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$$gamma$$線による殺菌剤耐性昆虫病原糸状菌作出の可能性

Possibility of generation of the bactericide-resistant entomopathogenic fungus using $$gamma$$a-rays

西東 力*; 鳴海 一成; 杉山 恵太郎*; 田上 陽介*

Saito, Tsutomu*; Narumi, Issei; Sugiyama, Keitaro*; Tagami, Yosuke*

害虫防除に昆虫病原糸状菌を用いる場合、農作物に病気が発生しても殺菌剤を使用しにくくなる。このことは、昆虫病原糸状菌を利用するうえで大きな障害となっている。そこで、$$gamma$$線の照射による殺菌剤耐性変異体作出の可能性を検討した。供試菌として${it Paecilomyces fumosoroseus}$${it Beauveria bassiana}$を、殺菌剤として市販のトリフルミゾール剤を用いた。$$gamma$$線の照射は分生子に対して行った。照射線量は、分生子生存率の調査結果を踏まえ、100から1000Gyの5段階とした。照射前、分生子発芽に対する本剤の最少発育阻止濃度(MIC)は${it P. fumosoroseus}$で30ppm、${it B. bassiana}$で75ppmであったが、照射によって両菌ともMICを上回る変異体が幾つか得られた。変異体の病原性の詳細は未検討であるが、${it P. fumosoroseus}$変異体はシルバーリーフコナジラミ幼虫に感染した。以上の結果から、$$gamma$$線などの量子ビームの照射によって、昆虫病原糸状菌に殺菌剤耐性を付与できるものと考えられる。

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