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宇野 功一郎*; 中尾 淳*; 奥村 雅彦; 山口 瑛子; 小暮 敏博*; 矢内 純太*
日本土壌肥料学雑誌, 94(5), p.376 - 384, 2023/10
土壌のセシウム(Cs)吸着能の定量指標としてRadiocesium interception potential (RIP)が広く用いられてきたが、このRIPが実環境でのCsの分配係数()と必ずしも相関しないことがわかってきた。この原因を明らかにするため、より実環境に則した溶液を用いた測定やRIPとの比較、鉱物の構造評価を行った。その結果、カリウムイオンやアンモニウムイオンなどの競合陽イオンの濃度が重要であることや、鉱物自体の構造変化が重要であることがわかった。
山口 瑛子; 浅野 育美*; 北川 結理*; Meng, C.*; 中尾 淳*; 奥村 雅彦
Proceedings of Joint International Conference on Supercomputing in Nuclear Applications + Monte Carlo 2020 (SNA + MC 2020), p.127 - 130, 2020/10
粘土鉱物は身近な鉱物の一つであり、環境中の元素挙動に大きな影響を及ぼすにも関わらず、未解明な点が多い。粘土鉱物の重要な特性の一つに、同程度の大きさのイオンによる置換反応(同形置換)があり、粘土鉱物の強い吸着力の要因の一つと考えられているが、実際にどの程度影響を及ぼすか評価されたことはない。本発表では、系統的なモデル作成と第一原理計算を用いることで、同形置換が剥離強度に与える影響を数値的に評価した結果を報告する。
横田 裕一郎; 舟山 知夫; 和田 成一*; 長谷 純宏; 小林 泰彦; 井上 雅好*; 田中 淳; 鳴海 一成
JAEA-Review 2007-060, JAEA Takasaki Annual Report 2006, P. 69, 2008/03
葉状植物を含む多くの高等植物は、個体及び細胞レベルで高い放射線耐性を示すが、その機序は明らかにされていない。本研究では、タバコ培養細胞(BY-2)をモデル植物細胞として、この問題に取り組むために、線で照射したBY-2細胞における細胞周期チェックポイントの解析と微小核誘発率測定を行った。その結果、G/M期細胞区は照射後24時間で一過的に増加した。また、少なくとも一個の微小核を持つ細胞の割合は、照射後48時間で急勾配で増加した。これらのことから、BY-2細胞は、G2期において一過性かつ緩いDNA損傷チェックポイント機構を持ち、結果として、線照射後に微小核が高頻度で誘発されると考えられた。これは、ゲノムの不安定性を増加させるので、一見すると生物にとって良くないと思われがちだが、限られた寿命の間に、他の競合相手よりも多く太陽光を得るために、早く増殖する必要がある高等植物にとっては許容できることなのであろうと思われた。
横田 裕一郎; 山田 真也*; 長谷 純宏; 鹿園 直哉; 鳴海 一成; 田中 淳; 井上 雅好
JAEA-Review 2006-042, JAEA Takasaki Annual Report 2005, P. 77, 2007/02
イオンビームは、線など低LET放射線と比べて、植物の種子あるいはプロトプラストにおける致死,染色体異常,変異誘発効果などが大きいが、そのメカニズムは現在まで明らかになっていない。本研究では、LETの異なるイオンビームを照射したタバコプロトプラストにおいて、放射線が生体内に誘発する最も致死的に損傷であるDNA2本鎖切断の初期生成状態について、バルスフィールドゲル電気泳動法を用いたDNA断片サイズ分析法で定量的に分析した。その結果、高LETの炭素及びネオンイオンビーム照射では、線照射と比べて、長さの短いDNA断片の集積が観察され、イオンビームは、植物細胞DNAに局所的なDNA2本鎖切断を効率的に誘発することが明らかになった。このことから、DNA2本鎖切断の初期生成状態の違いが、イオンビームの高い生物効果の一因であると考えられた。
横田 裕一郎; 山田 真也*; 長谷 純宏; 鹿園 直哉; 鳴海 一成; 田中 淳; 井上 雅好*
Radiation Research, 167(1), p.94 - 101, 2007/01
