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酸素分子の並進エネルギーで誘起されるSi(001)表面酸化状態の放射光光電子分光法によるリアルタイム観察

Real time observation on oxidation states on Si(001) surfaces induced by translational energy of O$$_{2}$$ using synchrotron radiation photoemission spectroscopy

吉越 章隆 ; 寺岡 有殿

Yoshigoe, Akitaka; Teraoka, Yuden

超音速分子線技術を用いることにより酸素分子の並進エネルギーを制御した状態で、Si(001)-1$$times$$2表面の酸化状態(サブ・オキサイド)の時間変化を高分解能放射光を用いた光電子分光法によって初めてリアルタイムに観察した。実験は、SPring-8の軟X線ビームライン(BL23SU)に設置した表面反応分析装置(SUREAC2000)で行った。並進エネルギーの表面垂直成分が2.9eVの酸素分子線を室温でSi(001)-2$$times$$1表面に照射した時の分子線照射量によるSi-2p光電子スペクトルの変化を調べた。約40秒と極めて短時間で高分解能Si-2p光電子スペクトルが測定でき、各酸化状態に対応するサテライト・ピークが明瞭に観測された。分子線照射量が増加するにつれて各酸化状態が変化し、そのピーク位置は変化しないことが明らかとなった。光電子スペクトルから求めた酸化膜厚と各酸化状態の分子線照射に伴う変化から以下のことが明らかとなった。(1)分子線照射の初期段階(34.4L)においては、Si$$^{1+}$$,Si$$^{2+}$$及びSi$$^{3+}$$の急激な増加が観測されるものの、Si$$^{4+}$$は観測されない。そのときの酸化膜厚は、0.30nmであった。(2)Si$$^{4+}$$が徐々に増加し、最終的に0.57nmに相当する酸化膜厚まで緩やかに増加した。並進エネルギーを2.9eVとすることにより通常の酸素ガスの吸着と異なり、室温において0.57nmの酸化膜を形成できることがわかった。Si$$^{4+}$$の増加に対応して膜厚の緩やかな増加が観測された。(3)Si$$^{4+}$$が増加するにつれて、Si$$^{1+}$$,Si$$^{2+}$$及びSi$$^{3+}$$が減少するが、特にSi$$^{2+}$$が急激に減少した。この結果、Si$$^{4+}$$が主にSi$$^{2+}$$が変化したものと考えられる。

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