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論文

Evaluating sulfur-impurity removal and modern carbon contamination in different preparation methods for radiocarbon dating of soil samples by accelerator mass spectrometry

小嵐 淳; 竹内 絵里奈; 國分 陽子; 安藤 麻里子

Radiocarbon, 67(2), p.307 - 317, 2025/04

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Geochemistry & Geophysics)

加速器質量分析による土壌試料の放射性炭素($$^{14}$$C)年代測定は、陸域炭素循環の解明において極めて有用である。しかし、土壌試料の前処理においてふたつの困難がある。現代炭素の混入による試料の汚染と、硫黄不純物によるグラファイト生成の阻害である。そこで本研究では、3つの異なる前処理法について、$$^{14}$$Cを含まない試料と硫黄含有量が大きい土壌試料に対する$$^{14}$$C分析を行うことで、それらの前処理法の有効性を評価した。その結果、これらの前処理法は、少なくとも硫黄含有量が6.9%以下の土壌試料に対して適用可能であることが明らかになった。また、現代炭素による汚染の程度は前処理法によって異なるものの、いずれの方法でも、$$^{14}$$C年代が12,000年前未満の試料に対して、陸域炭素循環研究に利用する上で十分な精度をもって$$^{14}$$C年代を推定することができることを明らかにした。

論文

JAEA-AMS-TONOの現状(2023年度); 主としてバリスタ破損の原因について

松原 章浩*; 藤田 奈津子; 三宅 正恭; 石井 正博*; 大前 昭臣*; 前田 祐輔; 宇野 定則*

第36回タンデム加速器及びその周辺技術の研究会報告集, p.125 - 129, 2025/03

日本原子力研究開発機構東濃地科学センター土岐地球年代学研究所にあるJAEA-AMS-TONO-5MV(NEC製15SDH-2、最大ターミナル電圧5.0MV)の保守管理に関する内容として、(1)ビームライン機器のバリスタの破損とその原因について、(2)タンデム加速器の加速管の真空リークを疑わせる現象とその対処について報告する。

論文

JAEA-AMS-TONOの現状(2023)

藤田 奈津子; 三宅 正恭; 松原 章浩*; 石井 正博*; 神野 智史; 渡邊 隆広; 西尾 智博*; 小川 由美; 大前 昭臣*; 木村 健二; et al.

第36回タンデム加速器及びその周辺技術の研究会報告集, p.90 - 92, 2025/03

日本原子力研究開発機構東濃地科学センター土岐地球年代学研究所には加速器質量分析装置(AMS)が3台あり、2台のAMSで実試料の年代測定を行い、さらにAMSの小型化に向けた試験装置1台で技術開発を行っている。2台の実試料測定用AMSでは炭素-14、ベリリウム-10、アルミニウム-26、ヨウ素-129の4核種を測定している。小型化に向けた試験装置は、イオンチャネリングを利用したAMSの同質量分子の分別を実施するための装置であり、現在炭素-14測定を目指して実証試験中である。発表ではそれぞれの研究開発状況を報告する。

論文

Redox control in arsenic accumulation with organic matter derived from a varved lacustrine deposit in the Jurassic accretionary complexes

益木 悠馬*; 勝田 長貴*; 内藤 さゆり*; 村上 拓馬*; 梅村 綾子*; 藤田 奈津子; 松原 章浩*; 南 雅代*; 丹羽 正和; 吉田 英一*; et al.

