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橋本 昌司*; 田中 拓*; 小松 雅史*; Gonze, M.-A.*; 坂下 渉*; 操上 広志; 仁科 一哉*; 太田 雅和; 大橋 伸太*; Calmon, P.*; et al.
Journal of Environmental Radioactivity, 238-239, p.106721_1 - 106721_10, 2021/11
被引用回数:11 パーセンタイル:56.59(Environmental Sciences)本研究は、福島の主に常緑針葉樹林内における放射性セシウムの移行について、複数の研究チームによるモデルを用いた解析を行い、比較を行うことで、モデルのパフォーマンスを分析したものである。また、落葉層の除去と樹木更新の2つの管理シナリオ、および落葉広葉樹林を対象とした補助シナリオについても比較、分析した。いずれのモデルも実測の放射性セシウム濃度の変化傾向などを再現できたが、事故から50年後の予測についてはばらつきが大きく、継続した調査、解析による評価が必要である。
那波 和宏*; 平井 大悟郎*; 古府 麻衣子; 中島 健次; 村崎 遼*; 小金 聖史*; 木俣 基*; 野尻 浩之*; 廣井 善二*; 佐藤 卓*
Physical Review Research (Internet), 2(4), p.043121_1 - 043121_11, 2020/12
=異方的三角格子反強磁性体CaReOClにおいてスピノンに類した磁気励起が存在するかを確かめるべく、中性子非弾性散乱実験を行った。得られた磁気励起は、スピノン束縛対の形成によって解釈できるものであった。また、CsCuClよりもRPA近似による解釈が良く合い、より朝永-ラッティンジャー液体に近い系であると考えられる。
齋藤 雄也; 棚井 憲治; 菊池 広人*; 平井 卓*; 西村 繭果*
JAEA-Research 2008-010, 35 Pages, 2008/03
我が国の地層処分概念では、地震・活断層の影響等、地層処分システムに著しい影響を及ぼす可能性のある天然現象については、サイト選定によってその影響を避けることを基本としている。これに対し、万が一断層によるずれ変位が生じる場合を想定して、人工バリア性能の限界状態を把握することも重要であると考えられる。そのため、本研究では発生頻度,規模が小さいため事前調査で発見することが困難であるC級断層が人工バリアを直撃した場合を想定し、模型実験とシミュレーション解析を行い、人工バリアに及ぼす影響について検討してきた。本稿では、断層変位速度の影響を評価するため、速度を変えた実験を行い、実験データの拡充を図るとともに、シミュレーション解析の精度向上のための検討を行った。その結果、断層変位速度を100mm/sから1/10の10mm/sにした結果、緩衝材外周部で観測される土圧が20%程度減少することがわかった。また、数値解析においては、周辺岩盤の透水係数を適切に評価することが重要であることが明らかとなった。
西村 繭果; 棚井 憲治; 高治 一彦*; 平井 卓*; 白武 寿和*
JAEA-Research 2006-036, 82 Pages, 2006/06
本書では、関口-太田モデル及び足立-岡モデルのパラメータ設定について行ってきた検討結果を整理し、得られた知見を示した。その結果、緩衝材の変形挙動と応力状態の両者を1つのパラメータセットで評価することは困難であるが、それぞれの評価項目に適切なパラメータを選択して用いることにより、緩衝材の力学挙動を再現することが可能であることを示した。また、緩衝材の長期変形挙動において重要となる二次圧密係数については、保守的な設定を行うと同時に、ナチュラルアナログ評価手法によってその値の範囲を提示することにより、過度に保守的な評価に偏らない挙動評価を行うことが可能となった。また、人工バリアの長期挙動評価を行い、自重沈下量を最も大きく見積もるパラメータを用いた計算により、オーバーパックの沈下量の限界値を概略的に示した。
西村 繭果; 平井 卓*; 棚井 憲治; 油井 三和
Materials Research Society Symposium Proceedings, Vol.932, p.227 - 234, 2006/00
本研究の目的は、高レベル放射性廃棄物の地層処分において断層ずれが生じると想定したときの人工バリアにおける影響を明らかにすることである。研究の概略は次の通りである。(1)室内模型実験を実施して、せん断が生じたときの緩衝材の力学挙動を理解する。(2)実際の処分場における断層の影響を評価するための手法として数値解析手法を構築する。そこで本論分では、まず20分の1人工バリア模型を用いた室内試験を実施した。実験結果より、緩衝材の土圧上昇は間隙水圧の上昇によって生じることが明らかとなった。次に、模型実験を有限要素法によってシミュレーション解析を行った。解析についての検討結果より、緩衝材の外側への排水条件が緩衝材の土圧上昇挙動に影響を及ぼすことが明らかとなった。また、緩衝材の外側の透水性の境界条件を適切に設定して解析することによって、実験結果を概略表現できることが明らかとなった。
