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MOS構造素子のシングルイベント効果の解明

Clarification of single event effects in MOS structure devices

高橋 芳浩*; 府金 賢*; 今川 良*; 大脇 章弘*; 平尾 敏雄; 小野田 忍; 大島 武

Takahashi, Yoshihiro*; Fugane, Masaru*; Imagawa, Ryo*; Owaki, Akihiro*; Hirao, Toshio; Onoda, Shinobu; Oshima, Takeshi

半導体デバイスに高速荷電粒子が入射する際に半導体内で誘起されるキャリアが原因となりシングルイベント現象が発生する。酸化膜を介した重イオン照射誘起電流の発生機構は未だ不明な点が多く、その解明が重要である。本研究では、シリコン(Si)金属-酸化膜-半導体電界効果トランジスタMOSFETに対して重イオン照射試験を実施し、酸化膜を介した電流発生機構の検討を行った。試料はAlゲートp-, n-SiMOSFETを用い、エネルギー15MeVの酸素イオンマイクロビームを照射した。照射誘起電流測定の結果より、MOSFETにおける照射誘起電流は正・負の異なるピークを持つこと、さらに収集電荷量が照射後数十nsでほぼ0に収束されることが確認され、酸化膜を介した照射誘起電流は、変位電流が支配的であることを確認した。さらに、重イオン照射誘起ゲート電流のトータルドーズ効果についても評価を行った。その結果、過渡電流ピーク値が$$gamma$$線照射により変化すること、また、同一ピーク電流を得るためのゲート電圧のシフト量は、ミッドギャップ電圧のシフト量とほぼ等しいことが確認された。これより、$$gamma$$線照射による照射誘起電流の変化は、酸化膜中の固定正電荷密度の変化に起因するものであると帰結された。

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