被引用回数:27 パーセンタイル:61.29(Biology)イオンビームが植物細胞を致死あるいは変異させる能力は線エネルギー付与(LET)に依存するが、その損傷メカニズムはよくわかっていない。本研究では、高LETイオン照射したタバコプロトプラストにおいてDNA2本鎖切断(DSB)をDNA断片サイズ分析法で定量した。植物単細胞のモデルとしてタバコBY-2プロトプラストにLETの異なるヘリウム,カーボン及びネオンイオンと線を照射した。照射後、パルスフィールドゲル電気泳動法でDNA断片を分離した。DNA断片化についての情報はゲルをSYBR Green Iで染色することにより得た。DSB初期収量(Gbp Gy)はLETに依存し、生物学的効果比は124及び241keV/mのカーボンイオンで最大となった。高LETのカーボン及びネオンイオンは線と比べて短いDNA断片を効率的に誘発した。以上の結果は植物において高LETイオンが引き起こす大きな生物効果を部分的に説明するものである。
北村 智; 田中 淳; 井上 雅好*
Genes and Genetic Systems, 80(4), p.251 - 260, 2005/08
被引用回数:10 パーセンタイル:20.11(Biochemistry & Molecular Biology)タバコ属植物における倍数化の経緯を探るため、4倍体野生タバコ種において、高等生物に必須の遺伝子である5S rDNAのスペーサー領域を単離しシーケンス解析した。既に解析済みであった2倍体タバコ種におけるスペーサー配列と比較することにより、2倍体種と4倍体種からなる複数のグループが形成された。また5S rDNAの座乗染色体を調べたところ、グループ内の種は類似した染色体に5S rDNAが位置することがわかった。これらの結果から、同一グループに分類された倍数性の異なる種は、5S rDNAを基準にすると、非常に系統学的に近い関係にあると言える。この結果が、5S rDNAという一つの遺伝子だけでなくゲノム全体に関しても言えるかどうかを調査するために、GISHによるゲノムレベルの解析を行った。その結果、シーケンス解析で認められたグループは、ゲノムレベルでも非常に近縁関係にあることがわかった。
横田 裕一郎; 鹿園 直哉; 田中 淳; 長谷 純宏; 舟山 知夫; 和田 成一; 井上 雅好*
Radiation Research, 163(5), p.520 - 525, 2005/05
被引用回数:20 パーセンタイル:48.84(Biology)一般的に高等植物は哺乳動物よりも放射線に強い。高等植物の放射線耐性機構を探索するために、タバコBY-2細胞及びその対照としてチャイニーズハムスターCHO-K1細胞に線を照射し、パルスフィールドゲル電気泳動法によりDNA2本鎖切断(DSB)を定量した。タバコBY-2細胞におけるDSB生成量(2.00.1DSBs GbpGy)はCHO-K1細胞のわずか1/3であり、一方で、平均致死線量の線照射による細胞あたりのDSB生成量は、タバコBY-2細胞(263.213.2)ではCHO-K1細胞より5倍多かった。これらの結果は、タバコBY-2細胞で認められた放射線耐性の原因として、DNA損傷が少ないばかりでなく、DNA損傷が効果的に修復されることを示唆している。
横田 裕一郎; 長谷 純宏; 鹿園 直哉; 田中 淳; 井上 雅好*
International Journal of Radiation Biology, 79(8), p.681 - 685, 2003/08
被引用回数:21 パーセンタイル:78.49(Biology)イオンビーム照射した植物単細胞での放射線感受性と生物学的効果比(RBE)の線エネルギー付与(LET)依存性を調査するために、タバコ(BY-2)単細胞にカーボンイオン(78.6-309keV/m)及び線(0.2keV/m)を照射した。照射2週間後、16細胞以上からなるコロニーを形成した照射細胞を生存細胞として計数した。生存割合を単一ヒット多標的理論を用いて近似した。生存割合を0.1に減少させる線量(D)は線で47.2Gy、カーボンイオンで10.5から12.6Gyであった。ほ乳類細胞に比べてタバコ単細胞の放射線感受性は5から10倍低かったが、放射線感受性と高い相関を持つパラメータである染色体当たりのDNAサイズは両者の間でほぼ同じであった。Dに基づくRBEは247keV/mでピークに達した。タバコ単細胞におけるカーボンイオンのDに基づくRBEピークは他の生物において認められているよりも高LETで認められた。
