ゼオライトによる溶融塩からの塩化物の収着回収

Recovery of FP chlorides in molten salt by zeolite sorption technique

天本 一平; 明珍 宗孝; 林 滋生*; 小笠原 正剛*; 加藤 純雄*; 中田 真一*

Amamoto, Ippei; Myochin, Munetaka; Hayashi, Shigeo*; Ogasawara, Masataka*; Kato, Sumio*; Nakata, Shinichi*

ゼオライトは吸着能,分子ふるい機能,触媒能などを有する機能性材料として、さまざまな分野で幅広く利用されている。本研究では、金属電解法を用いた乾式再処理工程から発生する廃塩(使用済電解質)中の核分裂生成物(FP)を、溶融状態下において媒質と分離できる、優れたFP収着特性を有するゼオライトの探索を行っている。今回の試験結果、これまで収着材として用いられているLTAとほぼ同等の収着能力を持つゼオライトは、プロトン型FAUであり、FP収着材として利用できる可能性があることがわかった。塩化物成分はゼオライトの空隙に、内部の電界を緩和するような形で収着されることが報告されており、Si/Al比が小さく、内部に大きな電界の生じうるLTA, FAU構造において、より多く収着されたものと予想される。また、収着後のゼオライトは結晶構造が崩壊していることから、収着されたFP成分の安定化に対する手段を構築する必要があると考えられる。

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