高治 一彦*; 重野 喜政*; 下河内 隆文*; 平井 卓*; 白武 寿和*
JNC TJ8440 2004-011, 200 Pages, 2005/02
高レベル放射性廃棄物の地層処分の研究開発において、人工バリアに要求される各機能を確保するには、人工バリアが長期間力学的に安定であることが不可欠であるため、外力に対する緩衝材の力学的変形挙動を精度良く評価することが必要である。 本研究では、選択された2つの構成式(関口-太田モデル、足立-岡モデル)のために設定したパラメータの保守性を長期圧密試験の信頼性を含めて確認するとともに、安全評価上の懸念事項を定量的に評価した。また、外挿評価となる沈下予測に対して、検証の意味で極限値を把握することも重要と考えられることから、ベントナイト鉱床におけるナチュラルアナログ評価によるベントナイトの密度経年変化に基づく沈下量極限値評価もあわせて実施した。次に、海水系地下水環境においても降水系と同様な評価モデルにおいて緩衝材の長期挙動予測が可能かどうかを確認した。さらに、海水系地下水環境において実施予定の幌延深地層研究施設における具体的な原位置試験計画の立案に反映するため、底で実施する予定のオーバーパック腐食膨張影響に関して、幌延岩盤と緩衝材の連成評価を実施し、試験規模などを概略把握した。
栗原 雄二; 油井 三和; 棚井 憲治; 川上 進; 杉田 裕; 谷口 直樹; 平井 卓
JNC TN8400 2004-006, 59 Pages, 2004/04
第2次取りまとめに示された人工バリア設計技術を幌延の地質環境へ適用するため以下の検討を行った。1)処分場全体の設計手順の構築、2)人工バリア設計に必要な地質環境項目の抽出、3)地質環境項目を得るための地質調査・試験項目の整理、4)幌延の地質環境を条件とした空洞安定性評価
栗原 雄二; 油井 三和; 棚井 憲治; 川上 進; 杉田 裕; 谷口 直樹; 平井 卓
JNC TN8400 2004-002, 58 Pages, 2004/04
処分技術に関する現状の課題を抽出し,その課題を解決するための研究として,幌延における原位置試験が有効であると考えられる項目を抽出し,それぞれについてその概念を構築した。設定した原位置試験項目は、人工バリア試験(連成試験)、緩衝材/岩盤クリープ試験、ガス移行挙動試験、オーバーパック腐食試験、セメント影響試験、低アルカリ性コンクリート施工性確認試験、定置精度確認試験、坑道閉鎖試験である。
平井 卓; 棚井 憲治; 菊池 広人*; 重野 喜政*; 並河 努*; 高治 一彦*; 大沼 敏*
JNC TN8400 2003-034, 158 Pages, 2004/02
緩衝材に求められるオーバーパック支持性能や応力緩衝性能に関しては、「第2次取りまとめ」において、設定された仕様の人工バリアに対する安定性やオーバーパック作用応力の評価を行った。しかし、評価解析に用いられた長期挙動評価モデルは一般の粘性土における実績やパラメータ設定の容易さにより選定されており、膨張性のあるベントナイトを用いた緩衝材への適用性に関して十分な検討がなされていなかった。そこで、既存の評価モデルより緩衝材への適用性の高いモデルを再抽出するとともに、緩衝材の支持性能や応力緩衝性能に関する再評価をすることが必要と考えた。そこで、最初に一般の粘性土の力学挙動評価に対して実績のある既存の評価モデルを体系的に分類した後、適用性が高いモデル抽出した。次に緩衝材の室内要素試験結果を各モデルを用いてシミュレーション解析を実施し、抽出モデルの適用性検討とパラメータ選定を実施した。最後に、これらのモデルとパラメータを用いて、人工バリア中のオーバーパックの自重沈下とオーバーパックの腐食膨張の影響を解析により再評価した。その結果、抽出された関口-太田モデルと足立-岡モデルは、ほぼ同一の評価精度を有していることやモデルのパラメータは、圧密試験と三軸圧縮試験を同時に精度良く評価できるものを選定することが困難であり、人工バリア中の緩衝材の挙動を評価するためには、2種類のパラメータセットが必要なことなどが分かった。
平井 卓; 棚井 憲治; 菊池 広人*; 高治 一彦*; 大沼 敏*
JNC TN8400 2003-031, 48 Pages, 2004/02
