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佐藤 一憲; 小野田 雄一
JNC TN9400 2001-048, 21 Pages, 2001/03
高速増殖炉のULOF(Unprotected Loss of Flow)事故を模擬したCABRI-FASTLT1試験では、過渡中の早期の段階でピン破損を生じた。この時点での燃料へのエネルギー投入は極めて小さく、燃料は未溶融と考えられる。ピン破損後は急速なガス放出と見られる冷却材応答が観測され、流路はボイド化した。このボイド化の後、燃料は連続的に崩壊し軸方向に移動した。本研究ではSAS4Aコードを用いた解析を実施し、その結果を参考にして本試験の解釈を行った。オリジナルSAS4Aコードのモデルは、本試験のような燃料ピン早期破損時の破損後挙動評価には十分に対応したものではないが、本試験の状況を反映した特殊な取扱いを導 入することにより、破損後の挙動を適正に模擬することができた。この研究を通じて、早期破損ピンからのガス放出挙動及びその後の挙動へのガス放出の影響が明らかになった。また、必要なモデル変更を前提として、SAS4Aコードによる燃料ピン早期破損からの挙動模擬のポテンシャルを示した。
小野田 雄一; 佐藤 一憲
JNC TN9400 2001-047, 42 Pages, 2001/03
CABRILT4試験は、中空燃料のULOF(Unprotected Loss of Flow)事故時の挙動研究を目的として1997年3月11日に実施された。本試験では、燃料ピンが過渡中に破損し、破損部からの溶融燃料の放出と、これに伴う冷却材流路のボイド化、及びボイド化流路中での燃料分散が観測された。本試験の破損後挙動評価にSAS4Aコードを適用した。これにより、試験結果に対する現象論的理解が大きく深められた。また、中空燃料を用いた本試験での高いエネルギー破損条件における破損後挙動に対するSAS4Aモデルの基本的適用性を確認した。さらに、本試験に用いた燃料ではガス・プレナムからの急速なガス放出が溶融燃料の放出挙動に影響を与えていることが認識された。この効果は燃料分散を加速する。したがって、燃料設計に依存し、溶融燃料放出と分散の挙動をより正確に評価するためには、プレナム・ガス放出の影響を慎重に考慮する必要がある。
山野 秀将; 飛田 吉春
JNC TN9400 2001-039, 90 Pages, 2001/03
実用化戦略調査研究の第1期における候補概念の一つであるピン型MOX燃料炭酸ガス冷却炉の炉心損傷事故(CDA)評価をSIMMER-IIIコードにより実施した。本研究の目的は、ガス炉におけるCDA事象推移とその特性を把握するとともに再臨界回避方策の必要性を判断することである。本解析では、代表的な事象として流量喪失事故(ULOF)を選定した。事象推移は次のとおりである。炉心から被覆管が溶融移動することにより、反応度は即発臨界を超過して出カバーストが発生する。反応度のピークはドップラーによる負の反応度効果により収まる。燃料破損直後、溶融燃料が流路ガスを加熱すること、またFPガスが放出されることにより炉心部の圧力が高まる。これによって溶融燃料は主として流動抵抗の小さな下方へ流出し、反応度は未臨界状態に静定する。この事象推移は、被覆管溶融移動の非同時性を考慮して反応度挿入率を低下させても定性的には変わらない。ガス炉では、被覆管溶融移動のみによって反応度印加を生じるため、これを緩和する方策はない。ただし、再臨界が発生したとしても、スラグインパクトの作動流体としての液体冷却材が存在しないため、炉容器バウンダリヘの機械的負荷はきわめて小さい。一方、燃料破損直後に炉心圧力レベルが過大になる場合には、炉心上部構造物(UCS)がミサイル化して上部プレナムへ飛び出す可能性があり、設計対応が必要であると考えられる。本解析対象とした設計では、下部軸ブランケット(LAB)が10cmと短いので、大量の溶融燃料が閉塞せずに幅広いピン束流路を通して炉外へ継続的に流出する可能性は高く、再臨界回避方策は不要である。一方で、高増殖比を目標として40cm程度の下部軸ブランケット長さを採用する場合、燃料固化モデルの不確定性及び流路内のグリッドスペーサなどの熱・流動抵抗を考慮すると、通常集合体では炉心外への大量の燃料流出は困難であると考えられる。ただし、新しい燃料集合体設計のアイデアの一つである軸ブランケット一部削除(ABLE)型燃料集合体によって再臨界排除は可能と考えられる。