北村 智; 井上 雅好*; 近江戸 伸子*; 福井 希一*; 田中 淳
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 206, p.548 - 552, 2003/05
被引用回数:8 パーセンタイル:50.24(Instruments & Instrumentation)栽培タバコ L.と野生タバコ Dominとの間には強い交雑不親和性が存在するため、通常の交雑では種間雑種を得ることは極めて困難である。にも関わらず、われわれは、ヘリウムイオンビームあるいは線を照射した花粉を交雑に用いることにより、交雑不親和性を打破し、との種間雑種を得ることにすでに成功している。今回、親種のゲノムDNAを用いた蛍光in situハイブリダイゼーション法により、これらの種間雑種の染色体構成を調査した。ヘリウムイオンビーム照射花粉を用いて得た雑種では、多くの根端細胞は、18本の染色体と24本のからなっていることが明らかとなり、このことは、両親の染色体数から期待される雑種の染色体構成と一致する。しかし、これらの雑種の幾つかの細胞では、両親ゲノム間の転座や挿入といった大きな染色体再編成が起こっていることが示された。再編成の起こった染色体における両親ゲノムの境界点は、主に、動原体近傍あるいは二次狭窄領域であった。一方、線照射花粉を用いて得た雑種では、両親ゲノム間の染色体組み換えは検出されなかったが、全ての細胞が41本の染色体を保持しており、それらのうちに由来する染色体が19本であることが示された。
長谷 純宏; 山口 樹紀*; 井上 雅好*; 田中 淳
International Journal of Radiation Biology, 78(9), p.799 - 806, 2002/09
被引用回数:35 パーセンタイル:88.28(Biology)植物におけるイオンビームの生物学的効果比(RBE)と線エネルギー付与(LET)との関係を調査するため、タバコ種子に92260keV/mのLETを持つカーボンイオンを照射し、生存率並びに根端細胞での染色体異常を調査した。線に対するRBEは、生存抑制効果についてはD37,染色体異常誘起効果については50%の染色体異常頻度を誘発するために必要な線量の比よりそれぞれ求めた。RBEはLETの増加に伴って増加し、230keV/mのLETでピークに達した。線に対するRBEの最大値は生存抑制効果については65.0,染色体異常誘起効果については52.5であった。LET-RBEの関係は両指標についてよく似たパターンを示した。発芽直後の根端分裂組織で観察される染色体異常のタイプは放射線の種類によって差がみられなかった。根が伸長するにしたがって染色体異常頻度は序々に低下した。また、染色体断片は染色体橋に比べて速く減少した。カーボンイオンを照射した根では線を照射したものに比べて染色体異常の消失の速度が遅いようであった。
浜田 健太郎*; 井上 雅好*; 田中 淳; 渡辺 宏
Plant Biotechnology, 18(4), p.251 - 257, 2001/04
イオンビーム照射とタバコ花粉の培養系利用によって得られたポテトウィルスYの耐病性半数体の染色体倍化を行うため、髄組織の培養を試みた。その結果、35個体の植物を得ることができ、順化を行った。それらの染色体数は22から96本まで変化していたが、16個体では、正常な48本の染色体を保持していた。また、これらの植物体は自家受粉により稔性種子を作り出せることができた。さらに、後代でポテトウィルスYの接種試験を行ったところ、耐性と感受性の植物体が混在していたものの、半数体で耐病性であった約50%が倍化植物体でも耐性であることがわかった。
横田 裕一郎; 和田 成一*; 鹿園 直哉; 長谷 純宏; 井上 雅好*; 田中 淳; 鳴海 一成
no journal, ,
