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隆起・沈降に関する研究(5)

A Study of uplifts and subidences (5)

高野 豊治*; 佐々木 穣*; 布施 圭介*; 斉藤 晃*; 佐藤 好一*

Takano, Toyoji*; Sasaki, Yutaka*; Fuse, Keisuke*; Saito, Akira*; Sato, Yoshikazu*

近年、大地震に由来する津波堆積物が世界各地で報告されるようになり、大地震の発生時期を推定する有力な方法となりつつある。海成完新統には津波堆積物が多数保存されている可能性が高く、大地震の再来間隔の解明や、それに伴う地殻変動の将来予測に重要な手がかりを与えると考えられる。本研究では大地震により離水した完新世海成段丘(沼段丘)が分布する千葉県館山市周辺で、大地震に由来する津波堆積物を海成完新統(沼層)に見い出し、地殻変動の解析を行った。その結果、以下のことが明らかとなった。(1)沼層には、急激な流水によって海岸や海底から削剥された堆積物が再堆積したと考えられる砂礫層がある。このような砂礫層を形成するようなイベントが、約8,000y.B.P.$$sim$$1,600y.B.P.の間に少なくとも36回認められる。(2)36回のイベントのうち6回(6,200$$sim$$6,100y.B.P.、6,100$$sim$$6,000y.B.P.、約4,500y.B.P.、4,300$$sim$$4,200y.B.P.、約3,050y.B.P.、約2,800y.B.P.)は、南関東に分布するの完新世海成段丘の離水時期と一致する。それゆえ、これら6層準の砂礫層は、海成段丘を離水させた地震に伴う津波堆積物と解釈される。それ以外の砂礫層も津波堆積物である可能性が高いが、対応する海成段丘から知られていないことから、津波以外のストームなどに由来する可能性がある。(3)連続的なデータから推定される地殻変動は、隆起と沈殿が交互に繰り返す"地震性地殻変動"を示す。その最大隆起速度は内房側で3.3$$sim$$4.4mm/y,外房側で5mm/yである。

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