-17, 71 Pages, 2021/07

亀裂性岩石中の地下水流動と物質移行のモデル化に関するSKBタスクフォースにおけるTask 9Bは、スウェーデンのエスポ岩盤研究所で実施された原位置長期収着・拡散試験(LTDE-SD)の試験結果のモデル化に焦点をあてたものである。10のモデリングチームによって、異なるモデル概念やコードを用いたモデル化が実施された。モデル化のアプローチは、(1)拡散方程式の解析解、(2)連続多孔質媒体中の数値計算モデル、(3)微細な不均質性(鉱物粒界,微細亀裂の分布等)を考慮した微細構造モデルの大きく3種に分類できる。異なるチームによるモデル化結果から、岩石や亀裂の表面の擾乱影響を含む岩石特性の不均質な分布、微細な亀裂の効果など、様々な異なるモデル概念の比較・評価がなされた。

報告書

HTTR燃料セルモデルにおける可燃性毒物周辺のメッシュ効果

藤本 望*; 福田 航大*; 本多 友貴*; 栃尾 大輔; Ho, H. Q.; 長住 達; 石井 俊晃; 濱本 真平; 中野 優美*; 石塚 悦男

JAEA-Technology 2021-008, 23 Pages, 2021/06

JAEA-Technology-2021-008.pdf:2.62MB

SRACコードシステムを用いて可燃性毒物棒周辺のメッシュ分割がHTTR炉心の燃焼計算に与える影響を調べた。この結果、可燃性毒物棒内部のメッシュ分割は燃焼計算に大きな影響を与えないこと、実効増倍率は可燃性毒物棒周辺の黒鉛領域をメッシュ分割することで従来計算より測定値に近い値が得られることが明らかとなった。これにより、HTTR炉心の燃焼挙動をより適切に評価するには、可燃性毒物棒周辺黒鉛領域のメッシュ分割が重要になることが明らかとなった。

論文

デンドリマーを用いた圧縮ベントナイト中のコロイドの拡散・ろ過挙動の評価手法の構築

遠藤 貴志*; 舘 幸男; 石寺 孝充; 寺島 元基

日本原子力学会和文論文誌, 20(1), p.9 - 22, 2021/03

デンドリマーを用いた圧縮ベントナイト中のコロイドの拡散・ろ過挙動の評価手法を構築した。サイズが5.7$$sim$$7.2nmのPAMAMデンドリマーコロイドの拡散・ろ過挙動を、塩濃度0.005$$sim$$0.5mol/L NaCl溶液で飽和させた乾燥密度0.8Mg/m$$^{3}$$のベントナイトを対象に、透過拡散試験によって調査した。得られた破過データと内部プロファイルから、デンドリマーコロイドの実効拡散係数とろ過率を導出した。取得された実効拡散係数は、塩濃度とともに増加する傾向を、ろ過率は逆に塩濃度とともに減少する傾向を確認した。これらの傾向は、先行研究で得られたイオンやコロイドの拡散データと整合するほか、塩濃度の変化に伴う間隙構造や静電的相互作用等から推定される傾向と一致するものであり、ここで構築したコロイドの拡散・ろ過挙動の有効性が確認された。

論文

Online measurement of the atmosphere around geopolymers under gamma irradiation

Cantarel, V.; Lambertin, D.*; Labed, V.*; 山岸 功

Journal of Nuclear Science and Technology, 58(1), p.62 - 71, 2021/01

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Nuclear Science & Technology)

セメントに類似したジオポリマーを原子力分野で用いる場合に、多孔質なジオポリマーに含まれる水が放射線により分解されて発生する水素に留意する必要がある。原子力機構では、放射線による水素の発生と再結合、ジオポリマー中の水素の拡散を考慮したPRDモデルを開発してきた。本研究では、ジオポリマー試料を特殊な容器に封入し、Co-60ガンマ線で照射中の容器内ガスの水素および酸素濃度をオンライン分析した。ジオポリマーの孔を満たす水のアルカリ性が強いほど水素収量が少ない傾向が観察され、水素が再結合して水に戻る反応が顕著になることを確認した。照射中の酸素消費率は一定であり、この結果をPRDモデルから考察した。

論文

Extraction mechanism of lanthanide ions into silica-based microparticles studied by single microparticle manipulation and microspectroscopy

大高 稔紀*; 佐藤 辰巳*; 大野 真平; 名越 航平; 安倍 諒治*; 新井 剛*; 渡部 創; 佐野 雄一; 竹内 正行; 中谷 清治*

Analytical Sciences, 35(10), p.1129 - 1133, 2019/10

 被引用回数:0 パーセンタイル:0(Chemistry, Analytical)

