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井上 賢紀; 芹川 修道*; 高橋 英紀*; 鵜飼 重治
JNC TN9400 2002-056, 71 Pages, 2002/11
金属水素化物を装填した減速材要素をナトリウム冷却炉環境で使用すると、減速材要素内外の水素ガス分圧差に応じて水素が被覆管を拡散透過し、冷却材に移行する現象が発生する。減速材要素からの水素透過量評価に資するため、被覆管候補材料であるSUS316相当鋼(PNC316) と高強度フェライト/マルテナサイト鋼(PNC-FMS)の水素透過係数を実測して設計評価用物性値式として整備した。照射試験用に製作された被覆管を試料として天然水素ガスを内圧で印加し、水素透過速度を測定して、測定温度範囲は400700、測定圧力範囲は0.010.1MPaとした。PNC316とPNC-FMSに対する水素透過係数の関係式として下記の2式を得た。pnc316=6.96310の-8乗exp(-56745/RT)、pnc-FMS=2.22010の-8乗exp(-38831/RT)ここでは水素透過係数(mol-gas・1/m・1/s・Pa-0.5乗),Rは気体定数(8.31451J/molK),Tは温度(K)である。また、PNC316とPNC-FMSともに適用範囲は400700である。なお、水素ガス印加圧力をパラメータとした測定を行い、関係式のもとになった水素透過速度測定値が拡散律速であることを確認した。水素透過係数は関係式の不確かさ(統計誤差1相当)について、誤差要因を整理した結果、PNC316は14%、PNC-FMSは15%の値(相対値)を得た。
皆藤 威二; 大塚 智史; 鵜飼 重治
JNC TN9400 2002-061, 62 Pages, 2002/10
実用化被覆管材料としてのODSフェライト鋼の実用化見通しを早期に判断することを目的に、日露FBRサイクル協力の下にRIAR(Research Instiyute of Atomic Reactor)の高速実験炉BOR-60を用いたODSフェライト鋼被覆管燃料ピンの先行照射試験を実施する計画である。本照射試験に関する契約は平成14年1月に締結され、平成14年度内にRIARにおいて燃料ピンの設計、製造を完了する計画である。本報告書は、RIARにおける燃料ピンの設計に供するために、BOR-60での照射試験に限定したODSフェライト鋼被覆管の設計評価式についてまとめたものである。今回策定した設計評価式は以下のとおり。1)熱伝導率 2)平均熱膨張率 3)ヤング率/剛性率/ポアソン比 4)降伏点/引張強さ 5)クリープ破断応力強さ 6)熱クリープ歪み 7)照射クリープ歪 8)スエリング
四竃 樹男*; 矢野 豊彦*; 鵜飼 重治; 小野瀬 庄二
JNC TY9400 2002-011, 87 Pages, 2002/08
マイナーアクチニド(MA)や長寿命核分裂生成物(LLFP)の消滅処理では、不活性母材マトリックス材中にMAやLLFPを分散して原子炉照射する方法が効果的である。MAやLLFPの消滅処理のための不活性母材としては、熱伝導性に優れ、耐熱性やNaとの両立性が両校なAlNセラミックスが有望であるため、AlNに着目してその照射効果を研究した。窒化アルミニウムの消滅処理用不活性母材としての適用に際しては、14N(n,p)14Cの核反応で生成する放射性物質である14Cが発生しない母材が求められる。そこで、窒素の同位体を分離したAl15NとAl14N焼結体試料を作成して、 はじき出し損傷が主体の高速実験炉「常陽」と(n,p)反応が主体のHFIR(米国のオークリッジ研)での中性子照射試験を行い、スウェリング、熱伝導度、損傷組織変化等を評価するとともに、中性子照射に伴う核変換効果を明らかにした。本報告書では、同位体調整したAlN試料の作製と評価、「常陽」および「HFIR」照射した試料の照射後試験結果について記載した。「常陽」照射試料ではAl14Nに比べAl15Nの方がスウェリングがわずかに大きく、また、その熱処理による回復が少なかった。また、1600までのHe放出特性は類似しているが、量はAl14Nに比べAl15Nの方が少なかった。転位ループの生成および、粒界マイクロクラックの生成は同位体の影響を受けなかった。回復過程の同位体間の差異は、14Nと15Nの拡散速度に関連があると思われた。「HFIR」照射試料では、Al15Nに比べAl14Nの方がスウェリング(密度減少)が大きく、「常陽」照射後とは異なった。