植物の放射線耐性メカニズムを明らかにするため、DNA2本鎖切断(DSB)の生成及び修復を定量的に分析した。タバコBY-2プロトプラスト及びチャイニーズハムスターCHO-K1細胞に氷温下で線を照射した。パルスフィールドゲル電気泳動によるDNA断片化パターンの解析から、照射直後あるいは修復後のDSBを定量した。照射直後のDSB生成量(Gbp DNAGy)は、タバコで2個,チャイニーズハムスターで6.6個であった。細胞の放射線感受性及びゲノムサイズを考慮した場合、平均致死線量を照射した細胞に生じるDSBは、タバコで263個,チャイニーズハムスターで55個であった。以上の結果から、タバコではDSBが生じにくいうえ、多くのDSBに耐えられることがわかった。他方で、タバコとチャイニーズハムスターとの間でDSBの修復効率に差は認められなかった。タバコが多くのDSBに耐えられる原因として、DSBを正確に修復できる可能性と、DSBが誤って修復される際に生じる遺伝情報の変化やゲノム不安定性に寛容である可能性が考えられた。
横田 裕一郎; 山田 真也*; 長谷 純宏; 鹿園 直哉; 鳴海 一成; 田中 淳; 井上 雅好*
no journal, ,
高LET重イオンが植物に大きな影響を及ぼすメカニズムを明らかにするため、高LET重イオン照射した植物細胞に誘発されるDNA2本鎖切断(DSB)の定量的な分析を行った。タバコBY-2プロトプラストにLETの異なるヘリウム,カーボン及びネオンイオンを氷温下で照射した。ゲノムDNAをパルスフィールドゲル電気泳動法によりサイズに従って分離し、DNAの断片化パターンからDSB生成数及び隣接するDSBの間隔を評価した。DSB生成量はイオン種及びLETに依存し、調査範囲では124及び241keV/mのカーボンイオンで最大となった。0.2keV/m線,9.4及び17.7keV/mのヘリウムイオンはDSBをほぼランダムに誘発するのに対して、94.8から431keV/mのカーボンイオン及び440keV/mのネオンイオンではDSBをゲノムDNA上に集中して誘発した。高LET重イオンが植物細胞にDSBを効率よく・集中的に誘発することは、重イオンが有する高い生物効果の一因であると考えられた。
横田 裕一郎
no journal, ,
高LET重イオンの高い生物効果は重粒子線がん治療やイオンビーム植物育種の根拠となっているが、DNA初期損傷から生物学的なエンドポイントに至るメカニズムについては不明な点が多い。そこで、LETの異なるヘリウム,炭素及びネオンイオンをタバコの単細胞に照射し、コロニー形成能を調べるとともに、DNA2本鎖切断(DSB)により生じたDNA断片数をパルスフィールドゲル電気泳動によりサイズごとに分けて定量した。その結果、分裂死,DSB初期生成量はともに放射線のLETに依存し、炭素イオンではLETが200keV/m前後で最大となり、線量あたりの生物効果は線と比べてそれぞれ4.5倍及び1.6倍大きいことを明らかにした。さらに、重イオンは線と比べてDSBをゲノムDNA上に局所的に誘発することも発見した。このように、多量のDSBを局所的に誘発することは高LET重イオンの生物効果が大きいことの原因の一つであると考えている。
横田 裕一郎; 長谷 純宏; 舟山 知夫; 小林 泰彦; 田中 淳; 鳴海 一成; 和田 成一*; 井上 雅好*
no journal, ,
本研究では、重イオンビームの予備実験として、タバコプロトプラスト及びチャイニーズハムスター細胞に線を照射し、パルスフィールドゲル電気泳動によりDNA2本鎖切断(DSB)の生成及び修復の定量解析を行うとともに、線照射がタバコ細胞にHLS(熱処理によりDSBに転換される熱惰弱部位)を誘発するかどうか調べた。50Cで細胞溶解を行った場合、タバコ細胞とチャイニーズハムスター細胞との間でDSB修復効率に差はなかった。HLSのDSB転換の有無を確認するために、あらかじめ細胞溶解しておいたタバコゲノムDNAに線を照射後、50Cで24時間インキュベートした。その結果、DNAの断片化が進んだことから、線照射したタバコDNAにもHLSが生じることが明らかになった。また、生じたHLSは2時間後には完全に修復されていることが明らかになった。
宇野 功一郎*; 中尾 淳*; 奥村 雅彦; 小暮 敏博*; 山口 瑛子; 武田 晃*; 丸山 隼人*; 信濃 卓郎*; 矢内 純太*
no journal, ,
黒雲母は層間での放射性セシウム(RCs)の選択的吸着(Cs吸着能)と層間からのカリウム(K)供給(K供給能)の2つの機能により土壌から植物へのRCs移行を抑制するが、両者を区別して議論することは難しかった。本研究では、層間Kをルビジウム(Rb)に置換しK供給力を欠損させた風化黒雲母を作製することで両者の機能が様々に異なる黒雲母を作成することに成功した。これらの黒雲母を系統的に比較することで、Cs吸着能及びK供給能が、植物へのRCs移行に及ぼす影響を明らかにした。