Single porous silica microparticles coated with styrene-divinylbenzene polymer (SDB) impregnated with octyl(phenyl)-N,N-diisobutylcarbamoylmethylphosphine oxide (CMPO) were injected into an aqueous 3 mol/L nitric acid solution containing trivalent lanthanide (Ln(III)), as a high-level liquid waste model, using the microcapillary manipulation-injection technique; and the extraction rate of Ln(III), as an Ln(III)-CMPO complex, into the single microparticles was measured by luminescence microspectroscopy. The extraction rate significantly depended on the Ln(III), CMPO, or NO$$_{3}$$$$^{-}$$ concentration, and was analyzed in terms of diffusion in the pores of the microparticles and complex formation of Ln(III). The results indicated that the rate-determining step in Ln(III) extraction was the diffusion in the pore solution of the microparticles.

論文

Optimum temperature for HIP bonding invar alloy and stainless steel

涌井 隆; 石井 秀亮*; 直江 崇; 粉川 広行; 羽賀 勝洋; 若井 栄一; 高田 弘; 二川 正敏

Materials Transactions, 60(6), p.1026 - 1033, 2019/06

 被引用回数:1 パーセンタイル:13.55(Materials Science, Multidisciplinary)

J-PARCの核破砕中性子源で使用する水銀ターゲット容器は、1.3$$times$$1.3$$times$$2.5m$$^{3}$$と大きいため、使用済み容器の廃棄量を低減する観点で、損傷量の大きい前半部を分割できる構造を検討している。分割部のフランジには、高いシール性能(1$$times$$10$$^{-6}$$Pa・m$$^{3}$$/s以下)が必要である。このフランジの材料として、ビーム運転時の熱変形を低減するために低熱膨張材であるインバー合金は有望であるが、弾性係数が低いためボルト締結時の変形が大きくなる。実用上はステンレス鋼で補強するが、HIP接合により広い面積を全面にわたって確実に接合する条件を見出すことが課題であった。そこで、接合温度が異なる試験片(973, 1173, 1373及び1473K)について、引張試験及び数値解析による残留応力評価を行った。973Kで接合した試験片は、拡散層厚さが殆どなく接合界面で破断した。引張強度は、接合温度の上昇とともに減少し、1473Kの場合、約10%低下した。接合面近傍の残留応力は最大50%増加した。これらの結果から、1173Kが最適な接合温度であることを結論付けた。

論文

A Systematic radionuclide migration parameter setting approach for potential siting environments in Japan

浜本 貴史*; 石田 圭輔*; 澁谷 早苗*; 藤崎 淳*; 舘 幸男; 石黒 勝彦*; McKinley, I. G.*

Proceedings of 2019 International High-Level Radioactive Waste Management Conference (IHLRWM 2019) (USB Flash Drive), p.77 - 82, 2019/04

NUMO's recently published safety case involves utilisation of the safety case approach to provide a basis for preparation for future phases of work and development of a template for later, more complete and rigorous, safety cases. Advances include capturing potential siting environments in Site Descriptive Models (SDMs) and focusing post-closure safety assessment methodology on repository designs tailored to these SDMs. Radionuclide-specific parameters in the engineered barrier system (EBS), such as solubilities, sorption and diffusion values, are selected based on established chemical models that take into account evolution of porewater chemistry, alteration of EBS material and different host rock properties. Existing chemical thermodynamic databases developed in Japan have been used for the coupled geochemical and mass transport analyses applied to set these parameters. Nevertheless, in view of fundamental uncertainties in the thermodynamic approach, expert judgment played a key role in the process. This paper discusses the methodology used to set "reasonably conservative" radionuclide migration parameters for the illustrative SDMs, with a focus on chemistry which can be captured in existing models only by introducing significant simplifications.