上羽 智之; 鵜飼 重治; 浅賀 健男
JNC TN9400 2002-002, 49 Pages, 2002/03
BDI(Bundle Duet Interaction)は高速炉燃料の寿命を制限する因子の一つである。BDIが進行するとワイヤの位置ずれなどによって燃料ピンの配列の乱れ(ディスパージョン)が発生すると考えられる。本研究では、 BDI解析コード"BAMBOO"を用いてディスパージョンがバンドルの変形に及ぼす影響を評価した。 得られた結果を以下に示す。1)BAMBOOコードにおいて燃料ピンを構成する梁要素の節点以外で接触条件を考慮する機能を追加することにより、ワイヤの位置ずれによって発生するピンディスパージョンを表現できるようになった。2)ディスパージョンが発生した炉外バンドル圧縮試験結果を用いてコードを検証した結果、ピンーダクト間距離とピンーピン間距離についてコードの解析結果は試験結果と概ね一致した。従って、コードはディスパージョンを考慮したバンドルの変形を適切に解析できると考えられる。3)ディスパージョンが発生したバンドルでは、ディスパージョンが発生しない場合に比較してピンーピン間距離のバラつきが大きくなった。また、ピンーダクト間の最小距離は大きくなる場合もあったが、小さくなる場合もあった。これより顕著なディスパージョンの発生はバンドルの熱的健全性に影響する可能性がある。
畠山 耕一; 水田 俊治; 藤原 優行; 鵜飼 重治
JNC TN9400 2001-110, 87 Pages, 2001/12
ODS鋼被覆管の高燃焼度燃料への適用性を早急に見極めることを目的として、ロシアの高速炉(BOR-60)を用いた照射試験を計画している。 この場合のODS鋼被覆管と端栓の溶接は、ロシアにおいて適用可能なTIG溶接あるいはレーザー溶接が行われる計画である。本報告では、ODS鋼被覆管の端栓接合方法として、TIG溶接法、レーザー溶接法に加え、電子ビーム溶接法、ろう付拡散接合法3種(金ろう、パラジウムろう、ニッケルろう)の適用性を評価した。さらに、レーザー溶接法とTIG溶接法については、曲げ、内圧クリープ破断試験を行った。本研究で得られた主な結果は以下の通りである。 (1)溶接法の中では、エネルギー密度の最も高いレーザー溶接試験片が優れた引張強度(母材強度の90%以上)を示した。 (2)ろう材では、ニッケルろう付が最も優れた強度(母材強度の84%以上)を示し、次いで金ろう付け、パラジウムろう付の順であった。 (3)曲げ試験では、レーザー、 TIG溶接試験片とも曲げ角度50Cで溶接部周方向にき裂が発生した。 (4)700における内圧クリープ破断試験では、レーザー、TIG溶接試験片とも高応力側では母材部破断であったが、低応力側では溶接部破断となった。溶接法の中ではレーザー溶接、ろう付法の中ではニッケルろうの適用性が最も高い。
畠山 耕一; 鵜飼 重治
JNC TN9400 2001-108, 31 Pages, 2001/12
酸化物分散強化型(Oxide Pispersion Strengthened : ODS)フェライト鋼は、優れた耐スエリング特性と高いクリープ強度が期待されることから、将来の高速炉用燃料被覆管材料として有望視されている。本研究では、サイクル機構にて試作したODSフェライト鋼被覆管及び被覆管相当丸棒を用い、ODSフェライト鋼の機械的・物理的性質を把握するために、下記項目についての物性値測定試験を実施し、設計評価用物性式として策定した。・密度、・比熱、・熱伝導率、・平均熱膨張率、・ヤング率、・ポアソン比、・変態点
井上 賢紀; 浅賀 健男
