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培地溶解性因子を介した重粒子線照射バイスタンダー効果による染色体損傷

Bystander effect of heavy ion beam on chromosomal aberrations mediated by medium soluble factors

金杉 勇一*; 舟山 知夫; 和田 成一*; 坂下 哲哉; 小林 泰彦; 高倉 かほる*

Kanasugi, Yuichi*; Funayama, Tomoo; Wada, Seiichi*; Sakashita, Tetsuya; Kobayashi, Yasuhiko; Takakura, Kaoru*

バイスタンダー効果の経路として、細胞間ギャップジャンクションによるものと、ラジカル等の培地溶解性因子によるものが考えられる。本研究では、照射試料として細胞培養ディッシュ底面に接着した細胞(GM05389)を用い、原研高崎のイオン照射研究施設にて$$^{20}$$Ne(LET=430keV/$$mu$$m)を照射した。また、参照実験として30kVpの軟X線による照射実験も行った。照射後、照射試料中の細胞(ドナー細胞)をフレッシュな培地で培養した後、その培地のみをほかの照射を受けていない細胞(レシピエント細胞)のディッシュに移し換えて、そのまま培養を経た後、カリクリンAを用いた未熟染色体凝縮法による染色体損傷の解析を行った。染色体損傷の測定結果から、照射を受けていないレシピエント細胞においても染色体損傷が誘起されることが観察された。また、DNA切断修復にかかわるDNA-PKを阻害する薬剤を、ドナー細胞,レシピエント細胞にそれぞれに添加したところ、この薬剤がバイスタンダー効果の増幅をもたらすことが認められた。

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