論文

3D-microstructure analysis of compacted Na- and Cs-montmorillonites with nanofocus X-ray computed tomography and correlation with macroscopic transport properties

高橋 宏明*; 舘 幸男

Applied Clay Science, 168, p.211 - 222, 2019/02

 被引用回数:8 パーセンタイル:70.54(Chemistry, Physical)

異なる膨潤特性をもつNa型及びCs型モンモリロナイトの微細構造と物質移行特性が、ナノフォーカスX線CTによる3次元微細構造分析と重水の拡散実験とを組み合わせて調査された。X線CT観察により、乾燥状態の圧縮Na型モンモリロナイトが飽和膨潤する過程で、連結性マクロ間隙はゲル相によって埋められ、粘土粒子のサイズは小さくなることが確認された。Cs型モンモリロナイトでは、それとは対照的に飽和過程でのゲル相の生成や粒子・間隙サイズの変化は認められなかった。X線CTによって評価された飽和Cs型モンモリロナイトの連結性マクロ間隙の屈曲度及び収れん度を含む幾何学因子は、重水の拡散試験から評価された値と整合した。Na型モンモリロナイトの場合、X線CTと拡散試験から導出された幾何学因子の差異が確認され、これは静電的相互作用による収れん度とX線CTの解像度では観察できないゲル相や層間間隙の屈曲度に起因するものと考えられた。

論文

パーライトにおける内部応力の動的緩和と結晶方位関係の選択

雨宮 雄太郎*; 中田 伸生*; 諸岡 聡; 小坂 誠*; 加藤 雅治*

鉄と鋼, 105(2), p.314 - 323, 2019/02

 被引用回数:3 パーセンタイル:37.05(Metallurgy & Metallurgical Engineering)

パーライト変態中の応力緩和機構をより深く理解するために、電子線後方散乱回折法(EBSD)を用いて、セメンタイトの格子定数比を局所分析した。その結果、ラメラ状態のセメンタイトの格子定数比は球状態のセメンタイト粒子と大きく異なることを発見した。これは、パーライト組織がラメラ構造を維持する限り、ある程度の内部応力を保持することを実証した結果である。さらに、パーライト組織中の内部応力は、923Kの等温保持により、鉄原子の界面原子拡散が生じ、徐々に減少することを発見した。しかしながら、マイクロメカニクスを用いたPitsch-Petchの方位関係を満足させたフェライトとセメンタイトを仮定した内部応力の理論計算では、ミスフィット転位や構造レッジの導入により、パーライト変態中に多くの内部応力が緩和するという結果が得られている。つまり、パーライト組織の持つ内部応力は2つの異なるプロセスによって、動的緩和が進行すると考えられる。すなわち、それは、ナノ組織の形成による緩和と、時間に依存した焼鈍による緩和である。また、EBSD分析と中性子回折により測定したセメンタイトの格子定数は、異なる値を示した。これは、パーライトの階層組織に起因した局所情報とバルク平均情報の差異であると考えられる。

論文

Evaluation and modelling report of Task 9A based on comparisons and analyses of predictive modelling results for the REPRO WPDE experiments; Task 9 of SKB Task Force GWFTS - Increasing the realism in solute transport modelling based on the field experiments REPRO and LTDE-SD

Soler, J. M.*; Neretnieks, I.*; Moreno, L.*; Liu, L.*; Meng, S.*; Svensson, U.*; Trinchero, P.*; Iraola, A.*; Ebrahimi, H.*; Molinero, J.*; et al.

SKB R-17-10, 153 Pages, 2019/01

SKBタスクフォースは、亀裂性岩石中の地下水流動と物質移行のモデル化に関する国際フォーラムである。WPDE試験はフィンランドのオンカロ地下施設において実施された片麻岩中のマトリクス拡散試験である。複数の非収着性及び収着性のトレーサーを含む模擬地下水が試錐孔の試験区間に沿って注入された。タスク9Aは、WPDE試験で得られたトレーサー破過曲線に対する予測モデリングを行うことを目的とした。複数のチームが本タスクに参加し、異なるモデル化手法を用いた予測解析を行った。この予測解析の重要な結論は、試錐孔の開口部における地下水流動に関連する分散パラメータにモデル化結果が大きく影響されることである。マトリクス拡散及び収着に関連する破過曲線のテール部に着目すると、異なるチーム間の解析結果の差異は相対的に小さい結果となった。モデル化結果は、最終的に実測された破過曲線と比較された。

論文

分子動力学法によるモンモリロナイト層間中の水とイオンの物性評価; 拡散モデルへの反映

四辻 健治*; 舘 幸男; 河村 雄行*; 有馬 立身*; 佐久間 博*

粘土科学, 58(1), p.8 - 25, 2019/00

分子動力学シミュレーションによってモンモリロナイト層間間隙中の水分子やイオンの物性を調査した。膨潤挙動や安定な水和状態に対する層間陽イオンや層電荷による影響が最初に評価された。層間間隙中の水分子や陽イオンの拡散係数はバルク水と比較して小さく、層間間隙が広がるにつれてバルク水に近づくことが確認された。推定された層間間隙水の電粘性効果による粘性係数の変化は、1層あるいは2層水和状態において、また層電荷が高い条件において顕著であった。これらのMD計算によって得られた傾向は、既存の実測データや先行するMD計算事例とも整合することが確認できた。さらに、現状の拡散モデルに用いている電粘性効果を表現するモデルとパラメータは、MD計算結果と実測データの比較を通じて改善できることが示された。これらのMD計算によって得られる分子レベルでの現象理解は、圧縮モンモリロナイト中の拡散モデルの開発と改良に有益な情報を与えるものである。