JNC TN9400 2001-097, 25 Pages, 2001/10
著者らは、気相吸着法による窒素同位体分離に関する基礎実験を行い、同位体分離現象の発現を示唆する結果を平成11年度に報告した。今回の実験は平成11年度実験に対して指摘された問題点を受け、気相吸着法による窒素同位体分離現象の発現を再度確認することを目的に実施した。アンモニアガスを作業物質、Na-A型ゼオライトを吸着剤として圧力スイング吸着法を適用した窒素同位体分離処理を行った。流量計と四重極子型質量分析計を使用し、供給・濃縮・減損の 3流に対してそれぞれ流量測定・化学組成分析・窒素同位体比のオンライン測定を行って物質収支データを取得した。さらに、オンライン計測実験とは別にオフライン試料を採取し、二重収束型質量分析計と全自動窒素炭素同位体質量分析計を使用して窒素同位体比の高精度分析を行った。供給・濃縮・減損の 3流における同位体比のオンライン分析値は、同位体分離現象の発生を示した。また、オフライン試料中のNの原子分率は供給流:0.364520.0001%・濃縮流:3.860.01%・減損流:0.33510.0001%であり、有意な同位体分離現象の発生を示唆した。オンライン測定データに基づくカットは1%未満、回収率は約3%であり、非常に小さい値を示した。供給・濃縮・減損の 3流における窒素元素量の分析精度が、カットの大きさに対して不十分であったため、元素量の分析精度がカット大きさに対して不十分であったため、元素量の質量保存を実験的に確認することはできなかった。
水田 俊治; 藤原 優行; 鵜飼 重治
JNC TN9400 2001-103, 139 Pages, 2001/09
高速増殖炉の実用化のため、高速炉炉心構成材料として高照射量まで組織安定性が高く、スエリングや高温強度に優れた材料として酸化分散強化型(ODS)フェライト鋼の開発を進めている。被覆管の製造工程において加工方向に伸張した結晶粒に起因する強度異方性を改善するため、再結晶技術を用いたフェライト系 ODS鋼被覆管の製造方法と添加元素の影響について評価した。また、将来の実用規模の観点から、長尺被覆管の量産を可能とする経済性の高い製造プロセスの成立性についても検討した。本研究で得られた主な結果は以下のとおりである。 (1)強度と加工性に影響を及ぼすTiとY2O3添加量をパラメータとして被覆管加工試験を行い、再結晶軟化を行うことにより被覆管作製が可能である。再結晶粒はTiとY2O3添加量が高いほど、圧延方向に伸張した組織を示した。 (2)試作した被覆管のリング引張特性はTiとY2O3添加量に依存した強度を示し、0.3Ti-0.23Y2O3のF95が最も優れた引張強度を示した(F95F93F92F91)。また、どの鋼種についても周方向の一様伸びは全温度範囲に亘って、高温まで十分な延性を有していた。 (3)内圧クリープ強度についてもTiとY2O3添加量に依存した強度を示し、TiとY2O3の複合添加により分散粒子は微細にかつ緻密に分散した。最も強度の高いF95は目標強度(700,10000h,120MPa)を達成できるレ
井上 賢紀; 浅賀 健男
JNC TN9400 2001-081, 69 Pages, 2001/09
高速炉燃料における燃料組織片かは径方向に特徴的な発達形式を示し、燃料組織変化は燃料ピンの伝熱特性を把握する上で非常に有益な現象である。また、燃料ペレットと被覆管との間のギャップ部熱伝達挙動は伝熱特性に対する最も重要な影響因子であり、高燃焼度において燃料ペレット最外周領域の顕著な燃料組織片かを伴うギャップリオープン現象が最近報告されている点が注目される。今回の評価は燃料ピンの伝熱特性に及ぼす燃焼効果について、特に燃料組織片挙動とギャップリオープン現象に着目し、照射試験データに基づきそれぞれの挙動を実験的に把握して高燃焼度燃料挙動の解明に資することを目的とした。 今回の評価にあたり、「常陽」MK-II炉心・FFTF・Phenixにおける照射試験データを評価用データベースとして整備した。