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実規模ガラス固化体の浸出試験(2)

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園部 一志; 石黒 勝彦

Sonobe, Hitoshi; Ishiguro, Katsuhiko

クラックの存在量が既知の大型模擬ガラス固化体を用いて静的及び動的(回分式流水)条件下で浸出試験を実施した。試験試料には、キャニスタに充填された実規模模擬ガラス固化体(410mmxH1300mm)を厚さ約230mm程度に輪切り状に切断し、内在するクラック量を測定したものを用いた。浸出条件は、98度C、蒸留水系とし、静的条件では、共存物が無い場合と圧縮ベントナイトを共存させた系での実験を行った。また、動的条件では、共存物が無い状態で、毎日21.6lの浸出液(蒸留水)の交換を行う回分式流水条件下で行った。試験期間は、いずれも90日間とし、浸出後に浸出液、ガラス表面変質層の組成分析等を実施した。その結果、ベントナイトを共存させない系でのガラスサンプルからの主要成分の静的/動的条件における浸出挙動は、従来の小型試料の試験結果や浸出モデルでその傾向を説明できるものであった。ベントナイト共存系の浸出試験で、ベントナイト成分と重複しない溶出成分は、ホウ素のみが検出されたが、その濃度の時間的変化は、圧縮ベントナイト中のホウ素の拡散を考慮してほぼ説明できるものであった。また、内在するクラック表面の走査型電子顕微鏡観察及びニ次イオン質量分析装置による分析の結果、クラック表面の平均浸出速度は、いずれの浸出条件においても外表面部の浸出速度の約0.6%であった。また、既に前報で報告した実規模ガラス固化体の360日間の浸出試験結果と比較すると、クラック表面の変質層の厚みは同程度であり、90日以降の浸出速度はそれまでの平均浸出速度よりも更に小さいことが示唆された。3つの試験条件において、クラック部の表面変質層は、動的条件 静的条件 ベントナイト共存条件の順に厚く、クラック部の液交換が僅かながらもこの順に大きいことが推察された。観察されたクラック部での浸出抑制現象は、高S(ガラスの表面)/V(溶液の体積)環境におけるSi成分の溶解度による溶出制限効果によって定性的に説明することができた。

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