論文

Diffusion and sorption behavior of HTO, Cs, I and U in mortar

赤木 洋介*; 加藤 博康*; 舘 幸男; 坂本 浩幸*

Progress in Nuclear Science and Technology (Internet), 5, p.233 - 236, 2018/11

福島第一原子力発電所の廃止措置によって放射性物質によって汚染されたコンクリートが多量に発生することが想定される。廃止措置や放射性廃棄物管理(除染や処分等)のための計画を策定するうえでは、コンクリート材料中の放射能インベントリや分布を推定することが重要となる。本研究では、OPCモルタル中のHTO, Cs, I, Uの実効拡散係数(De)及び分配係数(Kd)を、透過拡散試験及びバッチ収着試験によって実測した。取得されたDeはHTO, I, Cs, Uの序列となり、陽イオン排除効果がOPCモルタルにおいて重要なメカニズムであることが確認された。バッチ試験で得られたKdは、拡散試験で得られたKdより1桁以上高い値となり、試料の粉砕が収着に対して影響を及ぼすことが確認された。OPCモルタル中の拡散・拡散メカニズム理解は、放射性核種のコンクリートへの浸透挙動の予測するうえで重要である。

論文

Effects of fine-scale surface alterations on tracer retention in a fractured crystalline rock from the Grimsel Test Site

舘 幸男; 伊藤 剛志*; 赤木 洋介*; 佐藤 久夫*; Martin, A. J.*

Water Resources Research, 54(11), p.9287 - 9305, 2018/11

 被引用回数:4 パーセンタイル:37.78(Environmental Sciences)

亀裂性結晶質岩中の放射性核種移行に対する割れ目表面の変質層の影響が、スイスのグリムゼル試験場の単一亀裂を有する花崗閃緑岩試料を用いた室内移行試験、表面分析、モデル化を組み合わせた包括的なアプローチによって調査された。5種類のトレーサーを用いた透過拡散試験,バッチ収着試験,通液試験を含む室内試験によって、移行遅延の程度はHDO, Se, Cs, Ni, Euの順に大きくなること、割れ目表面近傍に拡散に対する抵抗層が存在すること、拡散において陽イオン加速と陰イオン排除の効果が重要であることが確認された。X線CT及びEPMAによる観察から、割れ目周辺の鉱物分布の微視的な不均質性が把握された。これらの知見に基づき、風化したバーミキュライト層、配向した雲母層、マトリクス部から構成される3層モデルを構築し、それぞれの層の間隙率、収着・拡散パラメータを与えることで、通液試験で得られた全てのトレーサーの破過曲線と割れ目近傍のトレーサー濃度分布を良好に解釈することができた。

論文

Effects of environmental factors inside the crevice on corrosion of stainless steel in high temperature water

山本 正弘; 佐藤 智徳; 五十嵐 誉廣; 上野 文義; 相馬 康孝

Proceedings of European Corrosion Congress 2017 (EUROCORR 2017) and 20th ICC & Process Safety Congress 2017 (USB Flash Drive), 6 Pages, 2018/09

溶存酸素を含む高温高圧水中においてSUS316L鋼にすき間を付与した際に腐食形態が外部と大きく異なっていることを明らかにしてきた。既にすきま部のギャップや外部からの奥行に従って生成する腐食生成物が異なっていることを示した。このことは、すきまの形状に伴って環境が大きく異なっていることを示唆している。今回は、これらの結果を整理するとともに、FEM計算によりすきま部での環境因子を予測し、腐食生成物との関係を検討した結果を報告する。

論文

A Study on self-terminating behavior of sodium-concrete reaction, 2

河口 宗道; 宮原 信哉; 宇埜 正美*

Journal of Nuclear Science and Technology, 55(8), p.874 - 884, 2018/08

 被引用回数:3 パーセンタイル:45.99(Nuclear Science & Technology)

