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嶋田 道也; 宮澤 順一*
プラズマ・核融合学会誌, 92(2), p.119 - 124, 2016/02
能動対流型の液体金属ダイバータは、原型炉における熱負荷除去やディスラプション対策などの課題を解決する選択肢として有望である。この章では、研究の動機、これまでの経過、最近の動き、将来の展望、研究の課題について概説する。
嶋田 道也; 廣岡 慶彦*; Zhou, H.*
Europhysics Conference Abstracts (Internet), 38F, p.O2.110_1 - O2.110_4, 2014/00
核融合炉のダイバータ材料に最も有望なものとしてタングステンが検討されている。タングステン・ダイバータはITER実験炉の熱負荷には耐えられるものの、原型炉レベルの熱負荷を処理することは困難である。またディスラプション等に伴って短時間に膨大な熱負荷が生じた場合、溶融し再固化した後タングステン表面に凹凸が生じるため処理可能な熱負荷が著しく劣化する可能性がある。さらにタングステンは延性脆性遷移温度が摂氏400度と高く、中性子照射によりさらに上昇して亀裂を生じる懸念がある。そこで液体金属をダイバータ材料として用い、磁場に垂直の電流を液体金属中に流すことにより液体金属を循環させることを提案する。液体金属の流速が0.3m/s程度あれば、原型炉レベルの熱負荷を処理することが可能である。MHD方程式を円筒座標系で検討し、電圧の立ち上げを1分程度かけて行えば、電極に印加する電流・電圧は工学的に対処できるレベルであることを明らかにし、この新しいダイバータ概念が更なる検討に値することを示した。
嶋田 道也; Costley, A. E.*; Federici, G.*; 伊尾木 公裕*; Kukushkin, A. S.*; Mukhovatov, V.*; Polevoi, A. R.*; 杉原 正芳
Journal of Nuclear Materials, 337-339, p.808 - 815, 2005/03
被引用回数:66 パーセンタイル:96.43(Materials Science, Multidisciplinary)ITERは燃焼プラズマの研究と実現を目的とした核融合実験炉である。その特徴は、加熱パワーのほとんどがアルファ加熱によって供給されるということである。ITERは現在運転中の装置からの顕著なステップであり、かつ核融合炉開発において不可欠のステップである。ITERの成功は、プラズマ壁相互作用の制御のいかんにかかっていると言っても過言ではない。ITERは熱束,粒子束及び時間スケールにおいて現在の装置を一桁ないし二桁上回るからである。ITERにおけるプラズマ壁相互作用の制御の戦略として、セミクローズ・ダイバータ,強力な燃料補給と排気,ディスラプション及びELM制御,交換可能なプラズマ対向材料、及び段階を追った運転などを計画している。
藤沢 登; 杉原 正芳; 一木 繁久*; 斉藤 誠次*
Journal of Nuclear Science and Technology, 22(6), p.421 - 441, 1985/00
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Nuclear Science & Technology)1次元トカマク輸送コードを用いて、ポンプリミタを備えたトカマク炉での燃料及びHe粒子の振舞いを解析した。リミタチェンバから逆流する中性子粒子のエネルギーは2次元モンテカルロコードで設定する。ポンプリミタによるHe灰除去と熱除去の可能性を調べた。結果として(1)スクレイプオフ層内で電子温度はかなり急激に減少するが密度分布は平坦である。(2)He蓄積はやや短いリミタと妥当なポンプ速度で所定の値に保てる。(3)ポンプで排気されるトリチウムの量はリミタ長さによらない。(4)理想的なペレット入射で高温のスクレイプオフプラズマが実現され得る可能性あるが、リミタの浸食を十分に低減できるほど高温とはならない。結論としてHe排気は可能であるが熱負荷や浸食が相当に大きくなり、放射エネルギー損失が他の方法で周辺プラズマが冷却されなければ炉に適用することは難しい。