Journal of Hazardous Materials, 485, p.136843_1 - 136843_10, 2025/03

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Engineering, Environmental)

滋賀県東部の姉川上流域には、伊吹山の斜面崩壊でせき止められて生じた2つの湖成層の河岸段丘が分布する。このうち、下位の湖成層は、植物遺体のC-14年代測定から完新世中期に形成されたことが明らかとなった。また、湖成層の岩相は、mmスケールの縞状構造に富む層が10cmオーダーでシルト質粘土層と互層し、化学分析からヒ素が大陸地殻の約30倍の濃度(77$$mu$$g/g)で濃集する。さらに、蛍光X線やX線吸収分光などを用いた微小領域測定から、縞状構造は1年に1枚の縞を刻む年層であること、ヒ素は春季と秋季の循環期に堆積したこと、ヒ素は硫化物として存在し非晶質有機物と共存することなどが示された。これらの結果から、年縞のヒ素濃集は、季節変動に伴う有機物の供給と、続成過程における有機物分解によるレドックス変動によって生じたことが明らかとなった。

論文

「地球環境に対する人類活動の影響」、「地球温暖化と造礁サンゴの北上」

三ツ口 丈裕; 山野 博哉*

全地球史; 世界で集めた地球史のかけら, p.59 - 60, 2025/03

18世紀の産業革命以降、人類活動が地球環境に及ぼす影響が顕著化したのは1950年代以降であり、例えば、(1)化石燃料の大量消費に伴う二酸化炭素・熱の大量排出、(2)工業化に伴う人工化学物質の放出、(3)核エネルギー開発(大気圏核実験や核燃料再処理)に伴う特定の放射性核種(ヨウ素129や炭素14)の放出である。また、近年の地球温暖化により日本列島周辺域の海水温が上昇し続けており、これに伴って、従来は温暖な南方海域にのみ生息していた造礁サンゴ種が黒潮にのって北上している。

論文

Surface exposure ages of middle-late Pleistocene marine and fluvial terraces along the northern and southern Sanriku coasts, Northeast Japan

若狭 幸*; 石山 達也*; 廣内 大助*; 松多 信尚*; 藤田 奈津子; 越後 智雄*

Geomorphology, 468, p.109497_1 - 109497_8, 2025/01

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Geography, Physical)

東北日本の北部太平洋沿岸における海岸隆起の長期的な速度を推定するために、露出した岩盤表面の陸域原位置宇宙放射性核種年代測定に基づいて、海成段丘と河成段丘の表面露出年代を決定した。海成段丘と河成段丘の再解釈に基づき、三陸沿岸北部と南部から試料を採取した。測定された$$^{10}$$Be/$$^{9}$$Be比から計算された石英中の$$^{10}$$Be濃度から得られた地表露出年代は、海成段丘と河成段丘の中期から後期更新世の年代と、中間のタイムスケールにおける緩やかな海岸隆起速度を共通して示唆している。この結果は、沈み込む太平洋プレートの上にある東北日本弧北部における地殻の異なる歪適合様式を示している。

論文

Validation of crystal surface scattering method for downsizing accelerator mass spectrometry

神野 智史; 松原 章浩*; 藤田 奈津子; 木村 健二

Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 557, p.165545_1 - 165545_4, 2024/12

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Instruments & Instrumentation)

本研究では、放射性炭素分析における利便性とコスト効率の向上を目指した小型加速器質量分析(AMS)装置の開発を紹介する。AMSの小型化における課題の解決策として「結晶表面ストリッパー法」を導入し、従来のガスストリッパー法と比較して小さな角度広がりによる効率的なイオン検出を実証した。実験結果は、表面散乱における荷電変換能力、散乱角度広がり、エネルギー損失に関する洞察を提供する

論文

JAEA-AMS-TONOの現状(令和5年度)

藤田 奈津子; 三宅 正恭; 松原 章浩*; 石井 正博*; 高橋 悠人*; 渡邊 隆広; 神野 智史; 西尾 智博*; 小川 由美; 木村 健二; et al.