ナトリウム冷却高速炉のシビアアクシデント研究の一環として、ナトリウム-コンクリート反応(SCR)の停止機構を解明するための実験を行った。実験では、細長いコンクリート試験体を使用し、途中で周囲の断熱材を取り外して、強制冷却できるようにした。反応時間を変えた実験を複数回実施することにより、ナトリウム(Na)や反応生成物の分布の時間変化に係るデータを取得した。その結果、初期段階では反応界面において十分に存在していたNaが時間の経過とともに減少し、反応停止後は、Na濃度が18-24wt.%、Si濃度が22-18wt.%となった。また、熱力学計算より、反応界面での安定物質は90wt.%以上がNa$$_{2}$$SiO$$_{3}$$等の固体物質であり、Naは含まれないことがわかった。さらに、定常状態の沈降拡散方程式を用いてこれらの解釈を試みた。SCR初期では、水素発生速度が高いために微粒化した反応生成物はプール中を浮遊するが、コンクリート侵食の進展ならびに反応生成物の増加につれて、水素発生速度に依存しつつも反応生成物の沈降・堆積が顕著になると説明できる。以上により、反応界面での反応生成物の堆積に起因するNaの欠乏により、SCRが次第に停止するとの結論に至った。

論文

Diffusion behavior of methanol molecules confined in cross-linked phenolic resins studied using neutron scattering and molecular dynamics simulations

首藤 靖幸*; 和泉 篤士*; 萩田 克美*; 山田 武*; 柴田 薫; 柴山 充弘*

Macromolecules, 51(16), p.6334 - 6343, 2018/08

 被引用回数:9 パーセンタイル:49.31(Polymer Science)

The dynamics of methanol confined in highly cross-linked phenolic resins was investigated using incoherent quasielastic neutron scattering (QENS) and atomistic molecular dynamics (MD) simulations. The QENS analysis for adeuterated phenolic resin and both deuterated and nondeuterated methanol indicated the presence of resin dynamics induced by methanol invasion and confined diffusion of the methanol molecules. QENS results suggested that methanol had a diffusion coefficient of 1.6 $$times$$ 10$$^{-6}$$ cm$$^{2}$$/s, which is 1 order of magnitude smaller than the bulk value (2.3 $$times$$ 10$$^{-5}$$ cm$$^{2}$$/s. The MD trajectories also showed that the methanol diffusion was limited by the resin network, consistent with QENS results in terms of the diffusion coefficient and diffusion-like behavior.

論文

Technical investigation on small water leakage incident occurrence in mercury target of J-PARC

羽賀 勝洋; 粉川 広行; 涌井 隆; 直江 崇; 高田 弘

Journal of Nuclear Science and Technology, 55(2), p.160 - 168, 2018/02

 被引用回数:4 パーセンタイル:56.63(Nuclear Science & Technology)

J-PARCの核破砕中性子源で稼働中の水銀ターゲット容器は、水冷却流路を有する保護容器で水銀容器を覆う薄肉の多重容器構造であり、ステンレス316L鋼を材料に用いている。2015年、陽子ビーム出力500kWで運転中に保護容器から冷却水が滲出する事象が発生したため、原因究明の調査を行った。目視検査、模擬体による試験や解析評価の結果から、製作過程において水銀容器と保護容器を締結するボルト頭部の溶接で生じた大きな熱応力により隣接する拡散接合に欠陥が生じ、更にビーム運転中のビームトリップ毎に付加される繰り返し熱応力による熱疲労で、シール溶接部に欠陥が生じたことが原因と考えられた。このことから、製作過程における溶接部の初期欠陥を排除し、溶接構造部の堅牢性と信頼性を確保する重要性が改めて認識された。次の水銀ターゲット容器は、ワイヤー放電加工による一体構造の部品を多用し、溶接個所を低減するとともに、初期欠陥を排除すべく試験検査を強化するなど大幅な改良を施し製作された。この水銀ターゲット容器のビーム運転は2017年10月から開始される予定である。

論文

Assessment of sorption and diffusion in the rock matrix in the NUMO safety case

浜本 貴史*; 澁谷 早苗*; 石田 圭輔*; 藤崎 淳*; 山田 基幸*; 舘 幸男

Proceedings of 6th East Asia Forum on Radwaste Management Conference (EAFORM 2017) (Internet), 6 Pages, 2017/12

NUMOでは日本における地層処分の成立性と安全性を示すためのジェネリックなセーフティケースを開発している。このセーフティケースにおける安全評価のために、3種類の母岩を対象として分配係数及び実効拡散係数パラメータを設定するとともに、その不確実性や今後の課題について議論した。

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