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由良 敬; 塩生 真史*; 萩野 圭*; 土方 敦司*; 平島 芳則*; 中原 拓*; 江口 達哉*; 篠田 和紀*; 山口 昌太*; 高橋 健一*; et al.
Gene, 380(2), p.63 - 71, 2006/10
被引用回数:55 パーセンタイル:72.16(Genetics & Heredity)選択的スプライシングとは、一つの遺伝子から複数個のタンパク質を生み出す分子機構のことである。この論文でわれわれは、ヒトの完全長cDNAのデータを用いて、選択的スプライシングによってタンパク質の機能と構造にどのような多様性が生み出されているのかを解析した。まず、選択的にスプライスされる部分の長さは、ほとんどの場合タンパク質のドメインよりも短いことを見いだした。短い配列の挿入欠失及び置換によって変化がもたらされるタンパク質には、情報伝達や転写翻訳関連のタンパク質が多いことがわかった。アミノ酸配列に変化がもたらされる部分は、機能部位であることが目立つ。興味深いことに67%の場合では、選択的スプライシングがタンパク質のコア領域に変化をもたらしていることがわかった。このことは選択的スプライシングによって、タンパク質の立体構造に大きな変化がもたらされる可能性が示唆される。選択的スプライシングは、タンパク質の立体構造変化を通してタンパク質ネットワークを調整する機構と考えられる。
由良 敬; 塩生 真史*; 郷 通子*
no journal, ,
選択的スプライシングによって、アミノ酸配列が部分的に異なるタンパク質が一つの遺伝子から発現し、生命現象のさまざまな調節にかかわっていることがわかってきている。遺伝子にイントロンが存在し、どのイントロンとエクソンの境界をスプライシングするかを選択することで、選択的スプライシングは実現している。では、選択的スプライシングによってもたらされるアミノ酸配列の変化を、タンパク質はどのようにして構造と機能に反映させ、生命現象の多様性をもたらしているだろうか。タンパク質の立体構造は、アミノ酸配列上連続で平均13残基からなるコンパクトな部分構造(モジュール)で構成される。多くのタンパク質で、モジュール構造と遺伝子のイントロン・エクソン構造とに、ある種の対応関係が見られている。このことから選択的スプライシングは、タンパク質立体構造におけるモジュールの欠失置換をもたらしていると考えられる。本講演では、モジュール構造と遺伝子構造の対応関係にはじまり、mRNAに見られる選択的スプライシングが、タンパク質のモジュール構造にどのような変化を及ぼすことで、タンパク質機能の多様性がもたらされるのかを議論する。
安達 基泰; 畠中 孝彰*; 伊東 祐二*; 日高 興士*; 津田 裕子*; 木曽 良明*; 黒木 良太
no journal, ,
HIV-1プロテアーゼ(HIVPR)は、ウイルスの増殖に必須な酵素であることから、エイズ治療のための創薬標的タンパク質である。HIVPRに対する阻害剤設計において、立体構造の特徴と阻害剤結合の速度論的・熱力学的解析から得られるパラメーターの相関を明らかにすることが重要である。本研究では、阻害剤結合による熱安定性の変化を指標として阻害剤結合を評価するため、リンカー配列の挿入とSS結合の導入により2種類の1本鎖型HIVPRの作製を試みた。1本鎖化HIVPRは、野生型と同様に大腸菌内に封入体として発現した。リフォールディングした1本鎖化HIVPRを精製後、ヒドロキシメチルカルボニル構造を持つ阻害剤KNI-272との複合体の結晶を作製し、結晶構造解析を行った。その結果、設計した1本鎖化HIVPRは野生型と同等の構造を持つことが示された。本発表では、同試料を用いた阻害剤結合の評価結果も報告する。