続いて、燃料組織変化挙動評価として、中心空孔径・柱状晶領域径・ガスバルブ領域径・高密度化領域径・黒色リング径計・残留ギャップ幅に及ぼす照射条件の影響を整理した。 高燃焼度燃料ピンにおけるギャップリオープン現象について、過去の照射試験データを総覧して発生挙動を把握した。製造時データ・照射データ・照射後試験データの取得状況が良好な「常陽」MK-II炉心燃料ピンに着目した検討を行った結果、ギャップリオープン現象の発生がFPガス放出挙動と密接な関連があることを実験的に確認した。また、ギャップリオープン現象の発生した照射試験燃料ピンの横断面金相観察試料を対象に燃焼燃料温度評価手法を最新知見をもとに設定して燃料最高温度の予測解析を行った結果、ギャップリオープン後はギャップ部充満物質がギャップ部熱伝達挙動の改善に寄与していることを確認した。
大塚 智史; 鵜飼 重治
JNC TN9400 2001-083, 38 Pages, 2001/08
サイクル機構が高速炉用炉心材料として開発したPNC316鋼の照射クリープ歪み式の策定のために、これまで照射クリープ係数(B0)とスエリング相互作用係数 (D)がPIEデータから求められており、得られたB0とDの値はほぼ海外のオーステナイト系炉心材料について報告されている値の範囲に含まれることがわかっている。 本報告では、設計用照射クリープ歪み式の合理化のために、より実験データとの整合性の良いモデル式を策定することを目的として、反応速度論に基づく照射クリープモデルの定式化を行い、その数値計算と実測値の比較検討を行なった。得られた結果は以下の通りである。 (1)照射クリープ歪み計算値から算出したスエリング相互作用係数 (D)は、スエリング歪みの増加とともに減少し、FFTF/MOTA材料照射データと同様の傾向を示した。(2)本計算に用いた照射クリープおよびスエリングモデルの基本式の検討から、スエリング相互作用係数 (D)の減少は、中性シンクとしてボイドだけでなく析出物も考慮することにより説明できることを初めて明らかにした。 (3)照射クリープ係数(B0)は、スエリング開始とともに中性シンクとしてのボイドが形成されて材料中の照射欠陥濃度が減少するために、スエリング開始後、徐々に減少する可能性を初めて明らかにした。 (4)点欠陥パラメータを適切に設定することにより、SIPAクリープ歪みの計算値は実測値と概ね一致することがわかった。
畠山 耕一; 藤原 優行; 鵜飼 重治
JNC TN9400 2001-082, 79 Pages, 2001/08
オーステナイト鋼に比べて耐スエリング性が格段に優れている高強度フェライト/マルテンサイト鋼(PNC-FMS鋼)ラッパ管を「常陽」「もんじゅ」に適用する場合は、ラッパ管上下部材(ハンドリングヘッド、エントランスノズル)を構成するオーステナイト系ステンレス鋼との異材溶接が必要となる。異材溶接部ではフェライト相が生成し、生成したフェライトによる靭性の低下が懸念される。本研究では、溶接部の熱処理によるフェライトの消失を検討し、熱処理条件を決定した。この方法は、ラッパ管製造メーカーでSUS316短尺ラッパ管との溶接接合が必要であるため、溶接継手構造を有するラッパ管製造の可能性・成立性について検討した。得られた結果は次のとおりである。 (1)溶接により生成したフェライト相は、溶接後熱処理として1050X10min以上の焼きならし処理を行うことで消失する。 (2)寸法仕様を満足し実用化の可能性が最も高い工程として、下記工程を選定した。PNC-FMS鋼とSUS316の丸管をTIG溶接後熱処理六角管に抽伸焼きならし・焼戻し熱処理寸法調整抽伸加工 (3)試作したラッパ管の異材溶接部について組織及び機械的性質を調査した結果、良好な継手性能を示すことを確認した。
井上 賢紀; 浅賀 健男
JNC TN9400 2001-080, 78 Pages, 2001/08
