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セラミックスの照射影響に関する基礎調査(その3)

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丸山 忠司*

Maruyama, Tadashi*

中性子照射した炭化ホウ素(B4C)の組織変化挙動を解明するため、加速器を用いて入射エネルギーと照射量等をパラメータとしたヘリウムイオン照射試験を実施した。この試験に用いた試料は、炭素還元法で作成したB4Cとマグネシウム還元法で作成したB4C焼結体である。ヘリウムイオンのエネルギーは15MEVおよび100KEVで、照射量は1X10の13乗$$sim$$2X10の17乗ION/CM2まで、照射温度は室から760$$^{circ}C$$の高温まで変化させた。照射後試料は透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて組織観察を行った。15MEVの高エネルギーヘリウムイオン照射したB4CのTEM観察結果では、中性子照射試料に見られるようなヘリウムバブルが観察されず、非晶質化した母相の中にFEを含む多数の微結晶の析出とHEバブルと思われるネットワーク構造が見られた。一方、100KEVの低エネルギーヘリウムイオン照射した試料では、照射促進微細結晶の析出が見られたが、高照射量まで母相が非晶質化せず結晶質のままであった。これは、非晶質化にはイオンとの核的相互作用(弾性散乱)より電子励起(非弾性散乱)の効果が重要であることを示唆するものと思われた。イオン照射した試料を1000$$^{circ}C$$以上の高温でアニールすると微結晶は消滅し、ヘリウムバブルと見られる組織がまばらに観察された。

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