広域地下水流動研究における試錐調査(その4)(DH-13号孔)
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広域地下水流動研究の一環として岐阜県瑞浪市日吉町にて、DH-13号孔(孔長1015.05m)を清水掘削した。掘削工事は、主としてワイヤーライン工法を用いた。調査試験は深部地質環境の把握を目的に、岩盤の地質学的,地球物理的,水理学的および地化学データ取得のために、以下の調査を実施した。1.岩芯の採取・記載・室内試験2.物理検層(一般検層,フローメータ検層)3.ボアホールテレビ計測4.水理試験(透水試験・揚水試験,シミュレーション解析)これらの調査を行った結果、以下のことが明らかになった。・本孔では、40.90mabh(meter along borehole)以浅では深第三紀の堆積岩が分布する。同以深では、主として中粒花崗岩である土岐花崗岩が分布する。同岩は、岩盤状況から、1つの堆積岩部,5つの割れ目帯または断層帯および3つの健岩部に区分される。92.50mabh
100.08mabhの断層は、緑泥石と白色粘土(絹雲母主体)で充填される。割れ目発達ゾーンでは、岩石に緑泥石化,粘土化および炭酸塩鉱物化が認められる。・物理検層では、低比抵抗帯,低速度帯および高間隙率帯の分布は、断裂帯の分布と良く対応している。フローメータ検層では孔底付近で流速変化が認められた。・92.50mabh
100.08mabhの断層は走向が北西
南東で東傾斜である。上盤側では、走向が北東
南西、南西傾斜の割れ目が卓越する。更に深部の割れ目の走向・傾斜に概して集中度が低いが、東西系で南傾斜の割れ目の集中がみられるようになる。・水理試験では計測した5点のうち、堆積岩上部の高角度の割れ目がある箇所で実施した1点では10-6m/sec程度、花崗岩上部の強風化帯で実施した1点で10-9m/sec程度の透水係数を示した。更に 下方の、花崗岩内で実施した3点では、いずれも10-6
10-7m/sec程度の比較的高い透水係数を示した。・掘削リターン水は、花崗岩中でK+が増加する傾向が認められた。水理試験中の揚水は、3区間ともHCO3-型が卓越する傾向がみられた。
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