高速炉用ウラン-プルトニウム混合酸化物燃料の熱伝導特性の解明は熱伝導式の形で集大成されながら展開しており、2000年に新しい関係式(PNC'98式)が報告された。高速炉燃料は軽水炉燃料よりも使用温度レベルが高いため、2000を超える高温度領域まで信頼性の高い燃料熱伝導度式に対するニーズが強いが、高温度領域における熱伝導度測定は技術的難易度が高いため実測データは非常に少ない。 最近取得された高速実験炉「常陽」におけるPTM試験データに基づき燃料ピン内伝熱特性評価を行い、ギャップ部温度上昇量計算値をギャップ部熱伝達挙動の観点から検討し、PNC'98式の燃料融点までの適用性を熱伝導積分法に基づき評価した。PTM試験データを用いた適用性評価は、 燃料熱伝導特性に及ぼす気孔効果と照射効果の取り扱い、燃料中心温度設定値等の燃料ピン内温度分布計算方法の妥当性に依存する。そこで、照射初期の燃料ピン内温度評価モデルを最新知見に基づき妥当性を検討しながら設定した。得られたギャップ部温度上昇量と燃料ペレット内温度上昇量の計算値は、ギャップ部熱伝達挙動の観点から適切な値に計算されており、PNC'98式は燃料融点まで十分な適用性を有していると考えられた。
大塚 智史; 上羽 智之; 鵜飼 重治; 水田 俊治
JNC TN9400 2001-038, 40 Pages, 2001/03
改良オーステナイト最適化鋼(以下、14Cr-25Ni鋼)は「もんじゅ」高度化炉心のバックアップ材料として改良オーステナイト鋼(PNC1520)の耐スエリング特性をさらに向上させるために改良を図った材料であり、すでに合金開発は終了している。これまで合金添加元素(Ti,Nb,V,P)を変えた7鋼種の被覆管試作を行ない、炉外特性評価試験を実施してきた。本研究では炉外特性のうち引張特性と高温クリープ特性を評価した。得られた結果は以下の通りである。1.試験温度が室温から900における14Cr-25Ni鋼の引張特性(0.2%耐力、引張強さ、一様伸び、破断伸び)は、PNC316鋼およびPNC1520鋼とほぼ同等であった。2.14Cr-25Ni鋼のクリープ強度はPNC316鋼とPNC1520鋼の中間にあることがわかった。しかし、Ti,Nb,Vの複合添加材は750での長時間側クリープ強度が顕著に改善されることが判明した。3.クリープ破断材の組織観察結果より、V添加による長時間側のクリープ強度増加の機構として、(Ti,Nb,V)炭窒化物の微細析出物分散による転位組織の安定化が考えられる。
上羽 智之; 鵜飼 重治; 浅賀 健男
JNC TN9400 2001-037, 23 Pages, 2001/02
改良オーステナイト鋼(15Cr-20Ni鋼)の短時間強度補正係数を、「もんじゅ」高燃焼度炉心条件での燃料集合体の健全性確証試験を目的としたMFA-2照射試験を含む最近までに得られたこの材料の被覆管照射後引張試験結果を用いて策定した。策定した短時間強度補正係数(sy,su)は以下の通りである。ここで、syは、設計降伏応力Syに対する強度補正係数あり、suは、設計引張強さSuに対する補正係数である。(T:照射温度()、t:照射時間(h))sy=25.5245-4.5200010のマイナス3乗(LMP)+2.7535010のマイナス7乗(LMP)の2乗-5.6688010のマイナス12(LMP)の3乗LMP:(T+273.15)(11.88+log10t)su=36.7208-9.0420010のマイナス3乗(LMP)+7.6687010のマイナス7乗(LMP)の2乗-2.1926010のマイナス11(LMP)の3乗LMP:(T+273.15)(9.05+log10t)適用範囲: sy1.0、su1.O、RTT740、LMP(sy)16176、LMP(su)13313策定した短時間強度補正係数のデータベースは、材料強度基準(案)の策定当時はまだ十分に得られていなかったが、その後蓄積されできた改良オーステナイト鋼被覆管の照射材引張試験結果である。これらのデータの中には、従来策定された強度補正係数による設計応力値を高温、長時間側において若干下回るものがあるが、今回策定した強度補正係数による設計応力値はこれらのデータを適切に包絡できている。以上のことから、これらの短時間強度補正係数は妥当な値であると考えられる。