第25回AMSシンポジウム報告集(インターネット), 3 Pages, 2024/03

日本原子力研究開発機構東濃地科学センター土岐地球年代学研究所には加速器質量分析装置(AMS)が3台あり、2台のAMSで実試料の年代測定を行い、さらにAMSの小型化に向けた試験装置1台で技術開発を行っている。2台の実試料測定用AMSでは炭素-14、ベリリウム-10、アルミニウム-26、ヨウ素-129の4核種を測定している。小型化に向けた試験装置は、イオンチャネリングを利用したAMSの同質量分子の分別を実施するための装置であり、現在炭素-14測定を目指して実証試験中である。発表ではそれぞれの研究開発状況を報告する。

論文

JAEA-AMS-TONOの現状(2022)

藤田 奈津子; 三宅 正恭; 松原 章浩*; 石井 正博*; 渡邊 隆広; 神野 智史; 西尾 智博*; 小川 由美; 木村 健二; 島田 顕臣; et al.

第35回タンデム加速器及びその周辺技術の研究会報告集, p.17 - 19, 2024/03

日本原子力研究開発機構東濃地科学センター土岐地球年代学研究所には加速器質量分析装置(AMS)が3台あり、2台のAMSで実試料の年代測定を行い、さらにAMSの小型化に向けた試験装置1台で技術開発を行っている。2台の実試料測定用AMSでは炭素-14、ベリリウム-10、アルミニウム-26、ヨウ素-129の4核種を測定している。小型化に向けた試験装置は、イオンチャネリングを利用したAMSの同質量分子の分別を実施するための装置であり、現在炭素-14測定を目指して実証試験中である。発表ではそれぞれの研究開発状況を報告する。

論文

JAEA-AMS-TONOにおける超小型AMSの開発

藤田 奈津子; 松原 章浩*; 神野 智史; 木村 健二

放射線(インターネット), 48(4), p.137 - 138, 2024/02

東濃地科学センターでは大きさ約2m$$times$$2mの超小型AMSを開発中であり、本装置はイオンチャネリングを利用して炭素-14のAMS測定の際に妨害核種となる同質量分子を分別する新しい方法を実証するための装置である。本投稿では開発中の装置に関する紹介と開発状況を報告した。

論文

$$^{10}$$Be analysis of the rock samples from the northeastern shore of Lake Pumoyum Co in south Tibetan Plateau

奈良 郁子*; 渡邊 隆広; 國分 陽子; Zhu, L.*

Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 539, p.28 - 32, 2023/06

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Instruments & Instrumentation)

チベット高原はその広大な面積、及び地形学的な特徴から、地球規模の気候変動及び物質循環に対して重要な役割を果たしている。現在のチベット高原南部における降水量の変動は、特に南西からのインドモンスーンによる影響を受けることが知られている。したがって、この地域の降水量変動を復元することにより、アジアにおける過去のモンスーン活動の変動に関する情報が得られると期待される。チベット高原南部の標高約5,030mに位置するプマユムツォ湖は世界で最も高所に存在する湖の一つである。これまでにプマユムツォ湖の湖底堆積物を用いて過去の湖水面変動や環境変動の推測に関する研究が行われてきた。本研究では湖の北東側の湖岸から岩石試料を採取し、岩石中で生成する宇宙線生成核種である$$^{10}$$Be等の測定を実施することで、湖水面変動に伴う岩石の露出年代の推定を試みた。プマユムツォ湖湖岸の岩石中の$$^{10}$$Be濃度は、3.78-10.8$$times$$10$$^{6}$$(atoms/g)の範囲を示した。仮に岩石中の$$^{10}$$Be濃度が、湖水面変動に影響されているとすれば、$$^{10}$$Be濃度は湖から離れるに従い増加するはずである。しかし、プマユムツォ湖湖岸の岩石中の$$^{10}$$Be濃度の分布は、湖から離れるに従って減少する傾向を示した。したがって、プマユムツォ湖の湖岸段丘から採取された岩石中の$$^{10}$$Be濃度の分布は、岩石の露出年代よりも、侵食速度もしくはテクトニックな変動に影響されている可能性が高いと考えられる。

論文

Status report of JAEA-AMS-TONO; Research and technical development in the last four years

國分 陽子; 藤田 奈津子; 渡邊 隆広; 松原 章浩; 石坂 千佳; 三宅 正恭*; 西尾 智博*; 加藤 元久*; 小川 由美*; 石井 正博*; et al.

Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 539, p.68 - 72, 2023/06

 被引用回数:2 パーセンタイル:46.61(Instruments & Instrumentation)

本発表では、東濃地科学センターJAEA-AMS-TONOで行っている加速器質量分析に関わるここ4年間の研究技術開発について紹介する。5MVの加速器を有する加速器質量分析装置(AMS)では、炭素-14、ベリリウム-10、アルミニウム-26、ヨウ素-129の地質試料の年代測定等に関する測定に加え、塩素-36の測定技術整備を行っている。また、測定の需要の高まりに伴い、300kMの加速器を有するAMSを2020年に導入した。また、試料調製法や同重体分離技術の開発も行っており、微量試料での試料調製法の開発や、イオンチャネリングによる同重体分別技術の開発やその技術を用いた超小型AMSの開発も行っている。

論文

JAEA-AMS-TONOの現状(2021年度)

松原 章浩*; 藤田 奈津子; 三宅 正恭; 石井 正博*; 渡邊 隆広; 國分 陽子; 西尾 智博*; 小川 由美; 神野 智史; 木村 健二; et al.

JAEA-Conf 2022-002, p.55 - 62, 2023/03

JAEA-AMS-TONO-5MVでは、2021年度末までに測定個数28912個、測定時間20478時間となった。同装置では2021年7月に複数の機器でバリスタが破損し、その原因究明、対策、復旧のため、運用はそれ以降停止している。バリスタ破損の事象は表1に示すように二度あり、一度目は2個、二度目は3個のバリスタが同時に破損した。一度目の破損の原因については、経年劣化によりバリスタ電圧が低下したバリスタにおいて地絡が発生し、これが起因となり他の劣化したバリスタが破損したと推測される。二度目の原因は、一度目でダメージを被ったバリスタ(表1の*印の機器に搭載)が通電の際に地絡し、他の劣化したバリスタの破損に繋がったと推測される。安全対策の一つとして、破損したバリスタと同型式のバリスタの他の機器での有無を調査し、該当するものは新しいバリスタに取り換える処置を行った。復旧は順次進めており、依頼測定の再開は2022年度の中頃を予定している。

論文

JAEA-AMS-TONOの現状(令和4年度)

藤田 奈津子; 三宅 正恭; 松原 章浩*; 石井 正博*; 渡邊 隆広; 神野 智史; 西尾 智博*; 小川 由美; 山本 悠介; 木村 健二; et al.

第23回AMSシンポジウム報告集, p.1 - 4, 2022/12

日本原子力研究開発機構東濃地科学センター土岐地球年代学研究所には加速器質量分析装置(AMS)が3台あり、実試料測定用に2台、炭素-14測定用超小型AMSの開発に向けた試験装置が1台ある。JAEA-AMS-TONO-5MVではルーチン測定をしている4核種に加えて、地下水の年代測定に有用な塩素-36の測定に向けた技術開発や硫黄除去方法の検討を実施している。炭素-14測定用超小型AMSは、イオンチャネリングを利用したAMSの同質量分子の分別を実施するための装置であり、2022年度中の炭素-14測定を目指して実証試験中である。またAMSで測定を行うための試料前処理の研究開発として、炭素-14測定における微少量試料の前処理法やその測定方法の検討、塩素-36測定のための前処理方法の検討などを実施している。発表では、それぞれの研究開発状況を報告する。