緩衝材に求められるオーバーパック支持性能や応力緩衝性能に関しては、「第2次取りまとめ」において、設定された仕様の人工バリアに対する安定性やオーバーパック作用応力の評価を行っている。しかし、設定された仕様の安全裕度や設計根拠については必ずしも明確ではない。そこで、安全裕度や設計根拠を明確にするために、人工バリアにおける緩衝材中でオーバーパックが変形する場合の作用荷重と変形の関係や破壊に至るような極限荷重が存在するかなどについて、縮小模型試験と解析を用いた検討を実施した。検討の結果、オーバーパックの円筒軸方向の変形の増加に対して、作用荷重の増加は減少する傾向にあるものの、周辺の岩盤など剛性の高い境界による緩衝材の拘束効果により明確な極限荷重は現れず、変形が大きくなれば変形量と作用荷重の関係を関数で近似できることが明らかになった。
平井 卓; 棚井 憲治; 菊池 広人*; 鈴木 英明*; 高治 一彦*; 大沼 敏*
JNC TN8400 2003-009, 56 Pages, 2003/03
「第2次取りまとめ」におけるわが国の地層処分概念では,地震・活断層の影響等,地層処分システムに著しい影響を及ぼす可能性のある天然現象については,サイト選定によってその影響を避けることを基本としており,基本的には人工バリアは壊れないものと考えられている。しかし、派生的なC 級断層など発生する確率が極端に低く影響も小さいと考えられるものについては,現状では発生を完全に予測することが困難である。そこで,このような断層が人工バリアを直撃するといった場合に、人工バリアがどのような影響を受けるかについて現象を明らかにし、安全裕度の幅を明らかにすることを目的とし、縮小模型試験とそのシミュレーション解析,さらに実規模モデルに対する解析を実施した。その結果、断層の変位速度が10cm/sec 以下では断層が直撃しても緩衝材厚さの80%程度の断層変位までは、緩衝材の緩衝効果により腐食していないオーバーパックは健全であることが明らかになった。
齋藤 雄也; 棚井 憲治; 菊池 広人*; 平井 卓*; 西村 繭果*
no journal, ,
我が国の地層処分概念では、地震・活断層の影響等、地層処分システムに著しい影響を及ぼす可能性のある天然現象については、サイト選定によってその影響を避けることを基本としている。これに対し、万が一断層によるずれ変位が生じる場合を想定して、人工バリア性能の限界状態を把握することも重要であると考えられる。そのため、本研究では発生頻度,規模が小さいため事前調査で発見することが困難であるC級断層が人工バリアを直撃した場合を想定し、模型実験とシミュレーション解析を行い、人工バリアに及ぼす影響について検討してきた。本稿では、断層変位速度の影響を評価するため、速度を変えた実験を行い、実験データの拡充を図るとともに、シミュレーション解析の精度向上のための検討を行った。その結果、断層変位速度を100mm/secから1/10の10mm/secにした結果、緩衝材外周部で観測される土圧が10%程度減少することがわかった。また、数値解析においては、周辺岩盤の透水係数を適切に評価することが重要であることが明らかとなった。
平井 敬三*; 小松 雅史*; 赤間 亮夫*; 野口 享太郎*; 長倉 淳子*; 大橋 伸太*; 齋藤 哲*; 川崎 達郎*; 矢崎 健一*; 池田 重人*; et al.
no journal, ,
土壌から樹木への放射性セシウムの移行吸収とカリウム施肥による移行抑制効果の検討のため、福島県川内村のヒノキ新植地で長期モニタリング試験を開始した。福島第一原子力発電所事故当時はアカマツ・落葉広葉樹混交林で、第4次航空機モニタリング(2011年11月)による推定放射性物質沈着量は685k Bq m(Cs+Cs)である。2014年5月に8つの5050mプロットを設け、ヒノキ植栽後の8月にKとして100kg haのKClを施肥し、11月に苗木を採取した。8月の平均空間線量率(Sv h)は10cm高で1.18、1m高で0.94であった。土壌の平均Cs濃度(kBq kg)はリターで50.0、10-20cm深で0.1と下層へと低下した。またリターから20cm深までの存在量のうち58%がリター中に存在していた。11月に採取したヒノキ針葉の移行係数(土壌0-5cmに対する針葉のCs濃度[Bq Bq])は処理間に有意差はなかったが、土壌のCs濃度が8kBq kg以下では施肥区で小さい傾向にあった。
橋本 昌司*; 田中 拓*; 小松 雅史*; Gonze, M.-A.*; 坂下 渉*; 操上 広志; 仁科 一哉*; 太田 雅和; 大橋 伸太*; Calmon, P.*; et al.
no journal, ,
森林でのCs-137の過去から将来にわたる動態を評価するためにモデリングアプローチを適用した。構造,プロセス,パラメータ,数値アプローチの異なる6つのモデルがモデル相互比較に参加し、予測と不確実性について分析した。適切なキャリブレーション後のモデル相互比較により、フォールアウト後初期に対して、モデルは実測データを信頼ある範囲で再現することが確認された。一方、50年後の長期予測では大きな相違が示された。本モデル相互比較は、将来予測のためのモデルを改善するために、様々な森林タイプに対して10年オーダーのデータ、および総合的で長期のデータを用いた検証の繰り返しが重要であることを示した。