近藤 悟; 山野 秀将; 飛田 吉春; 藤田 哲史; 守田 幸路*; 水野 正弘*; 細野 正剛*
JNC TN9400 2001-003, 307 Pages, 2000/11
核燃料サイクル開発機構(サイクル機構)では、高速炉における仮想的な炉心損傷事故をより合理的に評価するために、新たな安全解析コードSIMMER-III開発・検証を進めてきた。この開発成果に基づき、SIMMER-IIIの2次元流体力学モデルを3次元に拡張したSIMMER-4コードの開発を行った。本報告書に述べる第1版(Version 1)では、核計算部(中性子輸送モデル)は2次元モデルを採用しており、流体力学との結合のためのインターフェイスを用意した。SIMMER-4の完成により、SIMMERコードの適用範囲はさらに拡大し、これまでのSIMMER-IIIの2次元コードであるが故の限界が解消される。本報告書にも記載したサンプル計算を通じて、SIMMER-IVの基本的性能と妥当性が確認されている。本報告書は、SIMMER-4 Version 1.Bの利用者のために必要な情報を記載している。詳細なプログラム解説に加えて、各要素物理モデル、数値計算アルゴリズム及びコードの特徴について述べる。今後さらにモデル改良を行うことが望まれる分野についてもとりまとめた。
近藤 悟; 山野 秀将; 鈴木 徹; 飛田 吉春; 藤田 哲史; 栗原 国寿; 神山 健司
JNC TN9400 2001-002, 318 Pages, 2000/11
核燃料サイクル開発機構(サイクル機構)では、高速炉の仮想的な炉心損傷事故を評価するために新たな安全解析コードSIMMER-IIIの開発を進めてきた。SIMMER-IIIは、2次元、3速度場、多相多成分、オイラー座標系の流体力学モデルを中核として、物質配位及びエネルギー状態に対応した空間依存の核計算モデルを有機的に結合したコードである。現在までに、本コード開発プロジェクトの当初に計画していた全てのモデル開発を終了したことになり、いよいよ実機の安全解析や複雑な多相流解析に本格的に適用できる段階に達した。また、コード開発と併行して、体系的なモデル検証研究を欧州研究機関と共同で進めており、その結果、モデルの高度化により従来のSIMMER-IIコードで問題とされた適用限界の多くが解消できるとの見通しを得つつある。本報告書では、SIMMER-III Version 2.Hの詳細なプログラム解説に加えて、各要素物理モデル、数値計算アルゴリズム及びコードの特徴について述べる。今後さらにモデル改良を行うことが望まれる分野についてもとりまとめた。新たに完成したSIMMER-III Version 2.Hにより、高速炉の安全解析における信頼性と適用範囲が飛躍的に向上できるものと期待されている。
近藤 悟; 山野 秀将; 飛田 吉春; 藤田 哲史; 神山 健司; W.Maschek*; P.Coste*
JNC TN9400 2000-105, 777 Pages, 2000/09
液体金属冷却高速炉の安全解析コードSIMMER-IIIの開発は、2次元、3速度場の多相・多成分流体力学モデルを空間依存動特性モデルと統合したシステムコードであるVersion2を計画通り完成した。現在このプロジェクトにはドイツのFZKおよびフランスのCEAが参加しており、将来このコードを標準的な安全評価手法として確立していくために、同コードの包括的・体系的な検証計画を共同で実施することを合意している。検証計画は個別の基本要素モデルを検証する第1期検証および安全評価上の主要現象に係わる総合的な検証を目的とした第2期検証に分けて段階的に進めることとしており、現在までに第2期検証計画が終了した。本報告書は、全体的な検証計画、第2期検証計画として実施した、高速炉の安全上の主要現象5分野についての34種のテスト問題についての解析結果、及びこれを基にした総合評価の成果について記載する。国際協力及び世界中の実験データベースを活用した本研究を通じて、SIMMER-IIIが数値的および物理的に基本的に妥当であること、ならびに適用範囲および柔軟性に関して先行コードと比べて格段に高度化されていることが確認された。したがって、本コードは複合現象を取り扱う実機の安全解析に適用可能であると判断される。また、検証解析を通じて同コードの適用限界や今後の開発課題についても明らかになってきた。