論文

塩素-36年代測定における同重体干渉抑制のためのイオンファネル反応セルの開発

神野 智史; 藤田 奈津子; 田沼 肇*

第23回AMSシンポジウム報告集, p.89 - 92, 2022/12

AMSにおいて、塩水系の地下水の年代測定に重要な塩素-36($$^{36}$$Cl)測定は妨害核種となる硫黄-36($$^{36}$$S)の影響により他の核種よりも測定が困難である。一般に$$^{36}$$Clと$$^{36}$$Sを分離するには、6MV以上の加速電圧が必要となる。そこで本研究は、イオンファネルを用いた反応セルを開発し、JAEA-AMS-TONO-5MVの低エネルギー側に組み込むことで目的核種の$$^{36}$$Clの妨害核種となる$$^{36}$$Sを選択的に抑制することを目的とする。

報告書

令和3年度研究開発・評価報告書 評価課題「地層処分技術に関する研究開発」(事後評価・事前評価)

地層処分研究開発推進部

JAEA-Evaluation 2022-007, 81 Pages, 2022/11

JAEA-Evaluation-2022-007.pdf:2.06MB
JAEA-Evaluation-2022-007-appendix(CD-ROM).zip:37.06MB

国立研究開発法人日本原子力研究開発機構(以下、「原子力機構」という)は、「国の研究開発評価に関する大綱的指針」(平成28年12月21日内閣総理大臣決定)及び「文部科学省における研究及び開発に関する評価指針」(平成29年4月1日文部科学大臣決定)、並びに原子力機構の「研究開発課題評価実施規程」(平成17年10月1日制定)等に基づき、令和3年8月23日に「地層処分技術に関する研究開発」に関する事後評価及び事前評価について地層処分研究開発・評価委員会に諮問した。これを受けて、地層処分研究開発・評価委員会は、原子力機構で定められた評価手順に従い、原子力機構から提出された第3期中長期目標期間における研究開発の実施状況及び第4期中長期目標期間における研究開発の計画について評価を行った。本報告書は、地層処分研究開発・評価委員会より提出された事後評価及び事前評価結果(答申書)を取りまとめるとともに、本委員会での説明資料、及び評価結果に対する原子力機構の措置を添付したものである。

論文

A Safer preprocessing system for analyzing dissolved organic radiocarbon in seawater

乙坂 重嘉*; Jeon, H.*; Hou, Y.*; 渡邊 隆広; 阿瀬 貴博*; 宮入 陽介*; 横山 祐典*; 小川 浩史*

Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 527, p.1 - 6, 2022/09

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Instruments & Instrumentation)

海水中の溶存有機物の放射性炭素(DO$$^{14}$$C)の測定により、海洋における溶存有機物の動態の時間スケールや供給源に関する情報を効果的に得ることが期待されている。しかしながら、海水中のDOC濃度は低く、近年の加速器質量分析の高性能化を考慮しても、その分析には比較的多量の海水($$sim$$1L)を要する。また、高熱を発する紫外線照射などの複雑な試料処理が必要となる。本研究では、既往の紫外線処理法よりも安全で簡便な海水中DO$$^{14}$$Cを分析する方法を開発した。特に重要な変更点は、分解システムに低圧水銀ランプを採用した点で、これによって反応時の試料温度を水試料の沸点より低温に抑えることができ、安全に処理することが可能となった。加えて本研究では、可溶性の有機物標準試料と塩化ナトリウムからなる模擬海水を用いることで、このシステムを用いたDO$$^{14}$$C分析の確度の評価方法を提案する。本法は、炭素同位体比分析だけでなく、さまざまな溶存有機態の微量元素や同位体の分析にも適用されることが期待される。

論文

JAEA-AMS-TONOの現状; 2019-2020年度

藤田 奈津子; 松原 章浩; 三宅 正恭*; 渡邊 隆広; 國分 陽子; 西尾 智博*; 小川 由美*; 加藤 元久*; 島田 顕臣; 尾方 伸久

第33回タンデム加速器及びその周辺技術の研究会報告集, P. 48, 2022/04

日本原子力研究開発機構東濃地科学センター土岐地球年代学研究所では、地質環境の長期安定性に関する研究における年代測定及びその技術開発に加速器質量分析装置(Accelerator Mass Spectrometer: AMS)を使用している。現在、東濃地科学センターにはAMSが3台あり、うち年代測定の実試料測定用に2台、AMSの技術開発用に試験装置が1台ある。発表では2019-2020年度のこれらの装置現状について報告する。

