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Sr$$_2$$RuO$$_4$$のスピン三重項超伝導における集団的スピン励起の多バンド理論

Multi-band theory of collective spin excitation in the spin-triplet superconductivity of Sr$$_2$$RuO$$_4$$

野村 拓司; 平島 大*

Nomura, Takuji; Hirashima, Dai*

酸化物超伝導体Sr$$_2$$RuO$$_4$$ではスピン三重項対状態が実現していると考えられている。スピン空間における回転自由度が超伝導状態においても完全には失われないことから、超伝導状態におけるスピンの集団励起モードの研究がなされてきた。これまでになされてきた研究では、現実的な多バンド構造を無視して1バンドの模型を用いている、ギャップ関数の関数形をはじめから仮定しているなどの単純化がなされていた。本研究では、現実的な多バンド構造を考慮し、微視的計算から求められた超伝導ギャップ関数を用いることでそれらの研究を拡張する。具体的にはスピン帯磁率への三重項対凝縮体の揺らぎの寄与を考慮し、ギャップ関数はクーロン相互作用に関する摂動計算で求めたものを用いる。結果としてスピン空間における回転対称性の破れに起因する長波長の集団的スピン励起のモードが面平行帯磁率に現れることを示す。なお、この励起モードの中性子散乱実験による観測可能性について議論する。

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