報告書

JAEA-AMS-TONO及びJAEA-AMS-MUTSU間での炭素同位体標準試料測定の比較試験結果

國分 陽子; 松原 章浩; 藤田 奈津子; 桑原 潤; 木下 尚喜

JAEA-Technology 2021-028, 33 Pages, 2022/02

JAEA-Technology-2021-028.pdf:2.18MB

日本原子力研究開発機構(以下、原子力機構)では、東濃地科学センターと青森研究開発センターに、それぞれJAEA-AMS-TONO及びJAEA-AMS-MUTSU(以下、それぞれTONO及びMUTSU)という二つの加速器質量分析施設がある。本書では、TONO及びMUTSUで共通した測定技術である炭素同位体測定について、両施設の特徴を紹介するとともに、炭素同位体比標準試料を測定した比較試験の結果を報告する。両施設とも、原子力機構内による内部利用のほか、原子力機構の施設供用利用制度により大学や他の研究機関等による外部利用が行われている。近年、加速器質量分析装置(Accelerator Mass Spectrometer 以下、AMS)による炭素同位体測定の需要の拡大に伴い、両施設を併用する、あるいは将来的に併用を検討するという動向が見られる。しかしながら、両施設には、メーカー、装置駆動方式が異なるAMSが設置されている。両施設のAMSは、特に加速器へのイオン入射方式が異なることから、バックグラウンドの低さなど、測定性能に差がある。また、解析法も両施設の主な研究分野に合わせた方法が使われている。そのため、一つの研究課題で両施設を利用する場合には、その施設の特徴をよく理解し、利点を生かした使い分けや解析法の統一が必要となる。本書は、両施設をこれから使用する人が検討する際の参考として、両施設の装置、試料調製法、解析方法、比較試験結果に基づいた測定性能などを取りまとめたものである。

論文

$$^{129}$$I/$$^{127}$$I and $$Delta$$$$^{14}$$C records in a modern coral from Rowley Shoals off northwestern Australia reflect the 20th-century human nuclear activities and ocean/atmosphere circulations

三ツ口 丈裕; 岡部 宣章*; 横山 祐典*; 米田 穣*; 柴田 康行*; 藤田 奈津子; 渡邊 隆広; 國分 陽子

Journal of Environmental Radioactivity, 235-236, p.106593_1 - 106593_10, 2021/09

 被引用回数:5 パーセンタイル:22.31(Environmental Sciences)

深部流体の識別指標に資するためのヨウ素129($$^{129}$$I)測定技術開発を目的として、北西オーストラリア産の現生サンゴ骨格年輪(西暦1931年-1991年)のヨウ素129濃度($$^{129}$$I/$$^{127}$$I)及び炭素14濃度($$Delta$$$$^{14}$$C)を測定した。$$^{129}$$I/$$^{127}$$Iは東濃地科学センター加速器質量分析装置(JAEA-AMS-TONO-5MV)を用い、$$Delta$$$$^{14}$$Cは東京大学の加速器質量分析装置を用いて測定した。その結果、$$^{129}$$I/$$^{127}$$Iと$$Delta$$$$^{14}$$Cの両方で1950年代から明瞭な上昇が見られた。$$Delta$$$$^{14}$$Cの上昇は大気圏核実験によるものであり、$$^{129}$$I/$$^{127}$$Iの上昇は大気圏核実験及び核燃料再処理によるものである。以上の結果は先行研究と良く一致していることから、JAEA-AMS-TONO-5MVによる$$^{129}$$I/$$^{127}$$I測定が更に拡張されたといえる。

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